ひなたあきらの公認心理師でポン!

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:Gルート

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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
別れは世の常であり、命の有限さは自然の理。先日他界した祖母への別れを告げる式の最中、わたしの中を流れる祖母の血が新たに脈打つ感覚を覚えた。喪失は、決して悲しみの海だけでなく、芽生えの空の広がりでもあることを教わった気がする。おばあちゃんありがとう。そして、これからもよろしくね。

◯ 公認心理師が各領域に進出していく可能性

公認心理師の会も日本公認心理師協会も公認心理師の上級資格創設を虎視眈眈と狙っているわけですが、例えばその中には司法も入っています。司法分野の公認心理師と言えば家庭裁判所調査官、国家総合職人間科学分野公務員が挙げられるわけで、最高裁家庭局、法務省矯正局も職員の採用やキャリアパスに関して公認心理師資格の有無は関係ないと述べています。

この司法領域にどう食い込んでいくか?厚生労働省は公認心理師課程大学学部卒業後の認定施設として少年鑑別所及び刑事施設、裁判所職員総合研究所及び家庭裁判所を認めています。将来的になんらかのつながりができたとしても不思議ではないなと思います。

従来司法分野の心理職は伝統的に加害者臨床や家族臨床の担い手で、そこから大学教員になった人たちも多いわけです。ふと思ったのは公認心理師制度を推進する人たちは公認心理師法施行規則(文部科学省令・厚生労働省令で定める施設)第五条に多くの公認心理師を送り込もうとしているのではないかということです。

教員採用試験公認心理師資格所持者加点についてはすでに大阪府、浜松市、相模原市等が導入しています。つまり公認心理師資格所持者は教員になろうとすれば、有利ということになります。

生活保護法に規定する困窮者のための救護施設又は更生施設は精神障害者もいて、心理職の活躍の場となりそうです。

社会福祉協議会(ざっくりと言って福祉、心理、法律に関する地域の相談センターですでに臨床心理士相談員がいます。)もあります。

児童相談所における児童心理司任用資格が公認心理師ということはかなり早期に発表されていました。

さまざまな施設が実務経験者Gルート受験者の働く場所で認められているわけで、心理相談専門というわけではなくても福祉関係や公的相談施設、障害者施設は多く認定施設になっています。あちこちに公認心理師が誕生していれば、学生がこれから実習を受けて公認心理師になり就職をしていく可能性がある施設ということになります。

入国者収容所は現在も臨床心理士が働いています。不法入国者が強制退去になるまで心情的に不安定になるのでそういった外国人に対してのカウンセリングを日本語や諸外国語で行うのでしょうが、かなり必要性は高い仕事でしょう。

保護観察所は従来社会学専攻者の牙城だったのですが、ここにも公認心理師が現任者として働くことになります。

更生保護施設は出所した保護観察中の受刑者がそこから社会に巣立っていくのを支援するという、僕も出張で行ったことがありますが実にハードな施設です。出所したけれどもなかなか仕事はない。塀の外に出たら自由と不自由の境界にあってそこからまた再犯をする人もいる塀のない施設です。

無資格でも更生保護施設で働けますが、臨床心理士や精神保健福祉士、そしてこれからは公認心理師も優遇されて採用されることになっていくでしょう。

児童、老人に関する福祉施設もほぼほぼ網羅されています。

地域包括支援センターの業務は心理を勉強していた人には馴染みがないと思いますが、社会福祉士、ケアマネ、保健師などが協働して働いています。

かなりなんでも相談に乗ってくれる機関で「要介護度が高そうな重病人が退院したけど要介護度の認定はどうなんだろう」「どういった支援が受けられるのか」という際にも利用できます。

さて、なぜ僕が今さら感がある「当たり前でしょ?」というようなこの記事を書いているかというと、Gルート合格者の人から最近、他職種から合格して、専門の心理職としてキャリアチェンジして心理現場で働きたい、という声を聞くことが多くなってきたなあという理由からです。

あまり具体的な職種を挙げると失礼になってしまいそうですが、福祉関係だとかなり肉体的にも精神的にもハードな仕事が多く、相談業務の心理職に就きたいというのはわかります。

また、通常の学部生や院生のように心理の仕事をやってみたいという憧れ感があるのかもしれません。

その希望は心理職としてのキャリアを積んでいないと難しいです。ただしチャンスはあります。やりたい仕事は心理だから、条件にこだわらない、僻地でもいい、ハードな仕事で当直を辞さない、となるとハードルはずいぶん下がるような気がします。

