ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:臨床心理士試験

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臨床心理士試験と公認心理師試験とどちらが難しいの?

これは「人による」としか言いようがないです。僕は公認心理師法が成立した時、臨床心理士試験過去問を全部解いてみて感触をつかもうとしました。

ところがどれも推定合格圏内にあったので復習しませんでした(バ○?)。

「まあこれなら公認はノー勉で大丈夫だなあ」となめくさって思ったのを覚えています。

僕にとっては臨床心理士試験受験は簡単に感じました。というのも臨床心理士試験に合格できたのは、その当時若さに任せていろんな勉強会に出たり、学生さんたちにボランティアで公務員試験や院試、臨床心理士試験の合格対策講座を行っていたからだと思います。教えるということは最大のアウトプットと感じました。

だから生意気にも(今考えると相当に危なっかしい)リンシは受かる気しかしなかったのを覚えています。

公認心理師試験もそのノリで受験すればきっと簡単だろうと「ノー勉で受ける」と言ったら周囲から「きちんと勉強しとけー」の大合唱。

科目読み替えが出来なかったので実はGルート受験だったのですが、第1回当時の現任者講習はだらだらとして簡単なものに思えました(失礼な発言)。

受ければ受かる簡単な試験のように思えていたのですがブループリントを見て真っ青になりました。「感情の高次機能」「負の相補性」等わからない単語が続々と出ていたではありませんか。昔習った内容と最新の知識とは明らかに違う。

そこで意を決して最低5時間勉強を自分に課したわけですが、なかなかキツかったのを覚えています。

さて、本題ですが令和3年度の臨床心理士試験合格率は65.4パーセント、この前の新卒中心と思える公認心理師試験Eルート合格率は85.5パーセント、これをもってして「公認心理師試験の方が簡単」とは言えません。(比較検討が難しくなるので他ルートは本記事ではほとんど省いてしまいます。ごめんなさい。)

臨床心理士試験の方が難しい、公認心理師試験の方が難しい、と双方の声を聞くことがあります。

ですがこれは「ソシャゲとラーメンとどっちが好き?」という無茶な質問に似ているような気がします。

臨床心理士試験はテスト所見読みが必要、公認心理師試験はより生物学的、ただし基礎心理が重なっていることを考えると、どちらかと言うと「カツ丼と天丼とどっちが好き」程度の違いかもしれません。

臨床と公認の合格率の差にはいろんな要因が考えられます。臨床心理士試験は大学院卒後受験及び経験ある医師と限定されているのですが、合格率が低いのは30年以上の歴史があるこの試験で、複数回受験者がかなり滞留しているのではないか?という仮説も立てられます。

僕の知人でも2回、3回目に合格したという人を聞きますし8回、10回受験者もいると聞きます。

一方で公認心理師試験は完全マークシートで面接なし、院卒者だとフレッシュな知識を生かすことができて、多数回受験の滞留者なしということで新規院卒者には有利な試験となって8割以上の合格率となっているとも考えられます。

そして臨床心理士試験は試験問題と合格点の公表がありません。面接で毎年1割程度が不合格となるのですがこの基準も不明です。

自分でも書いているうちにだんだんわけがわからなくなって来たのですが、あまりにも複数の要因が絡まっていて、どちらがどちらなのか読めないというのが結論めいたものになるのではないかと思います。

大学院新卒者の人にとっては公認はいずれ院卒時とほぼ同時に行われる、修論を書いて院では特に受験勉強を教えないということで短期決戦で公認は難しくなっていくでしょう。

僕が最近出会った、話を聞いた人たちはなぜか臨床心理士単独ホルダーの人が多いです。もう引退の年齢だからいいかな、とか、臨床心理士一本持っていればいいかな、忙しくて勉強できない、等個別の事情があるとは思います。(「公認、落ちちゃったんですかあ?」とはとても怖くて聞けない。)

リンシは投影法や精神分析をビシバシとやっていれば比較的合格に近づける試験だと思います。

聞いてみると事例問題で要求されるセンスも結構違うということで、リンシの方がより心理職としての現場寄りということで、普段から無資格のままでも実習や仕事で心理職をやっていてスーパーヴィジョンを受けている場合には合格に近づいていけるのがわかります。

合格率=難易度、では決してないと思います。どの資格試験でもそうですが受験者の平均点や分散(各得点取得者の散らばり具合)を発表しているものはありません。

したがって公認の合格率が高いといっても合格点すれすれの合格者が多いのかもしれないし、そうでないかもしれません。

リンシも同じです。この辺りはきっとずっとブラックボックスのままだと思います。

ダブル受験生の人たちは負担が重いのと今回勉強のための時間が限られていることから大変だという印象を受けていて、新卒者でも予備校を使っている人も多いようです。

ただひとつ言えるのは、どちらも簡単な試験ではないということです。公認も合格者数を絞っているように思われることから、資格試験かつ競争試験の色彩を呈しています。

ダブル受験生の方もシングル受験生の方にもご健闘をお祈りする次第です。

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面倒見が良すぎるまりぃ先輩公認心理師試験・臨床心理士試験最新情報

