ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:給料

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きょうも
まいた種に希望の水を ໒꒱⋆゚


◯ 公認心理師・臨床心理士、就転職必勝法

※ 参考:NAVERまとめ
【就活】コーラのおかげで内定をもらった男
https://matome.naver.jp/m/odai/2135527525859103801

以前記事に心理職の就転職の面接術のような事を書きましたが「常勤になりたいから」「給料が上がるから」これらを履歴書に書いたり面接で言ったら採用されないよというのは本当です。

ここに採用されて安定した生活ができないと困りますと言われても採用面接側は別に困りませんしこの人は泣き落としをしてくるけど職務遂行能力はどうなんだろう?仕事が煮詰まったら泣き落としするの?と思われて終わりです。

さて、まず履歴書の書き方ですが僕としてはPC作成、写真はpdf貼り付けではなくプリント写真(写真店のものがおすすめ)を貼ることを推奨します。企業人事担当者から聞いたのですが履歴書の写真で落とすこともある、というか高倍率だと人事の気分次第ですので見た目(をきちんとしておこうという意欲の有無)で落とされるのはもったいないです。

これも人事(役員・社労士)の人から聞いたのですが、志望動機、自己PR、能力資質、人柄、社会性、熱意も見ますが転職の場合「なぜ前の職場をやめたのか?」を重視します。

トラブって辞めたんじゃないかとかまたこいつはこんな理由じゃすぐにやめるだろうとかそういう疑問を抱きます。

市販の履歴書の書き方書籍には書いていないのですが、前述人事の人から教えられて履歴書には
◯年△月 病院退職(父の介護のため)
など理由を明記すると面接官はそれ以上面接で突っ込んできません。

なぜなら面接官も恒常業務で忙しいので前職をなぜ辞めたのかは面接チェック必須項目ですが、履歴書にあらかじめ書いておいてくれると聞く方もラクなのです。

前職の悪口を書かなければいいのです。「メンタルヘルス部門廃止のため」「家庭都合により◯県に居住することになったため」(旦那さんの実家に近居するために帰郷転居した、そこで住宅を買ったからここを永住の地にするなどは自然そうです。)

パワハラセクハラ上司にいびられて適応障害になったとか(それが事実でも)不倫して居辛くなった、ワンマン院長でむかついた、とにかく給料が安かったとかは書いたら採用が難しいか無理になるでしょう。

僕は事業閉鎖のため、縮小のためとか書いていました(ウソではない)。

さて、ここから書くのは小技です。小技を使ってももちろん書類審査段階で跳ねられる場合は多いでしょう。

封筒は事務用茶封筒ではなく百均でいいのでA4サイズ封筒を買い、履歴書、職務経歴書をA4クリアファイルに入れて速達で出します。一刻も早く応募したかったという熱意を見せるためです。

そして履歴書・職務経歴書(新卒だとESか?)の他に郵送だとこちらは手書きの方が良さそうな?気がするのですが、履歴書の上に長3封筒表書き◯◯病院採用ご担当者様の宛名書の中に、まあ例です。こんなお手紙でも入れておきましょう。

「拝啓 時下ますますご清祥のこと存じ上げます。

さて、この度貴院の心理士(師)募集に当たり、私は以前から◯◯領域(その病院の得意としている分野とかぶる方がいい)について興味があり勉強して参りました。ご縁があり働かせていただくことができたなら全力を尽くして努力していく所存でございます。
              敬具
令和2年6月20日
          ひなたあきら」

※ この辺りは適時アレンジしようはありそうです。お手紙は短めに。

さて、職務経歴書について、医療経験がないけれども小児医療機関に応募しようとしたとしましょう。(例)

◯年◯月 ◯特別支援学校に就職
発達障害児童療育、ペアレントトレーニングに携わる

業務内容
入所児童の個別カウンセリング
心理検査(WISC-Ⅳ、新版K式、遠城寺式乳幼児分析的発達検査、K-ABCⅡ等)

