ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:開業

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公認心理師法人営業・ココロラルゴ代表光戸利奈博士の挑戦

ココロラルゴHP

以前別のプロジェクトで一緒になったこともあったのですが、開業心理職として先輩の教えを乞うために法人向け心理学研修のココロラルゴを主催しているHNりりー、光戸利奈(みつと・りな)さんに開業直前に図々しくも営業方法について無料で指南を受けるためにZoomでの会話を申し込み、快く引き受けてくれました。

まあ雑談がてらということでなかなかためになる話もできたのですが、5月16日のZoomセミナー(仮称・心理職のための法人営業)とかぶるところも多いので内容は割愛。

りりーさんは病院心理職を10年行った後に一昨年独立、兼業主婦として2人の子育てをしながら忙しく毎日働き、現在では一日3件の法人の仕事を行うこともあります。

Twitterでのツイートを見るとなかなか彼女の本気度が伝わってきて、扶養の範囲内で収まるような働き方はしたくないと独立心旺盛ですし、元々認知心理学・神経心理学が専門で臨床心理士資格を取得していなかった彼女は病院の臨床心理士に疎んじられながらも黙々と子育てをしながら広島大学教育学部大学院で心理学博士号を取得、周りの臨床心理士たちも感心するほどの努力をしてきました。僕も博士論文を見せてもらったのですが難しすぎて何がなんだかわからない…

病院では地域連携室長として管理職業務を行う等、八面六臂の活躍をしたのちの開業です。

ホームページを見るとわかるのですが、「新入社員向けA. ストレスコントロール(セルフケア)B. 自分の強みをビジネスに活かすC. 伝わるコミュニケーション術昇進者向けA. コーチングB. 感情との付き合い方C. チームマネジメント管理職・人事向けA. 部下のメンタル・ラインケアB. ハラスメント対策C. ストレスチェックの活かし方」など法人・事業所にとってはかゆいところに手が届くようなメニュー構成になっていて、心理学を仕事にするというと、個人向け開業ばかりに目が行きがちなのですが、心理学開業のもうひとつの新しい地平を見せてくれます。

どの事業所も理念が正しくて崇高なものであっても、従業員の離職率の高さには頭を悩ませています。1人採用するのに100万円近いコストがかかるのに加えて社員の離職は組織全体のモチベーションを著しく下げることにもつながりますから、法人営業の意義は大いにあり、そこはwin-winの関係になれると言えるでしょう。

そのための取組みのひとつとして、恥ずかしながら僕は今調べながら知ったのですが厚生労働省で「健康経営優良法人」と認可されることができるそうですが、りりーさんの事業は健康経営有料法人認可の支援もしてくれるそうです。

彼女のすごいところはとにかくフットワークが軽いことと、楽観的なところです。僕がツイートで法人営業のことばかりつぶやいていたら「ひなた、一緒にセミナーやらん?(普段はお互いタメ口)」と僕が戸惑って「お、おう」と言う間もなく開業心理職のためのいろは、継続営業をやるには、という中身でオンラインセミナーをやることが決まっていました。

2年ぐらい前にりりーさんとは知り合ったのですが、明るく快活なところは全く変わっていません。僕も法人営業をやっていて感じるのですが、確かに法人営業というのは楽しいこともありますがなかなか辛いところもありまして、全く知らないところに電話したりアポがうまく取れても追い返されるようなところがあったり…

りりーさんは新規開拓営業はやったことがなく、紹介で仕事をもらっていると聞くのですが、思えば通常の人だと辛いなあと思うところ、彼女自身もきついと思うことがあっても全く表にも出さないのは大したものだなあと感心しています。

実際にはりりーさんは新規営業はやらないと言っていましたが、認知心理学博士だけあってそこはかなり合理的・システマティックにやっていると思います。僕も彼女の真似をしてセミナーなんぞをやろうとしているのですが、セミナーにやってくる時点でそのオーディエンスは潜在的な顧客です。そういった人たちからの声を拾い上げていくことはなによりの営業活動になるでしょう。飛び込みで電話しまくる根性営業とは一線を画しています。

法人向けに心理学を活用した営業、というか営業活動全般に共通して言えることですが、営業はとにかく社長、研修を実施してくれるキーパーソンと話ができなければどうにもなりません。りりーさんは社長のカウンセリングも行っていますが、会社の代表者と話すことも多く、社外相談役としても活躍しています。心理職はとかく1人対1人を相手にすることが多く、組織を相手にすることは分野によっては少ないのですが、臆せずトップに会い続けるという姿勢が必要でしょう。

