カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:転職

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公認心理師・臨床心理士の就・転職の仕方

新卒で恵まれた就職をして、そこで長く働ければそれに越したことはないのですが、心理職はさまざまな理由から転職を繰り返します。

新卒就職時に安定した職場を探すことができて長く働ければそれが一番です。

公務員、大学病院に勤められたらそこでずっと就労することが一番です。

安定した公務員職場でも昨日触れたようにセクハラ、パワハラがあったり、働き方改革?なにそれ美味しいの?という長時間荷重労働の職場があります。

国家公務員ならヒラでも2年に一回全国移動、地方でも自治体の端から端まで移動させられる場合もあり、職場の安定=長期間勤められるというわけではなく、女性の心理職はそれで泣く泣く辞職することもあります。

心理職は元々職場のパイが少なく安い時給、安月給ということから、もっといい職場を探して転職を余儀なく繰り返す人々が多いです。

さて、そして医療、教育、福祉、司法、産業の領域で仕事をしているとその領域を超えての転職は難しいです。

同じ領域内でもピンポイントで求人募集していることがあり、どうやって入り込めるの?というような募集があります。

「産婦人科心理業務10年、5人以上の部下を持った管理職経験3年以上、医療事務業務に明るく、医事統計業務にも長けている者」というようなハードルが高い募集もあります。

僕自身ハローワークに非常勤相談員として勤務していた経験があります。

履歴書、職務経歴書の書き方、面接の受け方などをコーチしていたことがあります。

僕自身も求職者としてあちこちを渡り歩いてものすごい数の履歴書を送り、多数面接も受けて領域を超えた転職をしてきました。

僕がした求職方法で一番固いのはコネです。

口利きをしてくれる人がいればそれが身元や能力の保証にもなるのでそれが最も有効です。

あと、万人にはおススメできない転職方法としては電話営業です。

医歯薬系薬剤メーカー、医薬機器、出版社、求人媒体はあちこちの病院やクリニックに飛び込み営業をかけています。

そこで僕も100件以上あちこちに採用面接応募をしたら「あ、今ちょうど人探ししてたところ」と奇跡的に雇ってくれた病院がありました。

一般就職のコーチを大学生にしていたこともあるのですが、志望動機と自己PRだけが大切と中谷彰宏氏が言っていたのは本当です。

志望動機や自己PRの中に自分の長所を織り交ぜる、「あなたの短所は?」といった意地悪そうな質問には「なかなか人に頼まれると断れなくて引き受けてしまうことですね。忙しくなるけど達成した時には喜びを感じます」

と答えると「依頼された仕事は嫌がらずにきちんと完成させる人」という長所アピールになります。

心理職の面接もほぼほぼ一般企業面接と変わらないところがあります。

新卒ポテンシャル採用ならば「一緒に仕事をして協調性があって働きやすい人か?」も大切で、テキパキとした受け答えができるかどうかという地頭の良さも見られます。

中途採用も同じです。

中途採用ならば管理職として採用されるかもしれませんし、心理テストができるという即戦力も重視されます。

心理職の場合、新卒でも学歴はあまり重視されません。

中途採用の場合はなおさらです。

心理職は掛け持ちで仕事をしていた経歴が多いので転職回数はそれほど大きな問題にならないことが多いのですが、「何か問題を起こしてヤメたの?」と思われるのはまずいです。

履歴書や職務経歴書に「◯◯社メンタルヘルス部門事業廃止のため」とか「夫の転勤のため」「育児のため」「介護」と誰でも納得できるような理由を書きます。

不思議なもので文書の中に理由を書いておくと面接官は「あ、そうなんだ」と納得して面接ではあまり突っ込んで来ないのであらかじめ書いておくことがおススメです。

あちこちの就職サイトで言われているように前の勤め先の悪口は絶対に書きません、言いません。

不満ばかり抱きやすく、すぐ辞めてその就職先の悪口を言いふらすのではないかと警戒されます。

それから、公務員を辞めた人については「何故辞職したの?」という照会があっても官公署以外には答えません。

嘘の経歴はダメです。

内定後に「じゃ、前の勤務先の在籍証明書出してね」と言われることがあります。

在籍証明書には職印の押印を求められます。

職印は絶対に手に入りませんし、ハンコ屋さんでも作れません。

もしなんらかの方法で不正に職印を押せたとしてもそれは有印私文書、有印公文書作成同行使で間違いなく実刑判決が出る重い犯罪です。

と、心理職の就職も一般の就職とあまり変わらないところ多々あります。

心理職が領域を超えて転職をする時は福祉⇄教育ならばそこで発達障害当事者を多く見てきた経験、産業⇄医療でも多くの精神疾患を対象としてきて他医療従事者と連携を取った経験、司法は法に明るいことがアピールポイントになると思います。