保護者との面談

発達障害支援センターとの業務連携・調整

各医療機関との連絡調整、患児受診の際の付添


こうすると

1.小児領域に慣れている
2.検査が取れる
3.親とのコミュニケーションが取れる
4.多職種連携ができる

というアピールができることから採用病院側も興味を持ちやすいでしょう。

教育・療育→医療にシフトしていくわけですが似たような領域への転職なので比較的うまくいきそうです。

志望動機としては「◯相談所ではアセスメントが主だったのですが、きちんとした医学的知識がある医師の指示の下、長期的に児童の療育にかかわっていきたいです。」

要するに患児を短期間ではなく長期間の経過で見たいということで、十分な理由になります。

これほどまでに近い職務経歴を持っている人は少ないかもしれません。

なるべく現職と志望先の中で重なっている、重視されている部分をかなり強調して記載して書いていきましょう。

クリニックから大病院ならば待遇も良さそうです。そこで例えば集団認知行動療法を行なっているのなら、そのスキルがある、緩和ケアをやっているのならそれに関する研修やワークショップに出ていたなど即戦力になれることをアピールします。

↑の部分は職務経歴書でなくとも履歴書でも良さそうです。

新卒者がポテンシャリティ採用される場合にはなんの分野でも勉強熱心だったとか、一般就職でも同じですが部活でチーム競技をやっていて協調性がある、院の必須単位だけでなく個人的に研究会に出ていたなど(あまり専門的な内容をここに盛り込むとひとつの流派にこだわり過ぎて頭が固いと思われかねないので割愛しておきます。)
前向きで熱心な姿勢を見せればいいのです。

向こうから特に提出を求められていなくとも僕なら職務経歴書をA4サイズ1枚に収まるように(多いと迷惑なので)つけておきます。

文書化されたことは説明済みとして納得する傾向が採用側にはあります。

矛盾や嘘を書かなければいいのです。経験や体験を強調することや言わなくてもいい不利益なことは問われていなければ答えなくてもいいわけです。

乙女の暴走夜中の便箋20枚ラブレターよろしく大ボリュームの文書を送りつけるのは迷惑になります(というかその時点で落とされる)が、まず書類審査を突破したいのであればここまでやっておきましょうということです。

ちなみに僕が書いたことはあくまで僕が自分目線で体験したことです。履歴書職務経歴書の書き方、面接の受け方はスカウト会社、新卒者なら指導教官が教えてくれることも多いと思います。

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喩え記憶から消えたとしても
こころに薫りは残るものだよ ☪︎⋆


◯ 臨床心理士・公認心理師で年収600万円を目指す

※ 承前

このブログ記事をアップしようとしていた時にたまたま橋口誠志郎氏が同じような内容をアップしていたのを見つけてしまいました。コンテンツの質はともかく大変悔しい思いをしております。↓橋口動画
https://youtu.be/2Wh38RRwJGU

以下本文

1.長い前置き

藪美:結婚するなら年収いくらぐらいの人がいい?
坡留:年収600万円ぐらいかなあ。そのぐらいないとやっていけないじゃない。
藪美:子どもとかできたら年収600万円でも大変そうね。年2回ぐらい海外旅行行きたいなあ。

さて、上の会話ではこのように現実感のない内容が話されていますが年収600万円以上稼ぐ労働者は労働人口の全体の20パーセントです。(経団連調査)年収600万円なら手取りは(自治体の住民税や各種控除によっても異なりますが)450万円前後です。

年収600万円代に限るとその人口は10パーセント強、平均年齢は45歳ぐらいでしょう。

したがって上記藪美さんと坡留さんが20代から30代前半の結婚適齢期の男性を見つけるのは、サハラ砂漠から砂金を探すがごとく難しいです。

さて、日本臨床心理士会は3年に一度動向調査をしているので、平均的な心理職の働き方や年収などが見られます。

https://www.jsccp.jp/member/news/pdf/doukoucyousa_vol7.pdf

最新調査結果(2016年)によると年収600万円台5.8パーセント、年収700万円台4.1パーセント、年収800万円台2.6パーセント、900万年台1.8パーセント、1000万円台3.3パーセントです。

