ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:転職

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○ 公認心理師資格オンリーの人のための就転職術

1.はじめに

公認心理師ホルダーオンリーで心理職に就転職をしようとする人もいます。きっとこれから増えて来るものと予想されます。例えばこれまでやっていた福祉関係の職業はどうにも待遇が満足がいかない。金銭的に(or労働時間)を考えるとどうしても心理職に転職したい人がいたとしましょう。

元々臨床心理士資格を取る条件がなかった、また新卒者で臨床心理士の条件を満たしているのに公認心理師は不合格だったなどのなんらかの理由で取らなかった、そういう人はどのようにして心理職に就けばいいのでしょうか?

2.新卒者の場合

今はまだ過渡期、ハローワーク求人を見ると公認心理師の資格の方だんだん幅を効かせているようです。臨床心理士は「きちんと今年取ります」と言っておけば大丈夫と思います。

ただし厳しい事業所だと(特に病院など)は両方資格を取得していることが求められていることが多いようです。

3.他職種から心理職への転身

これがなかなか難しい問題で、心理テストやカウンセリングの経験がない、しかしながら都会でもスクールカウンセラーに公認心理師オンリーホルダーも徐々に出てきているようです。

就職、転職というのは経験値、志望動機、そして一緒にいて働きやすい人かどうかを見ます。

以前書いたのですが心理の人は40代になっても志望動機を述べるのがとても下手です。「家族の面倒を見るのがひと段落したから就職したい」というような「遊ぶ金欲しさです」と犯行動機に似たような志望動機では落とされてしまう可能性が高いでしょう。

ですので他職種でも志望動機をきちんと言えて、これから就職したい事業所と似たような職務経歴を持っている場合は就転職は有利と言えます。

例えばこれまで社会養護や放課後デイサービスで情緒不安定な子どもの心理的支援を行っていたり、発達障害の子どもの面倒を見ていた、などの経験は教育領域や小児領域で大きなアドバンテージとなるでしょう。

医療領域を見てみます。小さな病院やクリニックだとそれほど待遇がよくない場合も多いです。しかしながら保険点数請求の関係で公認心理師ホルダーは優遇される傾向を最近の求人情報を見ていると思います。

アルコール依存症減酒の治療、ナメルフェンの服薬教育ににかかわる専門職は心理では公認心理師のみです。

福祉領域だと公認心理師ホルダーが保険点数となっているので公認心理師も必置資格となっていることが多いです。

産業領域でもストレスチェック実施者は公認心理師等で、臨床心理士は入っていません。

さて、司法領域を見てみましょう。僕が公認心理師の就職に関する取材を始めた2019年ごろは「公認心理師を取得しようがしていなかろうがその後のキャリア形成には関係ない」と明言していた最高裁家庭局や法務省矯正局は公認心理師養成課程となる7条2号施設になりました。

どの省庁でも優秀な人材が欲しい、そのためには国家総合職としてある程度の倍率の中からいい人物を採用したいわけです。

実際、地方の家庭裁判所では協議会で公認心理師になれることを優秀な人材確保に活用できないかという論議がされていました。

そして2021年になると家庭裁判所も法務省も「公認心理師を取得するぐらい心理の勉強に熱心だった、取得したいと思うぐらい勉強したいという人は積極的に採用するかもしれない」と大きな転換点がやって来たように思いました。

公認心理師制度を創設した厚生労働省は臨床心理士資格はどこ吹く風になってしまい、厚生労働省管轄の就職は臨床心理士から公認心理師へとバタバタと変わっていきました。

政府や10省庁を超える官庁で構想がある国営カジノについての法律(IR法)のギャンブル依存治療者は(マッチポンプ的な政策で僕はどうかとも思うのですが)臨床心理士の記載はなく、公認心理師にも依存症治療を任せるようになっています。

臨床心理士は今は心理職就職市場の中で重宝されている花形資格であることは間違いありません。しかしながらだんだんとそれが公認心理師ホルダーに置き換わっていることは事実です。

3.おわりに

心理職はいつも書いているように常勤の仕事がない、待遇が悪いのないない尽くしであることは事実です。

それでは福祉職は高待遇かというとそうではなく、心理職と同様に非常勤掛け持ちをしている人も多いです。

心理職の採用は資格採用だけではなくてスキル採用のところもあります。これまで高齢者領域しか知らなかった心理職が乳幼児の発達検査を知らずして転職をすることは困難です。