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公認心理師・臨床心理士の転職事情 めるみさんの場合

僕「めるみさんおひさ、研修ではお世話になりました」

めるみ「ひなたくんは相変わらず?」

僕「はいー、A病院とかB社とかで働いてます。めるみさんが大学病院辞めてCクリニックに行ったのもびっくりしたけどまた転職してD大学学生相談室や専門学校講師になったのはまた驚いた。どんどん自由人になってくね」

めるみ「ふふ、私結婚したのよお、大学病院で知り合った前の旦那医者だったけど早世しちゃったからね、大学病院勤めながら息子育てるのは大変だったわあ」

僕「ふんふん」

めるみ「で、息子も今度お笑い芸人専門学校に入って自立したから安心して余裕ができてね、再婚することにしたワケ」

僕「・・・でもさ、めるみさんってなんで最初の大学病院やめて大きいとは言えワンマン社長医師がいたクリニックに転職したのか不思議で実は前から聞きたかったんだー」

めるみ「うーん、確かに大学病院辞める時はみんな驚いたよね。大学に残ってれば助教兼任常勤心理職から心理学部専任講師になれたみたいだからね」

僕「めるみさん医学博士号持ってるし査読論文もたくさん書いてるし」

めるみ「でも大学はね、医者も心理も業績上げたり科研(公的予算による研究)やったりで忙しいのよ」

僕「うん」

めるみ「子育てしながらだと結構キツいし、私研究中心に評価される職場よりも現場だけやってるところがいいなあって思って」

僕「ふうん」

めるみ「それでCクリニックに転職したワケよ」

僕「ほう、てっきり医者と不◯でもして居づらくなったのかと思ってたよ」

めるみ「そんなことないけど、あら、女癖悪くてだらしないひなたくんに言われる筋合いはないわ」

僕「ちょ、待っ、それは誤解でいろんな事情がねっ、」

めるみ「Cクリニックは臨床だけに専念できたしいろんな精神的疾患の患者さんに頼られたから勉強になって良かった」

僕「あ、そう言えば大学病院は精神科勤務じゃなかったね」

めるみ「そうそう、精神科関連をやりたかったから面白かった。でも5年もやってるといろいろクリニック内の人間関係もあってねえ」

僕「うん、大変みたいだねえ」

めるみ「院長が入ってる学会結構少数派のニッチなところだからそこ入って研究やってって言われて。ま、それは簡単だったけど」

僕「墨原君とか変わり者キャラもいたしねえ、院長に従ってあれだけ論文書いてたりいろんな研究会に行って偉い先生と知り合いなんだから彼は大学に行けばいいと思ってた」

めるみ「あなたたち犬猿の仲だったんでしょ?」

僕「うーん、僕は恨みはなかったけどなんだかすごいつっかかられててね、会合ではないことないこと噂流されるから『出身大学でもいいから早く他県の大学に行けばいいじゃん?』って思ってた」

