ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:臨床心理士

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○ 臨床心理士・公認心理師のやりがい

1.はじめに

心理職の仕事はお金はたくさんもらえない、職場もなかなかいいところはない、とないない尽くしなのですが、この年の瀬にあまりないないばかり言っていると僕の少ない運気も枯渇してなくなってしまいそうなのでこの仕事のやりがいについて書いてみます。

2.やりがいかある仕事に違いないという信念

を学部生、大学院生の人たちは持っているのかもしれませんが、昨今は公認心理師課程で実習が充実してケースを持つ機会が増えていて「自分は優しいからどんどんクライエントを治せるんだ!」という気持ちを抱いていた気持ちは見事に打ち砕かれます。

ケースをやっても、例えば緘黙に近い子だとなかなか喋らない、喋ってもひとことふたこと、何を話したらいいのかわからない、その面接記録を高いお金を払ってスーパーバイザーのところに持っていくと「おま、何をやっとるんじゃ」と言われて泣きながら帰宅、なかなかやりがいのある仕事です。

そしてクライエントは良くなっていないのにどんどんドロップアウトしてやって来なくなる(のはプロでも経験済み)、一体自分はこの仕事に向いているのだろうかと悩みます。

心理テストをやってみれば解釈のあまりの難しさにうんうん唸り、心理テスト担当のスーパーバイザーのところに持っていったらどやされる。

投影法テストなんぞはきちんとその時に聞いておかないと2度と取り返しがつかない。「どうしてあなたはコレについてもっときちんと聞かなかったの?」などと言われたり、そうするとそもそもテストを取った意義さえdisられてしまうことがあります。

人間相手の仕事です。人間は複雑です。どうです?なかなかやりがいがあって心鍛えられる仕事ではありませんか。

3.人助けになる

これは本当のことです。相手の言うことをきちんと聞いていれば本当にそれだけで「ああ、この人は生まれて初めて自分の話を聞いてくれた」というだけで感涙する人も(中には)います。

ただし昨今は臨床心理士やら公認心理師の知名度もその貧しさと将来性のなさと同時に知れ渡りつつあります。

クライエントさんはドクターショッピングならぬカウンセラーショッピングをいつの間にかして来ていることもあります(これはクライエントさんが、自分のことを最も良くしてくれるカウンセラーは誰かと思ってあちこちを回った挙げ句あなたのところにたどり着いたのです。クライエントさんの行為を否定してはいけません。)。

というわけであなたは高名なカウンセラーのところからやむを得ず引っ越してやって来た目の前のクライエントさんにいつも心の中で(あるいは明言して)ダメ出しをされているかもしれません。

全く違った流派のカウンセリングをあなたがしていたら「これは違う」と思い、またクライエントさんは去っていくかもしれません。

好かれ過ぎることもあります。好き好き大好き一緒に食事どうですか?飲みにでも、その先の○○も、などとイケメン君や美女に言われまくるというパラダイス状態です。

上記の数々の試練くぐり抜けてあなたは人助けをしなければなりません。教科書に書いてあったこと、教授から教わったこと以外のことが毎日起こります。それはそうです。人間ですから。人間は誰かの思ったように動くわけではなく、1万人いれば1万人違った動き方をするのです。

4.人間心理を鋭く洞察できるようになる

どうでしょうか?高校から大学に進学する時、少しナーバスで傷つきやすい繊細な心を持っていて、そして「人の心を理解したい」という動機から心理カウンセラーを目指した人はいませんか?

心理学をやって人の心がわかれば自分がわかる、人のこともよくわかるようになって生き辛さが解消される。

さあ、私立文系のあなたが入学した先ではノンパラメトリック検定とかt検定とか分散分析とか構造方程式モデリングなどを学ぶことになりす。大学は親切なので物の奥行き知覚なども教えてくれます。

基礎心理や統計はハマってしまうと奥深く、臨床の世界に戻れないかもしれませんが、心理学徒としては臨床心理士試験、公認心理師試験にまでこの統計はついて回ります。

そしてひょっとしたらあなたがのめり込もうとしている臨床心理学を学ぶということはいろいろな学説を知り、実践に役立つことはあっても自分の心理状態や恋人の心理状態を知るのにはちっとも役に立たないかもしれません。

認知行動療法を学んだ陰キャのあなたは自分のネガティブな認知をポジティブな認知に変えて情動を明るくして行動を陽キャにできるでしょうか?

