ひなたあきらの公認心理師でポン!

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:臨床心理士

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静かの海に
こころを浮かべて


◯ 公認心理師も臨床心理士も雇いたくない

1.例:カウンセリングサービス提供会社

大手カウンセリングサービス会社に、おそらく心理有資格者を雇っていない、もしくは資格の有無とは関係なくカウンセラーを雇用している会社があります。

電話でのサービスが主体となっていて(面談もやるようです)クライエントさんは何人ものカウンセラーにまずは無料で申込みをして体験カウンセリングを何人かにやってもらった後、気に入ったカウンセラーとの予約を一回一回取っていくというものです。

さまざまな企業の営業形態を知っていますが、これは実に理にかなった方法です。

つまり、顧客にトライアルをしてもらって、売上げを上げられるスタッフはどんどん企業はそのカウンセラーを中核スタッフとして売り出していけば営業成績は上がるからです。

営業会社というものは、商材といって、売るものは実はなんでもいいわけです。生命保険、インターネット回線契約など一回契約を結んでしまえば長期的な利益が見込めるものが望ましいです。月数千円の買い物をしたつもりになっていても、場合によっては抱き合わせ販売をしたり紹介で新たな顧客を見込めれば数百万円の利益が見込めます。

営業、販売会社は売れる人に売れるテリトリーや売れる商材を与えていけば会社の利益は上がります。そこには理念は必要ありません。営業は数字だけが唯一かつ全ての正義です。

とはいえ「うちのカウンセリングは利益第一主義です」と書いたら誰も申込みはしてこないでしょう。複数のカウンセラーがいるこの会社に雇われているカウンセラーの経歴を見ていると、自分はとても人生どん底の経験をしてきてそこから這い上がるのはとても苦労した、というような経験が書かれていて、それを売りにしているようです。

また、このカウンセリングサービスをクライエントとして利用して、困難を乗り越えた、そうしたらこの会社が数十万円でやっているカウンセリングスクールに通ってカウンセラーとしての資格を取得するという、実に上手な経営者をしているものだと感心しました。

遠隔カウンセリングサービスは場所が不要なのでコストを抑えられます。こういった形態だと業務委託契約でしょうから、労働法に縛られることもありません。

カウンセリングを受けたい人の中にはきちんと教育を受けた専門資格を持っている人がいいと思う人もいるでしょうけれども「耳ざわりかよくて自分のことを賞賛、承認してくれる人が欲しい」という動機でカウンセリングを受ける人も多いです。

そうした場合に、クライエントさんにとっては資格の有無は関係ないのです。治療効果がどうか、エビデンスはどうなっているとクライエントさんに英語論文結果や統計的検定結果を示しても無意味どころか嫌がらせになってしまいます。

2.例:無資格者を雇うクリニック等

臨床心理士や公認心理師を雇えばお金がかかります。最近のクリニックは新設だとどこも内装や雰囲気を重視して心地よい空間を演出しています。開業する時にテナント代の保証金を支払い、レセコンシステムを導入し、精神科、心療内科は歯科等と違って初期投資額は少ないですが、都会になればなるほど過当競争で潰れるクリニックもあると聞いています。

時給千円台としても出費を惜しみたくなるのです。冷静に考えてみると心理専門家がきちんと心理検査をしてカウンセリングを行い「あそこのクリニックはしっかりとしている」という評判が立てば利益も上がりそうなものですが、目先の利益を追っているとそうは行きません。

医師は開業に存亡をかけているので、当初は赤字を覚悟して経営を始め、休院日にはバイトに他の病院に行く院長も多いです。

開業まもなくだと資金繰りが苦しいのです。そしてやすい物件は狭く、カウンセリングルームは確保できません。

他にも色々な例を知っています。フォークロアでナチュラルな雰囲気のクリニックで医師もフランクな服装、医師の娘が臨床心理士になりたかったものの、勉強嫌いなので途中でやめてどこかの民間カウンセリング資格やアロマセラピストとなってふわっとした雰囲気のクリニックの一角で患者さんと雑談しながらアロマオイルの物販をしている、などです。