また、なぜこんなことをつらつらと書いているかというと、心理の仕事がしたいと思っている他職種公認心理師の人は、今働いている現場が実は心理職の仕事そのものだと厚生労働省が見ている可能性が高いからです。

病院でカウンセリングをするというのが心理職の王道のように思われるのですが、公認心理師制度が行き渡り、多くの現場に公認心理師が入っていけばその現場の雰囲気そのものが変わる可能性があります。

新卒公認心理師が5領域を十分に学んで入職すればその現場が心理職の働くスタンダードな場所となる可能性も大きいかもしれないということです。

あまり焦ってキャリアチェンジをしようとしなくても現場の雰囲気がだんだん相談を重視、心理学的所見を重視する可能性があると思うのです。

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photo&lyric by 𝚜 𝚘 𝚛 𝚊 ໒꒱⋆゚ (@Skyblue_sky_)
昨日まで心踊らせていたものが、急につまらなく感じる。そんな日は誰だってあるよね。これって、心が生きていることの証拠で、命あるものは流転する様に、四季の移り変わりと同じこと。だから無理に抗わず、空でも眺めてボーッとすればいい。そのうち、何もせずにはいられない心が目醒めるはずだから。

橋口動画「【公認心理師話】Gルート合格率41.8%の謎」への反論

1.序
橋口誠志郎(公認心理師・20浪・東大院生)さんの動画を見ていると「なんて回りくどい話し方をする人なんだろう。ちゃんと論旨を明確にしてから話せばいいのに」と思っていたのが見慣れているうちに馴染んでしまい、しかも「面白い」と感じてしまうようになってしまいました。

「心理bloggerとしてこのままではいけない」と思ってこの記事を書いています。彼は紫のカツラをかぶったり奇をてらうエンターティナー、youtuberを狙っているのでしょうか。持ち前の気の弱さを克服して受験生のためになろうとしているのかもしれせん。しかし僕とは方向性、ちょっと前で言えば「音楽性の違い」で解散したバンドのようです。しかも僕は橋口さんと一緒にバンドをやったことはないのです。

2.「やる気スイッチ」について

・Gルートは「やる気スイッチ」が入らないことが多いという理論を橋口さんは展開しています。

⑴ 本人のせい
これはかなり厳しい見方をしていると思います。Gルートは他職種、福祉職や看護師ということで、公認心理師試験に合格しなくても構わない。だから公認心理師試験への「やる気スイッチが入らないのだろう」という理由です。

ある意味当たっているかもしれませんが、これは僕からの反論があります。どのような評価をするかはさまざまですが、第1回試験(北海道追試を含む)→第2回試験と難易度は上がったのではないかと思います。

そして第1回試験で惜しくも合格を逃した人が再チャレンジした場合も考えられます。再チャレンジはどうしても合格率は低くなります。難易度が高くなり、しかも合格率が低くなってしまうのを「本人のせい」と言い切ってしまうのはかなり厳しいのではないかと思います。

何しろ心理大学院卒業を前提とした試験で、かなり広い学習範囲です。「やる気スイッチ」が入ったとしても難しい試験であることは間違いありません。他職種からの参戦者でもかなりエネルギーを投じている人々も多いです。他資格を持っていてもこの試験は分野が違うので難しいわけです。

合否で言えばGルートは確かに合格パーセンテージは低いのですが、かなり努力してもGルートの人々は心理専修でないのでディスアドバンテージができてしまうわけです。

⑵ 環境のせい

時間が足りなければ勉強ができない。これは確かに当たっています。育児、介護、本業が多忙過ぎる、これは受験生にとってはかなり厳しい状況です。

僕としてはこの辺りは確実に過去問や模試で合格点が取れるようになるまでは配偶者や他の人に丸投げする、シッターさんや子育てボランティア、有料介護などを頼む、評判が悪くなっても仕事をサボってほかの人に投げるなど思い切った対処策が必要だと思います。時間がなければ信用を捨ててあとは金で買う。金がなければ借りてでも時間を作るこの試験はそれだけ厳しいものかもしれません。

時間がなくても合格できる人はいます。心理専修者でも合格できない人はいます。「環境のせい」というのは推測です。橋口さんは相関関係をきちんと求めたのでしょうか。相関関係ρを求めるために平均値 → 偏差 → 分散 → 標準偏差 → 共分散 という標準手続きを使ったとは思えません。

