カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:PTSD

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(気まぐれにちみちゃんにプレゼントしたピンクッション)

◯ 公認心理師試験読む復習PTSD・記憶・統語論、意味論、語用論

◯ PTSD

PTSDについてもDSM-5になってから診断基準が変更されています。

死亡、重症、性暴力の危機に加え、近親者や親しい友人に起こったトラウマ体験を繰り返し伝聞することでもPTSD発症の原因にもなります。

また、職業上こうしたストレスに繰り返し暴露されることでもPTSDは起こりうるという項目も追加されています(例:警察、消防、災害救助員等)。

従来のPTSD診断は
・フラッシュバック(再体験・悪夢)
・解離(記憶が飛ぶ)
・回避
・覚醒亢進(過覚醒、刺激に過剰に敏感、不眠等)

でしたが、新たな項目として

否定的感情と認知

無謀な自己破壊的行動

が加わりました。

覚醒亢進の中に「肯定的未来を信じられない」ということも付け加えられています。

また、6歳以下については新たな診断基準を作成しました。

また、PTSDは映像だけでトラウマ場面を見たストレスは診断から外れます。(3.11の津波の映像を見ただけで気持ち悪くなった、ということはPTSDに当たりません。)

PTSDの診断基準にに「否定的信念」が加わったのは、認知行動療法、持続して刺激に曝露する持続エクスポージャー法が有効と認められていることが関係しています。

また、6歳以下の子どもの場合には遊びやお絵かきの中で何度も反復してトラウマティックプレイ(津波ごっこ、震災の風景ばかり絵を描いている)という非治療的な行為をすることによっても特徴づけられます。

PTSDの否定的信念に含まれるのは自己への無価値観、自分への価値下げ、トラウマ記憶の意味づけの変容(自分が性被害に遭ったのは黒い服を着てミニスカートだったから自分の責任だ)にも現れます。

自他に対する怒りの感情が強くトラウマと関係ない他者に対しても現出します。(出題済み)

◯ 記憶

・感覚記憶

一瞬見た光景、音などを数秒記憶する

聴覚はエコイックメモリー、視覚はアイコニックメモリーです。

・短期記憶

感覚記憶のうち、選択的な注意が働いて海馬に保存される一時的な記憶です。

注意が向かうため感覚記憶より記憶時間は数10秒程度と長くなります。

マジックナンバー7 ±2が短期記憶で覚えられる範囲の数字です。

単語を並べて最初の単語は覚えやすい初頭効果、最後の単語を覚えやすいのは新近効果、これを系列位置曲先と言います。

・ワーキングメモリ(作動記憶)

短期記憶と類縁の概念として使われることが多いです。

たとえばさきほどの7 ±2の数字チャンクをリハーサルして繰り返すと記憶の保持時間が長くなります。

短期記憶よりも主体的な記憶となります。

たとえば読む、計算する等の行為に作動記憶が必要になります。

トレーニングでワーキングメモリ能力は向上しやすいです。

・長期記憶

⑴ 宣言的記憶(顕在記憶、自伝的記憶、陳述記憶)

言葉で表現可能な記憶です。

したがって記憶しているかどうか再生させる再生法、覚えているかどうか刺激を呈示する再認法で確認可能です。

この宣言的記憶はさらにエピソード記憶と意味記憶に分かれます。

ア エピソード記憶

具体的な出来事の記憶(昨日の夕食は何を誰と食べたか)

・意味記憶

家族の名前、誕生日、単語の意味等

・手続き記憶(非宣言的記憶)

自転車、車の運転、ダンスなど体で覚えているもの

プライミング効果との関連があります。

プライミング効果

1.知覚的プライミング(直接プライミング)

「しんりがく」(プライマー)を読ませたあとに「し◯◯がく」(ターゲット)を提示すると当てはまる文字の正答率が高くなります。

2.意味的プライミング(間接的プライミング)

先行刺激「病院」が与えられると「医者」後続刺激が覚えやすくなります。

ストループ効果

「あか」

と青色で記載されていて「この色は何ですか?」と聞かれると回答に時間かかる現象です。

この場合「あか」という言葉の意味はなんですか?

