ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:COVID-19

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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
おつかれTwitter

迷いのない言葉は
淡い光をおびるんだね ꕥ


◯ 経路不明感染

※ この記事は新型コロナCOVID-19について書かれたものです。心理的に抵抗がある方はただちにこのページを閉じてください。また、この記事は心理学ブロガーによって書かれたもので、感染症専門家によって書かれたものではありません。疑義がある際には厚生労働省、日本感染症学会、アメリカ疾病予防センター(CDC)の記事に当たることをお勧めします。

1.序

2020年7月12日23時50分現在

全国感染者数
現在感染者
2939人前日比+332人
新規感染者数
408人前日比+24人

東京
7月12日15時40分更新
現在感染者1433人
前日比+206人
新規感染者数
206人前日比±0人

現在感染者数だけを見ると5月下旬程度の数値、6月19日、都道府県間の移動解除以来、爆発的に感染者数が増えることが危惧されています。

厚生労働省専門家会議は分科会に格下げされて今誰も全体的な専門的感染状態や今後の見通しを正確に持てないでいます。日々増加する感染者数に対して政治家はほんの少しの程度の事だと事態を些少化して報告しています。

2.数値の解釈

西村経済担当大臣は東京で200人新規感染者を超えたことについて7月9日曜日記者会見において「少し増加傾向にある」という評価、小池東京都知事はPCR検査数が増加したことが感染者数を増やしたと強調しています。

さて、現在と過去の比較数値を見てみます。都内最新感染動向 (7月11日19時15分)によると検査陽性率5.9パーセント、これが6月18日検査者数移動平均値(正確な数値を見るための1週間平均)は1674.1人を検査してその陽性率は1.9パーセントです。

7月11日検査数は検査者移動平均値は2280人、データー上陽性率が明らかに明らかになっているのにどうして嘘をつくのだろうと思います。

夜の街の感染者数は増加、東京都医師会によれば東京都新宿区におけるPCR陽性率は37.4パーセント(7時3日)PCR検査を行いたくても保健所がすでにパンク状態にあり外注をしても検査が間に合わない状態です。(日本経済新聞電子版2020年7月12日)

gooニュース(毎日新聞)によれば7月10日東京都新規感染者243人のうち、夜の街関連110人、新宿区で102人、ホストクラブ47人、20代30代感染者が8割弱となっています。

3.夜の街とは?

夜の街夜の街と夜歩いているだけで感染しそうな誤解を与えると表現ですが、実際にはキャバクラ、風俗、ホスクラで感染が多くなるわけです。三密どころではなく、風俗だと他の病気でも粘膜感染もするわけですから多くの客の相手をするセックスワーカーの女性は感染率が高まるわけです。陰性の男性客も感染します。

また、風俗嬢が多く行くホスクラはウイルスのエッセンスを集めた大量感染の源となっているわけです。

夜の街などとオブラートに包んだ表現をせず、風俗店の類売春行為やキャバクラで感染していると言えばいいわけです。岐阜県などは風俗店の営業自粛を申し入れていますが、東京歌舞伎町は風俗店ホスクラ営業のメッカです。

セックスワーカーは子どもがいて子育てのためにどうしても働かなければならない、ヒモの男、あるいは親にたかられて稼ぎ続けなければならないという、さまざまな事情を抱えて働かざるを得ない人も多いでしょう。

パチンコ店の時のように自粛要請をすることは可能なのか?閉店した場合の補償があれば風俗店や従業員はかなり助かるでしょう。

全般的なコストを考えたら感染者が増えて莫大な医療負担をかけるよりもはるかに安上がりで済むと思うのです。こういった政策、感染症対策戦略は大きな反発を呼びそうです。風俗嬢の子育て支援など福祉的な手当てを行うことでも大きく状況は変わると思います。

