ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:非常勤

FE3E502B-B9C9-46B2-B690-84603245B381

〇 臨床心理士・公認心理師・非常勤から常勤への面接術

1.序

心理職がとかく給料が安いというのは、その働き方で非常勤が多い、ということが理由のひとつということはよく言われています。考えてみればこれは当たり前のことで、アルバイトでいつでも雇えていつでも辞めさせることができるのは経営上都合がいいことですし、常勤にすると簡単に退職させることはできない、下手をすると労働基準監督署案件になってしまうから(ということを知らない事業所も多いですが)という面倒くささが伴っています。

非常勤で働いているみなさんは、社会保険はしっかりとしているでしょうか。正規職員の4分の3以上働いている場合には、介護保険、医療保険、雇用保険、年金保険、労災保険への加入させなければなりません。これは事務も煩瑣ですし、雇用側にとっては条件がしっかりとしていると非常勤でも本来きちんとしていならないのですが、日本の小さな事業所はいい加減なところが多いです。

ワンマン院長(社長)の裁量ひとつで気に入られなければ「明日から来なくていいよ」というのはいかにもよくありがちな話です。

そうであれば雇用条件がしっかりとした常勤で働きたいと思うのが当然のことで、心理職を目指して大学院に入った人が「旦那の扶養範囲内で働けばいいから別に専門性はそんなに求めなくてもいいわ」と思った人はいないものと思います。

そこで非常勤→常勤への面接を突破する方法を考えてみたいと思います。

2.ありがちな失敗

「どうして〇医院(弊社)を受験しようと思いましたか?」と聞かれて「子育ての手が離れて」と答えるのは実に微妙です。これで受験者の方が30代後半ぐらいで「あ、子作り打ち止めかな?」(禁止されているのでそういう質問は面接ではしてはならないことになっていますが)と言うと「なるほど、よしよし」となるのですが、20代ぐらいの人がそう答えると「あ、この人また子ども作ったらすぐ産休育休取るのかな」と思われて雇われにくい、ということは実際にあるでしょう。

しかも、雇う側はあくまで雇いたい、熱意ある動機のあるやる気のある人を探しているわけで「時間ができたから雇ってちょうだい。非常勤より常勤の方がお給料いいし」というのは本音であっても言ってはならないことです。

泣き落としは最も下策です。「ここで雇ってもらえないと経済的に苦しい」というのが本当であっても「それがどうした、こっちは欲しい人間を探しているわけで、困ったことがあるとすぐ弱音を吐く人間が欲しいわけではない」と思われてジエンドです。

若い女性心理職の方には結婚、出産はとても微妙な問題で、雇用側は聞いてはいけないのですがストレートに聞いてくれる場合もあります。「2番目のお子さんができたらどうしますか?」など聞かれたら(あるいは聞かれなくても)「夫の(自分の)両親の近くに転居したので両親が面倒見てくれますので」とさらっと言っておきましょう。

男性でもそうですが「俺が俺が」「私が私が」といきなり給料や雇用条件など、面接官が聞きたいことよりも自分の希望を述べるともうそれ以上は話を聞かずに短時間に面接を切り上げて「その後のご健闘をお祈りします」となってしまいます。

こういった社会性のない心理職の就職面接態度にげんなりして過去、医療系人材エージェントの中でも比較的大手は採算にならないと心理職から手を引いてしまったという例もあるぐらいです。

3.望ましい非常勤→常勤の転職への面接の臨み方

やはり、常勤になったらやりたいこと、非常勤ではできなかったこと、を熱意を持って話すのがいいのだと思います。それは何かというと、まずありきたりですが「腰を据えて落ち着いてじっくりと働きたい」という前向きな姿勢です。

これは非常勤→非常勤の場合にも当てはまるのですがきちんと就職先のことを前もって調べてある志望者に関しては好感を持つものです。ここで面接の8割が決まってしまう(要するに調べていないと8割負け)という場合も多いです。

「貴院ホームページを拝見させていただきましたが、医療法人〇〇会様では入院患者さんが退院したとしてもスムーズに社会復帰できるよう、デイケアや就労継続支援施設があり、また、患者様が通院しやすいようにサテライトクリニックを2つ持っています。理事長理念である、『〇〇会の、その先へ』を私も達成できるよう、雇用されたならさらに自己研鑽を積んでいきたいと思っています」とか、「単科クリニックで小児中心、スクールカウンセラーとして主に子どもとかかわって参りましたので、病棟のある病院でより支援を必要とする子どもたちの心理検査や療育に積極的にかかわっていきたいです」 という、「組織に染まる」姿勢が必要です。