ここまで書くと「なぜ」「どうして」りりーさんがそういった活動が可能だったのだろうと思う方も多いかもしれません。確かに誰にでもできることではありません。その辺りのコツが5月16日のオンラインセミナーで聞けるのではないかと期待しています。(注:配信は5月20日からになります)

「開業の糸口ってなんだろう、わからない」「勇気を持って飛び込み営業しなくちゃならないのかなあ」とそういった疑問に真摯に答え、営業の大変さばかりでなく、法人向けセミナー実施の楽しさとそのやり方について当日は語っていくつもりです。ぜひみなさんのご参加をお待ちしています。詳細はまた続報にて。
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_

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◯ 公認心理師になれて良かった

以前記事にした「第2回公認心理師ギリギリ合格者に勉強法のコツを聞く」

http://hinata.website/archives/21257617.html

Y先生の話です。

僕「あまして今年もおけです。」

Y先生「ひなた君は相変わらずすべることしか言えないのね

僕「Y先生、開業で産業領域で働いてて、公認心理師取ってよかったことありました?」

Y先生「そうねえ、主人の会社の人事部長が『奥さんすごいねえ』って言ってくれたかな」

僕「それだけ?」

Y先生「ストレスチェックテストを他の会社と共同でやってるんだけどね、そこの精神保健福祉士さんがもしやめた時に私が替われるから契約更新が楽になったわねえ。営業で売り込む時もストレスチェック実施ができるのは強みね」

僕「へえ、すごいですね」

Y先生「やれる仕事の範囲が広がったと思ってこの前MI(動機付け面接、治療意欲に乏しい人をその気にさせる面接方法)の研修行って来たわよ」

僕「Y先生前向きだなあ」

Y先生「ほら、『公認心理師ってナニ?』って聞かれて心理の専門家ですって答えるじゃない?それで向こうの厚生部門が興味持ってくれたら『生活習慣病健康教育もできます』って答えるとまた仕事増やせるのよ」

