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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
忙しいと日々の景色が不鮮明に映ってしまう。感情的になったり不本意な捉え方をしたり。月並みだけど、心のゆとりは時間のゆとりから。要するに、よりよく生きることとは時の川の流れに上手くのってゆくということ。「覆水盆に返らず」ならぬ「流水元に戻らず」だね。まぁ、そんな言葉はないんだけど。


◯ Twitterを潰そうという動き

先日、多くの有名人を巻き込んで行われたTwitter上でハッシュタグをつけた「#検察庁法改正案に抗議します」が実に480万人の抗議を生み出し、当初は「キニシナイ」という態度だった安倍政権はこの法案を撤回。内閣支持率は5月6日には40パーセントだったのが、5月23日には27パーセントまで下落しています。(毎日新聞等調査)

今回Twitterでこれだけの反対運動が起こったのをマスコミは「SNSデモ」と呼んでいるようですが、実際、これだけのTwitterでの反対がなければ法案が通過していたのではないかと思います。

なぜこのような現象が起こったのかというと、インターネットでは例えば4対6で反対意見があった場合どんどん反対意見に傾いてしまうという社会心理学上では「集団斉一化」という現象が起きると言われています。

これは某老舗のSNSではいわゆる「ネトウヨ」が幅を効かせていて、それが外国人差別につながったり、単思想に対する同調意見に傾いたりすることに似ているのではないか?(という趣旨)との論旨の記事も読みました。

マスコミでは政権に批判的な今回のTwitterにおける「SNSデモ」へのネガティブな印象操作をする記事が書かれています。

今回批判を集中的に受けたのは、新型コロナ対策に行政も企業も学校も個人もおおわらわで多忙、そういった時にこっそりと自らに有利な法案を紛れて通過させようとしたことがTwitter民の怒りを呼んだのだろうと多くの人は見ています。

確かに集団斉一化現象はあったのかもしれません(調査のしようがないので誰も証明できない)が、それだけでは説明しきれない結果となっています。

何かの同一の目的に向かって特に意味がないパフォーマンスを呼びかけて例えば渋谷駅のハチ公の前で突然SNSで呼びかけて群集が踊り出すといった「フラッシュモブ」とは全く違った様相を呈しています。

というのもこれが特に意味がないフラッシュモブならば一瞬で終わり、群集はただの通行人として終焉してみなさん一般人に戻ります。

ところが今回人々の心はちっとも解散していないどころか内閣支持率が低下しているのは、Twitterだけが単一の原因とは思えないからです。

Twitterで書き込まれた件数が480万人として、その数だけ、またTwitterを利用していて見ているだけの人の数だけでは説明がつかない下落ぶりです。もちろんインフルエンサーや芸能人の書き込みも多くの影響があったとも思われますが、Twitterを始めとしたSNSは人々のオピニオンや声なき声を代表としたもので、SNSはただの「道具」だと思います。

今回の政権批判に対してマスコミはさらにSNS批判を試みています。とあるマスコミ御用ライターのコラムでは、SNSにのめり込む人は実生活が充実していない、空虚感を持っているのを一つの目的で埋めようとしている寂しい人たちだ、という論調を読みましたが、これは逆に火消しに必死になっているだけではないのかなあという印象を受けています。

マスコミは「第4の権力」として様々な印象操作を試みます。今回の新型コロナについてもなるべくショッキングな発言をする「自称識者」を駆り出して特に根拠がない不安を煽り立てるような報道をしています。

今、ちょっと昔の精神医学の教科書を読みながらこれを書いているのですが、「インターネットいじめ」「インターネット・メディア中傷の病理性」(故木村花さんの例もあり、ウソとは言えません)、既存の精神疾患を悪化させる、インターネット依存になる、精神科医療の邪魔になる、などどかなり否定的なことが書かれています。

政権側にとってはTwitterは邪魔な、うるさいものでしかありません。

木村さんの自死について政府はとても迅速な対応をしていてSNS投稿者の身元を明らかにするなど規制法を迅速に作ろうという素早い動きをしています。

実際には総務省はこういったSNS規制について2018年から行おうとしていて「プラットフォームサービスに関する研究会」会議を何回も開催していて、報道発表も何度も行っています。

ですので木村さんは確かに気の毒でしたが政権や行政はこれを奇貨として俊敏にインターネット規制をしていくという立場に見受けられます。

まあ実際のところ、フィッシング(詐欺)サイトのように、あなたのIPアドレスは読み込まれました」と出てきてもIPアドレスはiPhoneならば電源を切ればすぐ別のIPアドレスになるわけですし、自宅のIPアドレスもそんなに苦労せずモデムの電源の抜き差しでサクッと変更はできます。

さらに言うならもし実名登録制でなければTwitterを使用できないという規制を政府が実行しようと試みようとするなら、今回を遥かに凌駕する反対デモが起こり、政権やらほかのものやら色々なものが倒れてしまいそうです。

確かに自由には責任が伴います。ただし、マスコミは特権階級としてどことでも癒着して、こういった一般人の「うるさい声」を制圧するようなことをしていると憲法上保障されている言論の自由にもかかわると思っています。