と聞かれて答えが遅れるのを逆ストループ効果と言います。

◯ 統語論、意味論、語用論

・統語論

「私はラーメンが好き」

は名詞、助詞、名詞、助詞、形容動詞

の順序になっている文章です。

この法則がわかっていれば

「海は魚がきれいだ」

と並べても文章が作れます。

主語、目的語、述語と並ぶのが日本語のスタンダードな語順です。

・意味論

単語、形態素(意味のある単語の最小単位)、文章のそれぞれについて意味を考える言語理論。

「私はラーメンです」

は私=ラーメンは間違っているけれども意味としては通じる。

・語用論

聞き手はどうして話し手が話していることが理解できるのか?その語用について考える言語理論。

A「B君はラーメン好きだよね、僕も大好きなんだけど新しく美味しいラーメン屋ができたんだよ」

B「僕、美味しいラーメンがすごく好きなんだ。新しくできた店には必ず行くようにしているよ」

この会話は

ラーメン屋ができた

ラーメンが好き

という事実が語られていますが、実際にはラーメン屋に誘っているAさんにBさんが承諾しているわけです。

意味をはっきりと明示していない文章の中でも皮肉や比喩の意図を人は理解できます。

ある種の発達障害者は言葉を字義どおりに受け取るので理解が困難になります。

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◯ 大津レイモンド淡海保育園事件・マスコミが作り上げるPTSD

2019年5月8日、大津レイモンド淡海保育園の園児の列に車が突っ込んで2人の園児が死亡したという大変痛ましい事故が起きました。

この記者会見を僕も見てみたのですが、記者会見直前にうつむいていた若松ひろみ園長が、記者たちの質問責めに遭う度に泣き崩れていくのを見ました。

何回も僕が仕事で見てきた、惨事に遭った直後の被害者の急性ストレス障害ASDからPTSDに間違いなく移行していく人だと直感的に思いました。

心理的に強力な援助を必要としている人が追い詰められていく様子を見なければならなかったのは残念です。

そもそも論で行くと「記者会見は必要だったのか?」ということです。

そして30分近くの長時間の会見の中で「事実確認」という名の質問はどれも園児を失った、辛い被害者の立場にある保育園には強烈でネガティブなインパクトを与えるものでした。

信号待ちの隊列は歩道の外側にいたのか内側なのか(内側でした)、保育園では何歳児から外遊びの散歩をさせるようにしていたのか、「レイモンド保育園には園庭がなかったから外に散歩に行ったんですね?」とか、散歩のコースは何コースあったのか、手をつないでいたのか(つないでいました)かなり微に入り細に入り質問が続いていきました。

散歩の時間、コースについて聞くのはこういった急性期のストレスを受けている人にとっては罪悪感を煽る材料にしかなりません。

こういった路上の散歩をする際には何か用意しなければならないものがあったのではないか(何を?2歳児の散歩にヘルメット着用をさせるとでも?)この散歩ルートは危険で昔交通事故が発生したこともあった。交通量が多い道路という指摘も記者からありました。

そもそも事故が起きたことが全くない道路は存在しないわけですし、また、ここではきちんと理事長が、この道路は渋滞がいつも起きているので車の流れがゆっくりでむしろ安全だとも答えています。

若松ひろみ園長が泣き崩れているにもかかわらず記者会見は続き、理事長、副理事長が園長の精神状態を心配して記者会見にストップをかけようとしても記者の質問は止まることなく、次々と質問のための挙手が続いていました。