医師が信念を持ち、臨床心理士や公認心理師によるカウンセリングよりも食生活アドバイザー、カラーセラピスト、タッチケア、やはりアロマセラピストやホリスティック医学を重視して経営しているクリニックもあります。

まあ、なんと言いましょうか、これらの無資格者は物販と組み合わせれば利益は上がりますし、患者さんもクリニック全体の雰囲気でなんとなく癒しモードが気に入っているのてそれで本人が満足していれば誰も文句はないわけです。

雰囲気カウンセラーがなんとなく治療的なことをしていて治せないというなら問題ですが、医師がきちんと投薬等治療行為をしていれは問題はないわけです。やっていることは保険点数外ですから混合診療にも選定医療になりません。

3.結語

無資格カウンセラーは自らカウンセリング事務所を開業することもあります。有資格者カウンセラーはアセスメントをした後、治療契約を結んで、効果を期待してどんな精神療法をやっていくかインフォームドコンセントを取って、と段階を踏みます。無資格者が「全くあなたの言う通りです。周りに理解してくれる人がいなくて辛かったでしょう」と耳障りのいい言葉を繰り返していればビジネスとして成立してしまいます。

上記の例は多少改変していますが、本質的な部分では大切な視点です。有資格者か自分の地歩を固めるためにはこうした人たちとも同じ土台に上がっていかなければならないこともあります。日々の臨床活動の中でクライエントさんにきちんと望むものも提供できているかは、日々見直さなければならない課題だと思っています。


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想いがつまった種なら
きっと大きな花を咲かせるね ꕥ⋆゚


◯ 公認心理師・臨床心理士の学歴

1.序

以前◯ Fラン大卒の公認心理師は不利になる?

という記事を書きました。その時は「まあそれほど学歴と心理職のかかわりはないだろう」と考えていて、ワタクシがそのしゃべりのまだるっこしさと服飾センスの悪さを除けば敬愛しているYouTuber橋口誠志郎氏も【公認心理師話】心理職は学歴が高いほど有利? という動画でも同様の結論を出していました。

しかしながらいろいろと周囲からの情報を仕入れていたら「必ずしもそうではないのではないか?」

と思うところがありましたので以下その考察を記載していきます。

2. まず試験に合格しないとならない

だいたい大学学部偏差値≒大学院の優秀さ、と比例関係にあるのですが、学部偏差値はそう高くなくとも院の倍率が異様に高くてハイレベル、とかその逆もあるので絶対とは言えませんが、Fラン院卒者は臨床心理士試験にも公認心理師試験にも受からない人たちが多いです。

Fランだと初回挑戦4割〜5割合格率の院で、再受験者合格2割〜3割、ほぼ全滅に近い院もあると聞いたことがあります。やはりレベルの違い学部に合格するだけの地頭があり、統計ができたり基礎心理分野を暗記したり理解したり文章問題の読解力はあった方が良さそうです。

3.公務員

国家総合職、家裁、地方上級は相当な難関です。例えば国家総合職は学閥なしとなっていますが、それだけ難しい試験だと旧帝大、早慶、最低でもKKDRGMARCHIでないと合格は難しいと思います。もちろんFランから合格する人もいるのですがごく少数でしょう。学歴で落としているわけではないのですが、結果的にそうなっています。

4.大学教員

大学教員には出身学部よりも上の大学には就職できないという不文律があります。東大大学院を出て学歴ロンダリングをしてもA大学学部よりも入学偏差値が10高いB大学の^_^教員にはなれません。理系だと相当の業績を上げれば例外もあり、例えば今回の厚生労働省新型コロナウイルスクラスター対策班に参加した西浦教授は宮崎医科大学卒、北大教授から現在京大教授になりました。

大学はレベルの高い大学の方が給料が高いという法則があります。有識者として政府の諮問委員になったりあちこちの自治体のオブザーバーになるのも有名大学の方が箔がつきそうです。