風俗店から出てきた客についてPCR検査を行うという提言もあったようですが、パチンコ店の客を検査しなかったように、人権的な問題からも実施は困難でしょう。

4.経路不明感染者

経路不明感染者の増加は公衆衛生学的に感染源を特定できないという大きなダメージを与えます。感染経路を特定し、クラスター化、あるいはクラスターになりそうな場所でPCR検査を行い、正確な感染場所を特定することができないと調査も隔離も治療もできません。

医療機関には守秘義務があります。しかしそれでも配偶者、恋人、家族や会社などに知られると大きなダメージを受けるという恐怖は大きいでしょう。セックスワーカーも学生や企業に勤めている人たちがいます。

感染者に対する差別は人を沈黙させます。感染した家はどこだと役所に押しかける人たちは2週間経って感染力を失った元患者を差別しようとしています。内外どのメンタルケアに関する文献も差別が人々の精神にダメージを与えることを指摘しています。

「感染は大したことはない」という言説は感染者数を減らすことに全く寄与しません。むしろ啓発活動を行って欲しいです。規制解除は全て解除になったと思い込んでいる人々が多く、解放ムードで三密はどこかに行ってしまいました。

5.その他

はっきりとしない情報ですがきちんと書いておきます。COVID-19疾患を引き起こすSARS-CoV-2は抗体を作りにくいウイルスではないかと言われています。だとするとスウェーデン(人口は日本の10分の1、死者数は5000人強)による集団免疫獲得策は破綻します。スウェーデンは死者数、一日当たりの感染者数、10パーセントの死亡率と世界中で最悪の数値を示しています。

エボラ出血熱、SARSは決定的治療薬やワクチンがない中で収束しました。目先の経済活動よりも自粛による封じ込め施策が有効だったのです。

治療薬としてレムデシビル、アビガンがありますが双方とも強い副作用があります。そしてCOVID-19が治癒した人々も脳幹に後遺症が残り高次脳機能障害や肺塞栓が起こることもあります。

感染してから治療をする、いまだに開発されていないワクチンの効果を期待する、というよりも抗体持続期間が不明なこの疾患を広めないことが一番の対応策で、一時的に経済活動は停滞してもきちんと収束させることが最も人々の不安を低減させることになると考えています。

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どうしようもなく腹が立つことは誰しもあるよね。でも、もしかしたらそんな怒りの感情が生まれるのは、世界が自分の思い通りにいくという傲りからかもしれない。そもそも人生なんて思い通りに進まないものと心得ておけば、無神経に笑う隣のアイツに向けるハートのとげとげも、いくらかは和らぐでしょ。


COVID-19専門家会議(2020.5.29)とメンタルヘルス

※ 以下は新型コロナウイルス関連の記事です。心理的に抵抗がある方はすすぐにページを閉じる事をお勧めします。

なおこの記事は医学、感染症専門家によって記述されたものではなく、心理ブロガーによって書かれたものです。疑問がある際には各出典原文を当たる事をお勧めします。

1.承前

政府対策本部において5月25日緊急事態宣言が北海道、埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県において解除されました。また30日には47都道府県で全て緊急事態宣言が解除されました。

そして東京都においては感染拡大防止のためのステップ1、ステップ2の映画館や劇場、学習塾やスポーツジム、商業施設全般などへの休業要請が解除されることになります。

さて、私たちは常にCOVID-19の最新流行状況の2週間前の状態しか見ることができません。潜伏機関2週間前の数を見ることしかできないからです。

厚生労働省発表5月30日現在午前10時現在で感染者数1591人、現在感染者数前日比-78人、新規感染者数は75人、前日比+12人です。

この数字は緊急事態宣言から漸増しているように思えますがその評価は次回専門家会議に任せたいと思います。

ただし、流行の小さな波が何度かやってきてそのうちに収束するのではないかという仮説もありますが仮説に過ぎません。

この記事の目的は、COVID-19についてメンタルヘルス専門家が曖昧で不確かな知識でクライエントさんに接して説明ができないことよりも、専門家会期の内容から、心理職自身も正確な知識を得てクライエントさん、患者さんの不安を低減することを目的としているからです。以下個人的な感想を交えながらこれらの結果を要約して提示します。

