ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:通信制大学

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2021.春情報・通信制大学・大学院から公認心理師を目指す

1.はじめに

現在通信性大学で公認心理師養成課程を修められるのは聖徳大学、東京福祉大学、京都橘学園、放送大学の4大学になっています(放送大学については以前書いたので今回は割愛します。)。

これらのうち大学院で公認心理師養成課程があるのは聖徳大学大学院、東京福祉大学(昼間)です。

さて、学費、進学条件などさまざまに調べてみましたのでそれぞれの学校について見てみます。

2.聖徳大学

聖徳大学の学部は高卒後の入学、また3年次の編入も可能です。学費に関してはシミュレーションがホームページにあり、高卒後入学した場合、3年次編入の場合など親切に
学費シュミレーター

がついています。

入学時学費198,600円、卒業までの学費823,100円は4年制大学としてはリーズナブルに思えます。ちなみに3年次編入の場合には489,100円です。

ただし公認心理師課程に進むにはGPA(成績評価値)2.5が必要です。なかなか高い数値です。

併設の大学院については平日18時以降、また土曜日にも集中的に授業を受けられます。もちろん他大学院に進学してもいいのはどの大学も同じです。

聖徳大学は社会人100パーセントというのが特徴、奨学金制度もあり経済的負担も軽減できます。

なお実習先は学校の指導で自分で探すことになり、探し方も教えてくれます。実習先を自分で探さなければならないのは大変に思えるかもしれませんが実習先と交渉することで日程や時間の自由が効くというところが魅力かもしれません。

2.東京福祉大学

東京福祉大学も学部で通信教育、公認心理師課程を設けています。東京福祉大学は学生のために奨学金・教育ローンを用意しており、学生の経済状態に配慮しています。

学費は高卒の場合4年間で979,160円、3年次編入の場合には606,680円(2年間)になります。東京福祉大学はホームページによると卒業率が 50~60パーセントということで、これは文部科学省調査の通信制大学入学→4 年次在籍率 14 パーセントと比べると飛躍的に高い数値と示されています。

この大学で公認心理師課程に進むためには GPA3.5 以上という高い数値を取らなければなりません。その意味では入学してからのハードルが高いと言えますが、公認心理師試験そのものが難しいので、心理学をイチから勉強して通信制で時間がない中、学ぶ人にとってはこのぐらいの成績値がないと大学院進学や公認心理師試験にも支障があるかもしれません。

3.京都橘学園通信教育課程

京都橘学園では GPA制度を導入していませんが、心理演習(3年次後期開講) 30 人(参考、1年次からの入学者 180 人)、心理実習(4年次通年開講) 40 人の中に入らなければなりません。そういった意味ではどの通信性の大学も公認心理師課程に入るのは難しいわけです。

学費は1年次から入学した場合、入学金3万円、前期 14万円後期 14万円×4年間と実習費用が 10万円かかり、だいたい他2校と大差はないような気もします。やはり奨学金・教育ローンがあります。公認心理師課程がある唯一の関西圏の大学であることから、関西圏で通信教育で学部を卒業するには十分な条件と言えるのではないでしょうか。

4.おわりに

通信制大学というのは働きながら学ぶという意味ではなかなか時間が取れず、卒業するまでのハードルは高いものです。その中でも限られた定数枠の中に入り公認心理師課程に入り、修了するにはなかなかのエネルギーが必要だと思います。

しかしながらもちろん通信制のいいところもあります。社会人として働きながら心理学に触れてみて、自分が本当に心理学に向いているかどうか、公認心理師実習に参加してみて「果たして自分は心理職としてやっていけるのだろうか?」という問いかけをしてみて、もし元の道に引き返そうとしてもそれが可能というところです。