めるみ「あらダメよ。墨原程度じゃ業績って言えないよ、偉い先生に教わったっていってもそれだけの話だし」

僕「墨原筆頭でめるみさんが共同研究やってたX学会の査読論文手元にあるよ。送る?」

めるみ「あはは、そんなの今さらいらない、業績っていうより汚点になりかねないわ」

僕「ふうん、そういえばアカポス(大学常勤教員)ゲットするのは大変だよね。大学は教員になってからも新入生歓迎会コンパで一気飲みさせないようにとか会議も多いし」

めるみ「よく知ってるね」

僕「めるみさん再婚した人は大学の先生?」

めるみ「ううん、医学とも心理とも関係ない民間のSler(システムインタグレーター)ベンダーのお偉いさん、ビッグデータやクラウドシステムの研究会で知り合った」

僕「めるみさん専門分野と関連ありそうな研究会にどんどん出てるから。ITシンクタンクは忙しそうだねえ」

めるみ「そうなの、旦那が帰宅するの深夜だからね、私はそんなに頑張って稼がなくてもいいから、若い子たちを教えたり、学生相談も楽しそうだって思ってね」

僕「また病院心理職のバイトとかは考えなかったの?」

めるみ「病院の求人いっぱい出てるけどヤバみんなぐらい安いじゃない?」

僕「?うん」

めるみ「若い子たちだけと話してると楽しいしね」

僕「ふんふん、めるみさんぐらいのキャリアがあれば短時間バイトでもお金いいでしょ」

めるみ「そうねえ、Cクリニックの倍もらえるようになったね」

僕「なにそれすごい。常勤上級公務員並みじゃない」

めるみ「でも雇用保険とか全部自腹だしね、私はこれでいいのよ、ひなたくんも最近少し噂聞くからなんか面白いバイトあったら紹介してね」

僕「おけまる」

※ めるみさんなような才媛でも大学病院の仕事はかなりキツいので途中で転職する人も多いのは事実です。

5時までは臨床、それから自分の研究、教員たちの自主ゼミと家庭をないがしろにしないとできない分野も多いです。

雇われでもフリー一本で食べられる人脈や才覚があるめるみさんのような人もいます。

心理職は長年勤めているうちにステップアップしていく人もいますし、自ら望んで非常勤になる人もいて働き方はさまざまです。

全国で微増ながら公認心理師枠の採用が増えてきているような気がします。

心理職の人たちには自分のライフスタイルに合わせて働ける機会がもっと多ければいいなと思います。

常勤にしても非常勤にしても待遇面での保障がないとそれはなかなか難しいことだと思います。

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◯ 公認心理師資格保持者の今後の就職・転職

1.概論

たとえば公認心理師資格がスクールカウンセラー任用資格として各自治体の応募要件になっています。

今後官民の各病院や心理職募集で、公認心理師の募集があっても実際に公認心理師は臨床心理士より必ず優先的に採用されるかというと答えはノーです。

その理由や、心理職就職における今後の動きについて考えていきたいと思います。

2.わけがわからず公認心理師を採用しようとする事業所

もあるでしょう。

これまでは民間資格臨床心理士がスタンダードだった、でも公認心理師という国家資格ができた、保険点数になるから採用しよう、そうしよう、という事業所です。

で、果たして当該公認心理師が応募してきた際に即採用するか?というと、面接しているうちに応募者の経歴や経験値もわかってきます。

こういった事業所でも履歴書や面接をしているうちに実情がわかってくれば、公認心理師資格取得者だからといって即誰でも採用する可能性は低いのではないかと思います。

3.経験者採用の原則

たとえば大病院で心理職を募集、応募条件は「300床以上の総合病院勤務歴3年以上」というようなハードル高め条件の求人を見たことがあります。

これまで教育相談所不登校児童対応やスクールカウンセラーしかやっていなかった人が、がんセンター精神腫瘍科でチーム医療の一員として即戦力として働くことは難しいでしょう。

司法分野も同じです。

とある刑務所で矯正専門の心理職を募集していたことがありますが、「性犯罪更生プログラムを研究、その研究によって博士号を取得した臨床心理士」という針の穴のようなピンポイント求人を行っていたことがありました。

それから、今後公認心理師養成実習のための各施設は指導者5人以上を必要とします。

各施設で心理職の業務を行っていて、かつ公認心理師受験資格がある経験5年以上5人の心理職が指導に当たらなければなりません。

さて、そういった施設で公認心理師指導者を募集する際、どの施設もボランティアとしてではなく、専属で濃くみっちりと心理業務をやっていた経験者を募集しています。

そうでないと指導者にはなれないでしょう。

また、心理検査経験者も求められています。

原田隆之氏がエビデンスがないと言っていた心理検査であっても、診療保険請求が認められているものは、発達検査、知能検査、人格検査にわたるまでおよそ70あり、相当に膨大なものです。

公認心理師試験に合格しました、老人福祉施設で傾聴ボランティアを5年経験していました、ということでは心理検査はできず、病院臨床や発達臨床、老人臨床の即戦力とはなれません。