僕「Y先生商売上手で金には目がないからね」

Y先生「そうそう、ひなた君と今話してるのはコンサル料金10分5千円でいいわよね?」

僕「あの、Y先生人脈広いからほかのカウンセラー仲間も多いでしょ。どうですか?」

Y先生「うん、結構みんな公認心理師受かったってことで自信つけてスクールカウンセラーに応募したりね」

僕「スクールカウンセラーも倍率高くなりそうですねえ」

Y先生「私の住んでる自治体は結構定員増やしたんだけどね」

僕「ふんふん」

Y先生「みんないろんな研究会に出るのを増やすようになってやる気が出たみたいな」

僕「自信がつくっていいことですよね」

Y先生「ひなた君はもうちょっと根拠のある自信を持った方がいいわねえ、私の知り合いは臨床心理士誰も持ってなかったけどほとんど全員受かったみたいよ」

僕「ほう、開業は忙しそうな人たちばかりなのにね。」

Y先生「だから時間の使い方が上手なのよ」

僕「Y先生、開業の知り合いだけじゃなかったよね」

Y先生「小中学校の教育相談担当の先生とか多かったけどやっぱりみんな公認心理師取れてた」

僕「開業公認心理師ってなんかカッコよくていいなあ、Y先生開業して10年でしょ?開業でうまくいくコツは?」

Y先生「まず法務局に行くことね」

僕「なにそれまずカレールーを買いにスーパーに行って来なさいみたいなボケは」

Y先生「うちの会社、私と若い公認心理師の男の子と2人だけでやってるんだけどね」

僕「うん」

Y先生「官公庁とか企業のメンタルヘルスパッケージを年間契約で取ってるから2人じゃ回りきれないワケよ」

僕「うん」

Y先生「だからいくつか委託先と業務請負契約結んでるんだけどね」

僕「ほう」

Y先生「そこのカウンセリング会社のカウンセラーも結構公認心理師取ったのね。元々臨床心理士もいたんだけど」

僕「盤石だねえ、本社2人で回してるからY・メンタルホールディングスみたいな」

Y先生「ま、うちはそこそこ田舎でそこそこ都会でしょ」

僕「牛よりは人の方が数多いよね」

Y先生「ひなた君の頭の中に湧いてる虫よりは潜在的な顧客は多くてね」

僕「うん」

Y先生「うちの地域はカウンセリング利用したい人がそこそこいて、それでいてカウンセラーの数が足りないのよね。」

僕「うんうん」

Y先生「だから公認心理師の国家資格があるって、特に中小企業に対しては強みよね」

僕「Y先生キャリアコンサルタントも持ってるでしょ」

Y先生「たくさん産業や心理の資格持ってるっていうとハクがつくわね。信用は増したと思う」

僕「転職してY先生のところに雇ってもらおうかな」

Y先生「うちのビルのテナントの1階が今ちょうど空いたのよ」

僕「あー、僕は副社長兼フロア長みたいな」

Y先生「でね、ひなた君にはそこでコンビニ経営して欲しいワケよ。お客様が来た時や私たちがご飯買いに行く時に便利だし。名札に『店長・心理担当ひなた』って入れといて、何か聞かれたらうちの会社紹介しといてくれればいいから」

僕「それはちょっとダイナミックな転職みたいな」

Y先生「ま、冗談はひなた君の顔だけにしとくわ。」

僕「Y先生純粋な心理学だけじゃなくて新入社員研修や売れる営業マンのコツとかも講義やってるよね」

Y先生「そうそう、株式会社◯◯ 公認心理師・キャリアコンサルタント・産業カウンセラーって並べて書いておくといろいろできて結構説得力出てきたみたいな」

僕「ふうん」

Y先生「ま、自信の裏づけみたいなものだけどね。自信持って人前で話すと伝わりやすいし」

※ これまで臨床心理士独占市場だった心理職は公認心理師制度導入で確実に変わりつつあります。

公認心理師資格所持者がなんらかのお手当がつくわけでなくても、国家資格を持った開業領域心理職にとって、自信を持って業務に当たれることはかなり大きな強みでしょう。

産業メンタルヘルス領域は臨床心理士だけでなく以前から営業力とコネを最大に生かしたキャリアコンサルタントや保健師の活動の場でした。

Gルート公認心理師の中には淘汰されていく、資格を取っただけの人も確かに多いでしょう。

Y先生やその仲間の産業領域活動者は自信を持って研究会に行き、多分これまで臨床心理士だけが出席できた研修会にもどんどん出て行くでしょう。

大学院卒の臨床心理士だけが心理カウンセラーではなく、公認心理師取得者の新しい風が流入していくことが相互作用としてお互いを高められるといいというのは建前です。

臨床心理士側の抵抗が大きいのもわかっていますので、今後新規に参入して来るGルート合格者と臨床心理士敵対の構図ができるとすればそれは臨床心理士側からのものになるでしょう。

Gルート公認心理師同士の軋轢はこれから明らかになって来そうです。

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◯ 開業公認心理師・臨床心理士の成功術&親身な心理職の探し方

1.序

以前、個人開業者の成功例?を法人向け個人向けと2種類書いたのですが、
この記事は僕が経験した失敗談を振り返って逆に「どうやったら開業が成功するの?」という心理職の方々や患者さん向けの「いいカウンセラーの探し方」についての考察をしてみました。

2.失敗しやすい開業準備

開業の成否を握るのはは段取り8割だと思います。

僕がフリーでどこからでも仕事を請け負っていた時、あちこちから「一緒に開業しましょう」という声がかかって来ていました。

大体がベンチャー起業家の人たちで、本人はカウンセリングをやらないけれども自分でメンタルダウンしたことがある、だから起業してみようというもので、僕も相談に乗ったりしていたのですが、たいていシステムを作る前に頓挫していました。

予実管理ができていない、カウンセリングに人々が払う、払いたいお金とシステム構築料金やそのための準備時間をなあなあにしていたからです。

カウンセリング一回をいくらの値段設定にして事務所レンタル料他必要経費、従業員給与も漠然としていたら開始はできません。

3.開業してからの勝負どころ

昨今の時代なのでSkype等のシステムを利用したカウンセリングを行うカウンセラーも多いです。

chatwarkのような事業家向けアプリも役立つのですが、あまりにシステムが複雑だと利用者側も面倒になります。

大手事業者に売り込む集客も大切ですがインターネットカウンセリングを目指してのシステム構築はクライエントさんから見やすいデザイン、親身な問合わせに対応できるかどうかにもかかっています。

対面カウンセリングだと「開業しました」という看板だけ出して誰もその事実を知らなければどんなに腕がいいカウンセラーでもきちんとしたシステムを構築して誰もが利用しやすいようにしておかないとならないでしょう。