年収600万円以上は17.6パーセントで、きっと平均年齢も結構高めでしょう。

どの動画か忘れてしまいましたが橋口誠志郎さんは「頑張れば年収600万円ぐらいは大丈夫」のような発言をしていて、Twitterでも心理職はそんなに貧乏なわけではない、という声も聞きます。

2.実際600万円以上稼いでいる心理職は?

⑴ 公務員など
国家総合職キャリア採用、地方上級だと残業手当がばんばんつく場合もあり、公務員は地域手当もあるのですが35歳程度で年収は600万円になると思います。そのかわりキャリア採用はどこでもハードで、時間構わず仕事をして、矯正職だと泊まり勤務もあります。児相の超過勤務時間は多いと言われていて、自治体で異なるのでしょうが、どのぐらい長いのかわかりません。

安定した国公立病院や私大病院の心理職もこのクラスターに入ります。

勤務年数が長いので退職金が見込める、社会保障がきちんとしているという点も魅力です。

⑵ 大学教員
アカポスはどの頭脳労働者にとっても憧れかもしれません。しかしながら私立大学の給与体系だと博士号取得准教授でも500万円届かないこともあるのでポスドク(オーバードクター)40代以上でやっと専任職を得ても働ける年齢が限られてしまうこともあり、超絶的努力、そこにたどり着くまでの生活をなんとかしなければならないのです。

⑶ EAP(従業員支援プログラム企業)
企業向けのメンタルヘルスプログラムやパッケージを販売している事業です。時間給非常勤だったり、通常サラリーマンと同じ待遇のところが多いでしょう。知人の心理職の人は太陽が黄色く見えて日付けが変わる前に帰れたことはなかったけれども給料はよかったと言っていました。

メンタルヘルスプログラムを導入すればコストカットになるという提案型営業も含む仕事で、自分でプレゼンをやってカウンセリングも教育もやるというなかなかハードな仕事です。

そして昨今の新型コロナ情勢でこの種の事業の売上げはかなり危機的になってしまっていると聞きます。

⑷ 完全フリー
これは可能かと言われたら「可能」と言えます。都道府県スクールカウンセラーは時給が高い、確かにそのとおりです。

その他にそこそこの業績があれば大学非常勤講師として1コマ3万円程度稼げます。専門学校でも医療福祉系の専門学校講師もいい時給です。講師をやろうとしたら求められている教育内容と似ている業績、博士号取得などが望ましいでしょう。

病院でも自治体でもまれに時給4000円台の非常勤求人がかかることがあります。

スクールカウンセラーだと確かに児童生徒が休みの時は休みで楽だなあと考えることもできますがちょっと待ってください。あなたのその働き方は5年後、10年後にも続けていられますか?ということです。

スクールカウンセラーは1週間あたりのコマ数が多ければ週2回、足りないなあと思って隣県に遠距離通勤して週2回、さらに超遠距離通勤してまた別の自治体で週1回という働き方も可能です。

しかしながら公認心理師制度ができて(できる前から)従前と変わらず雇用継続できているスクールカウンセラーもいれば、なぜかわからないけれども急に契約を打ち切られたという例もあると聞きます。

フリーで働くということは、どの業界でも同じなのですが、次年度の契約更新はあるかどうかわからない、病気になったら保障はない、産休育休介護休暇なし、税金や社会保険料は自腹、当然ボーナスも退職金もないということです。