2.専門家会議発表

⑴ 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言)(記者会見資料)

パワーポイントによる要約資料です。
感染症は全くなくなったわけではなく再度の感染拡大が予想され、長丁場の対応が必要、治療、現時点での緊急事態宣言の評価を行います。

まず、日本の対策は感染症対策としては死亡者数、重症者数を減らすという点では国際的に高い評価を受けてしかるべきものです。中でも台湾の水際対策は優れているのは2月6日に中国大陸から全体流入者を禁止したという迅速な措置にかかわっています。(陳時中「鉄人大臣」)決定。

それに比してアメリカは累計感染者数180万人、死亡者数10万人とベトナム戦争の死者数約2倍と完全な有事です。

欧米では国内感染者数を補足できなかったことが爆発的感染の原因となったと分析しています。

ア クラスター分析
  日本の分析では8割の患者は他者に 
 感染させない。しかし2割の患者はク
 ラスターの原因となります。
  したがってクラスター分析が
 公衆衛生的な要因として大切になっ
 ています。

  これは僕の私的見解です。感染経
 路不明者はクラスター分析の阻害要
 因になります。
  とある事業所では、PCR+となった
 被検査者に対し「いつ、どこ
 で、何を誰としていたか」
いう
 ことを徹底に雇用側が調査して処罰 
 対象とすることを従業員に明言して
 います。
  PCR検査の感度は100パーセント
 ではなく偽陽性被検査者が発生する
 ことを知っています。
   したがって素人判断で2週間隔離
 をしてしまえば偽陽性者は実際の感
 染者なのか、それとも風邪なのかわ
 からず、ただのパワハラ処罰になっ
 てしまいます。
  クラスター分析で大切なのは感染
 経路の分析です。感染者が3密のどこ
 でウイルスを拾ってきたかわからな
 い。しかしこういったパワハラ措置  
 は感染者が黙り込んでしまうため、
 感染経路を不明にして公衆衛生的な
 措置を不可能にします。
  感染経路を不明にしてクラスター
 分析を不明にするのはこういったパ
 ワハラや黙り込んでしまう、嘘をつ
 くという人間心理です。病院は患者
 が何をしても必ず秘密を守る(のは
 当たり前ですが)それをきちんと患
 者に安心して話すような雰囲気を作
 ること(保健所など調査者の仕事か
 もしれません。)たとえ感染者が夜
 の街で感染してもそれをきちんと言
 えるということが大切です。
イ 緊急事態宣言
 この分析によると新規感染者数のピ
 ークは4月10日ごろ、そして感染時期
 のピークは4月1日ごろです。市民に
 行動変容を呼びかけたところ、実効
 再生産数(感染者1人が他者に感染さ
 せる、対策を取った場合の数値1.0 >
 ならば新規感染者数は減る。)は1.0
 未満だった。
ウ 課題
  PCR検査が必要な際に検査を行え
 なかったこと等医療体制の整備が望
 まれている。初期感染者、発症者し
 ていく者、重症化していく者の把握
 。ICT活用、感染経路の分析、疫学
 専門家の養成です。
  しかしながらこういった対策
 も感染者が正直に感染経路を話すこ
 とが前提となっています。

  そして、
 専門家会議は次なる再流行を予測し
 ています。


⑵ 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言)(47ページ資料)
 先ほどの要約資料の本資料になります。ここではさらに詳細な事項が述べられていますが、⑴資料に付け加た詳細について述べられています。

感染状況が比較的落ち着いているからこそ「次なる波」を見据えて「新しい生活様式」の徹底をさせること、つまり緊急事態宣言が解除となっても、世間の終息ムードは予断を許してはならない事態について終わっているとはみなしていません。