ついでなので長椅子に寝そべって自由連想法を行ってそれを自分で分析できたらそれは素晴らしいことです。

5.おわりに

ということで臨床心理士、公認心理師に憧れているあなたに対して言いたいのは、平均年収300万円の生活苦なのにのしかかる勉強代に加え、時として自分のメンタルを痛めながらでも行うこの仕事、ここまで飽きずに嫌がらずに読み切ったあなたは心理職になれる可能性が十分にあります。

やりがいは人が決めるものではなく、自分で探すものです。僕の砂漠のような文章の行間からたくさんのダイヤの粒のようなやりがいを探し出してみましょう。

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病院・クリニック勤務の臨床心理士・公認心理師の待遇

1.はじめに

僕は小さなクリニックを合わせて4カ所ドクターに仕えてきたわけですが、どんな勤務の仕方をしていたのか、まず自分のことから書いてみたいと思います。

2. 僕の場合

(1) Aクリニック

あちこち電話して自分で勝手に売り込んで働き始めた院長1人の職場。勤務時間が朝9時~夜21時~23時までとなかなかブラックみが強い職場。心理としての仕事は STAY と MMPI を取って採点、あとはインテーク面接のみ。ほとんど受付に座って受付とレセコン操作。

レセプト作成のために休日出勤あり。週休0日の週もあり、手取り20万+MMPI自宅で採点すると1件1000円。12時~15 時まではお昼休み。昼寝したり。唯一いいところは院長と昼ごはんを食べると院長のおごり。都市部のクリニックなのでステータスが高い人も来る。

新設クリニックなので患者さんが診療をすっぽかすと電話をして再度呼び出すというなかなか
の親切?さ。インテーク面接でひとしきり話を聞いてもらったのですっきりした、僕のインテークで泣いてカタルシス効果があったからもう行かなくてもいいし出された薬も1度も飲んでないと事務長が院長に伝えると院長は途端に不機嫌になる。

(2) B 編集事務所

臨床心理士、カウンセラー募集ということで応募したけれどもいっこうにカウンセリングが始まる気配なし。やっていることは所長(精神科医師)に命じられていろんな文章をライティングすること。やっていることはライター一筋。ここでライティングの基礎はできたのだろうか?新製品紹介のライティングなどを行う。仕事のコツは「とにかくスピード」と先輩ライターから言われる。

所長から「ずっとライターでやるように」と言われて給料も上げることを約束されたがカウンセリングをやりたいので退職。○通などの大手広告代理店との付き合いもあり「マスコミに就職したい人にとっては憧れの職場なんだろうなあ」と思いつつ退職。その後院長がクリニックを開設したらしいと風の噂で聞く。

(3) Cクリニック

イルツラデイケアのかたわらカウンセリングもやる。年下上司のPSW にカウンセリングはどうでもいいからフロア管理をやってくれと言われてドクターにはカウンセリングをしっかりやるように言われる板ばさみ。辞めた理由は現職に就職したから。現職は小さな診療所だけど安定している職場なのでしっかりと引継ぎをやってから退職。でも辞めるなと院長と結構揉めた。

(4)現職(診療所)

ヒマな時期と忙しい時期ととても波がある。精神科はなし。内科医などとケースについて話すこと多い。系列大病院に患者さんを紹介したり、系列外の近隣のクリニックや医院に患者さんを紹介する。のでほぼインテークでは診療もやっているような感じ。心理検査のオーダーはたまに来るけれども自分の裁量で検査はやったりやらなかったり。

継続カウンセリングをやるがここの職場は一切カウンセリングをやっても保険点数にならない。患者さんからも一銭も取らないという、患者さんにとっては恵まれた環境。白衣はあるけれども診療や健康診断の手伝いをする時以外は着ない。

3.他の知り合いの場合

僕の勤務している(いた)ところはかなり特殊な職場ばかりなので他の医療領域の人たちを聞くと、Aさんは僕が住んでいる地区の基幹病院 (大きな病院)ではインテーク面接のみ。

