◯ Fラン大卒の公認心理師は不利になる?
この命題について結果をまず言います。
アカデミックポストをゲットして大学教員になろうというのでなければ、どこの大学や大学院を出ていても就職に不利になることはないと思います。
国家公務員総合職、政治・国際、行政あたりの花形職種だと東大でないと旧大蔵省や通産省では官庁訪問で落とされるという話がありましたが、今はその辺りの学歴神話も崩れています。
一次試験で成績が一定以上ならばどの省庁でも気軽に面接に応じてくれます。
ただし、国家総合職は現在の科挙とも言われていてハイレベルな知能、教養、専門試験です。
ですから東大クラスの受験生がかなり有利になることは事実です。
ただし国家公務員総合職、裁判所総合職、地方上級は割と気ままにどこの大学や院を卒業していても合格している人たちは多いです。
技術系公務員と心理区分は大体同程度の扱いなので、花形部門の中央官庁中枢よりはレベルは緩いのでしょうか。
多彩な出身大、院卒の学生が合格していますし、いわゆる偏差値が低いFラン卒の人も合格、採用されますがただし試験は無茶苦茶難しいです。
公務員は新卒に対してもかなり広い門戸が開かれています。
そして社会人経験枠だとどこの大学や院をを卒業したかよりも、即戦力として働けるためにどこでどんな経験をしてきたかの方が大切です。
これは民間の仕事場でも同じことで、刑務所で働いていましたー、今度は病院心理職として働きたいです、といってもなかなか採用は難しいです。
公認心理師試験出題範囲にも入っていますが、精神腫瘍学専門病院ではズバリその分野での経験があるか?
病院心理業務では「100床以上の病院での勤務経験が3年以上あり、管理職として働いていた者」など細かなピンポイント採用をしたがる事業体が増えています。
そこで問題となるのは職歴で、学歴ではありません。
医師も国立だから手術が上手、私立だから手技が悪いということは全くありません。
精神科医師の腕、人柄は学歴で決まりません。
心理職の腕前も学歴とは関係ないことを僕もたくさん見ています。
特に公認心理師は今過渡期です。
もうすでに専門学校卒、高卒の公認心理師も誕生しているでしょう。
僕は他職種現任者を何が何でも否定しているわけではありません。
この中には立派な臨床家になる人々も多く出てくるものとも思っています。
今後心理臨床学会の研究活動との兼ね合いなどで、どのようにして様々な学歴やバックボーンを持つ人々を含めた資格全体の専門性を高め追求していくかは大切な課題です。
学歴に縛られない、様々な視点からの専門家が多く活躍して新制度が活性化していくことを僕は望みます。