4.年齢制限

厚生労働省は年齢制限をもうけた求人を禁止していますが、例外として「長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合」があります。

結構この規定は濫用されていて、若年者を雇用したい事業所がハローワークで求人票に多く記載しています。

一般企業で未経験者を中心とした求人では転職限界年齢35歳とたいてい言われています。

どこの企業でも未経験者を募集する際には、たとえ専門的知識や技能を学校で身につけていたとしても、新卒、第二新卒においては若手を募集したいわけです。

たとえば心理職を募集する施設で「50歳です。一生懸命心理相談も仕事の中でやりながら指定施設で働いてきましたが、心理専業は初めてです。」という人を30代の年下の上司の下につけて教育していくのはためらうでしょう。

とはいえ熱意と努力で就職できる可能性はもちろんあります。

5.公認心理師のアイデンティティの問題

これまで長年学校教員、看護師、精神保健福祉士、社会福祉士、作業療法士、保育士etcとして働いてきた人たちが公認心理師資格を取得した、だから心理専門職として転身してやっていくか?

というと本人たちもその気がない場合も多いのではないでしょうか。

実際に恵まれた学校教員を定年前に退職、心理系大学院卒業生後臨床心理士になった人もいますが、待遇はガタ落ちになったと言っています。

医学部ならば医師をやらなければ職業アイデンティティは確立されていきませんが、公認心理師は他職種の人でも取れて、それを生かすことなく履歴書の埋め草として使うのも本人の自由です。

6.現在各事業所で求められている公認心理師像

今後就職、転職を考えている公認心理師ホルダーにとって、これまで臨床心理士等の資格を持っていて、主として心理業務を行っていた心理実務家が圧倒的に職探しには有利です。

特に大学は心理学専修、博士号取得者という高いレベルの心理職を求めています。

7.将来の公認心理師像

Dルート(旧院ルート)Gルート(実務経験ルート)とも臨床心理業務実践経験者が相当多く、むしろ臨床心理実務者の中で公認心理師を受験しなかった、受験しない人はかなりの少数派でしょう。

5年後に公認心理師制度の見直しが行われます。

その際に養成実習施設内で公認心理師や心理職経験者を指導者として一定時間以上の実習を学部生と院生に行わせている現在は過渡期です。

将来本流になる、Aルート、公認心理師養成課程に対応した大学と院のために各実習施設は相当数の指導者が必要になります。

そこで現任者に今回資格取得のチャンスが与えられているのだと僕は勝手に思っています。

さて、もっとも正規のルートとして考えられていくであろうAルート受験者は2024年の大学院卒業生からです。

この層が将来公認心理師の中核となっていくので、この人たちが育っていく、それからが公認心理師制度の本当のスタート地点になるでしょう。

旧院ルート、現任者、新院ルートと入り混じった状況はしばらく続き、経過措置でなく、正規養成課程を経て純粋培養された公認心理師が心理職の中核となっていくのはおよそ20年ぐらいかかると思います。

そのころまでにはまた公認心理師制度の見直しがなされているものと考えています。

まっさらの状態の公認心理師が自由に新卒就活をしたり、キャリア転職をすることができるような体制が構築されるのにもそれぐらいの時間がかかるでしょう。

現在でもこれだけ公認心理師シフトが進んでいるので、多分その時には臨床心理士制度は相当に縮小されているのではないでしょうか。

「縮小」という程度にとどめておきます。

ところで人が集まればなんらかの派閥はできます。

現在も日本臨床心理士会、日本公認心理師協会、日本臨床心理士資格認定協会、公認心理師の会、日本心理学会ほか多くの団体(言うならばこの資格創設にかかわった、100以上の団体)がそれぞれの思惑でバラバラに動いています。

その意味では新しい政争はすでに始まっています。

国家資格創設に至るまでの50年とも100年とも言われるこの資格に関連した係争が制度に与える影響は悪しき影響も相当に与えました。

それでも現在中高生、大学生たちを含むさまざまな受験者層の方々が志を抱き、純粋に心理職をやり、クライエントさんを援助したいという意欲から新しい公認心理師となり、今後日本の心理職の中核として臨床心理業務や研究を行って欲しいと思っています。

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