あと精神科がない大病院で働いている B さんは緩和ケアが主な仕事で緩和ケアチームに入っているとのことで仕事は 21 時ごろになることもしばしば。

僕のところに配偶者が重病にかかってどうしたらいいかわからないという相談が来ることもあり。配偶者がかかっている病院を調べると臨床心理士が常勤で勤めていることがわかったので病院と連絡調整して夫婦で両方ともカウンセリングしてもらえるように依頼する。やはりその病院は緩和ケアチームを作っているようだ。

精神科専門の大病院 C病院に患者さんを紹介したこともあり、電話でBPD の説明しようとすると「BPDって一体なんですかあ?」と若い心理士に言われて思わず臨床心理士番号を聞きたくなったのを我慢した。そこは心理室長もいるのでそのうち経験も積んで成長するだろうと思い何も言わない。

あとはD地区ではとても有名なE病院。常勤非常勤合わせて心理がわんさかいる。サテライトクリニックも合わせて心理は 10 数人以上いるだろう。それだけ精神科医と心理が多いとどうも玉石混交のようで「いい先生に当たってよかった」という患者さんがいたり「よくなかった」という噂あり。

4.おわりに

医療関係でいろんな心理職場を聞いていると本当にいろいろで、全く決まったパターンはないということがよくわかります。とても有名で地域の大病院として機能している、患者さんたちからの信頼されている病院だからといって心理の働く環境としていいところという相関関係があるかというと結構疑問なところです。

小さな病院やクリニックは院長=経営者=社長なので、院長の気に染まないと待遇面でいろんな不利益もあると聞いています。なのでまあ公務員や大学病院なんかが心理が働く職場としては給料は安くても安定していて、いいのだろうなあと思います。

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公認心理師、臨床心理士のメリットを徹底的に考えてみた

1.はじめに

いつも「心理職は給料が安い」とか「神経を使うから仕事が大変だ」などネガティブなことばかり書いているのですが、たまにはメリットも書いてみたいと考えています。さて、文字数行数がどれだけ持つのか心配ではありますが、進めてみましょう。

メリット1

・「先生」とは呼ばれないので近づきやすいフランクな感じになれる(こともある)

これは所属している機関によります。スクールカウンセラーなどをやっていると校長先生、教頭先生、担任の先生、用務員さんも用務員の先生ですし、給食のおばちゃんも給食の先生、要するに大人は押しなべて「先生」なので、僕はスクールカウンセラーを始めた時に「先生」と呼ばれてびっくりしました。

ですがこれは「先生」という記号に過ぎないのだと気づくのには一週間もかかりませんでした。だいたいにおいて、中学生はスクールカウンセラーのことを「ひなた先生」と呼ぶものなのでしょうか?

「ひなたってやつさあ、たまに相談室に来ると授業中はいつも鍵かけてひきこもってんだぜ。あの部屋俺たちの縄張りにしてえんだけどなあ、あいつムカつく」ぐらいの感じではないでしょうか。

上記のように言われるとなんだかとても親しみやすそうです。ただし、多くのスクールカウンセラーはきちんと矜持を持ってチーム学校に所属し、僕のような怠け者とは違って「先生」と呼ばれるような仕事をしているのではないかと思います。

また、大きな病院などではかなり専門職が分業化していて心理職だけ「先生」と呼ばれて他職種の専門性も十分高いのに、また、待遇面でもそれほど給料が変わらなかったり安かったりするにもかかわらず偉そうにしているとひんしゅくを買うこともありそうですがこれはその人の専門職としての技量や人柄にもよるので、不勉強かつ不真面目な僕なんぞは想像するだに恐ろしく、内心旺促たる思いをしてしまいます。

今僕は比較的小さな職場にいるので「先生」と呼ばれるとあわてて「いや、さんづけにしてください」と懇願しています。僕は「先生」はドクターや歯医者様に任せることにしています。こんな駄文ばかり書いていてもコメントやツイートで「先生」と呼ばれることがあると心理ライター崩れなのでやはり慌てます。別に「ひなた」でも構いませんがひなたんとかひなぞうとか親しい人は好きなように呼んでいますのでそれで十分です。