さて、われらがまりぃ先輩、公認心理師試験、臨床心理士試験一発合格を目指す超超超面倒見がいいまりぃ先輩の YouTube とともに公式 LINE を見ると最新企画も始まったようです。

公認心理師試験は7月に試験といってもきっとあっという間ではないでしょうか。

特にG ルートの人たちは心理の基礎の基礎からやらなければならないので試験までまだまだ日があるなあ・・・

と思っても心理学史、心理統計などなど細かい分野が出題される一点を争うこの試験、一点を落とすと致命的、そう考えるとあっという間です。

かなり親身に教えてくれるまりぃ先輩の動画、公式LINE 動画、スケジュール指南+αなどなど僕はまりぃ先輩の教授をイチオシ、一流予備校にも遜色ない内容のコンテンツだと思っています。

興味のある方は今のうちにお早目に!


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○ 臨床心理士試験2次試験対策記事まとめ

以下、ひなたブログで昨年臨床心理士試験対策の記事をまとめ直しました。リンシ一次合格組のみなさん、参考に。


まりぃ先輩の記事
もぜひご一読を!

また、まりぃ先輩@MarrySenpaipsyの公式LINEに登録すると模擬面接動画を今度の日曜日に配信してくれるそうです。

ひなた記事

直前・臨床心理士口述面接試験 (二次試験)対策

2020.11.7本日開始。臨床心理士口述試験

2020.11.7リンシ口述想定問答-2

臨床心理士二次口述試験速報

臨床心理士試験口頭試問対策

あと、忘れてしまったかもしれない人のために再度書いておくと論述問題は「個人SVと集団SVについてあなた自身の経験を踏まえて、その共通点、相違点について述べ、今後の臨床心理士実践における必要性について論じなさい」でした。

何を書いたかもう一度聞かれるかもしれませんので考えをまとめておきましょう。もし忘れていても「今ならこう考えます」とリンシ試験を機に奥深く調べてみて考察したという体を装うのもアリかもしれません。

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臨床心理士受験の感想~公認心理師昨年合格者Aさん・試験会場の雰囲気を制する者は試験を制す!

1.はじめに

臨床心理士資格は公認心理師ができたとしてもやはり魅力的なものであることは30数年の歴史がある重鎮資格であり、間違いありません。最近開業心理士や、年配になってから大学院だけ再入した人たちは臨床心理士資格のみでも十分で「この資格でやっていく」と決めて公認を取らずにやっている人はそれなりに一定数います(ただし、これから心理職を始める若い人には公認心理師を優先してぜひ取得することを僕は強く勧めています。)。

そんな中で社会人経験者のA さん、みっちりと勉強して去年は修論を書きながら!公認心理師試験に合格、今年は臨床心理士初チャレンジで受験しました。 A さんからリンシの受験記を聞くことができたので聞いてみました。臨床心理士試験のテクニカルな部分はのんちゃんから結構聞けました。そこで試験の雰囲気、試験の感覚など、公認心理師にも共通するものがあるでしょう。

今回はリンシを受験した Aさんから受験の感想について聞くことができたので記事にしてみました。ちなみに A さん出身の某大学院は、私大大学院で、社会人にも門戸を開いています。

2.社会人入学者Aさんの感想

(1) 試験の雰囲気

・緊張感に欠ける?

Aさん感想「試験の雰囲気は、緊張感という点では公認心理師の時と同じですが、お若い方がとても多く、なんというか切迫感じがないように思えました。大学院のゼミかなんかの集まりなのか、円陣?を作って語り合っている人もいました。結構な人数でした。」

※ひなたコメント

社会人から公認、臨床を目指す人は多いですが、この人たちはかなり真剣に悩んだ末に再入しています。その人たちから比べると切迫感がないように思えたのかもしれません。実際、例えば公認に限って言えば(発表されているので。)第3回合格者のコア層は 41歳~50 歳で、全体合格者の28.2 パーセントを占めています。

僕も卒後遅れて受験した組なので受験会場ではぼっち、たった一人でした。「この中の6割しか受からないんだなあ」と思いつつ、仲良しグループが合格するわけではないと思って気を取り直して気持ちを奮い立たせた次第です。

あと、こういった仲良しグループで気をつけなければならないのは、一次試験はいいのですが、公務員試験でも面接試験のあとに「きゃー、○○ちゃん、会えたのね!」とかやっていると事務方っぽい監督官がチェックして落としたりしているので、リンシの二次試験の時には気をつけましょう。リンシでチェックしているかどうかははっきりとはわかりませんが。