若松園長としては「そもそもレイモンド保育園には園庭がなかったのが悪かったんだ」と自分の責任ではないことまで自責の念にとらわれるでしょう。

「その日のその時間にその散歩コースになったから私が悪かった」「2歳児を散歩させてよかったのか?引率の人員は足りていたのか?」(引率の大人3人とも入院中、高速の鉄の塊が突っ込んできたら大人だろうが子どもだろうが無事でいられるはずはありません)など全てを振り返って自分を責めるでしょう。

PTSDの被害者のことを考えてみます。

例えば集団加害者から性的暴行を受けた被害者は「夏だからといって薄着をしていた、ミニスカートをはいていたのが悪かった、お化粧がいつもより濃いのが悪かった」「もっと明るい道を選んでいて、途中でいつも入るコンビニに入らないから悪かった」などと自分を責め抜きます。

警察や検察の取り調べ、そして裁判になると被告人の弁護士から、ひどい質問が次々と浴びせかけられます。

「それじゃ、その時車道側を歩いていたのは誰かから声をかけて欲しいと思ってナンパ待ちをしていたのでは?」「車に手を引かれて乗ったのは、別に被告人も無理やり力ずくでなかったと言ってますよ?あなたが自分の意志で乗ったんでしょ?降りる機会は信号待ちもあったんだからいくらでもあったでしょ?」

など、被害者の自由意志だったのではないかと事実を捻じ曲げて論駁しようとします。

この記者会見もまた同じで、被害者を追及して悪者探しをしなければ気が済まないというマスコミ体質を示しています。

若松園長だけでなく、子どもの遺族、傷害を受け目撃した園児たちや保育士さんたち、その全ての人々が心理的な援助を必要とする人たちです。

アメリカ精神医学会の診断基準DSM-5ではこの人たちは全てPTSDに罹患するハイリスク者です。

レイモンド保育園が悪かったからこの事故が起こったとは思えません。

若松園長だけでなく、理事長、副理事長は記者会見で気丈にしていましたが、マスコミに翻弄されてPTSDを発症する可能性もあるわけです。

実際、事故などで亡くなった労災遺族に対応して怒鳴り散らされた担当者がPTSDを発症した例も多いです。

PTSDの診断基準からは除外されているのですが、3.11の際テレビは何度も何度も津波が家々や全てを押し流す映像を繰り返し放映していました。

僕のクライエントさんは「見ているうちに気持ち悪くなって」と言う人々が多かったので僕は「それじゃ、もう見るのをやめてくださいね」と言っていました。

マスコミが人の心をえぐるのは簡単なことです。

精神科医や心理職が性被害者の治療を一生かけてやる間に小児を対象にする加害者たちは1人当たり数百人以上の犠牲者を出しています。

マスコミもこれまでに数えきれないほどのPTSD被害者を出しているでしょう。

「報道の自由」「知る権利」という言葉を濫用して人間の心という最も大切な事柄をないがしろにすることは決して許されることではありません。

心理カウンセラーがこのあと派遣される予定ですが、マスコミが荒らした人間の心という跡地をその前の状態に戻していこうという作業だけでも大変だろうと大変残念に思うのです。

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カウンセラーさんたすけて

(かなちゃん)

わたしはまだ5さいなの

5さいだからむずかしいことはわからない

このまえおかあさんがあたらしいおとうさんとけっこんしたの

やさしいおとうさんで、かながねていると、おふとんにはいってきてだっこされて、ぐにゃぐにゃでやわらかい・・・いやー!!!

(まさよさん36歳登場)

かなちゃん、怖がらなくていいのよ、かなちゃんがいるこの白い部屋のドアを開けて、私がぎゅっとかなちゃんを抱っこしてあげる。

だから安心して。

かなちゃんは何も悪くないのよ。

悪いのはかなちゃんがお父さんって呼んでいたおじさん、おじさんはもうどこか遠くに遠くの離れたところにいっちゃったからね。

(しょうた14歳登場)

おい、勝手なことばかりお前ら言いやがって、俺の出番を増やせよ!

