
◯ DSM-5攻略/その概要と統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群
DSM-5についてはか過去お勉強ブログ編で記載したことがあったのですが、
「公認心理師試験直前5点up!DSM-5
2019/07/16 12:56」
http://hinata.website/archives/19823869.html
DSM-5は2013年に更新されました。それまでローマ数字だったのが数字になったのは、今後の更新を考えてでしょう。DSM-5ではDSM-Ⅳ-TRのような多軸診断システムを取っていません。
多時間診断システムの代わりにディメンションシステムを使用しています。
ディメンションシステムはグラデーションのようで、スペクトラムとして疾患や障害を評価、「この疾患の重さは30パーセントだね」とパーセンテージとして疾患の重さを評価できるようになりました。
それが最もわかりやすく提示されているのは統合失調症スペクトラムでしょう。
ちなみに以前使われていた、DSM-Ⅳ-TRの多軸診断システムは以下のとおりでした。
第I軸として精神疾患
例:I 軸 双極性障害
第Ⅱ軸
精神遅滞(知的障害)
とパーソナリティ障害(人格障害)
例:Ⅱ軸境界性人格障害
第Ⅲ軸 身体疾患
例:Ⅲ 軸クローン病
第Ⅳ軸 環境的問題(心理社会的問題)
例:失業
第Ⅴ軸 機能の全体的な適応評価(GAF:Global Assessment of Functioning)
例えば自己をひどく傷つける致死的行為が連続していれば1〜10、自死的な思考、強迫儀式、ひどく孤立、仕事が続かない。50程度、症状は何もない、が100になります。
この上の例では30程度、仕事も家庭もなく症状に振り回されているとの診断だったかもしれません。
ところがこのGAFはDSM-5では廃止されました。
あまりに主観的な評価基準だったからでしょう。
本人の申告と家族、学校や会社からの評価とは違う可能性もあります。
この多軸診断システムからスペクトラムに変化したことによって、疾患、障害、症状、人格障害の概念の移行が可能になったのです。
ですので統合失調症Schizophreniaは「統合スペクトラム障害」の中の重症な病態として定義されています。
DSM-5では妄想、幻聴など陽性症状がないと統合失調症の診断をしません。
緊張病型のカタトニーCatatonia、単に陰性症状のみでうつ病と判別困難な陰性症状のみでは統合失調症の診断はできなくなりました。
従来統合失調症は、妄想型、解体型、破瓜型、残遺型というタイプがあったのですが、現在ではできなくなりました。
妄想、幻覚、まとまりのない発語(例:頻繁な脱線または滅裂)
ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動、陰性症状(すなわち感情の平板化、意欲欠如)が基準Aとして扱われていて、そのうち2つ以上の存在がなければ統合失調症とは診断されないということです。
基準Aが1カ月以上存在することが必須です。
統合失調症は5〜6パーセント自ら命を絶ちます。命令的幻聴は自分あるいは他者の命を奪うよう命じます。その他にもさまざまな機能低下が合併していて、肥満や糖尿があり、平均値余命は短いです。
この病気の有病率は人口の0.3パーセントから0.7パーセント程度と言われています。
発症は10代後半から20代半ばが主ですが30歳後半ということもあります。
統合失調症スペクトラムの中で統合失調症の次に来るのが短期精神病性障害Brlef Psychotic Dlsorder、再発率は高いものの、I日〜1カ月程度で症状は消滅します。
例えば宗教性憑依症候群、狐付きは日本でもありましたがお払いをするとスーッと快癒、中南米の悪魔憑きの少女がエクソシストによって治療されたという例が紹介されていました。
宗教的でなくとも幻覚や非現実的妄想が一過型であればそれは短期精神病障害となるでしょう。
短期精神病障害がなぜ短期間なのに統合失調症の次に来ているかというかとその症状の激しさ、致死率の高さからくるのではないかと思います。
3番目が妄想性障害Delusional Disorderです。かなり知的に高い人も罹患していてもおかしくなく、誰かに悪意を持たれて常に陥れられている、パートナーの不貞を常に疑っている(猜疑心が強すぎてパートナーを作れない場合も多いでしょう)。
超常現象が常に起こっているという信念もまた妄想性障害の一種です。
妄想性障害、Scizoaffectlve Disorderは統合失調症スペクトラムの中に位置づけられています。
MSDプロフェッショナル版(医学情報サイト)では妄想性,演技性,自己愛性,統合失調型,境界性パーソナリティ障害は妄想性障害の素因となると記載されています。
(パーソナリティ障害はこの統合失調症スペクトラムとは全く別物です。)
ネガティブな感情ばかりでなく、エロトマニアErotomaniaは、妄想性障害で自分が相手に愛されているものだと妄想を持っています。
次に統合失調症感情障害Scizoaffectlve Disorder統合失調症の基準Aをひとつ以上満たしていて、他の疾患と重複していることも多く(うつや双極性障害も含みます)統合失調症のようなひどいまとまりのなさはないのです。
持続性うつ病=気分変調症Persistent Depresslve Disordev(Dysthmia)との併発は多いです。
ディメンションシステムでは他の病気が60パーセント、統合失調感情障害が残りという診断もすることができます。
統合失調感情障害の患者さんはひどい苦しみを味わうことになります。
統合失調症スペクトラムはDSM-5の中でも最もその特徴が明らかになっていると思い記しました。
なお、この「統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群)はパーソナリティ障害A群(奇妙で変わっている)猜疑性パーソナリティ障害(paranoid personality disorder)、シゾイドパーソナリティ障害(schizoid personality disorder)、
統合失調型パーソナリティ障害(schizotypal personality disorder)とは定義が異なっているということに注意が必要です。
※ 参考文献
DSM-5 マニュアル 医学書院
DSM-5スタディガイド 医学書院
DSM-5診断トレーニングブック 医学書院
DSM-5鑑別診断ハンドブック 医学書院
DSM-5ケースファイル 医学書院