5.スクールカウンセラー

スクールカウンセラーは橋口氏によると東京都は学歴を書く欄もないそうです。しかし毎年年度契約をしているので採用試験も毎年あり「ふうん、◯大学なの、へえー」と、それが原因かどうかわかりませんが落とされたという話を聞いたことがあります。

そして私学の常勤スクールカウンセラーだと中高一貫でそこの私学卒、エリート大学に進んだ優秀な?卒業生が就職するようです。

6.個人的体験

僕の所属する研究会は割と雑多な学歴の人々で構成されているようです。というか学歴についてあまり話をしないので誰がどこの学部や院を出ているか知らないことも多いです。

旧帝大卒、医学博士号持ち、留学経験者もいれば早慶、KKDRGMARCHI、Fラン卒もいます。統計を使って英語論文を引用して査読、原著論文を書き発表をするのはそれなりの地頭がある人が多いようです。

ただしケースマネジメントについては大学院のレベルとあまりかかわりがありません。センス、経験やその後の勉強に左右されていると思います。

7.今回専門卒、大卒等の学歴でGルート公認心理師になった方々

専門学校卒業だからといって心理職にはつけないだろう、と絶対不可能と考えるのは早計です。

臨床検査技師専門職として長年勤務した後に現在は国際医療福祉大学成田保健医療学部学部長、医学検査学科学科長、教授の長沢光章先生がいます。長沢教授は専門学校卒、放送大学学士で、論文博士を取得して大学院生の指導も行っています。

別に大学教授にならなくてもいいのですが、心理職専門家として就職することは不可能ではないはずです。

心理職としていきなり大学病院で総合的に心理検査を全てこなして全ての科のオーダーを受けて八面六臂の活躍をしなくてもいいのです。

僕はGルート他職種から公認心理師になった方でも心理専門家だけとしてやっていくことは不可能ではないと考えています。小さなクリニックは実は心理職を喉から手が出るほど欲しがっているのを知っています。心理カウンセラーに患者さんを安定化させて欲しい、心理検査をやってもらって専門的知見が欲しいと医師は思っています。

また、僻地離島は心理職が欲しくて何年も募集をかけても誰も来ない状態です。

8.結語

学歴がないから不利になる、そういうこともあるかもしれません。しかしながら自分であまりハードルを高くしない、そして出来る努力をする、学歴を超える何かの資質や要素があればその人の行く先や可能性は充分あると思うのです。

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無事に一日を終える
ただただその幸せに感謝して ꕥ⋆゚


◯ 公認心理師・臨床心理士不合格者の行方

以前からずっと気になっていたこと、心理職資格の連続落ち、例えば臨床心理士なら8回ぐらい落ちた人の話を聞いたことがあります。

新卒者にとってはきっと臨床心理士も公認心理師資格も、ある意味命がけで一般就職を捨てて潰しのきかない臨床心理系大学院に進学するわけです。

学費、一人暮らしなら生活費にかかるコストは相当なもので、それで不合格だったらどうなるの?

ということを数人の心理職の人に聞いてみました。幸せになれてるの?不幸なの?受験を諦めた人はどんな進路なの?と思ったからです。対象者は20代から30代、みな公認心理師&臨床心理士で、それぞれ同級生のことについて聞いてみました。

Aさん20代後半(旧帝大卒業後同じ旧帝大院に進学):うちは20人ちょっと欠けるぐらいの院で、臨床心理士は3人ぐらい落ちた。落ちた人は公認心理師も受験しなかったんじゃないかなあ。

1人は全然勉強してなかった、って言うかそもそも記念受験で、臨床やる気なかったから博士に進んで教育学で科研費(審査の結果有意義と認められた研究について文部科学省が大盤振る舞いして出してくれる研究費用)もらってた。研究者になったと思う。