僕の知っている福祉職の人は自分で勉強したり、講習会に熱心に出たりしていて発達検査のスキルを身につけ、それで心理職&福祉職の二足のわらじを履くことに成功しました。

どうやったら就転職できるかというのは、上述したように資格だけよりもスキルや人物評価にかかわってくるところも多いです。

そういった意味では臨床心理士単独ホルダーや臨床心理士、公認心理師ダブルホルダーの人にもぜひ頑張って欲しいと思うところです。
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臨床心理士・公認心理師、未経験からの求人応募

1.はじめに

新卒臨床心理士・公認心理師ともなんらかの心理的業務をしている人は多いです。資格取得と同時に新卒就職を考えている人はかなりの割合でいると思います。

ところがどの求人を見ても多いのは「経験者募集」「3年以上○○の心理検査を取っていて緩和ケア病棟で働いた経験がある者」とピンポイントで募集がかかっていると新卒には歯が立ちません。

また、今回公認心理師試験に他職種Gルートから合格、心理職に転身した人も何人か知っていますが大変だったということです。未経験からの就職・転職をどのように乗り越えていくかは新卒・未経験者にとっては大きな課題と言えるでしょう。

このハードルをどのように乗り越えていくかを考えていきます。

2.就転職の実際

新卒就職はどの業界でも同じですがポテンシャル(潜在能力)採用です。今は新卒で就職するのに、事業所は「一緒に働いて働きやすい人か」という人柄、また、リーダーシップや志望動機、当事業所で働きたいかという熱意を見ます。

また、少ない経験であっても人事担当者(複数心理職がいる職場だと心理職が面接担当者になることもあります)わずかなその人が積んだ経験からでも同じような仕事をしてきた経験はないか、そのような仕事への取組みはどうだったかを細かく見ていくこともあります。

以下に実例を書きます。新卒者の場合、放課後デイサービスにはABA応用行動分析を用いた指導をしているところがあります。また、ずばりそのものでなくても放課後デイサービスは認知行動療法的なかかわりをする、発達障害児に接するなどの経験をします。

これは認知行動療法的なかかわりを求めている病院、クリニックにとっては大きなアドバンテージでしょう。

また、教育相談所で働いていても発達障害児や精神疾患を持つ小児児童生徒と接する機会はあったでしょうし、各種発達検査にも長けています。

社会的養護施設で小児とかかわった経験が豊富ならば小児科の医療機関で有利になるかもしれません。

「確かに私は医療的な業務を行ったことはありませんが、子どものカウンセリングではしっかりとケースの見立てをするために多職種連携を行って、常に集団生活の中で子どもが馴染めるように工夫をしていました」などと言えば、それはひとつの立派な答えです。

そこでわずかにでも応募している事業所に対し、そこで求められているスキルと、自分が取り組んできた経験との類似点・そしてその業務の面白さ、いかに熱心にそれに対して取り組んできたかをアピールするのは大きなメリットになると思います。

他職種Gルートの人でも恵まれた公務員のような環境にいる人は公認心理師資格を取得しても心理職になるとは考えにくいのですが、非常勤、心理職を元々していなかった人でも転身して心理職を行いたい人であっても心理的支援業務はしていたはずなのでその経験を話していくといいのではないでしょうか。

たとえば教職を目指していた非常勤教員も子どもにカウンセリング的なかかわりはしていたはずですし、どの職場でもそうですが生き生きとした心身ともに健康な人を求めています。

部活指導を熱心にしていたこともアピールの材料になるのではないかと思います。

一見心理業務と遠そうな看護師さん、栄養士さんは病院勤務をしていることが多く、病院という組織に馴染んでいること、ともすると心理職はなんでも心理的な問題に患者さんの主訴をとらえがちなのですが、身体の問題や心身相関について詳しいということは大きなポテンシャルになるでしょう。

3.おわりに

どこから聞いた話か忘れたのですが、高校を中退したニート歴が長かった人が教材か何かを売る飛び込み営業という厳しい仕事で業績を上げ、次はコピー機のような耐久消費材の営業マンになったという事例があったそうです。

彼は目標があって、海外向けの営業をやりたいということでひたすら英語の勉強は欠かさなかった、TOEIC860点を取るまでになり(欧米人とすらすらビジネス会話ができるレベルの英語力)、優れた法人営業能力と英語力を買われて海外向け商社に30歳ぐらいで年収500万円で雇われたそうです。