4.成功例

成功する開業はいろいろなサイトを見たり、心理業界にいると話を聞くのですが、は第一条件です。

それだけでなく、「なんとなくやってみようかなあ」というバイト感覚でふわふわとした感じではなく、かちっとした「カウンセリングをやりたい。そして多くの人の心理支援をするためにそれを仕事にしていく」という決意がある人たちは成功しているようです。

5.これからカウンセリングを受けたい方へ

カウンセリングは開業カウンセラーの先生を選ぶとそれなりにお金がかかります。

開業の先生方は必死でクライエントさんに相対していますし(勤務カウンセラーが手を抜いているという意味ではありません)、クライエントさんは自分に一番フィットしていると思える先生を選べます。

僕は以前からドクターショッピングは必ずしも悪い事ではないと考えているのですが、カウンセラー探しはなおさらクライエントさんとの相性が大切だと思います。

開業カウンセラー、クライエントさん双方に満足のできるカウンセリングができるといいのではないかと思います。

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◯ 公認心理師・臨床心理士 心理オフィスk北川清一郎先生 心理師に望むこと、クライエントさんへのメッセージ

北川清一郎先生は横浜で心理オフィスk を構えている臨床心理士、公認心理師の先生です。

以前から北川先生のブログ

https://s-office-k.com/

を読んで「面白いなあ」「わかりやすく説明してあるなあ」と感心していたのですが、ご多忙の中時間を作っていただき電話インタビューをさせていただきました。

北川先生の学会発表にも参加してパンフレットもいただいておりますので、パンフレットも参考にしながらの質問です。

僕「北川先生は精神分析がご専門ということですけど、最近ではHSPの記事を書いたりPTSDやあらゆる相談に対応していらっしゃいます。これらを全部精神分析でカウンセリングしていらっしゃるんですか?」

北川先生「もちろん精神分析がメインなのですが、どんな相談内容の方でもベースとなるのは精神分析的な理解ですね。」

僕「あの、週7回午前10時から22時までというのはすごく利用する方にとっては便利と思うのですが大変なのではないでしょうか」

北川先生「11人のスタッフで手分けしてやっていますね。私は週5回です。」

僕「EMDRのような高度なトラウマ治療もやってらっしゃるんですね」

北川先生「私も含めて3人EMDRができますので対応しています。」

僕「個別カウンセリングだけでなく講座や研修、講義もやっていらっしゃる?」

北川先生「幅広く対応するようにしていますね」

僕「えっと、心理職にとっては開業というのはひとつの将来の『夢』のようなものだと思うのですが、開業には何が必要でしょうか?」

北川先生「ある程度のキャリア、経験、そして覚悟ですね。」

僕「先生のオフィスのカウンセリング料金は世間相場からすると破格値に思います。特に院生・初心者向けのスーパーヴィジョン・個人分析が3,500円というのは安いですね」

北川先生「院生に対しては教育の一環として行ってます。後進の指導は必要です。ボランティアのようなものですね。」

僕「同業者の開業の方々と研究会を行ったりとか?」

北川先生「開業領域とは限りませんね。医療、スクールカウンセラーの方とも一緒に研究会に出ています」

僕「最後に公認心理師の方々やクライエントさんたちにお伝えしたいことはありますか?」

北川先生「新しく公認心理師になった方は心理経験の深さの差が激しいですね。心理療法経験が浅い方にはきちんとトレーニングを受け、個人療法を受けたり研究会などで横のつながりを大事にして欲しいと思います。クライエントさんがカウンセラー選びで困った時には、これから心理療法家を選ぶ上では公認心理師のみの資格ではなく、臨床心理士の資格も持った人がいいと現時点で思います。」

僕「お忙しい中どうもありがとうございました。」

※ 最後の〆の言葉は新公認心理師の中では手厳しいと感じた人もいるかもしれませんが、クライエントさんのことを考えると現状では最善の選択と思いました。

余計な事ですが(以前も書いたのですが)HPを見るとスキンヘッドで「怖い先生なのかな?」と誤解する人もいる(かもしれません)ような気がしますが、心理臨床学会で見た時は大変優しくて笑顔が似合う先生でした。

またインタビューに答えてくれた際にもとても丁寧で物柔らかな声と雰囲気を醸し出していて信頼できる先生だなあと思いました。

さて、開業領域の先生方には機会があればまたお話をお聞きしたいと思うのですが、僕にとっては北川先生のブログをいつも愛読しているので、まずはお電話でお話を伺うことができて大変勉強になりました。

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