1週間に何時間勉強できたか。どんな勉強法だったのか。効率よく勉強するにはどうしたのか。そうやって環境いにするよりも効率と方法論重視が大切だと思います。

⑶ テストのせい

これは残念ながら橋口理論は鋭いところを突いているように思えます。このテストの網羅している範囲は広いです。本題の、Gルート第2回合格率は41.8パーセント、6割強が落ちています。既卒D1院卒ルートが53.6パーセント、半分近くが不合格、新卒D2ルートは58.8パーセント、これも4割以上が落ちているわけで、別にGルート=不合格、Dルート=不合格と決まっているわけでもありません。

受かる人は受かるわけです。
焦ると間違えてしまう、わけがわからない問題だと思うとミスをするのは本当です。過去問や模試をやってみて難しさのあまり一段ずつずれてマークミスをしたという話を聞きます。

また正答誤答を逆に勘違いする、2つ正答を選ぶ連勝複式問題はミスをしやすいです。問題を見たら「正しいものを選べ」「誤っているものを選べ」「正しいものを2つ選べ」「誤っているものを2つ選べ」に鉛筆で丸をする、と問題をじっくりと観察し、もう一度見なおすことが必要かと思います。

午前120分、午後120分の試験なので、サクサクやれば120分のうち60分、考えながらやれば90分、余った時間でしっかり見直しをすればいいのです。

以下橋口理論を援用します。テスト作成委員がテスト慣れした、そうすると実力のある受験生を抽出してそのテストが実力がある人が通過するようにしたい(識別力がある)というのは当たり前のことです。

そうすると、テスト理論の中でそのテスト設問が示しているものが信頼性があるか?そして測定しようとしている対象が妥当性があるかという古典的テスト理論がありますが、能力と正答率がきちんと測定できているかどうかという比較が難しいです。

項目反応理論では、そのテストの項目がきちんと実力を測定できているかを見ます。誰がやっても同じ結果になる、あるいは実力の高い人ほど正答率が低くなるというのは矛盾がありテストの識別力が疑われます。

そして一般化可能性理論では「分散」という正答のバラつきを見ます。測定したい能力と誤差のバラつきがどの程度違っているかの差です。

この公認心理師試験がいきなり難化するとは考えにくいですが、試験の識別力を高めて実力がある人が合格できるようにするという工夫はなされるでしょう。

橋口公認心理師講義編も要点を得たものあり、また「ん?」と突っ込みを入れたくなるものもあるかもしれません。

これから公認心理師受験をするのに実力をつけるためにはこれらの動画を詳細に見てツッコミどころを探してみましょう。

「園芸が趣味」と同じように「心理学が趣味」という人もつぶさに見て「自分なら別の形式の動画をUPする」というyoutuberを目指すためには反面教師として橋口動画をチャンネル登録をしておくと便利です。

なお僕もそういった目的でチャンネル登録を行ったら書く文章が回りくどくなり、ブラッシュアップされたような気がしています。

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目標を高くすると、達成した時の感動は増えるよね。登る山が高ければ高いほど頂上からの景色は素晴らしいものと感じられる喩えと一緒。ただし失敗したときの挫折感は大きいかも。一方で目標を低くすると、達成感は小さくても失敗の挫折感は軽くなる。良し悪しではなく、選択の話なのかもしれないね。

◯ 公認心理師試験を受けないという選択

1.序
先日sorara@sorara320さんの取材をしていてハッと思ったのは、公認心理師を受けるという選択だけでなく、受けないという選択肢もあるということです。公認心理師受験に関するブログコンテンツばかり書いてきていまさら何を、と思われる方々も多いと思いますが(批判ではないです)Gルート他職種で公認心理師を取らなくても特に困らず生きていける人たちはかなり多いです。

福祉職、看護師もそうです。教員でも特別支援学級や養護教諭の仕事をしていれば取ってもいいのかな?でも取らなくても生きていけるしな?と思います。特別支援教育コーディネーターとして働く教員は通常の国語、英語、体育の教員が行っています。5年間連続でコーディネーターを行ってきた教員もいれば、実はやっていなかったけど、機会があったので公認心理師受験を申し込んでみた、という教員の方もいるかもしれません。教職試験で教育心理は勉強したと思いますが、必要とされている心理学知識は僅かなのでほぼ初学者から積み上げる勉強は辛いでしょう。

