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おつかれTwitter
それを棄てたら
大切な何かが消えてしまいそうで ༻
◯ 公認心理師試験事例には出ない・か?「自殺予防」院生と話してみたぬ
1.序
僕もこの業界が長くなってくると、もちろん自分が研修を受けることや先達に指導されることもあるのですが、後輩に指導、というよりもカウンセリングの手法について話し合う機会があります。
この前現役美人院生(たまたまそうだっただけで、狙って若い女性と話す意図はありませんでした。)と話す機会がありました。ふと自殺予防とカウンセリングにおける対応について話題になり、彼女からカウンセリングにおける希死念慮の扱いについて質問されました。
2.実際の会話
院生:ぴゃ?おはみざわとしひこ
僕:おはみん
院生:ね、ひなたん希死念慮が高い人の希死念慮を止めるとかえって高まるんでしょ?
僕:ちょwおま先生って呼ばなくてもいいからさん付けぐらいとりましてみん。場合によるかな?みおみん
院生:この前ね、先輩たちのやってるケース検討会出席してちょっと思ったことがあってね、ワタシ自分で考えてみたんだけど希死念慮を家族やカウンセラーから否定されると内にこもって言い辛くなってなおさら希死念慮が高まるんじゃないかって。あきらんどう思う?
僕:いやだから、ま、あの、みおみん鋭い視点だね。児童虐待も同じような問題抱えててね。例えば性的虐待を女の子が学校で話し始めて学校の先生が「ナニソレ!」的な対応をすると子どもは「まずいこと話しちゃった!」とそれ以上話さなくなる。こっちの反応はダイレクトにカウンセリングのプロセスに影響する。希死念慮を止めた方がいいのはきちんと止める側の真意や熱意や愛情が伝わる時。この見極めが難しいぬ
院生:それな!家族から泣きながら止められたり、カウンセラーから否定されると内攻するクライエントは「ワタシ家族をこんなに苦しめてる。カウンセラーさんも困ってる。ワタシは悪い子だから死にたい」ってなるんじゃないかなぁ。カウンセラーは仕事でやってるってことは投影同一視するような子には区別つかないんじゃないかぬ?
僕:そんなつらたんなんだったら死にたくなるのも無理ないよ、よく頑張って来たねと言うこともあるよ
院生:うん、クライエントだったらほっとするんじゃないかな。ここでは希死念慮をカウンセラーの先生が受け止めてくれるし、自由に死にたい気持ちやつらみを話せるって泣いちゃうと思うぽよ
僕:よく頑張ってきたね、そんなに辛いのにどうして生きてこられたんですか?っていうのは教科書的なセオリーだけどみおみんどう思う?
院生:どうしてそんなにつらいのにやってこられたんですか、と言われたら、「分かりません。やるしかなかったんです。進まなければ社会に捨てられると思ったんです。」と怒りを表出するかもぽよ。でも怒りを表出できたらカタルシスになっていいかもしれないぬ
僕:みおみんすごいね、臨床的なセンスあるみん。ちな、僕叱りつけることもある
院生:どんな?
僕:死ぬなんて甘えるんじゃねえ、一流会社クビになっても土木作業でもなんでも地を這いずって泥をなめても働け。お前はまだ役に立てるだろ
院生:すごみん
僕:頭くる?
院生:いや、泣くと思う。がんばるかぁって。その言葉で、すぐ立ち直れるわけじゃないけど、力にはなるかな
僕:治療アドヒアランスやコンプライアンス低いクライエントには怒鳴ることもある。治る気がないならカウンセリング来なくてもいいし病院も行かなくてもいい。いい加減にしろ。明日また来い病院には今予約すると言ってその場で家族と病院に電話。
院生:うん
僕:飲酒で崩れていたら高い利子払うなと言う。昨日一億借りて今日三億払うのかと言う。どっかで聞いてパクったけどすごい言葉。
院生:一理ありみんぽよ
僕:スパルタカウンセリングぬ
院生:あきらんは本当にクライエント助けようとしている感じがあるぬ
僕:あとね、医療者はいつも救命を考えているから未遂した患者には陰性転移が起こることもある。プロでも言いかねないのは未遂をした患者に向かって「そんな方法じゃ死ねないよ」と言うこと。カウンセラーは死なないで欲しいから「そんな方法じゃ無駄だからもうやらないで生きてて」と思って焦る。クライエントはそんな方法じゃ死ねないんだったらどんな方法だったら死ねるのかとすぐ頭の中でぐるぐると死に方を考える。
院生:あとさ、実習でケース持った時気づいたのは、こっちが何かでメンブレな時には面接終わるとつかれみが半端ない。きちんとコンディション整えておかないとダメぬ
僕:みおみんはえらいぬ。僕だけじゃなくていろんな人に聞いてみるといいと思うみん
院生:そうするぬ
3.結語
僕の対応は習ったものもあれば自分で身につけたものもあり、まともな心理職の人から見るとかなり変わっていたり、反論もありよりかもしれません。
僕は美人で可愛い彼女に限らず、他の院生や、なりたての心理職の人とも話す機会があるのですが今時の若い人たちはものすごくよく頑張って勉強している。しかも想像力も臨床的センスも高い、とこの会話を通じて感心しました。
現役院生や卒後間もない若い心理職の方々にはこれからどんどんいろいろなことにチャレンジしてよく学び、僕なんぞのような「心理シカやる仕事ない」「心理職デモやるか」というデモシカな、ぐうたら心理職をどんどん乗り越えて活躍してもらいたいものだと思ったのです。
※ この会話を校閲して下さった上で記事にすることを快く了承してくださった美人大学院生みおみんさんに謝辞を表したいと思います。
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