そのため、保健所機能・サーベイランス(注意深く観察)のさらなる強化等
を行うとことが提言されています。

具体的には検査体制強化、クラスター対策、医療提供体制強化です。

ゴールデンウィーク明けは実効再生産数は1を超えています。

次なる波に備えた「検査体制」の更なる強化の一環として提言されているのは、保健所の業務過多、電話がつながらないこと、検査までの時間がかかることです。

これは僕自身が従来からその必要性を感じていたことですが、事務スタッフの業務の外部委託の推進です。

またこの項目内では地域医師会と連携、医療機関と都道府県との契約締結、民間検査受託機関の活用など連携が必須であることが述べられています。

HER-SYS(新型機コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)と人的・IT支援が必要となってきます。医療従事者数が限られている限り、このような措置は必ず必要となるでしょう。

偽陽性、偽陰性が出る可能性を指摘しつつ、精度の低い抗体検査キットの問題性も指摘されています。

PCR検査にしても検査者の手技が必須であることから、民間で販売されている検査キットは使われても意味がないと考えています。(私論)

そしてG-MIS(新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム)の導入は、平時医療体制(コロナ以外の患者)の救急医療を可能にするもので医療崩壊を防ぐものです。

この文書で注視すべきは精神医療における神奈川モデルとして、精神疾患と感染者のそれぞれの重篤度によって治療形態が変わっていくことです。このわうな事態は以前から予想されていたことです。

これまで介護報告されていました。もちろん対応策は講じられていますが、全てを解決し切れるものではないです。院内感染についても同様です。

3.治療薬

レムデシビルが承認されていますが、各医療機関への充分な供給が確保されているわけではありません。アビガンを含む数々の治療薬もエビデンスが確立されておらず、必ず有効性があると言い切れるような特効薬は開発されていません。

4.私論

5月25日一部解除、ステップ2への解除が行われる自治体があり、6月1日休業要請が解除されていきます。世の中は解除でいわばお祭りのような雰囲気すらありますが、必ず再流行は予測の範囲内です。私たちが見ているのは常に2週間前の感染流行状況であることを忘れてはなりません。

日本経済は大きな打撃を受けています。再流行によるダメージは当初のものよりも大きなものであることも予想されています。

心理職は一市民で、自らも衝撃を受けながらクライエント、患者さんの不安を受け止めて行く事が必要となるということを予期していて欲しいのです。

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時々これって意味あるのかな、なんて考えることあるよね。でもそもそも意味って、元々そこに在るものじゃなく人が後付けするもの。Twitterをする意味だって人それぞれでしょ。転じて、生きる意味は用意されていなくて、自分で決めていいってこと。だからこのTweetに意味があるかどうかも考えないでね。

◯ COVID-19 心理職が危機に晒される時

※ 以下は新型コロナウイルス関連の記事です。心理的に抵抗がある方はすすぐにページを閉じる事をお勧めします。

なおこの記事は医学、感染症専門家によって記述されたものではなく、心理職によって書かれたものです。疑問がある際には各出典原文を当たる事をお勧めします。

さて、本題に入ります。医師てつ太郎さんがツイートしていたのですが、ノルウェーの調査でCOVID-19でPTSD様症状を起こす可能性は心理職でも13パーセントはあるということで、最前線で患者さんへの暴露時間が長い看護師43パーセントということはわかるのですが、同じく最前線で治療している医師10パーセントより心理の方が高いというのはなぜなろうかと思いました。



僕自身はPTSDの精神療法はかなりの数こなしていて、被虐待児童から成人性被害者に至るまで行っているのですが、確かにPTSDや複雑性PTSDのカウンセリングはとてもエネルギーを使いますし、PTSD治療者が耐えられる年数は平均5年と言われています。