試験勉強をしなくてもこの試験にさらりと合格点を取れる人もいます。例えば一般就職をする心理大学院卒業、基礎心理学専攻の人にこの試験を受けてもらったら7割ぐらいは取れた、という話を聞いたことがあります。心理学の基礎ができているのであとは院で学んだ知識でなんとかなってしまいます。

soraraさんもあと5点足らずということだったので受かる気になってもうちょい勉強すれば合格するでしょう。

ですが「これは自分の専門性と違うなあ」と思っていてもうすでに持っている自分の資格と仕事が連動して強いアイデンティティを持っている。こういう人は公認心理師資格がなくてもやっていけます。

2.何としても取りたい心理職の人々
医療現場で働く、現役臨床心理士、心理プロパーの人のこの試験に臨む姿勢は必死です。公認心理師資格がないと保険点数も取れないのでなんとか取ろうとするのですが、育児、介護、仕事で多忙だと臨床心理士試験とは異なったこの独特の試験突破は難しいです。

臨床心理士でも科目読み替えが効かなかった受験生は大変です。現任者Gルートとして受験するのでチャンスが限られているので必死です。

臨床心理士試験には何回も落ちてようやく受かったという話を聞くことがあります。福祉+α=心理、というような施設勤務の人は多忙な中ちょこちょこ受けて取った人でそういう人を知っています。また、臨床心理士資格を取りたくてしょうがなく予備校を利用しながらも数回以上落ちてしまう人もいます。

そういう人に「別の道に行ったら?」とは言いませんし思いません。予備校に通いながらでも頑張る気があればチャレンジして欲しいです。「臨床心理士試験、当校は全員合格」「全国平均より高い8割合格」と謳っている大学院が多い一方で、受験者が壊滅的に臨床心理士試験を取れなかった院がこれまであったのも事実です。

3.試験は人柄を見ない。
ペーパーテスト対応能力=臨床能力ではないのですが、これまで勉強してきた熱意や基礎学力などさまざまな要因が受験には絡んでいそうです。

現在心理職Gルートの人は頑張って欲しい、というか頑張るしかないのでそのまま続けて欲しいです。

他職種Gルートの人が心理プロパーから批判されているのは知っていますが、そこは試験、点数が取れれば合格できます。

他人がどう思ったとしても公認心理師カリキュラム等検討会や法律で定められている受験資格があればいいだけですし、こと試験に関しては点数だけが正義なので、履歴書は必要ありません。

4.公認心理師資格はコレクションなのか?

あと3回残されている現任者受験の機会です。資格を多く取ってコレクションのように感じている人も中にはいるでしょう。それが悪いことなのか?というとそうは言い切れないというのが僕の持論です。

コレクションのように見えて、実は心理職になりたいという人もいます。重労働の現場から転職したいという人は機会に恵まれて自己アピールができれば心理職専門家としてスタートできる場合もあるでしょう。

公認心理師合格者数を都道府県別に見ればわかりますが、大都市圏に合格者は偏っています。事実として聞いた話(募集案内も見ました)ですが、どうしても臨床心理士(2年前からは公認心理師も含めて)が欲しい僻地、離島もあり、応募者が誰もいなくて数年来誰も採用できていないそうです。

開業領域で福祉関係職や障害教育をしている人には公認心理師資格は心理学の知識がある証明にもなりますし、信頼性を高めることになります。

5.結語
結局公認心理師資格は取りたい人が取ればいいと思います。特に現役心理職の人々は必死です。そして法制上許されているので他職種から参戦するのも自由です。そして受けないという選択もあります。公認心理師の競争率を下げようと思ってこの記事を書いているわけではありません(そもそも次回締め切りは過ぎていますし、この試験は一定の知識があるかどうか見るだけの試験で、倍率は関係なく、落とすための試験ではありません。)。

その人のキャリアライフプランを考えてみると「あの時取っておいた資格が今たまたまだけどすごく役立った。」ということもあり得ます。ですから資格試験受験の自由を批判するということはその人の可能性を狭めてしまうことになりかねません。

また、自分はこの道で行く、と元々の保有資格の本旨でやっていきたいから他の資格は要らないというならばそれはそれで素晴らしいことです。

要は自分の現在の立ち位置と考えながら、この資格取得に費す時間、労力、金銭と比してそれだけの価値があるのかということは本人だけが決められることでしょう。

※ 今日の 𝚜 𝚘 𝚛 𝚊 ໒꒱⋆゚さんの文はこの記事にとてもフィットしています。奇遇だなあと感じました。

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◯ 公認心理師ってなんだ?