とある職域の職場で働こうとすれば、大学でアカポスを狙うのではない限り、学歴よりも経験、性格、スキルが求められます。

上記に述べたような努力をしたということは就職をする際の十分な武器になります。というのも心理業務に熱心に取り組む姿勢、また、多くの心理テストを取らなければならない職場であれば、各種の心理テストの勉強会に出ていたことはそのまま即戦力になるでしょう。

「ひとつもケースを担当したことがありません」ということではカウンセリングを行う職場では採用が不利になってしまうので、自分が担当していた心理的支援をを含む事例を事例検討会に持っていき検討してもらう、スーパーヴィジョンを受ける、こういった事例検討会にも定期的に参加してきたという経験も売り物になるでしょう。

未経験採用はポテンシャル採用とは言え、こういった地道で熱心な姿勢はきっと就転職に役立つと思うのです。

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〇 臨床心理士・公認心理師・非常勤から常勤への面接術

1.序

心理職がとかく給料が安いというのは、その働き方で非常勤が多い、ということが理由のひとつということはよく言われています。考えてみればこれは当たり前のことで、アルバイトでいつでも雇えていつでも辞めさせることができるのは経営上都合がいいことですし、常勤にすると簡単に退職させることはできない、下手をすると労働基準監督署案件になってしまうから(ということを知らない事業所も多いですが)という面倒くささが伴っています。

非常勤で働いているみなさんは、社会保険はしっかりとしているでしょうか。正規職員の4分の3以上働いている場合には、介護保険、医療保険、雇用保険、年金保険、労災保険への加入させなければなりません。これは事務も煩瑣ですし、雇用側にとっては条件がしっかりとしていると非常勤でも本来きちんとしていならないのですが、日本の小さな事業所はいい加減なところが多いです。

ワンマン院長(社長)の裁量ひとつで気に入られなければ「明日から来なくていいよ」というのはいかにもよくありがちな話です。

そうであれば雇用条件がしっかりとした常勤で働きたいと思うのが当然のことで、心理職を目指して大学院に入った人が「旦那の扶養範囲内で働けばいいから別に専門性はそんなに求めなくてもいいわ」と思った人はいないものと思います。

そこで非常勤→常勤への面接を突破する方法を考えてみたいと思います。

2.ありがちな失敗

「どうして〇医院(弊社)を受験しようと思いましたか?」と聞かれて「子育ての手が離れて」と答えるのは実に微妙です。これで受験者の方が30代後半ぐらいで「あ、子作り打ち止めかな?」(禁止されているのでそういう質問は面接ではしてはならないことになっていますが)と言うと「なるほど、よしよし」となるのですが、20代ぐらいの人がそう答えると「あ、この人また子ども作ったらすぐ産休育休取るのかな」と思われて雇われにくい、ということは実際にあるでしょう。

しかも、雇う側はあくまで雇いたい、熱意ある動機のあるやる気のある人を探しているわけで「時間ができたから雇ってちょうだい。非常勤より常勤の方がお給料いいし」というのは本音であっても言ってはならないことです。

泣き落としは最も下策です。「ここで雇ってもらえないと経済的に苦しい」というのが本当であっても「それがどうした、こっちは欲しい人間を探しているわけで、困ったことがあるとすぐ弱音を吐く人間が欲しいわけではない」と思われてジエンドです。

若い女性心理職の方には結婚、出産はとても微妙な問題で、雇用側は聞いてはいけないのですがストレートに聞いてくれる場合もあります。「2番目のお子さんができたらどうしますか?」など聞かれたら(あるいは聞かれなくても)「夫の(自分の)両親の近くに転居したので両親が面倒見てくれますので」とさらっと言っておきましょう。

男性でもそうですが「俺が俺が」「私が私が」といきなり給料や雇用条件など、面接官が聞きたいことよりも自分の希望を述べるともうそれ以上は話を聞かずに短時間に面接を切り上げて「その後のご健闘をお祈りします」となってしまいます。

こういった社会性のない心理職の就職面接態度にげんなりして過去、医療系人材エージェントの中でも比較的大手は採算にならないと心理職から手を引いてしまったという例もあるぐらいです。

3.望ましい非常勤→常勤の転職への面接の臨み方

やはり、常勤になったらやりたいこと、非常勤ではできなかったこと、を熱意を持って話すのがいいのだと思います。それは何かというと、まずありきたりですが「腰を据えて落ち着いてじっくりと働きたい」という前向きな姿勢です。

これは非常勤→非常勤の場合にも当てはまるのですがきちんと就職先のことを前もって調べてある志望者に関しては好感を持つものです。ここで面接の8割が決まってしまう(要するに調べていないと8割負け)という場合も多いです。