お前がかなっていうのか、ガキだからっていつまでも泣いてるんじゃねえよ、もっとしゃんとしろ!!

(かな)

こわい、しょうたさんあっちいってよ(泣く)

(しょうた)

やだね、俺は俺の好きなように暴れるね

(まさよさん)

大丈夫、かなちゃん抱っこしててあげるから、しょうたくんももう18歳なんだから、もうちょっとかなちゃんのこと可愛がってあげてね。

(しょうた)

俺の出番をガキに奪われるのはやだっていってるんだろ!

(はつみ18歳)

しょうた、あんた子どもイジメて楽しいわけ?

あんたの方がガキじゃん、かなちゃんは辛い思いしてきたんだよ、もうちょっと子どもには優しくしなよ。

(しょうた)

何だよ、辛い思いって。

(はつみ)

あんたには関係ないよ。

わかったらドアの向こうに帰りなよ。

(しょうた)

面白くねえな。

わかったよ。

ここにいてもつまんねえな。

あっちでゲームやって時間潰すか。

ゾンビ倒すの面白いんだぜ?

(はつみ)

いいからあっちいきな、私も帰るよ。

(まさよさん)

かなちゃん待っててね、また戻ってくるからね、ほら、これね、クマさんのぬいぐるみ。

ぎゅっとしてると安心するの。

いい子だから待っててね。

(かなちゃん)

うん、わたしもむこうであそんでる

(かすみ20歳登場)

ずっと見てたけど、かなちゃん辛そうだね。

(まさし23歳登場)

そうだな、お前、覚えてるの?

俺、何があったか知ってるぜ。

(かすみ)

私は知らないよ、私大学生だから勉強もサークルも忙しいからさ。

私、今主人格なんだってさ。

12歳ごろからずっと。

(ゆめ20歳、元々の主人格)

かすみちゃんありがとうね。

私いつも疲れてるから休んでるの。

だから私の代わりに大学の勉強頑張ってね。

(かすみ)

うん、任せておきなよ。

ゆめは疲れてるから休んでなよ。

(まさし、ゆめ、かすみ退場)

(しょうた登場)

ゲーム何回もやってたからつまんねえな。

(はつみ登場)

あんたもかなちゃんいじめるのやめなよ、大人げない、あんた何歳なんだよ。

(しょうた)

どうだっていいじゃねえか

(カウンセラー)

どうなのかな、深く深く眠っているとみんなが話し合いしやすいね。

しょうたくんは元気だからいろいろ言いたい年ごろだね、まさよさんを呼んでみようか。

(かすみにポンとひざを叩かせる)

(まさよ登場)

(カウンセラー)

まさよさん、しょうたくんと話し合ってくれるかな?

(まさよさん)

しょうたくん、実はね、あなたがあつも暴れたり、かなちゃんをいじめるからみんな困っているの。

なんとかならないかしら?

(カウンセラー)

しょうたくんはまだ14歳だから、もう少し、もう少し大人になったら変われるかな?

しょうたくん、しばらく深呼吸しながら深呼吸だけに注意していてくれるかな?僕の言うことは何も聞かないでいいよ。

しょうたくんは立派で男らしいね、だんだん大人になっていくよ。

(しょうた)

先生、俺、さっきまで14歳だったけど、今16歳、18歳なんですよ。

確かに小さな女の子いじめるのはカッコ悪いですよね。

どこか旅に出ようかな?って。

俺はもう役割終わったみたいな気がしてるんですよ。

(カウンセラー)

しょうたさん、ありがとう、これからどうするかはよく考えてみてね。

かすみさん、出てきてくれるかな?

(かすみ)

いつも大変だけどみんなと仲良くしていますね。

これからもよろしくお願いしますね。

(かすみ)

はい、私が頑張らないと支えられないから。

(カウンセラー)

かすみさん、無理しないでくださいね。

まさよさんもいつもかなちゃんの面倒見てくれてありがとうございます。

これからもよろしくお願いしますね。

まさしさん出てきてくれませんか?