(2) 会場の雰囲気

Aさん感想「試験会場の雰囲気は、すでに受験経験のある人ならご存じだと思いますが、試験会場としては劣悪な環境ですね。だんだん寒気が上がってくるし、私の席のすぐ近くに溝の蓋?みたいなのがあり、そこを人が通るたびにゴトンガタン…そんなに大きな音はしませんが、耳障りでした。そしてなんといっても、鳥が入り込んでいて、ちゅんちゅん鳴き声が聞こえ、ヒチコックの鳥(大昔の映画)ではないですが、降下してきたらどうしよう…と若干鳥の苦手な私は怯えていました。」

※ひなたコメント

確かにビッグサイトは全国の受験者が一同に会するので果てしなく広いことは間違いないので、換気が良すぎて(今年はコロナの影響もあったのでしょうか)涼しかったのは覚えています。鳥!は初めて聞きました。

(3) 感想・意見

Aさん感想「感想意見ですが、いつも思うのは、なぜ問題が全部公開にならないのか..…
来年にならないと、答えも問題も確認できないというのもなんだか、と思います。この情報公開の時代になぜ?と思います。私は来年再受験になると確信していますが、早く答え知りたいです。」

※ひなたコメント「再受験!」と言わず、せっかく頑張ったのですから、優秀な人らしいという風の噂も聞いたのでぜひ今回合格して欲しいと思いました。

問題公開については確かにそのとおりだと思いました。と言うのも公認心理師試験は問題持ち帰り OK、合格発表時に問題、解答、不適切問題とそれに基づいた合格点も全部発表されます。多分臨床心理士試験は試験を行う度に合格点が異なっているのだと思いますが「今年の合格ライン」は明確に発表して欲しいなと思っています。

臨床心理士という難関試験のブランド化、ブランディングについては、まずこういう情報公開といった、ガラス張りの試験にするところから始めなければいけないのではないでしょうか。

3. おわりに

公認心理師資格には公認心理師資格の、臨床心理士資格には臨床心理士資格の良さがある。臨床心理学の知識も問われ、基礎心理学、また、基礎心理学や臨床心理学関係諸領域についてそれぞれが独自性を持った試験を実施して、ハイレベルな合格者の質を高め合っていくことが本来の意味の「共存共栄」ではないかと思います。

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○ 令和3年度臨床心理士試験の総括第1報

今回の臨床心理士試験の情報はのんちゃん
jungpsychology7 なしには成り立たなかったもので、彼女には感謝のしようがありません。

ということで今晩はのんちゃん主催のスペースに僕も混ぜてもらうということにしました。

さて、なかなか今回の臨床心理士試験も昨年に引き続いてなかなかハイレベルなものでした。

基礎心理学の中でも発達心理学の中にマーラーという分析学者を出してくるのはさすがだと思いました。リンシ独特の色を出しているのでしょう。

複雑性PTSDはDSMでは認められていない概念ですが、ICD-11ではフラッシュバック、回避、過覚醒にプラスして情動調節障害、対人関係障害、否定的自己概念をプラスしています。

この辺りの診断基準の知識はなかなか難しいものです。

HMの事例というのはご存知でしょうか?

難治性てんかんのHMという患者さんが海馬と内側側頭葉を切除、そして重篤な健忘が起こったことから「HMの事例」としてのちの脳局在と記憶との関係について研究がなされたもので、これを知っている学生さんはあまり多くはない?かもしれません。

動的家族画、KFDもやったことがない人にはわからない。星と波テストなんぞはやった事がなければわからないその代表です。PFスタディも決して簡単なものではありません。

知識問題が難しければ今回も事例で点を稼いでいくのが正解なんでしょうか。

一次試験突破には関係ないものの論述試験として「個人SVと集団SVについてあなた自身の経験を踏まえて、その共通点、相違点について述べ、今後の臨床心理士実践における必要性について論じなさい」というものでした。

SV、お金がないから受けられなくて…ということで済む話ではありません。なかなかエグいなあと思ったのはみなさん集団SVと個人SV両方受けたことがあるのでしょうか?

僕ならこんな理論構成にします。どちらもケースのあり方について見直すということには変わらず、洞察ができる。個人SVは治療ではないもののより深いカウンセリングへの示唆やケースディスカッションが可能。

集団SVは他のグループ構成員の目も入ることでバイジーの共通課題をみる事も出来るしバイジー同士での見方の相違をほぼ同じレベルの経験者同士でお互いの自己研鑽をすることができる。

個人SVはケースひとつについて徹底して解析するというものであり、ケース対応能力を深めるためには不可欠。

そして集団SVは個人がケースや個人SVから学んだ経験値や質の相違をそれぞれのバイジーが学ぶことによって相互に学びの場を持つことができる。

個人SV、集団SVは相互にケース対応した能力を補完し合うものであり双方とも不可欠。

というこころでしょうか。

あくまで限られた時間にサクサクと情報をくれたのんちゃんの記述を元にした第一報です。

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