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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
三つの大好きが出逢った瞬間。


◯ 臨床心理士資格存続構想−資格認定協会窮余の一策

1.序

今回も例によってTwitterの盟友うさネズミさんのtweetからインスパイアされての記事です。



日本臨床心理士試験認定協会のホームページはさっぱり見ないのですが、久しぶりに見てみたら、2020.5.28付で臨床心理士倫理規程の新制定、倫理綱領、倫理委員会規定の一部改正が行われていました。

臨床心理士資格詐称で逮捕された容疑者が逮捕されたのが8月4日なので、この事件を端緒としての改正ではありません。

思えば臨床心理士資格は多くの大学院で取得することができましたが、公認心理師資格が施行されるとともに、それまで臨床心理士養成を行ってきた大学院がばたばたと臨床心理士養成課程を廃止してきました。

公認心理師は出題範囲が幅広く実習も義務付けられていて、とてもではないですがEルートを中心とした今の院生が双方の資格には対応できないと思います。

今コロナの関係で臨床心理士養成課程大学院生が院から通信課題として、公認心理師試験には出題されないロールシャッハの問題をガンガンと出されて単位取得のために
受験勉強もできずに四苦八苦しているということをよく聞いています。(ロールシャッハは少なくともこれ専門で対面講義を少なくとも1年間受けないと使えないと思うのですがそれはまた別の話です。)

一方で臨床心理士資格を持っている人のメリット、アドバンテージは何かということが臨床心理士資格認定協会のための存続に大きくかかわってきていると思いました。

2.倫理的問題

⑴ 倫理を厳格にする資格認定協会側のメリット

公認心理師は第42条第2項として「主治の医師の指示」があります。臨床心理士倫理綱領第6条には専門職との「相互の連携」が謳われているのみですが、倫理的問題をよりクリアにすることで「主治の医師の指示にも従うし高い倫理観も持っている」心理職が公認心理師・臨床心理士ダブルホルダーにあるとすれば、雇用する側にとっては正に「共存共栄」の双方win winの資格になるでしょう。

この新しい倫理綱領10条では、臨床心理士が倫理に関する申立てを行われて処分(「厳重注意」「一定期間の登録停止」「登録抹消」「不問」が確定した場合には、

A. 教官である場合臨床心理士指定大学院

B.所属する臨床心理士会
 
に通知しなければならず、申立てが行われた段階でも倫理委員会の行う面接調査にも協力しなければならないとされています。

これまで日本臨床心理士資格認定協会と日本臨床心理士会及び各地方臨床心理士会との協働が見られたことはなかったのですが、これは画期的なことと言えるのではないでしょうか。

むしろ資格認定協会が士会の方に寄っていき、倫理に対する提言をしたとも思います。

臨床心理士倫理については過去何人もが処分を受けていて、資格認定協会が出している雑誌で、資格抹消や資格停止の処分を見たことがある方も多いでしょう。

一時期有名になった元臨床心理士H氏、複数形の女性クライエントと関係を持ったとして停止処分になったものの、自分で事務所を持つに至っています。数々の処分者の多きを見ているとき何があったのだろうかと思いますが、倫理綱領による資格停止や抹消が両団体の橋渡しをしているのかもしれません。

2.心理テスト

さきほど述べたようにロールシャッハテストは人格や情報処理能力、病理性などを見ていく上で大変有用な検査です。ここは公認心理師には出題されないところです。ロールシャッハは医科診療保険点数でも4500円が認められるわけですが、公認心理師試験出たことはなく今後も出題はされないものと思えます。

倫理問題もさることながら臨床心理士のみが持つ独自性を打ち出していかなければならないものと思います。

3.結言

臨床心理士はその独自性を示すためには倫理綱領を厳格にする、または臨床心理士ならではのアドバンテージを示していかなければなりません。臨床心理士と公認心理師資格は共存共栄だけでなく、激しい葛藤のやり取りの末に和解していくことが資格認定協会としては得策と思ったのではないでしょうか。