1.承前
当ブログ開設2018.5月以来のエッセンスをざっくりとまとめてみました。そういうまとめをこれまで書いていなかったからです。公認心理師試験が初めて実施されたのが一昨年の9月(北海道は12月)、11月30日に合格発表をしてからおよそ2カ月で登録者が出て公認心理師が誕生したわけです。

さて、そもそも論なのですが、公認心理師合格者数は36,000人弱、心理職で臨床心理士として働いている人たちは必死の思いで受験料28,700円、登録手数料7,200円、登録免許税15,000円計5万900円を支払って受験、さらにGルート、科目の読み替えが効かなかった臨床心理士や他職種の人たちは7万円の現任者講習を受けなければなりませんでした。ここまでは受験生、資格取得者のみなさんなら周知のことです。

2.変化
さて、国家資格公認心理師を取得して現役心理職、臨床心理士の人は何が変わったの?というと特に「変わらない」という答えが一番多いのではないかと思います。資格手当が数千円ついたという話はささやか過ぎます。

ただし、現役臨床心理士あるいは心理職で公認心理師を取っておかなければ将来的に保険点数が取れないから鬼ヤバいという人は無茶苦茶自分自身にプレッシャーがかかっていて、勤め先から有形無形の圧力がかかっていることも考えられます。

心理職は医療領域で働いている人も多いと思うのですが、公認心理師資格を取ったからといって心理職の職場内でのヒエラルキーが上がるわけではありません。

心理職がいない医療機関も山ほどあるわけですが、きつい見方をする関係者もいるわけで心理職1人を雇うのだったらそのお金で別の医療関係他職種を採用した方がいいんじゃない?」というまあ理屈が通っているといえば言える論理もあるわけです。

−僕の職場のお昼休み−

(最近別の上司に変わった。新しい上司は思ったことをそのまま口に出すけれども話をテキトーに聞き流していればいいので僕にとっては決して悪い人ではない)

上司:心理の人を採用しようっていった時に僕、すごく反対したんだよね、その分医療有資格者を採用できなくなるからさ、ここのお金だって有限なわけだし
僕:そうですよねえ、そういう理屈もありますよねえ(スマホでTwitterやりながら)
上司:心理の人はカウンセリングだけとかじゃなくてさ、医療事務とかカルテ出し(もうすでにやっているけれども診療や管理職会議に出ていて忙しくて現場を見ていないのでよく知らない)とかやって欲しいんだよねえ
僕:まあ医療現場はいろんな仕事ありますからねえ
上司:前の職場では医療資材の仕入れ管理やレセプトとかやっていた心理の人がいたよ。まあそこは心理の人が複数いたんだけどね
僕:ふんふん(Twitterでウケそうなオヤジギャグを考えながら)
上司:せっかくひなた君最近給与体系変更で準管理職に組み入れられんだから、会議出るとか人事管理とか統括業務僕の代わりにやってもらえない?
僕:えっと、僕名ばかり管理職で中途採用だから看護師さんやレントゲン技師さんの方がずっとお給料いいですよ。つーか管理職とかそういう器じゃないし部下の監督とかムリ
上司:残念だなあ、ところで新しいイタリアンのお店できたんだけど一緒に行かない?
僕:あ、行く行く、先生のおごりなら  

※ ちなみにもちろん僕の職場は公認心理師資格取得に1円たりとも出さない、というか、知らないのではないかというぐらいぞんざいだったのですが、今後系列の別職場では公認心理師取得をしていないと採用しないとか。

上司の考え方はなかなか一般的な見方で心理職採用=赤字と考えている職場も多いです。また、逆に小さなメンタルクリニックだと大病院から独立した院長が心理職の有用性をよく把握していて心理テストをやってもらいたい、精神科医をカウンセラー代わりに長々と話をしようとする患者さんの話を心理職に聞いてもらいたいけれども採用するだけのお金がない、もしくは時給1000円台(薬剤師、看護師の半額以下)で雇用したいのだけれども誰も来てくれないという事態が発生するわけです。

3.採用
警察庁の募集や各地方公務員、ギャンブル等依存症対策基本法にも公認心理師が入っていて臨床心理士は除外されている、また民間病院でも公認心理師募集という求人を多く見かけるようになって来ましたが、中途採用は「即戦力となる心理職募集」というわけで採用と同時に心理検査各種を取れてカウンセリング経験豊富な応募者を探しているわけです。