「貴院ホームページを拝見させていただきましたが、医療法人〇〇会様では入院患者さんが退院したとしてもスムーズに社会復帰できるよう、デイケアや就労継続支援施設があり、また、患者様が通院しやすいようにサテライトクリニックを2つ持っています。理事長理念である、『〇〇会の、その先へ』を私も達成できるよう、雇用されたならさらに自己研鑽を積んでいきたいと思っています」とか、「単科クリニックで小児中心、スクールカウンセラーとして主に子どもとかかわって参りましたので、病棟のある病院でより支援を必要とする子どもたちの心理検査や療育に積極的にかかわっていきたいです」 という、「組織に染まる」姿勢が必要です。

非常勤でも一生懸命そこの現場に役立ちたいと職場のカラー合わせようとしていたとしても「あ、バイトね」ぐらいの扱いを周囲から受けていたことはなかったでしょうか。常勤はいわばその職場の「顔」です。中途採用は即戦力(は実際には無理でも)採用が建前なので、配属されたら〇〇をしたい、ということをアピールします。実際のところが違っていれば相手が言ったことに軌道修正をして自己アピールを重ねておきます。

「〇さんは家族支援もしたいって言ったけど、うちはそれはドクターが十分にやっているから」と言われたら素早く方向転換をして「それでは私が子どもの検査をやってプレイセラピーをやって行動観察をして、その結果をどんどんドクターに伝えていきたいと思います。内容もそうですが、面接官は臨機応変さがあるかどうかという地頭も見ているのです。

重要なのは、あくまで「採用面接」なのですから、非常勤で培った体験をどのように常勤で生かしていかるかということを相手に合わせてアピールしていくことです。志望者の個人的な事情はぶっちゃけどうでもいいですし、個人的な事柄を語って一緒に考えていくのはカウンセリングという場で行われる営みです。

さて、あとは面接内容ですが、面接官が心理の素人だった場合、専門用語ばかり並べられるとむしろげんなりしてしまいますので、「乳幼児テストは数十種類取れます」(必要なら)「親への集団精神療法(ペアレントトレーニング、保険点数が取れるので)ができます。と何ができるのかについては話しておきましょう。

どうも心理の専門家が面接官に入っているようであれば、「乳幼児の発達検査は何ができますか?」と聞かれるのでそこで「ウェクスラー式、鈴木ビネー、K‐ABC、遠城寺、津森、コース立方体などです」と言えばいいだけです。間違っても人事担当者に専門用語を使って尊敬する先生の話を長々と語ってはいけません。

あとは常勤だと、非常勤で働く人よりも「一緒にいて働きやすい人かどうか」をかなり見られますので、難しい質問でも常に笑顔で機転よく切り返すことが必要になります。スポーツの趣味はどんな就職面接の場合にでもプラスに働きます。特に集団競技はそうです。昔のことでも構わないので、学部、高校時代の運動部体験を聞かれてびっくりするかもしれませんが、協調性と健康さを聞いているわけです。

4.結語

心理職の求人は、一般就職と異なって割と1年中行っていることが多いです。悪く言えば心理はいなくてもなんとか回るけれどもいてくれれば助かる、というために欠員状態になっているところもあります。したがって雇用する側が上から目線になるのも仕方ないでしょう。そこに入っていくわけですから、どんどん前向きな姿勢で攻め込んで内定を勝ち取りましょう。

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sᴋʏᴡᴀʟᴋᴇʀ.
#イマソラ

公認心理師・臨床心理士の転職のコツは「前職の辞め方」の理由説明にあり

1. 序

心理職の転職の仕方は何度も記事にしているのですが、どの転職にも実は共通した要因があります。「それは前職の辞め方」です。医療業界は地域の医師会もありますし、そうでなくともかなり狭い業界です。

教育業界もしかり。教育委員会が他の教育委員会に問い合わせればすぐに「どういう理由で辞めたのか」ということはわかってしまいます。上手な転職の仕方は前の退職の理由について「ウソはつかない」けれども「自分の不利になることはわざわざ書く、言うこともしない」ということです。以下にそれを記します。 

2. 仕事内容とは関係ない理由で転職を余儀なくされた場合

例えばこれは「親の介護」「育児」「配偶者の転勤で引っ越し」などです。これらはすんなり理由として通じます。しかし諸刃の刃でもあります。「じゃあその介護の必要性は消えたの?子育ての事情はもういいの?またすぐ転勤しちゃうからうちで長く働いてくれないんじゃないの?」これについては各々答えをきちんと用意しておきましょう。