そういった意味では通信制大学公認心理師課程で学ぶ意義は大きいと思いますし、そこから大学院に進むとすれば相当な決意と覚悟をしてきた優秀な人も多いことが期待できます。

photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_

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◯ 通信制大学から公認心理師を目指す

1.序

現在どの大学も公認心理師養成のためのカリキュラム整備に大わらわだと思います。

先日は専門学校からも公認心理師が目指せる、という理論的には可能ですが、実現はほぼほぼ無理ではないなという東京福祉専門学校について疑問を呈した記事を掲載しました。

(ちなみに最近知ったのですが、東京福祉専門学校と東京福祉大学とは全くの無関係な別法人だそうです。)

さて、「通信制大学からも公認心理師を目指せる」という触れ込みの聖徳大学についてのホームページを見ました。

この大学は通信制大学卒でも所定の単位を取得した上で聖徳大学大学院まで進めば問題なくAルートで公認心理師受験資格が得られます。

ただし、公認心理師を目指すルートでこのホームページに記載されている

「進路2 大学→実務経験→国家試験受験」

の記載がBルートが容易に可能になる大学と謳っているように見えました。

2014年次入学 3年次編入学の心理・福祉学部在学生のハローワーク在籍の還暦間近の在学生が掲載されています。

大学に電話で質問したところ、この方は実務経験Gルートで受験するので問題ないとのことでした。

この方のプロフィールのハローワーク勤務、職業相談窓口にいる職員は多くいますが、公認心理師法施行令第5条だと障害者のための職業支援センターや無業青少年のための職業支援センターでないと公認心理師法施行令では職業支援の実務経験とは認められていません。

ただし、コード901その他の施設として公的機関での心理支援をしていたという証明があれば公的機関なので、比較的認められやすいのではないかと思います。

心理支援という公認心理師法の定義は漠然としているので職業指導も心理支援に入ると言えば入りそうですし、確かに精神的に悩んでいる人たちが多くハローワークにはやってきます。

だからといって901にすぐ認められるかどうかは日本心理研修センターの審査によるところなのでわかりません。

なぜこんな細かなことについて言及しているのかというと、どこの大学も躍起になってカリキュラムの整備に取り組んでいる中で、新受験生が大学卒Bルートという、かなり狭き門がオーソドックスな公認心理師ルートとして現時点で安易にとらえられては困ると僕は考えているからです。

いろいろなルートを現行法内で考えて公認心理師養成をするのはいいのですが、「通信制大学卒業してもそのあと経験を積めば簡単に公認心理師になれるんだ!」と思って入学したあとに「通信制じゃない大学院に進まなければ無理ですよ」と言われて愕然とする人たちが出てきては困るとも思います。

聖徳大学のホームページにはBルートに関しては厚生労働省ホームページを参照するようにとの記載があるので、確かに嘘は書いていないのですが、
「還暦を迎える通信制大学生が公認心理師を受験するのに大学の単位を取ってハローワークで働いている、それじゃ自分もどこか卒業後に適当に施設を探して公認心理師になろう」

という誤解をしたら困るなあと思ったのです。

先ほど聖徳大学に電話して再確認したらこの坂寄さんがGルートで受験するとしたらなぜ大学で単位を取ろうとしているのかこの記事の意味はわからないと逆に言われてしまったので、わかるようにしてくださいと申し入れておきました。

せっかく通信制大学から公認心理師のルートを用意してあるのにもったいないと。

ちなみに通信制大学で公認心理師課程を修了できるのは聖徳大学のほか

1.放送大学

放送大学は公認心理師養成については大学レベルでは対応できるけれども大学院については対応はまだできていないと書いてあります。

2.京都橘大学

です。

京都橘大学は学部通信制で公認心理師単位を取得したあとにのほかにA、Bルートのそれぞれの学習が必要なことについて明記してあります。

3.総論

新入生の方々が公認心理師や臨床心理士を目指してGBAをくぐり抜けるために一般教養課程から必死に勉強したり、大学や院の教える側が苦労をしてでも、それについていくために努力していく学生さんはとても素晴らしいと思います。

大学の経営側の方針もあるでしょうかれども、安易に「大学にさえ来れば簡単に公認心理師になれるよ」と資格の看板を安売りせず、厳しさについても伝えて欲しいと思います。

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