メリット2

・庶民感覚がわかる

公認心理師試験の小項目キーワードに「負の相補性」が載っていて出題もされています。負の相補性というのは、カウンセラーがカウンセラー室に博士号の免状を飾ってあったりするとクライエントさんが「ちっ、このオヤジ偉そうにしているばっかりじゃねえか」と極端に言うとまあそんなところです。

僕はその点額装して誇るようなものはないと思っているので、珠算教室中退のままでよろしいかと考えています。

また、心理職は同年代会社員よりはかなりの待遇の低さを誇っています。どのぐらい低いかというと、僕は百均で550円の時計を買って2回壊れました。家の壁掛け時計はやはり 330円です。時間が正確ではないのでオブジェのような親しみを感じます。髪は無謀にも自分で切ります。待遇のことではなくて僕のケチなことを書いているばかりになってしまうので、ここでやめにしておきます。多くの人はきちんとした常識人です。(にきっと違いありません。)

メリット3

・やはり人格者が多いのではないかと思う。心理職は人格が磨かれて陶冶されるのではないか

心理の道を志すだけあって、どの年代でも真面目で勉強熱心な人は、これは本当の話ですが多いことは確かです。そして尊敬すべき心理の素晴らしい先達の先生方が多いことも間違いありません。こういった正に「先生」と呼ばれるに足る識見を持つ方々は立派な方々ばかりです。

こういう先生方は元々志高く人格も優れていたのではないでしょうか。

僕は「文学部出身なんだからなんか面白いことを言え」とか「心理やってて人間関係科学の専門家だから心理の知識を生かして俺たちを笑わせろ」といったことを言われるという、なかなか稀有な体験をしてきました。これも親しみやすさに通じるところがあり、何を言われて腹の中で何を思っても相手が偉い人なので、表面上だけにこやかに対応していた僕は自分でも人格者かもしれないと思っています。

きっと他の心理職の人たちは元々人格者で礼節正しくはそれなりの敬意を持って遇されているのでそのようなことはないと思いますが、僕の場合は思い返すと新卒時、とりあえず先輩にあり得ないほど威張ってみてこてんぱんにやり返されたりと自らを試練の中に置いて自分を鍛えるという体験を繰り返して来たような気がします。

まるで滝に打たれる修行僧であるかのように自らを捨てて苦難に身を任せて立ち向かったわけですが、誰にも勧められることではありません。ただし、この経験を経て人間的に一回り大きくなったのか元々の偏屈さが増強されたのかは自分でもわかりません。

4.おわりに

公認心理師、臨床心理士になること、そしてやっていくということは以上に述べたように様々なメリットがあるのだと僕は自分の狭量な経験をもってして思います。拙筆の僕の文章ではあまりうまく伝わらなかったのではないかと思いますので、心理職になるといったいどんなメリットがあるのか、この記事にコメントをしていただきますと望外の喜びかと存じ上げます。
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僕の公認心理師・臨床心理士の開業独立話

1 はじめに

職場をやめるつもりでツイートしたら、僕のツイートでは珍しく500を超えるイイネ!がついて後押しされて勇気づけられたのですが、僕自身、将来をにらみながら決して高い給料をもらっているとは言えませんが、開業独立を考えるに当たって懸念事項やら今考えていることやらつらつらと考えてみます。

2.そもそもなぜ開業を考えるに至ったか

現職、産業一医療領域での勤務は、そこそこ恵まれた環境で行っております。給与はカウンセリングや心理テストの件数にかかわらず一定額もらえます。人間関係もそこそこ、よくもなく悪くもなく、仲のいい医療職の同僚もいます。上司は変わることもあり、気の合う上司、合わない上司がいるというのは一般企業でも同じです。

僕の働いている職場はワンマン社長がいるわけではないので別に上司に人事権があるわけでもなく、上司が僕のことを気に入らないからといってクビになることもありません。

どこの事業所でもそういうところは多いのですが、メディアにかかわったり、副業をやろうとするとかなりハードルが高いです。僕も実名で投稿して某サイトに掲載して原稿料をもらったことがあるのですが、内部決裁でかなり時間がかかったのを覚えています。

やはり動め人になるとその勤務先の「顔」があるので自由は効きません。書くことも好きなので(このブログ記事だけで 13,00 記事以上あります。)きちんと表に出て書いたり人前で話したり、好きなことをして稼ぎたいなあと思ったわけです。