(まさし)

うん

(カウンセラー)

まさしさんはよくみんなのことを観察してくれていますね、いろいろと自分で判断しているんですね。

(まさし)

はい

(カウンセラー)

これからもよろしくお願いしますね。

まさしさんは観察するのがすごく上手だから感心していますよ。

それじゃあかすみさんに戻って、あとはみなさんドアの向こうに帰りましょうか。

※ あくまでこれは例示で、こんなに簡単に心理療法は進みませんし、人格の成長や再統合には時間がかかります。

トラウマに触発された多重人格障害は、基本的に人格の数だけ面接をしていきます。

20の人格があれば20人分のカウンセリングをします。

しかし相当注意してやらないといけません。

人格の無理な統合は絶対厳禁です。

催眠下、EMDRや自我状態療法でこういった面接は行われていて、うまく行くと人格交代訓練も可能になります。

ただし、刺激に弱い段階でこういった療法をするとかなり大きな危険もあります。

心理職はセラピストです。

チャレンジャーではないのです。

PTSDのことばかり書いていますが、クライエントさんが抱えている恐怖はどの疾患でも重大なものです。

強迫性障害、自己臭妄想など枚挙にいとまがありませんが、どれも死に至りかねない病です。

特に新しく公認心理師になる方、そして既存の心理職の方にも知っておいて欲しいと思うのです。

自分のできること、最善のことをしつつ、手に負えないクライエントさんはその道の専門家に紹介できるだけの社会資源を持ち、できないことを自分でやらない勇気を持つことは大切なことです。

僕自身自分でカウンセリングをするよりも専門機関にクライエントさんを紹介し、うまく軌道に乗ってくれたらいいなと思いつつ手放すことは多々あり、自戒の念を込めて本稿を記しました。

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前回の続きでPTSDについての書いたのですけれども、今回はPTSD CPTSD概念の本来の源流及び精神分析、そしてそれから自由連想法的に公認心理師制度の雑感について触れます。

1.精神分析

精神分析学創始者のジグムント・フロイトはブロイアーのヒステリー研究を礎として共同研究を行い、精神分析学を構築しました。

ブロイアー医師の患者だったアンナ・Oことベルタパッペンハイム当時21歳は、ブロイアーと結婚した、子どもを生んだとまことしやかに流布されているが、後世の研究者はそれを否定しています。

19世紀ウィーンは厳格な道徳的戒律によって統制されていた都市で、遊郭は認められていませんでした。

だからこそ親子、伯父や叔父姪での近親相姦が頻繁に、男の欲求によって行われていたと言われていますが、そうだとしたら犠牲者となった若い女性たちはPTSD CPTSD 症状を起こしていたのは間違いないでしょう。

当時のウィーンの若い女性がヒステリーと呼ばれる突然の解離発作を起こして次々に倒れたのは了解できます。

PTSD CPTSD が原因と思われる解離症状は昔から存在していました。

日本文化では狐憑きと呼ばれる宗教性憑依妄想症候群、文化依存症候群の中で片付けられてしまったのではないでしょうか。

中南米エクソシスト、中国の悪魔祓いも同様でしょう。

文化の名の下にPTSD CPTSD 、及び統合失調症的な短期精神病に対する熾烈な差別的虐待が起こりはしまいかという危惧をDSM-Ⅲケースブックを読みながらしていました。

文明文化の進展はスピリチュアルの放逐という科学万能神話の流布を引き起こしました。

そしてこれらの疾患の存在を患者の責に帰することによって性的加害者の隠匿につながっていった可能性すらあるということを指摘するにとどめておきます。

さて、フロイトは著作の中で40代にして既に自分は年齢的に性的な行為に関心を持たなくなったと記述していました。

また、男根期を迎えてペニスに対する羨望を持つようになった女性がやがてその影響でフェラチオを行うことになっただろうと推測し、それについて、まことにけしからんと評していました。