あとは元々どっちか迷って臨床と基礎心理で間違って臨床来た人は基礎心理の院に進み直した。もう一人はなんかよくわかんないけど言語学の院に進んだ。

僕:みんなお金持ちだねえ。

Aさん:あのね、学費はそんなにかからない国立だけど旧帝大でしょ?旧帝に入るには小さいころから猛勉強させられるの。その資金を工面する親も稼げる仕事やってるのよ。ね、聞いて、私4人きょうだいなんだけどね、親も含めてみんな私と同じ大学なの。親は銀行員でお兄ちゃんは准教授で次男が商社で弟は医学部でね、私実家に帰ると怒られるのよう、でね、

僕:あ、忙しいからまたね

Bさん30代前半:旧帝大ではないものの国立名門大学院卒:臨床心理学専攻修士課程では約15人前後の専攻者の中でそのまま心理職になったのは6人ほど、博士課程進学者4人、一般就職3人.公務員事務職(心理ではない)2名と聞いたことがある。

僕:博士進学者は再受験したかもだけど公務員事務員職とか一般就職とかその後どうなの?

Bさん:んー、心理よりお給料高いから風の噂で聞くと結婚して子どもできてダブルインカムで幸せみたいよ?

Cさん(私大、学部偏差値は50ぐらい。30歳ぐらい):院はだいたい約20人だったと記憶、合格者はざっくり5割、だいたい2回目受験で3割、またそこから進路変更した人いた。3回目以降は複数回受けての合格1割。合格をあきらめた。1割、ぐらいかな?やっぱり別進路に進んだ。

僕:そういう諦めた人なんかはどうなの?

Cさん:元々社会人入学した人もいたからまた社会に戻った。あと臨床はさっぱりだけど統計得意な人はメー子(メーカー子会社)のSEになったりそこそこいいところに就職したよ。

僕:ふうん

※ まだほかの人にも聞いてみたのですが、状態がわからんと言われたり、取材ができませんでした。今回公認心理師Gルートでは他職種、教員や福祉職からの参戦者も多いと思いますが命がけで試験に臨むまでの必要性はないでしょう。

心理資格=医学部不合格者、=タダの人以下、のように不幸な道を辿るのかと思ったらそうでもないようで、むしろ薄給身分不安定の心理職よりも成功した道筋を辿っている人もいるようです。

僕が直接聞いた中でも何人かいるのですが、臨床心理学のように精神疾患や悩みを抱えている人たちを対象にするより、もっと健全な人たちへのかかわりをする仕事がしたい、と言ってキャリアコンサルタントとして事務所を持ち、個人事業主として成功している人もいます。

「どうしているんだろう?」と思い、いろいろ聞いてみたのですが、結構みなさん幸せな生活をしています。どうしても心理の勉強に興味が続かない人は進路転換するのもいいのではないかと思いました。やりたい人がやっている、心理という仕事を自信を持って勧めにくいぐらい低い待遇ということにむしろ儚さを感じてしまうのです。

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誰しも元々ひとりだから
繋がる意味があるんだね ☪︎⋆


◯ 臨床心理士は公認心理師の上位資格にはならない

さまざまな民間サイトで「これからの臨床心理士資格は公認心理師資格の上位資格になる」ということが書いてあります。そこで、

1.日本臨床心理士会に対して

2.日本臨床心理士資格認定協会について電話でそういった構想があるのかどうかということについて質問をしてみました。

まず
⑴ 日本臨床心理士会に質問です。

1.公認心理師の上位資格は臨床心理士なの?という疑問なのですが、こういう説を各所で読んだことがあります。

実際臨床心理士会ではそうなのですか?そうという質問をしてみました。

事務局:そういう公式見解は出していません、としか言えません。

ということでした。

あとはもろもろの公認心理師協会上位団体構想について何か情報があるかどうかについては「あくまで別団体なので」と答えはもらえませんでした。(想定の範囲内なので別にこれはこれでいいと思います。)