自由業というのは自分が自由なのではなくて自分の自由を雇用主が自由に扱うことができる制度だということです。

⑸ 私設開業
完全に腕一本の世界です。有料カウンセリングは1時間数千円から1万円程度までさまざまです。

休日は講演会をやって学会発表、論文を書いて著作を書いて、あちこちに顔を売って頑張りましょう。ホームページは立派なものを作り込みます。事務所賃貸料を払いつつもし誰かを雇わなければならないのなら従業員に給与も払います。

日本のベンチャー企業成功率は3パーセントと言われています。年収マイナスか、年収1000万円以上か、さあ未知なる世界に飛び出していきましょう。

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悲しみの泪に心が溺れそうになることは誰しもあるよね。時として人生とは無情なもの。でもそんな現実も受け入れる術はある。それは、日頃からでき得る限り後悔を残さないようにしておくこと。これに尽きると思う。今日をただただ懸命に生きる。それが無常な人生を謳歌する、最も単純で最も難儀な方法。


◯ 公認心理師・臨床心理士のアルバイトをさらに探す

ほぼ自分語りですが、こういう生き方もあるのだな、と参照にしていただければと思います。

僕がフォローしているフォロワーさんの心理ライターさんもいるので話をいずれ聞いてみたいものだものだと思いますが、こんな生き方もある、できる、ダブルワークも可能だということでお読みいただければと思います。

以前自己紹介でも書いたのですが、僕が某心症◯◯士の資格を取った後にスクールカウンセラーをやりながら勤めたのは編集プロダクションでした。

ハローワークにも求人が出ていて、さらに求人サイトにも有資格者募集、職務内容はカウンセリングと研究ということだったので「実践もやっている小規模なシンクタンクのようなものなのかな?」

と思って就職したのですが、内容はライター業務が主でした。社長がタレント先生だったので僕は社長の口述筆記をして、鞄持ちで国会議員事務所に行ったりテレビ局に行ったりと秘書業務もやっていたのですが、一般誌の心理とは関係ない一般記事も書いていました。

大手広告代理店電◯の営業の人と懇意になり編プロの人も含めてオサレな街に食事に行ったりとそれなりに楽しい生活もしていました。経済的にはかなり恵まれていてボーナスなしで出来高+基本給で手取り40万円、仕事増やせばもっと稼げるらしかったのですがライターが本業ではないのでやめてしまいました。

で、スクールカウンセラー&いろいろになったわけですが、民間企業で従業員支援プログラムシナリオを3日ぐらいで書いて20万円、その会社の紹介で女性雑誌のインタビューを受けたりメールカウンセリングを大手クレジットカード会社の不随サービスとして請負ったりととにかく書くことは仕事でやる事もあればバイトで全く関係のない分野でやることもあったわけです。

このあたりはいつも真面目に研究論文や著作を出している心理の方には申し訳ないな、と思っています。

なる気もなかったのですがライター専業にならなくて良かったと思うのは、クラウドソーシングがこれだけ流行り、サラリーマンも副業でライティングができる環境になり、多分今は文章の価格はガタ落ちしたのではないかと思っています。

shinobiライティング、サグーワークス、Crowd Works、ランサーズ 等が今ライティングエージェントとしてあります。

編プロでライターとしていろいろ書いていた時の事を思い出すとどんなジャンルでも何でも書けるという事が面白い発見でした。僕はフリーでやっていた時はどんな仕事がいつ入るかがわからないので「タスク」という単発の仕事ばかりやっていて、長期契約で請負いの仕事はしたことがなかったのですが、オススメの車検会社、水道工事、審美歯科、外食店の宣伝などほぼ全分野書けるというのは新しい発見でした。

審美歯科は特にたくさん書いたので多分1時間ぐらい講演ができそうです。

慣れていないと文章をひねり出すのに調べ調べで時間がかかり、出来高換算だと時給200円ぐらいですが、慣れてくると筆が早くなり、サクサク書けるようになるので、書けそうなタスクを選んで空き時間にやっていればタスクだけでも月5万円ぐらいは書けそうです。