そこでフリーになって仕事をしているツイッタラーのRさんに話を聞いたら「やっちゃえやっちゃえ!早くこっちにおいで!」とたきつけられて「おおそうか」と思い、開業なんかしたら忙しくなるし、このブログも書けないだろうし本名で仕事をするのかなあと思ったら同じくフリーのMさんに「ダメ、絶対、ひなたの名前は捨てない方がいい。ブログも続けなさい」と言われたので、多分一生ひなたあきらの名前でこんな風にやっていくのだと思います。2018年からこの名前を使っているのですが、結構愛着があります。

3 収入のあて

はっきり言ってほとんどありません。たまに記事にしていますが、原稿を投稿している程度です。あとはオンラインでもオフラインでもカウンセリングをしようか、開業のかたわらでもし採用してくれるのならばどこか非常勤でアルバイトでもしながらふらっと働こうかなあぐらいしか考えていないので、いつもどおりとても無謀だと思っています。

法務局に行って登記をするという以外に個人事業主のなり方もわかりませんし、(税務署に開業届を出すのが正解だそうです。)経理のこともさっぱりわかりません。ということを一昨日開業公認心理師の知人のY さんに話したら「え、何とかなるわよ。会計は会計ソフトあるし」ということで割とハードル低めかな?開業しか勝たん、とまあワンチャンやってみようかと思ったわけです。

元々僕の職歴にはフリーだった期間もあり、それで非常勤はイヤ、常勤がいいと思って今の職場に就職したわけです。ところがこのブログを始めたり、Twitter がきっかけである程度、というか結構知り合いができたので、そういった人とのつながりを重視して自由にやっていきたいなあと感じました。

今回は以前非常勤生活で食べられていた時+ αぐらいで最初のうちはまあいいかなあ、失敗するかもなあ、でも失敗してもいいや、今の日本だから何かしら仕事はあるだろうし、心理じゃなくてもその気になれば何か食べられるだろう、少なくとも飢えて死ぬことはないだろう、と割と楽観的に考えています。

ブログを書き始めてからでしょうか。開業の感覚を身に付けるために「個人相手の営業はどうするか?」→講演会や事務所でお茶会とかやってまず馴染んでもらうことが必要じゃね?とか、法人相手ならば、まあ中小企業対象になるだろうから、商工会議所でも入って顔を売らなきゃいけないかなあ、とか、読んでいるみなさんとしては実に危なっかしい「こいつは大丈夫だろうか」という疑念を抱かれて当然のことをやろうとしています。

何やらいろいろ試行錯誤をしているうちに 3年目ぐらいから食べられるようになればいいかなと思っています。今は YouTube を始めとしていろんなメディアがありますし、コロナを機としてオンラインでのビジネス形態も広がっているので、その気になればどこでも仕事はできるでしょう。

4.おわりに

こういった無謀な辞め方をみなさんにオススメしているわけでは決してありませんし、常勤から非常勤になるのをもったいないと思う人たちも多いでしょう。ただ、自分でわかっているのは、自分という人間と生まれてから今までずっと付き合ってきたので、よほどのことがない限り、自分自身であるということは変わらないわけです。それはどんな形態でどんな仕事をしていても同じです。

一時国境なき医師団のようなところに入って在外で心理職をやろうかなと思ったのも機会があればやってみたいなあという気持ちがあり、一生日本に帰国しなくてもいいやぐらいの覚悟もあります。人生は一度きりなので思うようにやってみたいと思っている次第です。

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○ 臨床心理士・公認心理師有資格カウンセラーは安全なのか?

先日無資格カウンセラーによる準強制わいせつ事件に関する記事を書いたばかりですが、有資格者(臨床心理士・公認心理師)ならば絶対安全、大丈夫か、というと「人による」という答えしかない、というところが本当だと思います。

しかしその倫理面での整備や倫理の運用について厳格化することで国民の信用を高めることはできると考えます。

臨床心理士会報にも毎回資格剥奪を含む処分が掲載されていますし、公認心理師も医療、教育、福祉に関する非違行為で罰金刑、または一般刑法典でも禁錮以上の刑に処せられたら資格を自動的に喪失することになっています。