フロイトこそが小児性欲、女性の性欲のみでなく、人類の性欲全てを抑圧していたのではないかと訝しみます。

精神分析が人間の精神そのものに切り込んで仮説を立てて行ったその功績は大きなものです。

しかしその裏で男性視線からのみの精神構造理論が構築されたとも思えます。

こういった傾向は後世になって女性精神分析家、ヘレーネ・ドイッチェらが修正を試みていたし、さらに後世、ウィニコットの児童に対する精神分析は現在でも遊戯療法の礎となっています。

フロイトは禁欲原則という、現在で言えば公認心理師倫理における多重関係の禁止という、クライエントとの性的な個人的な関係を禁止していました。

精神療法の創始とともにそうした弊害に気づいていたのは慧眼です。

しかしフロイト自身は娘アンナ・フロイトの教育分析を行っていました。

また、気ままに精神分析家とクライエントの結婚を勧めていたのは創始者ならではの自らを神格化してしまった特権なのでしょうか。

繰り返しますが、精神分析そのものが悪いわけではなく、黎明期の混乱はあり、その後幾度となく修正が加えられた結果としての現在があるのでしょう。

2.公認心理師の倫理

日本で臨床心理士制度成立以前の心理カウンセラー倫理は緩やかだったが、クライエントのためには必要な個人的つながりがありました。

クライエントから夜中に自宅に電話がかかって来てそれに対応した心理カウンセラーは多々いたでしょう。

公認心理師は今後多重関係禁止と、危機介入としての自殺予防とどちらを優先すべきか迷う場面が出てくるでしょう。

心理カウンセラーがクライエントの秘密保持義務に固執したことで殺人事件が発生したタラソフ判決は有名ですが、安全配慮義務と倫理、守秘義務の拮抗は心理を扱う職種の宿命と言えるでしょう。

境界性人格障害に特化して始まった弁証法的行動療法DBTは今や他疾患への適用も次々と行われています。

DBT創始者リネハン自身、リストカット痕だらけ、70代現在も度々自殺衝動にとらわれているといいます。

だからこそクライエントの自殺防止に対処するために夜中でも電話を受け付けている心理療法のでしょう。

ある精神医学者が話していたのが、希死念慮が強いクライエントを持った治療者はクライエントに電話番号を教えるべきか教えないべきかという命題だった。

患者は死にましたという報告の電話を夜中に受けるのがいいか、これから死にますという電話を受けるのがいいか?

教科書的には連携によって他職種とも情報共有を行って自殺を食い止めるというのが模範的回答でしょう。

bio social psyco、生物学的、社会的、心理的複合的視点は確かに大切だが、今後それらの連携でどのように自殺防止を実施していくかは大きな課題でしょう。

公認心理師法を厳密に守ろうとして法にない事項まで遵守を強要するような相互監視態勢はまずいと思います。

多くの心理カウンセラーはさまざまな技法を用い、医師のいない1人職場でカウンセリングを行っています。

全ての技法、心理検査について医師の指示を仰がなければならないという行き過ぎた強迫観念は公認心理師の職責として期待されていないと思いたいものです。


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フラッシュバックもPTSDの主症状で、何もしていない日中に外傷記憶が想起され侵入してきます。

悪夢でうなされることもしばしばで、休むこともできません。

解離が激しく起こるこの疾患では、人格が分裂する多重人格になることも多く、20ぐらいの人格が交代して出現し、人格分裂によってトラウマ記憶を分散させて自殺を免れているようです。