ゴーストライターなので、とあるミッション系大学ミスコン準ミス、読モをやりながら恋愛指南をしている20歳という設定で恋愛術を書いていたのは全部僕です。

「初めて行く彼氏の家でお母さんに気に入られるためには?」
「思わせぶりで彼氏のハートをぐっとつかむ7つの決め台詞」

のようなしょうもないものを書いていたような気がします。

※ 守秘義務がありましたが、なぜこれを公に書いているかというと、そのキュレーションサイトがこの企画そのものをやめてしまった(かつ活動停止してしばらく経って音信不通になってしまった)ので文章が世に出ないことになったからです。

ということで、まあこれは特殊な例なので、多忙な芸能人が書いている文はきっと自分の信用がかかっているので自分で書いているものと思います。

これがタスクという形式ではなくて固定給制なら契約制で月収10万円ぐらいも夢じゃないよね、というところです。心理の仕事をフリーでやっているればなかなかいいお小遣いになるのではないかと思います。

なぜ僕が心理職の人に向けてこの文章を書いているかというと、実際にフリーで心理+αでこういったライフスタイルを送っている人もいるからです。

また心理クラスタの人たちはたいていもれなく文章が上手だと思います。

僕のこんな駄文ではダメなのですが(早い安いまずい)才能がある人ならま、何かいろいろやりつついろんな人とつながりを広げて二足のワラジでやれる人もいるでしょう。

ただやはり心理クラスタの人は心理が本務なので査読論文や原著論文を書いてみることが望ましいとは思います。

ただ、いろんな生き方がありますのでその個人の選択や価値観は否定できません。ライターをやっているうちに心理職から足を洗ってライター専業になるのもよし、「続きはWebで」有料メルマガを出してもいいかもしれません。
(おわり)

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未来を夢見ることは楽しいことだよね。まっさらなキャンバスは、それだけで心躍るもの。でも、いま目の前にあるものを大切にできない心に、明日のまだ見ぬ景色に想いを馳せる資格はないと思うんだ。まずは今この手に掴めるものを抱きしめるべき…とは言っても、やっぱり新たなものはわくわくするよね。


◯ 公認心理師・臨床心理士のキャリア形成は一般就職と同じ

1.序

以前ハローワークでカウンセラーとして働いていたことがありました。2週間に一度、9時5時で働いていました。就職相談の人がたくさん並んでいる窓口ではなく、二階の小さなカウンセラー室で働いていて、1日0人から8人までその日その日によってカウンセリングをする数が違い、気楽に働いていました。

所長にカウンセリング状況について報告しようとしたら「あ、別にいいから」と報告なしの実に気楽な仕事でした。片道3時間半の通勤時間ということを除けば。

またしても長過ぎた前置きでしたが(以下改変済)「教授とケンカして博士課程辞めてきた。大学院ではフエダイの生殖の研究をしていた。どこか就職先ないですかねえ」僕は言葉に詰まり「水族館?いや、教授に頭を下げて土下座してでも大学に戻ってください」とニッチな人生を送ってきた人に言いました。

なんらかの資格やキャリアを持っている人ならいいのですが、何もない、これからスタートだという新卒の人については話し合ってその人の長所を見つけて履歴書や職務経歴書の書き方を指導するという、キャリコンなのか産業カウンセラーなのかよくわからない事をしていました。

2.心理職のキャリア形成

さて、本題です。心理職はそのキャリア形成の中で他学部、院生の大卒新卒よりも高いハンディを背負うことになります。常勤就職先に新卒で潜り込むのは狭き門です。

理系院卒は即研究所や工場の生産現場管理を行うこともありますが、同じ院卒でも心理職だと働ける現場は限られています。

クリニックでいつも(常に)職員を募集しているところもあります。僕もそういったクリニックに勤務していたことがありますが、雇用保険なし、週7日労働、1日14時間勤務という大変ハードなものでした。