DSM-5だと心理職も繰り返してPTSD体験に触れることになるので、基準を満たし、二次受傷は確かに起きそうです。

そしてPTSDは複雑な深いトラウマを負った人ほど通常のカウンセリングでは逆効果で患者さんにとっては侵襲的になります。

漫然と受容傾聴姿勢で聞くのではなく、PTSDだけはエビデンスに基づく精神療法が必要となります。

死に直面して人工呼吸器やECMOを装用してやっと生還した人など心理職が患者さんや関係者をカウンセリングする機会は必ず出てくると思います。そのトラウマに心理職は暴露され続けなければならなくなる、これは「今すぐ」ではなく急性ストレス障害ASDから遅延して起こってくるPTSDに対処しなければならなくなるだろうと思っているのです。

そこで僕が思うのはPTSDの精神療法未経験者やPTSD治療技法を知らない心理職にはかかわって欲しくないということです。

患者さんに対して侵襲性があり自らも二次受傷体験をしてしまう心理職の働きは大変危険で、下手をすると患者さんが自死する可能性すらあります。

厚生労働省専門家会議でもメンタル面のハラスメントの危険性なついては度々指摘されているのですが、医療従事者ハラスメント、感染者ハラスメントは現在進行中です。
(この危険性については新型コロナウイルス感染症対策本部決定「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処法人」R2.5.25でも指摘されています。首相観点HP及び厚生労働省)

ベトナム戦争でもそうでしたが、米国が開戦を決めて自由意志でなく徴兵された18、19の若者が悲惨な戦闘を経験して敗戦、帰国すると時は反戦ブームで国賊扱いされた兵士たちは一様にPTSDを発症、そしてその治療には長い時間がかかりました。

今回医療者も最前線、そして感染者も救命されて命を取り止めた、2週間経ったからウイルスから解放されて他者に感染させる危険性がないと言っても一般人は聞かず、役所に「感染者は誰だ!」と押しかけるわけです。

今回この対処基本方針の決定でほっとしたのは医療機関等情報支援システム(入院病床を有する病院(20床以上)の医療提供状況を毎日確認できる)(G-MIS: Gathering Medical Information System)。が導入されたということです。

もはや病院も保健所も情報処理能力はパンクしています。こういった、保健所職員や事務スタッフのケアも心理職はしなければならないのだと思います。

多くの人が傷ついています。まだ解除が本格的になされていない状況で家族と分断される、今も上記対処方針では医療機関、高齢者施設への面会を禁じていますし外泊も制限すべきだと明記されています。

ライフライン、必須な産業の確保はサイコロジカルファーストエイドの基本ですが、その後にやってくるのが心理的援助ということになります。

心理職にとってはきっと長丁場の戦いになり、そして自らも傷つくことを覚悟しておかなければならないことになると思います。

患者さんのお見取りをすることもなく遺体は火葬場に直行、葬儀社社員も感染の危険に晒されます。

そして衛生物資の欠乏も深刻な状態になっています。
https://www.mhlw.go.jp/content/000631552.pdf
(新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第2版 5.14)29ページから引用します。

N95マスクについては以下考え方に基づき、可能な限り効率的に使用する。
・滅菌器活用等による再利用に努める【解説1】
・複数の患者を診察する際に、同一のN95マスクを継続して使用する【解説2】
・N95マスクには名前を記載し、交換は1日1回とする。
・KNマスクなどの医療用マスクに相当するものとして取り扱い、活用するよう努める【解説3】

解説にはさらに詳細が書いてありますが気持ちのいいものではありません。

緊急事態宣言は全面的に解除されました。ただしそのせいで感染したとしてもセーフティネットワークは脆く、医療者も相当の危険を負います。

同上手引きによれば中等度感染者にはメンタルケアも大切とされていますが、心理職が駆り出される可能性もゼロではありません。

自粛が解けたら行動がどんどん緩くなれば再度感染流行が激しくなるおそれもあります。

心理職は間に立たされ、自らもこの感染症の影響を受けながら不慣れであっめもPTSDカウンセリングをしなければならない局面がありうる、ということを覚えておかなければならないのです。

