
2021.春情報・通信制大学・大学院から公認心理師を目指す
1.はじめに
現在通信性大学で公認心理師養成課程を修められるのは聖徳大学、東京福祉大学、京都橘学園、放送大学の4大学になっています(放送大学については以前書いたので今回は割愛します。)。
これらのうち大学院で公認心理師養成課程があるのは聖徳大学大学院、東京福祉大学(昼間)です。
さて、学費、進学条件などさまざまに調べてみましたのでそれぞれの学校について見てみます。
2.聖徳大学
聖徳大学の学部は高卒後の入学、また3年次の編入も可能です。学費に関してはシミュレーションがホームページにあり、高卒後入学した場合、3年次編入の場合など親切に
学費シュミレーター
がついています。
入学時学費198,600円、卒業までの学費823,100円は4年制大学としてはリーズナブルに思えます。ちなみに3年次編入の場合には489,100円です。
ただし公認心理師課程に進むにはGPA(成績評価値)2.5が必要です。なかなか高い数値です。
併設の大学院については平日18時以降、また土曜日にも集中的に授業を受けられます。もちろん他大学院に進学してもいいのはどの大学も同じです。
聖徳大学は社会人100パーセントというのが特徴、奨学金制度もあり経済的負担も軽減できます。
なお実習先は学校の指導で自分で探すことになり、探し方も教えてくれます。実習先を自分で探さなければならないのは大変に思えるかもしれませんが実習先と交渉することで日程や時間の自由が効くというところが魅力かもしれません。
2.東京福祉大学
東京福祉大学も学部で通信教育、公認心理師課程を設けています。東京福祉大学は学生のために奨学金・教育ローンを用意しており、学生の経済状態に配慮しています。
学費は高卒の場合4年間で979,160円、3年次編入の場合には606,680円(2年間)になります。東京福祉大学はホームページによると卒業率が 50~60パーセントということで、これは文部科学省調査の通信制大学入学→4 年次在籍率 14 パーセントと比べると飛躍的に高い数値と示されています。
この大学で公認心理師課程に進むためには GPA3.5 以上という高い数値を取らなければなりません。その意味では入学してからのハードルが高いと言えますが、公認心理師試験そのものが難しいので、心理学をイチから勉強して通信制で時間がない中、学ぶ人にとってはこのぐらいの成績値がないと大学院進学や公認心理師試験にも支障があるかもしれません。
3.京都橘学園通信教育課程
京都橘学園では GPA制度を導入していませんが、心理演習(3年次後期開講) 30 人(参考、1年次からの入学者 180 人)、心理実習(4年次通年開講) 40 人の中に入らなければなりません。そういった意味ではどの通信性の大学も公認心理師課程に入るのは難しいわけです。
学費は1年次から入学した場合、入学金3万円、前期 14万円後期 14万円×4年間と実習費用が 10万円かかり、だいたい他2校と大差はないような気もします。やはり奨学金・教育ローンがあります。公認心理師課程がある唯一の関西圏の大学であることから、関西圏で通信教育で学部を卒業するには十分な条件と言えるのではないでしょうか。
4.おわりに
通信制大学というのは働きながら学ぶという意味ではなかなか時間が取れず、卒業するまでのハードルは高いものです。その中でも限られた定数枠の中に入り公認心理師課程に入り、修了するにはなかなかのエネルギーが必要だと思います。
しかしながらもちろん通信制のいいところもあります。社会人として働きながら心理学に触れてみて、自分が本当に心理学に向いているかどうか、公認心理師実習に参加してみて「果たして自分は心理職としてやっていけるのだろうか?」という問いかけをしてみて、もし元の道に引き返そうとしてもそれが可能というところです。
そういった意味では通信制大学公認心理師課程で学ぶ意義は大きいと思いますし、そこから大学院に進むとすれば相当な決意と覚悟をしてきた優秀な人も多いことが期待できます。
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_
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