そうすると以前から臨床心理士資格があって心理職を行っていたダブルホルダーが有利になるわけです。ただし、新卒の場合にはポテンシャル採用なので、これから心理の実践をしていきたいという人ならばOKなのですが、その場合も他職種Gルート(所定施設における5年以上の実務経験者)は心理の勉強をみっちりと大学院でやった人でないと不利になりそうです。

そして他職種Gルートの人で他職種でがっつりと経験を積んだ人が新規採用で心理職に就いたなら、確実に給料は落ちます。

4.他職種Gルートに対する批判
これは臨床心理士&公認心理師ダブルホルダーの人がよく言っていることで、経験がないのにいきなり心理職をGルート公認心理師が始めたら無理が出てくるというものです。Gルート他職種経験者は医師、看護師、精神保健福祉士、社会福祉士、言語聴覚士、作業療法士、介護福祉士、教員、保育士、保護観察官等の人たちがいるでしょう。

こういったGルートの人たちも受験資格は施設長が認めればあるので、難しい試験をさくっと(のように見える)取ってしまった人たちへのやっかみのようなものもあると思うのです。

実際、他職種Gルートで公認心理師資格を取った人の中には自己啓発、心理学を真剣に学びたかったから、心理をきちんと知っている周辺職種でありたいから、公認心理師資格を所持することで、心理的な知識もある他分野の専門家として心理学を知って自らの識能や誇りを高めたいという、ポジティブな動機があると思います。

別に心理職の職場やポストを荒らしたいと思うわけでもないでしょう。厚生労働省の公認心理師等カリキュラム検討会でも認めているわけです。

5.私設開業領域
当局はこの領域にとても冷たく、Gルート審査落ちも多く出しています。元々公認心理師は医療、教育、福祉、司法、産業5領域を念頭に置いて資格が創設されたものです。私設開業領域は鬼っ子のような存在とみなされているのでしょう。

主治の医師の指示を受けにくい開業領域は当局に取っては困るのでしょう。私設開業領域の心理師から主治の医師の指示を求められても医師も守秘義務があるから困るとこの制度に詳しい医師からは聞いています。主治の医師の指示について「ナニそれ?」という精神科医もいます。

6.結語
以上2回の試験で多数合格者を出した公認心理師ですが、良かった点も(わずかながら?)あり、別に変わらなかった点も多く、批判点も多いわけです。現状でそのあり方への見解が錯綜しています。公認心理師資格は今のところ専門知識を試験で問う、という点数結果でしか専門性が担保されていないのです。

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いざという時役にたつのは

思いが滲んだ

冴えない言葉

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◯ 公認心理師第3回受験予定者、産業保健師E先生に試験延期やCOVID-19について聞く