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新たな発見をしたい時は、いつもと違うものを探すよりも、いつもと変わらぬものを大切にすると、些細な変化に気づきやすくなる。喩えるなら「まちがいさがし」よりも「にたものさがし」をする方が、結果的に「ちがい=新たな発見」に繋がりやすくなる感覚。時に、目的地の逆方向を見ることも大切だね。

厚労省COVID-19専門家会議とメンタルヘルス

この記事はCOVID-19新型コロナウイルスについてのものです。心理的抵抗がある方はすぐにページを閉じることをお勧めします。また、この記事はメンタルヘルスに関するブロガーが記述したものであり、感染症専門家によるものではありません。したがって事実関係について疑義が発生した際厚生には労働省専門家会の発表を優先してください。

1.序

この新型コロナウイルスが生活に与える極度といってもいい打撃の中に私たちは置かれています。テレワークによる出勤制限、出勤制限や生産活動停止による経済活動の停滞、教育現場も休校が続いていて、いつ終わるともしれない不安の渦中にいたわけです。

2020.5.14首相は一部緊急事態宣言、39県を解除しました。この一部緊急事態宣言解除というところが全て解除ではなく、解除されていても人々に求められている「新しい生活様式」が続くことになるという点か人々の心に影響を与えることになるでしょう。

2.新規感染者数とその評価

ゴールデンウィーク中の人々の移動が感染症を爆発的に増やすのではないかと危惧していたのですが、5月16日厚生労働省発表では新規患者発生数52人(前日比-47)、現在感染者数4,674人(前日比-380人)とかなり収束してきているように見えます。

専門家会議もまた、4月1日〜7日には2,185人感染者増加、そして専門家会議が開催された5月14日直近の新規感染者数は平均87人と激減したことを示しています。

私たちはいつも2週間、潜伏期間後の感染者実数を見ることしかできません。ゴールデンウィークは人の動きが思ったほど多くなかったのかもしれません。予断は許せません。「解除」が何もかも解除になったと思って行動様式を以前と同じように戻したら再度爆発的大流行になるのではないかという危惧を私は抱いています。

3.実効再生産数

対策を行った上で、感染者1人が何人を感染させるかという実効再生産数は発症日が確定していないため正確な数値は出せないものの確実に1.0を下回り、つまり清き感染者が新しい感染者を増やすよりも、感染させない数値が高まっているということです。

4.医療体制

病床の確保は5.1現在31,077床各都道府県が確保を見込んでいて、14,781床が医療機関との個別調整を終えています。

これまで筆者は常にヒューマンリソースの不足がこの感染症を増大させることを懸念していました。

人工呼吸器装着重症患者最大限315人、5月13日213人、人工肺ECMOについては63→29人です。これら重症患者旧名のための装着操作、維持のための医療従事者は24時間対応を迫られます。重症患者を延命させ、回復させることは喫緊の医療上の課題です。

5.課題

今後もしまた再流行した際には解除された地域が再度指定されることもあり得ます。これは専門家会議が、これまで沈潜化していたクラスターが顕在化、新しいタイプのクラスター発生が危惧されています。

解除には感染者10万人当たりの累積報告数、倍加時間(感染者数が倍になるまでの時間を指数関数的に算出したもの)感染経路不明の感染者数が判断基準となりました。

さて、医療体制についてですが、5.1の専門家会議提言にあったように保健所、医療機関の負担を減らすことは大きな課題です。そこで情報把握・支援システム試行導入が提案されています。

6.人々の生活

解除=以前の生活ではありません。専門家会議提唱の「新しい生活様式」によるものです。このままでは社会経済が破綻することを危惧しての解除です。したがって大規模イベントや三密を許すような行動は許されるわけではありません。

