ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:給料

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〇 高給優遇、時給3千円以上の臨床心理士・公認心理師の求人

1.序

非常勤心理職の求人はとかく安い、時給千円~1500円がコアの時給というのが心理業界の常識です。朝から晩までカウンセリング、心理テスト漬けで夜は心理テストの所見作成のためにさービス残業で時間を取られるというのが当たり前となっています。しかしながら時給が高い心理職のアルバイトも実際に存在しています。心理職にとっては憧れの年収600万円を非常勤だけで稼ぎ出すことも「可能」なのです。さて、実際そういった、僕が見た求人を書いていきます。

2.実際の求人

(1) 医療領域

たまに時給がえらく高い求人を見かけることがあります。しかしこれはかなりピンポイントでの求人です。例えば数年前に見たのが時給3,800円独立行政法人病院、精神腫瘍科での緩和ケアの求人です。僕が「やってみれ」と焚きつけて知人が応募してみたところ、見事書類選考で落とされました。

実際に100床以上の大病院で精神腫瘍科で働いていた経験者、少なくとも3年以上ぐらいの人がターゲットだったでしょう。少なくとも総合病院でその業務も行っていたのではなければ採用は難しかったのではないでしょうか。彼女は教育領域と小児精神科クリニックでしか働いた経験がない。きっとピンポイント求人だったのでしょう。

(2) 教育領域

何をもって「教育」とするのか難しいのですが、頂点は大学の非常勤講師です。1コマ90分1万円以上もらえることもあります。ただしこれは少なくとも博士号取得者、査読論文をいくつも書いているような常勤大学教員寸前の人たちがやっていることが多いのですが、ポスドク(昔で言うオーバードクターの人たち)が「ま、この生き方でいいや」とやっていることがあります。

時給3千円以上の可能性がある教育領域の仕事としては看護学校講師や専門学校講師、学生相談所相談員もあります。

さて、教育領域では臨床心理士資格創設後に文部科学省から臨床心理士がぶんどってきたスクールカウンセラーも頂点です。以前時給8千円の求人も見たことがあります。もちろんかなり僻地です。だいたい今は都道府県採用で時給5千円~5,500円程度に落ち着いているようです。

(3) 福祉領域

「福祉で時給3千円なんか届くはずがない」と思うかもしれませんが、募集しています。社会福祉法人でかなり困難なコーディネーター役のリーダーをやる仕事で、社会福祉士が主に募集されているのですが、心理職も募集されていることもあります。ただし、「時給1,500円~時給3,000円」となっているので注意が必要かもしれません。放課後デイサービスでも同じ条件の求人を見たこともあります。

(4) 司法領域

これもたまにあります。試される北の大地でやはり時給3.500円程度の刑務所のカウンセラーを見たことがあります。どの非常勤契約でも同じですが次年度の契約はわかりません。丹念にいろんな求人を探していれば今後もあるかもしれません。

(5) 産業領域

これは僕も「バイトでやらない?」とたまに誘われることがありますがさまざまな理由で断っています。完全フリーの人であれば、企業や官公庁従業員支援プログラムの一環として時給3千円から3,500円で募集をしていることもあります。

(6)私設開業領域

産業分野とコラボしていることがありますが、電話相談や24時間相談対応をしているような開業分野だとこのぐらいは貰えることもあります。「新卒者募集」も見たことがありますので、なかなか狙い目かもしれません。

(7) 講演

講演は僕は産業―医療領域で働いているので職務の一環として講演を行っても給与込みですが、これを外部で行なえばなかなかの講演料をもらえることがあります。僕なんぞ無名の心理職でも義理で昔教育関係の講演を行ったことがあるのですが、90分で1万円だったなあと思い出します。PTAに呼ばれたときも同じぐらいだったような気がします。

あと、番外編としてテレビでのコメンテーターがあります。1回5万円から10万円ですね。見たこともない容疑者の診断をするという非常に危ない仕事です。

3.総論

毎日日々地味な仕事をしているのが僕は心理職の本旨だと考えています。上記の中にも地道な仕事は多く含まれているのですが、時給の高い仕事は「自分の経験と技能を売る」ということがかなり重要だということを書いていながら思いました。非常勤で3千円以上もらえてもそれを一日8時間のペースでもらうのは困難、または一週間毎日行うことは難しいことが多いです。

非常勤は時給が高くとも所詮アルバイトですので、例えば月給60万円もらえたとしても、社会保険料もろもろを考えると年収500万円の常勤にはかなわないです。

心理職は大学院卒程度の仕事、しかしながら実際には高卒の公務員や信用金庫職員の方がはるかに生涯賃金も高く、身分保障もしっかりとしていることは悲しいかなこの日本の現状です。

ただし、収入アップを考えている非常勤の人はネットワークを張り巡らして高い時給の仕事を探してみるということを考えることも大切かもしれません。

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photo & lyric are by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_
ʀᴇʟᴇᴀsᴇ ʏᴇsᴛᴇʀᴅᴀʏ.
心を救う拠り所となるものも、長い年月を経るとむしろ呪縛になってしまう。想いは掴まず放すもの。年始のお焚き上げでお守りを納めるように。