※ 雑談形式をとっていますがCOVID-19の話題も入っていますので抵抗がある方は読まずに閉じることをお勧めします。

(まず仕事の話をいろいろ)
僕:試験延期になっちゃったね。
E先生:ま、日本中こんなんだから想定の範囲内だったけど。
僕:せっかく勉強たくさんしてたのにねえ、前回何点だったっけ?
E先生:129点だったかな?
僕:惜しいねえ、猛勉強してたでしょ?
E先生:それがね、今ね、うちの会社コロナ対策でめちゃくちゃ忙しくって、毎日9時半から10時ぐらいまで仕事仕事なの。勉強なんか出来やしないのよー
僕:うーん、先生またちゃんと受けられる?
E先生:絶対受けて資格取る
僕:じゃ、なんとかしないとね。やっぱりそんなに忙しいんだ。
E先生:うち外資系だからシビアなんだけどね、コロナに関してはまだマシな方かな。自宅待機社員には8割給料支給、契約社員は6割支給、他の外資や日本社でももっと厳しいところいっぱいあるからね。
僕:COVID-19対策ってナニそんなにやることあるの?
E先生:うーん、ワタシと総務と人事で策定してるんだけどね、
僕:うん。
E先生:うちのとこの工場と大流行地域のとこの工場、両方とも業務調整で行ったりきたりする人たちもいるのよ。
僕:うん
E先生:そうすると向こうでウイルス感染してたら困るからね、
僕:まあそうだね
E先生:行き来する社員5人に限定してるのよ。
僕:大企業なのに大変だね。
E先生:で、その人たちは別室で仕事、絶対他の社員と接触禁止、連絡は電話かメール。トイレも別の場所にして食事もお弁当差し入れして食べ終わったらハイター入れたバケツにアルミ容器捨ててね。
僕:そりゃ大変だね
E先生:そういう計画立てるの山ほどやってるのよ。ワタシはクルマで行ったり来たりはしてるんだけどなんとか避けて通ってるから。でも途中で流行地域に入ったらワタシも出勤停止だから通勤時間2倍になった。
僕:うーん、倒れちゃいそうだなあ。
E先生:現場のラインで働いてる子たち、わりとみんな寮生活だからね。
みんな市内から外出禁止、どうしても外に出たい時は外出許可証いるけど急を要するような外出なんてないじゃない?
僕:寮だったらご飯も出るけどカンヅメかあ。
E先生:コンビニもダメね
僕:徹底してるね。
E先生:そういう計画とかなにやらいっぱいしてるの。もうかわいそうで、そしてイライラしてる子たちがうちのホケカン(保険管理センター)にくると相談乗ってあげたり。若い子たちの間でストレスたまっていじめが起こったりとか。
僕:うーん、厳しいねえ。
E先生:中には単身赴任で本社に来てる人いるじゃない?
僕:うん
E先生:で、子どもに会いたいからってバイクで帰省したのよ。
僕:うん
E先生:途中パーキングエリアに寄ってお土産買ったら、「なんでまっすぐ行かなかったんだ」って2週間出勤停止。戒告処分だったよ。
僕:大変だねえ。
E先生:なんかもうそういうことばっかりでイヤになっちゃう
僕:先生勉強する時間なくて大変でしょ
E先生:家庭教師欲しいわあ
僕:じゃやるよ
E先生:そりゃ悪いよ
僕:いや、僕も勉強になるからさ、やくたいもないブログ書いてるから、まず医学領域ね、救急-緩和ケアで気をつけるべきことは?
E先生:「よくやりましたねえ」って家族をほめることかな?あと医療者がごめんなさいとか謝るとあとから訴訟起きたりする。
僕:うん、がんの湿潤と転移は?
E先生:だんだん湿るように広がって転移することかな、
僕:医学領域は逆に忘れてるかと思ったらさすがだねえ
E先生:そのあたりは現役で相談乗ってるし。それより司法領域とか難しくて。少年法とか。
僕:裁判所のホームページにも載ってるけどね。少年院の4類型
E先生:わからない
僕:第1種少年院は12歳から23歳未満、昔の初等少年院と中等少年院かな
E先生:うんうん
僕:第2種は16歳以上23歳未満、犯罪的傾向が進んだ少年、ヤクザやめる気ないとか薬物の売人やって何度もつかまってるとか性犯罪何度もやってるとか、第3種は医療少年院、心身に著しい障害あるとかで12歳以上26歳未満
E先生:なんで少年院なのに成人超えてるの?
僕:処遇勧告で長期になることある。2年ぐらいかな?ほら、さか普通は。短期処遇勧告だと半年ぐらい。あと4種少年院は14歳以上で検察官送致になった、保護処分に馴染まない者。少年法第1条は少年の健全育成、だから保護処分は保護観察と少年院送致、児童自立支援施設送致。
E先生:なんとか少年ってのが覚えられなくて
僕:犯罪少年は14歳以上20歳未満、14歳未満だとね、傷害致死とか大きな事件起こしても触法少年、将来罪を犯すおそれが高いのがぐ犯少年、ヤクザの事務所番してたりね、あちこちで体売ってる女の子とか。薬の売人どうもやってるみたいだけど、確実な証拠がないとかね。
E先生:そのあたりは苦手なのよー
僕:少年法だけで覚えることたくさんあるからね。またやるよ。
E先生:ありがとね。

※ COVID-19はGルート他職種で感染症対策の正面に当たっている人たちだけでなく、現在施設職員で児童、老人、障害者(児)を預かっている人たちは多忙で勉強どころじゃなかったのではないでしょうか。

試験は延期、Twitterでも似たようなことをつぶやたのですが、一生懸命ほめられ服を着てメイクもばっちりしていたらデートは延期、「いつになるかわからないから待ってろ、でも俺は女の身だしなみにはうるさいからきちんとしておけよ」と言われたようなもので愕然としている人たちが多いのではないでしょうか。不可抗力ですが、早くCOVID-19が封じ込められるといいなあと思っています。

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