7.心理社会的影響

厚生労働省は偏見と差別が社会経済的活動と感染拡大防止の両立を阻むものとしています。感染者の特定のためのSNSでの嫌がらせ、感染者差別です。

8.メンタルヘルスへの打撃

現在筆者が心理職として働いていて肌で感じるのは、自粛のために溜まったストレスのはけ口がないことで、人々の不満、不安、経済的恐怖は限界値に近くなってきています。大学生も学校が始まらない不安があり、活動の極度の制限は大きなネガティブな影響を及ぼしています。

この影響を受けているのは子どもたちにも深刻で、教育的な課題以外にも学校社会からの孤立感があります。

現在COVID-19治療に当たっている病院の心理職によれば、患者さんの不安は主に経済的なことで、まだ心理的課題にまで到達はしていないとのことでした。

サイコロジカルファーストエイド、災害時の支援の心理学にも示されていることですが、これら現実的不安がある程度見通しが立った際に心理的課題が大きく人々の心に影響していくでしょう。

多くの心理職が来たるべきメンタルヘルス的介入のための情報収集をして課題を分析、対応を考えています。心理職もまたこの感染症の被害者をこうむっています。

「自粛警察」と言われるような違法な行為は混乱を増加させるだけです。政府、行政は現行でできる事を現行法の枠内で行っています。

いずれ特別な法的措置が必要になるかもしれません。メンタルヘルス的な人々の不満を十分に受け止めていくことが現在の心理的課題です。

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photo&lyric by photo by 𝚜 𝚘 𝚛 𝚊 ໒꒱⋆゚ (@Skyblue_sky_)
過ぎたことをあれこれ考えてしまったり、考えても仕方のないことに心を奪われてしまうことってあるよね。時間を持て余す場合は、尚更その傾向は強まる。そんな時は、立ち止まって振り返る間もないくらい、前だけを見て走るのもひとつの方法かもね。もちろん、なにごとも「ほどほど」がいいんだけど。

◯ 新型コロナウイルスが心理職の働き方に与えている影響(例)

※ 本記事はCOVID-19に関する内容が含まれており、さらに今回は宗教的象徴として「おふだ」が使われています。心理的抵抗がある方はすぐに閉じてください。新型コロナウイルスに対処している方々を揶揄しているわけではなく小規模な産業-医療場面で起こっていることを書いたものです。

さて、働き方改革がつい最近まで厚生労働省主導で行われていましたが在宅勤務者が増え(すごく多忙な在宅勤務者もいますが)、隔日出勤者や半日出勤者が増えて無理矢理働き方は改革されてしまったようです。

さて、そこで心理職として産業・医療領域で働くH・A氏(ひ◯たあ◯ら)さんの職業生活にどのような影響を及ぼしているのかを見てみます。

これはネタがないから書いてみる、ということではなくH・A氏の脚色した・ただしかなり真実に近い、ある1日の生活を例にあげてCOVID-19が深刻に心理職の生活にも影響を与えていることを示してみたいと思ったからです。

1.出勤時間
上司:今度からうちの職場も感染症に関係してない人は隔日出勤にすることになったよ
H.A:え、僕もかな(ツイ廃活動やブログ作成を1日2記事にしたらツイートの数が2倍になってブログ読者が24人と倍増するかもしれないと期待)
上司:最近カウンセリングの件数どう?
H.A:うーん、増えてますね。自粛自粛で自粛疲れでみなさんストレスたまってるみたいで増えてますねえ
上司:うん、じゃあH君は毎日出勤ね。時短もなしで。
H.A:え
上司:時間外のオーダーとかある?
H.A:増えましたねえ
上司:じゃ、飛び込みで来る患者さんのために夜8時まではいてね。