さて、
⑵ 日本臨床心理士資格認定協会にも同じ質問「臨床心理士資格は公認心理師資格の上位資格になりますか?」をしてみましたが「全く別の資格です。」という回答が得られました。

ついでに疑問点「もし次回更新者がコロナの影響で全くポイントを取っていなかった場合でも更新は大丈夫なんですか?」と聞いたところ「はい大丈夫です。」とのことでした。

これはぬるいと思ったのですが、今回更新者に限るのか、次回更新者でも大丈夫なのか聞くのを忘れました。

これまで産休育休でもポイントを取れなかった人でもポイントが足りなくても資格更新はできたそうです。

さて以下ここからは僕の推測です。

臨床心理士は公認心理師の上位資格として認められることは今後ともないだろうと思います。

上位資格にするとしたら臨床心理士の試験レベルを上げなければなりません。難易度だけでなく学歴要件を上げて博士号取得者ぐらいにしないとならないかもしれません。資格認定協会が試験レベルを上げて臨床心理士の合格者を絞ったら受験者、合格者、もちろん更新者もだだ減りなので資格認定協会が大幅減収減益になります。

さて、日本公認心理士協会&日本臨床心理士会がどう考えているのかというと(「公認心理師上位資格構想ほか政治的な事柄は両者2団体が共同で考えているものと思います。ちなみに両協会とも同じビルに入っています。)

結局心理団体と医師団体の関係はこの取材では明らかになりませんでした。しかしながら臨床心理士資格認定協会は臨床心理士試験機関で公認心理師とは全く別資格、両資格の相互補完性はない、ということはわかりました。

とはいえこれから資格を取る人は両方の資格を取得するメリットをよく考えてみてもいいと思います。

これからの就職情勢はまだ過渡期なので両方の資格取得者が少なくともあと3年ほどは優遇されることが考えられるからです。

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この世界は
一握りの醜さと
一雫の美しさで出来ている


◯ 斜陽の臨床心理士資格

手元に、少々古いのですが平成28年7月の「臨床心理士報」(日本臨床心理士資格認定協会発行)があります。古いからこそ公認心理師資格と臨床心理士資格検証の対象になると思って記事にしています。

雑誌記事タイトル
「臨床心理士養成大学院教育の今後のあり方−公認心理師法と附帯決議を踏まえて 公認心理師とは異なる資格として臨床心理士が存在する理由」

内容は割愛します。

僕が注目したのは「資格要件として『臨床心理士』が記載された多様な実践分野(例)の一覧です。

列挙してある公務職員で臨床心理士が資格要件となっているものとして、この記事内では

1.スクールカウンセラー(文部科学省)

2.医療観察法に伴う省令に臨床心理技術者(厚生労働省)

3.保護観察所の社会復帰調整官
(法務省)

4.精神障害者就労サポーターの資格要件(厚生労働省)

5.メンタルヘルスサポート窓口制度
(法務省)

6.心理療法士(臨床心理士)採用
(防衛省)

7.各都道府県の周産期母子医療センター(厚生労働省)

8.新卒支援(労働局)

9.都道府県警察部内に臨床心理士配置
(警察庁)

10.労災精神障害専門調査員(労働局)

11.旅客自動車運送事業運輸規定における適正診断の認定(国土交通省)

12.がん対策基本計画(厚生労働省)

13.精神衛生の対策に「臨床心理士」の求人(海上保安庁)

14.ハーグ条約専門員(児童心理分野)
(外務省)

15.心理調査官(警察庁)

16.役場メンタルヘルス、資格免許職職員(各自治体)

が挙げられています。

さて、それでは実際のところ臨床心理士の独占採用資格職種があるかというと、まず

1.スクールカウンセラーについては公認心理師と臨床心理士が併記されていてどちらの資格ホルダーでも構わないことになっています。

2.医療観察法による臨床心理技術者は、(医療観察法によって精神障害のため刑罰より医療が望ましいと判断された対象者が入院、通院する指定医療機関)臨床心理士に限るという文言はなく、あくまで臨床心理技術者です。