ただし、攻撃的人格や自殺に向かう人格が出現することもあるし、元々の主人格から第2人格への交替が何年も続くことがあります。

EMDRや催眠を併用されます。

仁木医師が入院病棟を作ってこの治療に当たっています。


多重人格の治療目的は全ての人格の統合ではありません。

もしトラウマ記憶を統一してしまったらその患者は死んでしまうかもしれないのです。

余分な人格は統合、それぞれの人格が助け合って生きていくことが治療目標になります。

子どものPTSD研究の権威である杉山登志郎先生は、4セットの簡易EMDRでも徐反応という、発作様のトラウマ想起、暴れるといった症状が再燃するといった研究を発表しています。

僕もPTSDのカウンセリングに当たっていると、泣きながら頭を床や壁に打ち付けながら転げ回るような激しい徐反応に接することがあります。

ただし、徐反応は全て出し切ることが大切で、中途半端にストップすると自殺念慮が出現しかねません。

徐反応が終わったあとの患者さんはけろっとしていて、あれ?と言うが、カタルシス効果のせいか晴れ晴れとしています。

PTSDの人は感情コントロールが難しくなっていて怒りの発作が出やすいが、徐反応を通じて解消することができます。

PTSDの中でもCPTSDと言われている複雑性慢性型PTSDはかなり治療困難で、年単位、それこそ10年以上の治療を覚悟しないとならないことがあります。

CPTSDは幼少期から長年の虐待や犯罪被害で起こります。

虐待によるCPTSDの生育史は悲惨なもので、性的虐待、暴力による制裁、経済的肉体的搾取が何十年も続いた症例もあります。

アメリカのように専門機関が確立していたらもっと日本も救われるのになと思います。

対人関係療法(IPT)はシンプルPTSDには効くかもしれません。

病人は休まなければならないという病者の役割をPTSD患者に付与して、恐怖が汎化してしまい、対人過敏状態になって何もかもに怒りをぶつけることを周囲が理解して対応します。

理屈は簡単ですが、CPTSDにはIPT全16回のセッションは少な過ぎると思います。

EMDRと併用されている自我状態療法はかなりの有効性を認められています。

自己と自己の対話です。

また、身体イメージに注目するソマティック ・エクスペリエンスはPTSDという病が身体へのフラッシュバックも引き起こし、激しい痛みを伴うこともあるので、やはり有効でしょう。

禅やヨガ、瞑想といった療法も価値を認めることができます。

こう書いているとPTSDの治療法は百花繚乱のように思われるかもしれませんが、PTSD症状の多彩さに比してあまりに打つ手が少ないのが現状で、患者数に比べて専門治療機関はあまりにも少ないです。

PTSDはあらゆる他の疾患や障害との誤診の可能性が高いのです。

もちろんPTSDの元となる刺激体験でレジリエンス(打たれ強さ)が弱体化しているので、他の疾病や障害を併発していることも多いでしょう。

あまりにも信じがたい虐待経験を妄想と片付けて、家庭に戻そうとする藪医者や藪臨床心理士に引っかかったら自殺の危険性さえあります。

過覚醒は双極性障害の躁状態で不眠になっているのかと誤診されます。

損なわれたコミュニケーション能力は発達障害と誤解されます。

致死的な思考と激しい情動の揺れ動きは境界性人格障害という誤診もあります。

PTSD患者の抱えている感情は悲壮で、その辛さを思うだに同情を禁じ得ないのが通常の医療者です。

共感ができない治療者は失格だと思います。

PTSD治療で注意しておかなければならないのはその外傷の二次受傷があり得るということです。

トラウマ記憶の話を読む、聞くことが治療者を傷つけ、一説ではPTSD治療専門家は5年間が平均バーンアウト(燃え尽き)期間と言われています。

東日本大震災のとき、テレビが津波の映像を繰り返し流していて、気持ち悪くなった人も多いでしょう。

あれも二次受傷です。

根掘り葉掘りトラウマ記憶を話したくもないのに聞き出そうとするのは危険です。

ただ、患者さんが話したくなったとき、そばに寄り添ってくれる人がいるということはどれほど心強いかとも思うのです。

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