2.マスク不足
-朝礼-
衛生資材補給担当Aさん:
というわけでマスクはだんだん充足されつつありますがやっばり足りないので医師看護師臨床検査技師を除いては当座の間各自布マスクなどを購入してくれると助かります
H.A:じゃ、さっそくAm◯azo◯で注文しておこうかな。カートに入れて。あ、2つ入れちゃった。取消しはこのボタンで。あ、また間違った、あとで取り消さないと。
事務の人:Hさんカウンセリングの人来てますよ」
H.A:はーい
(注文のことすっかり忘れてる)
−カウンセリング後−
H.A:あ、布マスク30枚、2万円ぐらい買っちゃった。(時間が経つと取消し不可)

3.手洗い
上司:H君さあ食堂のジェットタオルどうしたらいいと思う?
H:さあ、僕心理なんで、COVID-19とメンタルヘルスの研究始めたばっかでそこら辺はわからないですねえ
上司:ま、近所の藪山病院(大きい)や枯葉工業株式会社の保健管理センターに聞いておいてよ、あと参考文献集めといて
H:(だから僕心理だって言ってるのに)
上司:なんか言った?
H:いえ。(面倒だなあ)
上司:じゃ、よろしく。俺会議だから行ってくるね。
−2時間後−
H:あの、これが厚生労働省専門家会議の資料、これが国立感染症研究所の新型インフルエンザの時の感染症予防対策資料です。あと藪山病院と枯葉工業株式会社の保健管理センターに聞いたらジェットタオル全面禁止だそうです。資料でもウイルスの飛沫感染のおそれが高いと結論が出ています。そもそも最近スーパーもジェットタオル使ってませんよね。
上司:うんうん、でもさ、うちって手洗い徹底指導してるじゃない。抜き打ちで手洗いチェック検査したりね。
僕:はあ
上司:ハンカチ携行にするとね、この時期暑い暑いって汗ふいて、それで石鹸で手洗いしてもまた汚れたハンカチで拭くだけだとどうかと思うんだよね。ノロとか食中毒も心配だし。だからハンカチ使わなくてもジェットタオルとアルコールで手指消毒しなくちゃ。
H:えと
上司:ま、手洗いっていうのは個人の公衆衛生に対して行動変容を促すことだからねえ、30秒間の手洗いを徹底する。それでジェットタオルによる飛沫感染リスクは減らせるよ。
H:はあ
上司:何かH君からある?
H:いえ、勉強になりました。ありがとうございました。

4.オンライン会議
(A君からLINE)
「明日Zoomで学会研修だからちょっとZoomの使い方練習付き合って」
H:いいよー
A君から電話:これどうやって使うの
H:かくかくしかじか、試してみて。
A君:あ、背景って設定できるの?
H:IOSのバージョンは?
A君:SE
H:うーん、無理かも。ところで何の学会研修?
A君:あ、だいたいやり方わかったからありがとね。もういいよ。

5.おふだ
上司:H君はなんか宗教入ってるとかこれ絶対ダメとかある?
H:いえ特に
上司:じゃ、これ飾っちゃお
H:え?
上司:いやね、俺の地元の友人の医者仲間が送ってくれたのよ。俺が当直ついていると必ず急患出るじゃん。だから魔除けにって。
H:先生「いつも俺は科学者だから」って言ってますよね。
上司:それは間違いないけどな、まあ、病も気からって言うじゃん
H:はあ
(だいたい描き写したもの)↓ 
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※ というような割と平和な感じで書いてみましたが、実際の現場は検査、搬送、治療、隔離、防疫と安全委員会を何度も開きながら事に当たって、と全く平和な感じはしません。

ひとたび「何かが!」となると僕も「じゃあねー」とはならず深夜まで記録をつけたり休日出勤をする体制になります。

たまたま僕の職場は前線中の最前線、と今のところはなっていませんがみなさん神経をピリピリさせています。時間はかかると思いますが収束を願うばかりです。治療機関には事務職員を増やして欲しい、保健所の職員や保健師さんが日付をまたぐまで残業しているのはおかしい、と思っています。

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