さて、僕が感じたのは個人経営のクリニック、病院はオーナーである院長の考え方や気分ひとつで働き方が全く変わってしまうということでした。

そこそこ勤務がきつくないクリニックや非常勤で働ける病院もあります。教育相談所やクリニックで働きながらスクールカウンセラーをやって経験を積んで、次は大きな病院に転職するという手段もあります。

ただし、大手になればなるほど中途キャリア採用は難しくなるということも事実です。

ストレートで院卒だと24歳、しかし心理職を目指す人たちの中には途中社会人から学部に入り直す人たちもいるのでそこから新卒で就職しようとする人もいます。

さて、一般就職の常識としては新卒就職は35歳が未経験者としては限界年齢と言われています。

ただし、心理職の就職は資格職なので必ずしもこの年齢が当てはまるとは言えません。

公務員だと国家ならだいたい新卒30歳制限です。地方公務員も同様です。ただひ社会人経験枠があり、5以上の経験者採用もある自治体もあり、ハードルの高さは地方公務員の場合は様々です。

「児童相談所勤務3年以上」というピンポイント求人もあります。これは民間や独立行政法人の国公立病院でも同じことで、ずばり「産婦人科相談業務3年以上経験者」もありますし、例えば大学病院の薄給の研修生を2年以上インターンとして行ってからその後就職試験を受験させてダメだったら容赦なく落とすという大学病院もあります。

3.キャリア形成の方法

全ての心理職が恵まれたキャリアを持っているわけではありません。ところが採用したい側のニーズは高い、このギャップをどのように埋めるかが課題です。

ひとつは修論から学会発表、原著論文(ハードルはやや低いものの専門家から認められたお墨付きの論文)から査読論文(正式な業績として大学教官に就職するだけの実力を積み重ねられるハードルが高い論文)、また可能であれば就職したい分野での医学博士号や教育学博士を取得するという方法もあります。

大学院博士課程に進学しなくともかなり困難ではありますか論文博士を取得するという方法があります。

お金と時間に余裕がある人は医科学修士(医師でなくても医学全般について学べる修士課程)を卒業する、外国で学位を取るという方法もあります。

これらはかなりハイレベルな手段です。

もう少し手軽?な方法としては、認知行動療法のセミナーに通いつめてその団体資格(信頼できるもの)を取る、例えばEMDRのウィークエンドⅡまで通って技能を身につけて足しげく勉強をする、ポスター発表(ポスターを学会に貼る口頭によらない発表形式)でも良いのでガンガン発表をしていくと専門性があると認められます。

4.上記のキャリア形成方法を全否定

実はいかに立派な学歴や論文、所属学会があったとしてもそれは専門家がいる団体で、応募者の熱意がそこに関係しているかどうかを見るための補足する資料でしかありません。

一般就職と同じで就職、転職に大切なのは志望動機と自己PRです。

5.ダメダメな例

以下に書くのはその人の本音だと思います。しかし採用側にとってどうでもいい本音を書くと必ず落ちます。

「給料が高くなるから」「常勤から非常勤になれるから」「子育てがひと段落して手が空いたから」

これらの理由は採用側には何の意味もありません。「自分のことしか考えていない」と思われるだけです。「ここに採用されないと生活が苦しくてなんとかお願いします」というのはなんだかもっとダメそうな泣き落としのような気がします。実際、こういう履歴を履歴書に書いてぶち落ちる心理職も多いのです。

6.キャリアチェンジ・キャリアビジョン

これまで学校教員として働いてきました。公認心理師試験を取りました。同じ教育現場だし、まあその続きのつもりでスクールカウンセラーでもやろうかなあ、というのはなんだか落とされても仕方がない気がします。

求められている専門性が教員とスクールカウンセラーでは全く違うからです。

全く違う領域から別領域にシフトして転職するのもなかなか難しいです。これまで児童領域で働いていた。そして今度は成人領域でやっていきたい。この人の志望動機は何にすればいいでしょうか?