介護の場合はデイサービスを入れることができるようになった、ヘルパーさんが来てくれるようになった、別の親戚が介護をしてくれるようになった、等です。

子育ての場合も子どもをきちんと保育園に入れられるようになったし、時間外保育もしてくれるから大丈夫、転勤については、ここの土地は出身地だから永住の地にしようと住宅を購入、配偶者は次は単身赴任してもらうことになるつもり、などいろいろ言いようがあると思います。

大切なのは、仕事に支障がなくて働けるかどうか?ということで、これは心理職でなくても全ての転職につながってくる事柄です。

3. 病院から病院への転職等

これはいろいろな理由があります。非常勤から常勤になれること、ここは微妙な問題です。「小さなクリニックだから非常勤でも惜しまれて辞めて念願の常勤になる」というのはよさげですが、その分今まで面倒を見ていたクライエントさんや心理検査をする人がいなくなってしまいます。そこで使えるのは「私の後任に働いてくれる後輩を探してある」ということです。実際にそうしている人々は多いです。「飛ぶ鳥跡を濁さず」で円満退職できることを強調します。

「前の職場を変な辞め方をした、うちでも変な退職の仕方をしないだろうか?と思われたらかなり不利になります。

あとは、院長が快く送り出してくれることです。(なんという矛盾した条件かと思います。なぜならば勤務先で気に入られていたにもかかわらず転職を承認してくれるわけですから。)

転職の場合には次の就職が決まるまでは今の就職先には言わない人も多いでしょう。働く場所がなくなると困るからです。とりま今の職場の満足しているところもたくさん述べましょう。長くなり過ぎると「転職意志なし」と誤解されるのでほどほどで短く、という難しいさじ加減です。

転職はなんでもそうですが「転職する理由がないほどいまの職場は恵まれている」ことを証明しないとなりません。「金を借りる理由は全くない」ことを証明しないとお金を貸してくれない銀行と同じです。 

あとは就職先をほめちぎることです。精神科・心療内科だけでなく身体疾患とメンタルの関係にも興味を持った、心理テストをさまざまな種類勉強したので生かしてみたかった、病床がある病院で緩和ケアチームの一員として働いてみたかった、などなど前向きな理由をたくさん述べます。「理事長の言葉」などが転職先のホームページに載っていればそれを履歴書に「~という理念に共感した」と書いて口頭でも念押しして述べましょう。

その辺りの話をしておくと、人事担当者も雇われなので、反論はできないです。「辞めた理由」を超えるほどの自分の魅力を語ることが大事でしょう。

4.教育領域から教育領域への転職

ここは最も難しい分野です。教育委員会同士で同じ県・市町村だとお互いに連絡を取り合うことが多いからです。スクールカウンセラーや教育相談所もそうです。しかしここにも抜け穴があります。教育委員会というのはお役所なので、違う自治体になってしまうと全くその退職理由を調査しようとしません。したがって理由については好きなように書き放題です(が、決して悪口を書いてはいけません)。

5. 他領域から他領域への転職

「なぜ他の領域(例えば司法や福祉)で働いていたら、うちの領域(例えば医療)に来たの?」と必ず突っ込まれるでしょう。そこは「司法領域で働いていて(福祉領域で働いていて) 全ての根源的な原因は医療的、生物学的なものに起因するということがわかったので、そこの根源的なところをきちんと治すという医療領域で働きたいという使命感を持ちました」という前向きな、積極的な理由を述べることが大切です。

ただ、その場合も新しい領域では即戦力を求めているので、「こういう勉強をしてきたから、こういう学会に入って研究会に参加してきたから、役立つ」というメリットを最大限にアピールしてください。

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Gルート公認心理師が心理職専門職としてデビューすることは可能か?