公認心理師は公認心理師法、信用失墜行為に関する処分に規定されているとおり、任意的取消事項として信用失墜行為があった場合には厚生労働大臣と文部科学大臣が公認心理師の登録を取り消すことができるのです。

刑法典にも違反するような、クライエントさんや患者さんを傷つけるような性加害は厳しく処せられるべきであるというのは実際にそのとおりで、当たり前のことだと思います。

アメリカ心理学会APAや諸外国でも有資格心理カウンセラーの性加害は重い処分となるのは当たり前となっています。ところがこういった事案は後を断ちません。

以前言及したのですがアメリカにおける調査研究で女性クライエントと性的な関係を持ったことがある精神科医・カウンセラーは約10パーセント、日本でも有名な臨床心理士が当事者と性的関係を持ち、臨床資格停止となって、その間臨床業務はやらずに研究業務だけを行って停止ン期間をやり過ごしたという例も聞いたことがあります。

また、複数の女性と関係を持ったことと資格認定協会から不適切さを指摘されて臨床心理士資格停止後に公認心理師を取得したH氏の事案は有名ですが、過去に遡って掘り起こすといくらでもこういった事件は出て来るでしょう。

もう亡くなられた有名な精神科医がいます。その方の書いたものでも「A子から交際を申し込まれたが私には婚約者がいて、あまりA子に魅力を感じなかったので」断った、という「え、その理由?」という記載もあり、昔は治療者側の倫理はかなり緩かったのかもしれません。

さて、こういった事案が起こることやを防止する、そして倫理面での意識を高めるためにはどうするか、ということですが、臨床心理士の場合には独自の査問委員会があり、登録抹消処分も出しています。

臨床心理士は不適切な行為を行った場合には資格認定協会からの義務的なスーパーヴィジョンを受けなければならない場合もあり、厳しい運用が行われているのですが、処罰、再発防止に向けたシステムは整備されていても「予防」はこうした厳しい倫理綱領、倫理規定があるという以外には各臨床心理士の自覚に委ねられているわけです。

参考:

臨床心理士倫理綱領

臨床心理士倫理規定

こうした「防止・予防」は人間と人間相手の仕事である以上、どんなに倫理面に関する教育を学部から大学院までしっかりと行ったとしてもやはり人間は人間、「絶対」はあり得ないでしょう。

それでもこうした倫理教育はやらないよりはやった方がいいわけで「知らなかった」では済まされないものがあると思います。

そして公認心理師については法律により、法に違反して刑罰を受けた際の必要的取消事項についても定めがあるわけですが、一体どの機関がどうやって審査をして処分をするのかということについても定まっているわけでもありません。

「信用失墜行為」のような行為認定についての基準が曖昧ならばなおさらです。

医師・歯科医師、保健師・看護師、理学療法士・作業療法士らの免許取消・停止などの行政処分とその手続を行う医道審議会はあるのですが、公認心理師の場合にははっきりとした処分機関はありません。

そこで、せめて組織率が高い職能団体による自浄作用があってもよいかと思うのですが、日本公認心理師協会も公認心理師の会も一向に統一される気配がない。

このままだと医師団体が職能団体に対して強力な介入をしていくのかなと思いきや、多分医師団体側も呆れ果てて何もできないのが実情なのかな?と下世話ながら推測してしまいます。

無資格カウンセラーによる非違行為はルールがないところで行われたものなので、処分機関はありませんが違法ならば法により罰せられます。これまで臨床心理士が起こした非違行為はそれが十分とは言えなくともなんとか処分を受けてきました。

しかしながら国家資格となった公認心理師については処分機関が曖昧模糊としています。前述「元臨床心理士」H氏についても過去に行った悪事が世間的に露呈して臨床心理士会から処分を受けても公認心理師を取得してしまったというのは、確かに資格取得前に起こした出来事だとしても、これでいいのかと思うわけです。

公認心理師についてはお互いに上位資格を独自に定めようと争っているばかりでなく、もっと先にやることはあると思うのです。

せっかく国家資格ができたのですから、職能団体が統一されて、多忙で人員も少ない官側に提唱、提案をしていくためには職能団体の統一が必要と考えます。

そこで公認心理師倫理についてしっかりと論議した意見を持っていかないと公認心理師の倫理ははっきりとしていない、世間から見て不信感を抱かれる資格になってはいけないと思うのです。

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