例えば「これまで児童を面接対象としていましたが、子どもの情緒を安定させるのは親です。したがって親面接こそが子どものためになるということを痛感しました」

「教育領域で働いていましたが特別支援学級で医療的な措置を明らかに必要としている子どもたちのためには小児科における心理職が心理検査をしたり、心理面接を行って生物学的知見を持つドクターと協働していくことが大切だと思いましたら」など、納得がでにる理由が必要になります(例)。

医療領域は細分化されているので、精神科クリニックの心理職が精神腫瘍科やメンタルが関係している整形外科もある総合病院で働くことも難しいでしょう。自分が働いてきたクリニックにはこういう特徴があって、今から働きたい病院とはこんな連続性があります。

と言えることが大切です。2、3領域を掛け持ちしたり転々としてきた心理職は多いと思います。「今度はこの領域でとりあえず3年ぐらいは頑張ってやってみたいです。」という受け答えは「え?3年経ったら辞めちゃうの?」と聞こえますので採用されません。

「新しい経験を積みたいです」ではなく、これまで自分がしてきた経験がどの程度転職先で役に立つかをアピールしないとならないわけです。

これは如何にスカウト会社が教え込んだとしてもダメです。自分の口から自分の考えではっきりと志望動機を言えないといけません。

そしてさまざまな領域で働いてきた人であってもそれぞれの職務の連続性を強調し、職務経歴書は応募先に合わせて志望動機を変え、いかにその組織に採用されたら役立つかを書いていくのです。

実は心理職を採用したくて若くても年収400万〜500万円最初から年俸で出したい職場はあるのですが、採用に躊躇されてしまい欠員になってしまっていることも多いのです。

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◯ 公認心理師・臨床心理士は数学ができないと給料が安い?

AERAの3.23号が手元にあるのですが「入試でも仕事でも数学は捨てるな」というタイトルの特集記事があります。

早稲田政経入試が数学を必須科目にしたこと、メガバンクや大手生保が理数系出身者が増えてきている事が取り上げられています。確かに生保会社は東大ほか有名大学数学科から保険数理人(アクチュアリー)を採用しています。

アクチュアリーの仕事は高等数学を駆使するもので、加入者の掛け金、各疾病の発生率、企業としての経営が成り立つ数値を緻密に計算して他社よりも魅力的かつ保障が充実していると顧客が満足できる保険商品を設計しなければなりません。

数学科学部卒のアクチュアリーはかなり以前から採用されています。東大、京大、早稲田理工等有名大学出身者しか採用されていないのですが、各企業は建前として、学歴でアクチュアリー採用試験をしているわけではなく、数学の入社試験を課してたまたま優秀な成績を取った学生が有名大出身と言っています。

AERAでは将来的に、MARCH以上の大学でも数学必須となる可能性についてを指摘しています。考えてみれば、経営、経済、商学部は数理を使う近代経済学や統計、簿記等を扱うわけで、私立文系だからといって数学と無縁でいられるわけではありません。

さて、公認心理師、臨床心理士試験は統計科目が必須です。現在出題パーセンテージはそれほど高くありません。公認心理師法は研究を業務として規定していないにもかかわらず、試験問題を見ると自力で研究活動ができる基礎的知識取得を要求しています。

心理系大学院の修士論文では、国文科や英米文学科ではないので、読みました、こうでした、という文献研究のみの研究論文はまず認められません。院試で研究計画を出させる大学院も多いのですが、筆記試験がいくらできてもきちんとした研究計画が出さないと合格できない大学院は多いです。

さて、前述AERAでは数学受験で経験した人はそうでない人と比べて90万円年収が高いという結果を掲載しています(数学が必要な大学は難関だから就職がいいかもしれないというだけの話かなと思いながら読んだのですが)。

