ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:食えない

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時に頭よりも先に心が受け入れる事があって。紐解くと、そこには在るべくした理由が転がるけれど、綺麗に繕われた結びをわざわざ解くことほど野暮なことはないから。

◯ 公認心理師食えない?求人数臨床心理士>公認心理師

1.求人情報検索(2021.3.4現在)

前回2020.4.8ハローワークで臨床心理士と公認心理師の求人を調べたら臨床心理士フルタイム325人、パート279人です。公認心理師フルタイムは96人、パート114人でした。

さて、あれから約1年、新卒もそろそろ求人募集が出ているだろうと思って調べてみました。臨床心理士求人はフルタイム、パート合わせて776人です。病院の勤務あり、常勤だと放課後デイサービス(発達障害などがある子の放課後・夏休みなどに教育的支援や余暇活動を提供する福祉サービス・略して「放デイ」)あり多彩です。

パートだとクリニックが多いのでしょうか。いずれも臨床心理士のみの募集が多いです。今は過渡期、大学院卒の重みはまだあるのでしょうかパートは1,000円代後半の賃金です。

臨床心理士フルタイムに限ると398件、賃金は10万円台後半から30万円です。病院の求人もあります。

こたらも臨床心理士のみ募集、臨床心理士or公認心理師はあまりありません。

それでは臨床心理士パートを見てみます。三重刑務所は臨床心理士または公認心理師となっていて、パートながら3,400円〜3,800円薬物や性犯罪処遇「あ、やってみたい」と思いました。

時給がとても安く900円台〜の保育園の募集もありました。

378件です。

それでは今度は公認心理師を見てみます。フルタイム及びパートを見ると523件です。公認心理師のみの募集はやはり病院が多いです。保険点数の関係でしょうか。


常勤に限ると319件、公認心理師or臨床心理士の求人が多く出てきます。放課後デイサービスもありカウンセリング事務所もあります。

給料は10万円台後半から20万円台です。

パートは204件、数は少なめですが同じ事業所で公認心理師or臨床心理士、公認心理師の方が賃金高めの職場もありました。

2.考察

やはり大学院卒の資格ということでまだまだ臨床心理士の求人は多いようです。さて、僕は求職活動はしていないのですが、公認心理師のみの求職募集検索でも心理検査技術必須だったり、結局はみっちりと大学院教育を受けた臨床心理士&公認心理師が応募に当たっては有利になりそうです。

2019.12.23調査したところ臨床心理士355件、公認心理師67件だったのが公認心理師もずいぶん求人は多くなったなあという印象です。

ただ、こういう結果を見ると新卒者は今はダブルホルダーの方がいいんだろうな。と思った次第です。

3.公認心理師は食えないの?

これについてはさまざまな意見があるでしゃうけれども、働き方によるとしか言いようがありません。

時給900円だと実家暮らしでないと難しい。他の、手取り12万前後の仕事は一人暮らしだと食うか貧しさに食われるかのせめぎ合いです。

新卒・中途採用でもそうですが、比較的給料が高いのは障害者施設、特に入所施設は給料がいい(ところもあり安いところも)あります。

給料は、そこの社長の事業方針によるとしか言えませんが、通所でも障害の程度が重く、重度知的障害などコミュニケーションを取ることが難しいほど給料は高い傾向があります。

ただ、こういったところは無資格者も多く、「本当に心理の仕事なの?」と思うことも多々あるかもしれません。

「イルツラ」は別の意味で大変忙しいイルツラになるでしょう。しかしこういったところで働いてきちんと論文を書いている心理職の人たちもいます。

これも「心理の仕事なの?」と思われる放課後デイサービスは学習支援にTEACCH、認知行動療法的視点を自閉症児者に取り入れて「ゆりかごから墓場まで」この人たちの生活を支援するという、特別なプログラムを組んでいるところがあります。社会福祉法人の入所施設にもTEACCHを取り入れているところがあります。

親のいない子たちの社会的養護施設にしても無資格者もいますけれども資格取得者は元気さと体力で就職もできて、僕はこれはプレイセラピーを含んだ心理の仕事のような気がします。

新卒でも「食えない」ことはないです。

問題なのは「食い方」で、病院でのテスター専門だと時給1500円、カウンセリングでも同時給ぐらいの職場もあります。

結構バタバタしているので忙しくてやりがいはあるでしょう。

心理の人は自分を売り込むのが大変下手です。クリニック心理職時給1,200円→病床ある心理職月給額面20万円→35万円でこの間に査読論文や博士課程を取っていたらそのうちアカポス、大学教員のポストがゲットできるかもしれません。大学准教授になれれば年収500万円からのスタートです。

どこにどんな可能性があるかわからないので、あらゆる場所でまず働いてみてそこからステップアップを目指すというのはひとつのやり方なので、「食えない、就職がない」と嘆くよりは実家暮らしで働いてみて、そこから自分でひとり立ちできるまでの経済力を身につけることは「不可能ではない」と思います。

◯ 公認心理師【心理職は食っていけるの】橋口動画への反論

稀代の天才心理学インフルエンサーかつyoutuber橋口誠志郎さんの動画【再アップ・間違い有】【公認心理師話・収入篇】心理職は食っていけるの?【個人の印象】動画が主張しているポイントはざっくりと3点ありました。