非常勤でも一生懸命そこの現場に役立ちたいと職場のカラー合わせようとしていたとしても「あ、バイトね」ぐらいの扱いを周囲から受けていたことはなかったでしょうか。常勤はいわばその職場の「顔」です。中途採用は即戦力(は実際には無理でも)採用が建前なので、配属されたら〇〇をしたい、ということをアピールします。実際のところが違っていれば相手が言ったことに軌道修正をして自己アピールを重ねておきます。

「〇さんは家族支援もしたいって言ったけど、うちはそれはドクターが十分にやっているから」と言われたら素早く方向転換をして「それでは私が子どもの検査をやってプレイセラピーをやって行動観察をして、その結果をどんどんドクターに伝えていきたいと思います。内容もそうですが、面接官は臨機応変さがあるかどうかという地頭も見ているのです。

重要なのは、あくまで「採用面接」なのですから、非常勤で培った体験をどのように常勤で生かしていかるかということを相手に合わせてアピールしていくことです。志望者の個人的な事情はぶっちゃけどうでもいいですし、個人的な事柄を語って一緒に考えていくのはカウンセリングという場で行われる営みです。

さて、あとは面接内容ですが、面接官が心理の素人だった場合、専門用語ばかり並べられるとむしろげんなりしてしまいますので、「乳幼児テストは数十種類取れます」(必要なら)「親への集団精神療法(ペアレントトレーニング、保険点数が取れるので)ができます。と何ができるのかについては話しておきましょう。

どうも心理の専門家が面接官に入っているようであれば、「乳幼児の発達検査は何ができますか?」と聞かれるのでそこで「ウェクスラー式、鈴木ビネー、K‐ABC、遠城寺、津森、コース立方体などです」と言えばいいだけです。間違っても人事担当者に専門用語を使って尊敬する先生の話を長々と語ってはいけません。

あとは常勤だと、非常勤で働く人よりも「一緒にいて働きやすい人かどうか」をかなり見られますので、難しい質問でも常に笑顔で機転よく切り返すことが必要になります。スポーツの趣味はどんな就職面接の場合にでもプラスに働きます。特に集団競技はそうです。昔のことでも構わないので、学部、高校時代の運動部体験を聞かれてびっくりするかもしれませんが、協調性と健康さを聞いているわけです。

4.結語

心理職の求人は、一般就職と異なって割と1年中行っていることが多いです。悪く言えば心理はいなくてもなんとか回るけれどもいてくれれば助かる、というために欠員状態になっているところもあります。したがって雇用する側が上から目線になるのも仕方ないでしょう。そこに入っていくわけですから、どんどん前向きな姿勢で攻め込んで内定を勝ち取りましょう。

photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_

E8C1F3F7-EF3C-4291-A7F2-8DC03EC6711F

◯ フニーター公認心理師あざみちゃん

僕「あざみちゃん相変わらず非常勤掛け持ち?」

あざみ「今年からスクールカウンセラーやってる説だよお」

僕「そっかあ、あざみちゃん夏休みたくさん欲しいとか言ってたもんねえ」

あざみ「とりまなんかお金欲しい的な。あとクリニックで心理テストMMPI1件千円で請け負って自宅でやってこれは至高のバイトな」

僕「それだけじゃ生活大変じゃない」

あざみ「空き時間はテレアポのバイト行ってるー。心理学応用できない営業のつらみなバイト、コンビニとか?」

僕「なんか大変だねえ」

あざみ前「ブ⚪︎クオフ」でバイトしてた時は私の勤めてる中学の生徒がBLコーナーに来て熱心に立ち読みしてて声かけられなかったー」

僕「心理の常勤とか探さないの?」

あざみ「新卒時、過労死があった大企業に契約社員で入った。労基の調査のあと、『うちはメンタルヘルスに気を配る対策してるって認められて調査切り抜けたからもういいよ』ってクビになった」

僕「ひどいね」

あざみ「ショックで寝込んだあとに大手金融系EAP従業員支援プログラム会社で常勤で雇われてメンタルヘルスDVD作ったら『もう作品ができたからいいよ』ってそこもクビになった。つらみが深い」

