教員・看護師・栄養士Gルート組織内審査落ちを避ける
1.はじめに
さて、6月25日消印有効で公認心理師試験願書締め切りなのですが、学校や病院は願書さえ出せばスルーで日本心理研修センターもGルート受験資格を与えると以前電話照会した時に話していました。
ただし、それは勤務先内部で上長が職印を押してくれた場合に限ります。「君、公認心理師ってナニ?この資格取ってなんかうちの職場に役に立つの?」と言われる、言われて受験を諦めている人もいるかもしれません。
実際心理職として専業で働いている僕も言われました。とてもどこからかお金が出るような雰囲気はなかったのです。
2.説得
「公認心理師法」や「受験の手引き」のような分厚いものを上長に出しても読みません。読んでくれません。僕の場合は公認「心理」師という言葉があったので上長もなんとなく職印を押してくれたのですが「何の役に立つの?」「何のために取るの?」という質問はされそうです。実際、相談業務に当たっているのは教育現場だと養護教諭は常に児童生徒の心身の相談に乗っているわけですし、特別支援学校の教員も知的・発達に障害があったり、不登校の子どもや保護者の相談にも日常的に乗っているわけです。
なので「心理的支援行為」に近いとは思うのですが、「この資格は大変難しい資格で、勉強する過程で心理学的専門性を身に付けて職場に還元したい」「少年法も学び、少年事件があった際のアドバイザーになりたい」「虐待児童に対して法的な知識を持って十分に関与したい」という「プロセス」は言えるのですが「じゃ、その公認なんちゃらを取ったらその権限が付与されるの?」と厳しい目で見られたらどの職場でも資格の持つ「権限」と「結果」を求められるのではないでしょうか。
そこはプロセス + a で押していくしかないわけで「学校教育にかかわる法律をもう一回学び直したいし、もし非行少年が出て来た場合には家裁との連絡調整は私がやります。児童相談所とも折衝します」(結果)「看護にカウンセリング的な視点を取り入れて患者さんや家族がいきり立って病院に誤解をしないよう、私が調整します」(結果)という、自分がなぜこの資格を取りたいのか、という動機でなく、組織に対してその資格を取得したという結果を還元することが求められているわけです。
「権限」はありません。ちなみに余談ですが、名称独占だから許されるからといって「公認心理師」を安易に心理職がいる職場で名乗ることは危険です。心理院卒程度の試験ですけれども「統計ができない」「基礎心理はできない」「事例で惑わされた」「忙しくてロールシャッハばかりやっていた」心理職は公認心理師に不合格だったかもしれません。
「なんのために受験するか」ということを問われた時に「うちにはスクールカウンセラーが来ているじゃない」「心理の専門家がいるじゃない」「君は発達障害の子たちにも手を動かしたり、精神的な作業の支援も十分できているじゃないか」(作業療法士)も受験する理由が弱くなってしまいます。
「心理の○さんと心理の知識を生かしてスムースに利用者さん(患者さん)のために心理学的な話をまじえて患者さんの支援計画を立てられるようにしたいからです(結果)と、結果を常に求められる、それは十分に理由になると思うのですがいかがでしょうか。
3.理由
福祉士を始めとして、またすでに公務員になっている人たちも同じです。こういう時に頼りになるのは「いい加減な上長」です。「はいよ」と職印を押してくれれば何の問題もありません。組織は合理的な理由と役立つ結果を常に求めています。+αです。
例えば営業職ならば
「この研修に出ると営業力が半端なく身につくと○さんも△さんも言っていて、実際2人とも売り上げが1.5倍に増えました。なので私も研修に出て自動車を2倍売りたいと思います」
↑ これには理由・結果・意気込みの3つがそろっています。
どの組織もこの3つが揃っていないと難しい場合があります。下記に他職種が職印をスムーズに押してもらえるためのヒントを書いておきます。
・幼稚園・保育園の先生
「乳児・児童心理をより深く理解して園の運営がうまく行くようにしたいです。子どもが好ましいと思える物のの見え方についても勉強します。学習のさせ方が上手になれます。また、子育てに困っている保護者の相談にも乗れます。保護者は最近よく勉強しています『公認心理師」からこの資格を知っている保護者も多いと思います。この資格を武器に保護者の相談は一手に任せてください」(すごく忙しくなりそう)
・栄養士
生活習慣病の予防や、現在メタボの人たちは問題意識が少なくてなかなか生活習慣を変えようとしないです。個別に栄養指導を行って(そんな時間あるのか?)動機付けがない人に動機付けを持たせるような面談方法を学び、磨いていきたいと思います。もし職場(病院)の喫煙率や生活習慣病率が改善し、数値に現れれば心理学を生かした指導ができるでしょう。
3 おわりに
さて、どうでしょうか。書類提出期限が迫っていて、それでもなかなか頭の固い上長が職印をくれない場合、意気込みがあって理由がはっきりとしていて、予想される組織への貢献という結果が見えてくれば大きな説得材料になると思えるのです。
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_
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