1.女性心理職は結婚して時給が高いアルバイトをしているだけなので食うに困らない。

2.一生懸命働けば心理職の年収は500〜600万円。

3.実はお金持ち、働かなくていいサイレントマジョリティーが多い。

さて、まず「1.」についてです。

橋口氏の主張では心理職の4分の3が女性、結婚して週一のアルバイトでも生活に困らない。

これは確かにそうかもしれません。

例えばスクールカウンセラーは非常勤ですが、待遇としては行政官庁課長補佐級、国家総合職では30代半ば、一般職が定年寸前で課長補佐になれれば盆暮れ正月が一気に来たようなもので黒塗り官用車で送迎される、警視正並の扱いです。

それが大学院新卒でもその地位を獲得しているので、時給や扱いがいいのは当たり前、週イチ勤務でも家事や子育ての合間にオイシイバイトとしてやればいい。

だから年収100万〜200万円の数多い心理職の多くは経済的に困っていないというものです。この仮説を推察することが可能なデータとして一般公開されている日本臨床心理士会の動向調査結果があります。

平成28年のものと少し古いデータですが、非常勤のみ44.7パーセント、働いていない臨床心理士が7.3パーセントとこの勤務形態は、確かに食うために働いているわけではない。

という結論に近くなりそうです。

ところが例えば僕はスクールカウンセラー、ハローワーク、精神保健福祉センター、クリニック、企業等々の掛け持ち非常勤で生活していたこともあります。

非常勤だけでも必死に食おうとしている人は橋口氏も含めて数多くいるのです。

常勤+非常勤13.8パーセントはもう食べるために必死、という様相があります。

常勤のみ33.8パーセントの給与水準は私立クリニックや福祉関係心理職だとかなり低い水準で抑えられていることも多いです。

年収300万円台以下の臨床心理士給与はちょうど合計50パーセント。

必死に食うや食わずの生活をしている人々も多いでしょう。

ハローワークインターネットサービスで検索すると心理職のアルバイト時給は1000円台で、薬剤師、看護師には敵わないものの、まあアルバイトだけでもなんとか生活はできるでしょう。

(動画)

次に「2.」の一生懸命働けば500万円から600万円ということですが、これは「誰でも可能」というわけではないと思います。

総合職公務員なら40代後半で1000万円プレーヤーもいます。

そして細々と非常勤生活、あるいは掛け持ちで様々な心理に関する仕事を重ねてやっと50代になって500万円を手にする人も多いでしょう。

それは心理の世界に人生を捧げて苦行を強いられたもはや尊いカウンセリングサクリファイスと言ってもいいでしょう。

そして公務員、総合病院に勤務できるのはほんのごく一部のエリートです。

経歴が素晴らしく、誰とでもうまくやっていけるだけの人間性があり、コネも十分、苦労をいとわずサービス残業どんと来いの人が多いかもしれないのです。

大学教員への道は臨床心理士バブルが弾け、誰でもが、例えば学部卒で雑誌に寄稿していたぐらいの業績でも大学教員に登用されていた時代もありました。

ところが今は博士号取得者、研究業績満載でも公募准教授のポストは高い競争率です。

しかもFランワンマン学長大学だと給与水準はかなり低く抑えられます。

常勤公務員から私立大学教員に転職すると退職金積立ての長期共済は一旦ストップします。

公務員は25年以上勤めると退職金はうなぎ上りになるのですが、その権利を捨てることになります。

そして橋口理論には決定的な誤ちがあります。心理職の求人は少ないです。

さて、最後の「3.」です。

「心理職なんか儲からないぞ」というノイジーマジョリティーに対し、実は実家がお金持ちだけど何も言わないサイレントマジョリティーが多いのではないか?

というものです。

確かに心理大学院に行く時点でその人は一般就職を捨てています。

院卒者臨床心理士、公認心理師合格率6割というのは高いようであとの4割は何度受けても受からない、中には10年近く臨床心理士を受け続けた人もいます。

高い学費を払って国内外の学部や院に進み、不合格だったらその後の人生どうするのでしょう?

実家が金持ちだったとしても親パワーで一生生きられるだけの資産がある家で育った人はそう多くはないでしょう。

それに「心理職で生活できるか」という本旨とは違うのではないかと思います。

普通の家庭に生まれ育ち、Fラン大を出てレベルが高い私大大学院学歴ロンダリング、さらに医学博士号を取得するために医学部博士課程に入学しながらバイトに明け暮れ、その間に結婚、糟糠の妻が生活を支えて大学教員になったという話も聞きます。

神戸女学院大学人間科学部心理・行動科学科の初年度納入金額は1,507,000 円です。

確かに高い学費を払える良家の子女も多いかもしれませんが頑張って学費が安い国公立に行き、そのまま院に進み非常勤で食いつなぐワープアマジョリティーも多いと思うのです。

こんな事を言うと橋口氏からはノイジーマジョリティーと言われそうですが自称孤独死確定の橋口氏、そしてぼくもお金持ちでは決してありません。

こんなやくたいもないブログを書いている時間があったらセ◯ブン◯イレ◯ブンで働いた方がよっぽどいいのではないかい?

と思うのです。

長時間労働サー残漬けで実質時給300円の心理職として今後ともみなさま一緒に頑張りましょう。7F35229C-6209-4137-84B6-90ABC99DE1FD

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