3.社会復帰調整官は、公認心理師も臨床心理士も採用対象です。

4.障害者雇用トータルサポーターという名前での職名になっています。この制度はカウンセリングや事業所に対する働きかけやメンタルヘルス関係の講義も行うのですが、やることが多くて専門性が高い割には日給三千円前後というパート労働です。
https://ogawa-katsumi.com/233g3q4dfg/wp-content/uploads/2020/04/9539d62d90ed1977634b1c7bf78d73f6.pdf
各福祉職や作業療法士、看護師等に並んで臨床心理士に公認心理師も採用条件に入りました。

5.裁判員制度で裁判員のメンタルケアを行うメンタルヘルスサポート窓口制度については、新規採用求人を探すことができず、臨床心理士または精神保健福祉士とパンフレットには書いてありました。待遇等詳細不明です。

6.防衛省の採用案内を見てみましたがこちらも臨床心理士または公認心理師の採用です。各基地などでのカウンセリングを行うようです。

7.周産期医療についてはハイリスク妊婦、精神疾患を持つ妊婦に対するカウンセリングは保険点数がやがて公認心理師のみになります。

8.労働局の新卒支援についても令和元年「第2回今後の若年者雇用に関する研究会」では「公認心理師」に心理カウンセリングを依頼したと書かれていてどうやら臨床心理士から取って代わられた様子です。

9.警察庁でも臨床心理士募集は取りやめて公認心理師になりました。

10.労災精神障害専門調査員
公認心理師法試験ブループリントの「精神障害の労災認定の基準」に関する調査員、現在求人はなく、臨床心理士がカウンセリングを行っています。

11.旅客自動車運送事業運輸規定に基づく適正診断の認定

これは国土交通省が重大事故を起こした営業用自動車(バス・タクシー等)等の運転者や新規採用された者、65歳以上の運転者について性格テスト、適正検査を行いアドバイスをするというもので交通心理学的なのですが臨床心理士または産業カウンセラーが資格要件になっています。求人が掲載されていないので待遇等不明です。

12.がん対策推進基本計画
平成24年に発簡された文書では臨床心理士が緩和ケアを重点的に行うとの記述されていますが、「 がん診療連携拠点病院等の指定要件の見直しに
関する報告書」(がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ)平成30年4月11日

には「緩和ケア・医療心理に携わる者として、公認心理師の資格制度の開始直後であることを踏まえ、原則公認心理師とした上で、一定期間は現行の臨床心理士でも可とすべきである」

との記載があり、無残にも「臨床心理士?まあ今はいいけどいつかは公認心理師独占ね」という扱いです。

13.海上保安庁
健康安全対策専門官職員任期制採用につき「公認心理師又は臨床心理士」となっています。

14.ハーグ条約専門員(児童心理分野)非常勤職員、本条約履行のための事務職で、2013年に募集を終了後、追加募集はないようです。

15.警察庁心理調査官は検索で探せなかったのですが、心理区分採用だと無資格でも可能なのかと思いました。

16.役場メンタルヘルス、資格免許職員は現在のところさまざまな自治体で公認心理師または臨床心理士で行われています。

と改めて検証してみると臨床心理士は惨憺な流れになってきています。

医療保険点数制度を定めている中央社会保険医療協議会(中医協)も公認心理師のみ保険点数算定で公認心理師シフトを進めています。児童思春期カウンセリング、ハイリスク妊婦、リエゾンチーム加算等、各省庁でも公認心理師のみ採用の求人があります。臨床心理士はありません。

福祉保険点数、ストレスチェックテストも公認心理師独占、公認心理師にできて臨床心理士ができないことはあっても臨床心理士だけに権能があって公認心理師にはできないことはない、という流れになってきています。現在は公認心理師シフト過渡期なので公認心理師資格を持つ臨床心理士は心理職として長年働いてきた経験を買われることはあるかもしれません。しかし先々その傾向が続くかどうかについては甚だ疑問に思えてならないのです。

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