心理職がカウンセリングをする、心理検査をする上では心理検査の計算はしますが、それは数学ではありません。心理職は「科学者ー実践家モデル」だと現任者講習でも叩き込まれます。統計数理的な研究でないと研究として受け入れられませんし、論文を提出しようとしても偉い先生方の査読で撥ねられます。

文献研究でも全くダメということはないのですが、例えば文献データベースを利用してあらゆる心理学の論文の中に例えば「倫理」がどの程度重視されていて倫理のどんな側面が強調されているかを統計処理します。

量的研究と対比される質的研究TEM手法もありますが、かなりしっかりとした研究設計をしてコーティングを行うというレベルの高さが要求されます。

さて、心理学の研究を極めて次は博士号を取ろうとした際に、臨床心理学、医学博士、教育学博士を取る人もいますがどれもレベルが高い統計処理研究が必要と思われます。

大学教員になれれば確かに収入はアップしますが、そのためには独自の着眼点と研究業績の積み重ねが必要です。

医療の現場で働いているから関係ないや、と考えていると大病院では医師、看護師と共同研究することもあり「なんで心理の先生は統計ができないの?」と思われてしまいます。下手をすると採用されないかもしれません。

また、保健師はデータの集積をアウトプットしていくので統計には強いです。大企業で産業医と働く保健師は健康に関するデータを使って健康教育をしますが、心理職はできません、だと対内外的にあまりよろしくない可能性があります。

EAP従業員支援プログラムを各企業にプレゼンする際、弊社のメンタルヘルスプログラムを導入した結果、これだけの数の企業でこれだけのメンタルダウンする社員が減り、企業にとってはコストパフォーマンスが高いです、というパワーポイントを使った説明にも数的処理は必要です。

開業心理職は数字との戦いでもあり、事務所の家賃、人を雇うこと、損益分岐点を計算するのは勘だけではなく簿記の知識があった方が便利なわけで、確定申告の度に会計士や税理士にお願いしていたらそれだけ支払いが大変になります。成功率数パーセントのベンチャー起業は課題が山のようにあります。こういった課題の解決ができたら開業領域には相当役立つでしょう。

AERAの特集にも書いてありましたが、これからはビッグデータ分析、AI化はどんど?企業内で進んでいきますし、そうした手法を身につけていかないと企業人は生き残れなさそうです。医学は膨大な症例をビッグデータ化しようとしています。情報集積は精神医学でも臨床心理学でもデータベースの構築が可能になります。コクラン共同計画(現在COVID-19により世界中の論文購読絶賛無料大解放中)のようなエビデンスデータベース集積の日本版も可能になります。

カウンセリングはひたすら対面で相手の話を聞いて満足をしてもらうもの、それは確かにそうです。ただ、認知行動療法はほぼ全て統計的エビデンス、証拠に基づいて研究を進めているのでアメリカでも日本でも保険点数化は早かったです。

河合隼雄先生ご存命だったころはエビデンスだけでない、心の世界が今よりは重視されていたような気がします。これまで統計化されにくかったナラティブ、物語的な(社会構成主義)心理療法は統計的検証が行われていくと次第にその効果の有益性が認められていくかもしれません。

心理職の世界は「あの人は良くなってよかったね」で終わることが多いのですが、なぜうまく行ったのか、どんなアプローチが有効だったのか説明することができればなお良いと思います。あまりそれを好まない謙虚な人も多いでしょうけれども、ある心理検査の科学性、例えばEMDRのようにエビデンスが確立しているものだけでなく、心理職の存在意義を説得力のある科学性で説明することができる人は能力があると見られるでしょう。

発展しつつある膨大な量の数理的データ処理、仮説検定、AI戦略は臨床心理学に対しても新たな側面を提供する可能性があり、そこに馴染んでいくことがこれからの心理職の能力として試される可能性があります。心理職という人種は有益だという認知が広がれば待遇もより良いものになる可能性があるということです。

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