僕「・・・そこもひどいね」

あざみ「んー今ライターもやってるから固定給で結構稼げるようになったから二足のわらじもよきかなって思ったの」

僕「ふうん、何書いてるの?」

あざみ「最初はね、美容外科とか審美歯科とかネイル専門学校のライティングタスクの単発やってたの」

僕「うん」

あざみ「タスクだとなんでも書いてたよ。害虫駆除業者の宣伝とか水道工事のやり方とか車検とか全国各地の観光地の宣伝とか、エステ体験談とか」

僕「今なんでもクラウドで募集してるもんね。あざみちゃん全国結構旅行してたりあちこちのエステ行ってたの?」

あざみ「まさか。ネットで全国各地の観光地調べてデートして楽しかったとか、エステも体験談ネットで調べてリライトして書いたりとか」

僕「・・・大変だねえ」

あざみ「自由だからふぁぼって思ったけど食べられないからあ」

僕「うん」

あざみ「で、今は恋愛心理学とか夢占いとか『草食彼氏を肉食に変えさせる12の必勝法』とかキュレーションサイトと契約して書いてる」

僕「本名で?」

あざみ「ううん、夢野ひめみって名前で書いてる。設定は21歳名門大学3年生ミスコン準優勝ね、読モやっててラクロス部にいるんだよ」

僕「忙しそうな人の設定だね」

あざみ「だよねえ、そんな人ライティングなんかしてる暇ないよねえ、ひめみちゃんは恋愛の達人っていう設定なの。宣材のフォトジェニックな写真載せてる」

僕「ふんふん」

あざみ「あとはポイントを各種稼いでる。アンケートとかクレカとかポイントサイトでアプリゲームダウンロードしたり無料サイト登録したりマメにしてると月数千円ぐらいになるのお。お買い物もポイントゲッターだから絶対にポイント三重取りぐらいしてる」

僕「あざみちゃんマメそうだね」

あざみ「でもライティングは締め切りに追われるし単価安いからつらたんでヤバみが深過ぎる。だから都会の市役所受けてるのお。で、全滅してる」

僕「大変だねえ」

あざみ「だから全国にも行って心理職の新規採用受けてるのよ。結果待ち。いい波乗りたい」

僕「就職先は心理職としての経歴も見るんじゃない?」

あざみ「うん、だからね、時給安くて時間のしばりも厳しいけど先月からクリニックの受付け始めた。履歴書に書けるから」

僕「心理じゃなくて?」

あざみ「うん、インテーク面接(初回面接、主訴をまとめて医師に要約して伝えて医師の初回診察時間を節約、初診患者さんに聞いてもらえた感を与えられることもあり)はやってるよ。心理の仕事やってるっぽくてそこは面白の助」

僕「それをキャリアにしてどっかで常勤になれるといいねえ」

あざみ「うん、やっぱりいろいろやってみてね、私カウンセリングの仕事好きだし子どもも好こだから」

僕「新卒の時に就職逃したのは残念だったねえ」

あざみ「うーん、国家総合職しか受けなかったのはまずかった」

僕「まあバイト経験も将来的にクライエントさんの気持ち知るのに役立つこともあるだろうね」

あざみ「それな。ただやっぱり同級生が安定の常勤だと裏山。若いうちに就職しとかないとなうしかない。」

※ 心理職は院卒で新卒時に教授の紹介などで就職を逃すとなかなかその後が大変なことがあります。

心理バブルで臨床心理士が量産されて常勤心理職のパイが奪われて非常勤ばかりが多いという事情もあります。

院の教授によってもさまざまで、自分の関連の就職先に口利きをしてどんどん学生を送り込める熱心な先生もいます。

「就職は自分で探すもの」という先生もいます。

確かにそれは一理ありますが、新卒時でないとなかなかいいところに潜り込めない場合もあります。

ただ、紹介で仕事を探す場合でも面接を受けるのは自分です。

自分で自分を売り込めないと就職にはなりません。

ただ、就職しても民間でひどい使い方をして心理職をぽい捨てする企業があるのもホントです。

あと僕はハローワークにも心理カウンセラーとして個室を与えられてカウンセリングをしていたこともあります。

患者さんばかりでなく、一般の就転職希望者の相談にも乗っていました。

中谷彰宏の「面接の達人」に書いてあったとおり就職は自己PRと志望動機の2つだけを重点的に聞かれます。

あとは「前辞めた仕事は何か問題を起こして辞めたのではないか」「一緒に働きやすい人か」「その領域に向いている人か」も見られます。

みなさまのご活躍をお祈りします。(お祈りメールではなく本心から)

※ 当サイトは公序良俗に反するサイトを除きリンクフリーです。また、当サイトからのリンク先情報についての真偽は保証しかねますのでご了承ください。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 心理カウンセラーへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心理学へ
(スポンサードリンク)

↑このページのトップヘ