1. 結論

答えとしてはイエスです。以下、その理由について記していきます。

2. 理由

どこかで読んだ話なのですが、忘れました。(改変あり。) 商業高校中退の元女子高生、3年ほどふらふらして遊び歩いた後に倒産寸前の飛び込み営業主体の怪しい会社事務所のアルバイトとして営業事務を行う。やっている作業は見積書の作成とか帳簿作成、郵送とかファックス・メール送信、お使いなどで何しろヒマ。

1日8時間勤務の約束だったのが、4時間に切り下げられ、週5の約束で働き始めたのが週3日間にさらに切り下げれられました。半年ぐらいしか働かなかったのですがそこで社会人としての基礎的なマナーを身に付けました。

「もう遊ぶのはやめて真っ当な社会人として働こう」と決めて彼女は簿記3級を取ってやはり怪しげな中小企業に入り込んだのですが、そこで2年間働いているうちに猛勉強して簿記2級を取る。元々英語だけは得意だったので
TOEIC500点台だったのが頑張って720 点までレベルを上げました。

そこでまた転職活動をして今度は割と小さ目だけれども希望していた旅行代理店の経理事務員に採用され、30 歳で年収 450 万円取れるようになりました。仕事は忙しいけど楽しい毎日を謳歌しているとか。社会に一回出ると学歴も重視されますが、それよりも職務経験や業務遂行能力の方が大事になることもあります。

なんでこんなことを書いているかというと、人間、その気になって一緒懸命努力すれば道が開けるから、という理由を示したかったからです。

3. 実例

⑴ A さんの場合

Aさんは学校の先生、一念発起して年収 800万円の教員を退職、臨床心理士大学院に入学、月給手取り10万(!)下がったけど「やりたい仕事やれたから満足」という人がいました。旦那さんも学校の先生で、それほどお金に困っていなかったということもあり、もう住宅ローンも返し、結婚が早かったので子どもも独り立ち。いろんな要素があったわけですが、Gルートで合格しました。どんなに別分野でも、給料がランクダウンしても彼女は頭がよく、自分のやりたかった道に進みました。

⑵ Bさんの場合

彼は病院勤務ですけれども無資格の学部卒。なぜかというと臨床心理士指定大学院を出ていなかったからです。そのかわり認知心理学を大学で専攻して、認知行動療法では論文を書けるほど。地元で研究会を作って精力的に勉強。

クリニックではインテーク、レセプト、集団認知行動療法、ペアレントトレーニングをやってクリニックのスター的存在だとか。実力が資格を凌駕した例です。

4.それではGルート他職種からの参戦は?

心理専門職として働く方法は実はいろいろあります。自分の勤務先で心理師ポストが空いたなら、そこで熱心にアピってスライディングするのもよし、また、他職種でも熱心に心理職の勉強会に出て心理面接や心理検査の技術を磨いて、心理職の人が職場にいたらなるべく仲良くやって教えを乞うぐらいのワンダウンポジションを取って、医師や院長に「あの人はいい、よく心理のことを理解してくれている」と言わせることができればラッキーです。

今臨床心理士と公認心理師のダブルホルダーが求められているのは、心理検査ができる、心理面接ができる人を求めているからです。したがってそれができるようになるためには休日に傾聴ボランティアでもいいので「経験を積む」ことが大切かもしれません。

5. 困難さを乗り越えて

他職種、3 福祉職は元々カウンセリングマインドを持っています。看護師、作業療法士もそうです。学校教員も高給を望まなければ不可能とは思えません。したがって「やろうと思ってできないことはない」ということです。自身がなければ地方の公認心理師協会に参加して熱心に勉強会や研究会に参加しましょう。心理テストの勉強会にしてもそうです。心理職がスーパービジョンを受けたように、数が少なくても行った「臨床心理的面接」のスーパービジョンを受けましょう。これらはきちんと履歴書に書ける経歴になるはずです。

それから、東京など首都圏、関西圏の京都、大阪、名古屋などはとても競争率が高いです。新しくできた小さなクリニックなどで、多少給料は安くても心理師を喉が手が出るほど欲しいところは実は多いのです。ただしお金がないからなかなか雇えない。非常勤で掛け持ちで働きながらステップアップを目指すというのは賢いやり方です。

現場によってはほかの3福祉士や看護師資格などを持っていると多くの職員を雇う代わりに一人の職員が、いろんな仕事を兼務してくれるというメリットもあるので、それを武器にしてもいいのではないでしょうか。

何度か書いているのですが、特に社会的養護施設は院卒も就職しているし、無資格者、学部卒者などさまざまな経歴の人が働いています。福祉現場では資格よりも経験値が大切(とある転職エージェント)です。

給与が安いと勤務先もありますが、身体障害でもかなり重い身体障害者を扱う施設で、首から下が動かない中途障害の人で障害受容ができていない人や強度行動障害で知能指数 30 程度で自傷他害のおそれがある人をちゃんとマスクをつけて外に散歩に出かける。これも立派な心理の仕事だと僕は思います。

いろんな道がありますが、福祉・心理=心理への道もあり得ると思うのです。

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