◯国家資格公認心理師はなぜ給料が安いままなの?その2

1.序

国家資格公認心理師と臨床心理士を定期でハローワークで調べています。正確な平均値は出せないのですが、ざっくりと見積もってみてパートの場合900円から1500円ぐらい。常勤が月給25万円(額面・税込)ぐらいと日本臨床心理士会の動向調査とあまり変わらない結果でした。

2019年2月ぐらいから新公認心理師ができたわけですが、私大大学院出身だとかなりの学費を支払っていてもまあこのレベルの給与でパートに至ってはコンビニの夜勤とだいたい変わらないレベルです。

それでは独立行政法人の大病院なら給料がいいかというと、確かに恵まれていることは事実ですが、定年まで勤め上げても月給30万円稼ぐことはほぼ稀なことです。

なぜこのように心理職の給料が安いからと言うと、たとえば医療領域に限っても臨床心理士だろうが公認心理師だろうが雇っている側としてはちっとも儲けにならないからです。

これが理学療法士や作業療法士となると従前から医療機関の保険点数がきちんと決まっているので、保険点数できちんとペイしています。

ところが心理職は50年争っていて国家資格ができないうちに産業場面でも医療系でもすっかりその保険点数は看護師、精神保健福祉士など他職種に奪われてしまいました。

日本国家が払える医療費は増大させることはできません。ですのでほかの職種の保険点数を奪ってくるしかないのですが、果たしてそれが可能でしょうか?

日本医師会は医師数を抑制してまで自らの利権を死守します。故武見太郎を初めとして政治と医師との関係は強く、看護師は政治団体として看護連盟を持っています。柔道整復師は強力な政治力があり整形外科医から権益を奪い去ったほどです。

まもなく2025問題が出来します。国民の4人に1人が75歳以上の高齢者になります。医療費のパイが変わらない中で公認心理師はどれほど生きられるでしょうか?

心理職は国家資格を作るために50年の闘争を経て抗争をしていたばかりで何も政治力を持っていません。保険制度にどんどん入っていく余地はありません。やっと認められた今の微々たる保険点数制度から、果たして今後広がっていくのでしょうか?

病院やクリニック勤務の臨床心理士が雑務として病院事務やレセプト計算をするのはよくある話です。

そして経営者(院長)から「お前を雇っていればいるほど赤字になる」と苦虫を噛み潰したような顔をして言われた心理職はいないでしょうか?

実際にはインテーク面接も便利に使えますし「このクリニックではカウンセリングはやっていないんですか?」と言われて客寄せパンダよろしく雇われているだけで、こういう「渋々職場」では昇給も望むべくはありません。

そして驚くべきはカウンセリングをやっていない心理職がかなりの割合でいるということです。

デイケアや就労継続支援施設で生活指導員として働いていれば、そこで保険点数や生活指導員としてペイします。

安定していると思われている公務員でも持ち帰り仕事やサービス残業をしていると実質給与はどんどん下がります。時給200円ぐらいとか…

福祉施設や児童施設で働いている心理職も数多いですが、こういう施設は人手が欲しいので夜勤もできて資格よりも経験者優遇です。手取り17〜18万円も珍しくありません。

時給がいいスクールカウンセラーはいつ再雇用なしになるかわかりません。

非常勤はいつクビになるのかビクビクしながら暮らしています。高卒で市役所勤めをしている事務員やコツコツと20年以上仕事をしている水道、電気、ボイラーなどの現業職の人たち(こういう人たちをバカにしているわけではなく国家試験で働いている人たちが重用されている人たちと心理職の待遇という重みを比較しているだけです。)

心理職は生涯給与にしてどのくらいか?ポスドク(昔で言うオーバードクター、博士課程が終了しても大学に就職できない人たち)は一体どのぐらいいるでしょうか?

40歳過ぎても就職できずどこかで非常勤バイトをしながら糊口をしのいでいるばかりです。

就職するためには質の高い査読論文を何本も書かなければなりませんし、博士号を取得して給料の高い就職先があるかどうかはわかりません。

さて、「序」が終わって本論を書こうとしたのですが、「序」で本記事には本論がありません。

最後に付け足しに思えるかもしれませんが、大学院では決して教わらなかった事ですが、起業精神があって約3パーセントと言われるベンチャーの中でカウンセリング(パーセンテージはカウンセリングの場合はわかりませんが)や副業で稼げている人たちがいることも事実です。

カウンセリングはその文化は発展していないように思えるかも知れませんがニーズは必ずあるので、待ちの姿勢よりも攻めの姿勢で顧客を開拓していくような起業スピリッツがある人たちはこの業界の中でも成功していく可能性は十分にあると思うのです。とです。

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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
ほんの少し
誰かの心を想像してみた。

ほんの少し
やさしい未来が広がった。


◯ 公認心理師・臨床心理士手取りを増やす方法

1.序

給料が安い安いと言われる心理職。どうせなら手取りを増やす算段をしてみましょう。しかも合法的にです。  

2.具体的方法

⑴ 医療領域

さて、クリニックには多くの患者さんが来ます。待合室があり、今日は少し長めに時間を待たなければならない。あるいは終わったあと患者さんの時間が空いている。さて、そんな時には院長命でMMPIをやってもらうことがありました。診療保険点数280点、実施すれば病院、クリニックには2800円入ります。しかも心理職が採点して解釈までつければ実際の治療にも役立ちます。

なんということはない人だなあと思っていたら実は精神病圏の人だったということで治療方針が変わったこともあります。というわけで病院も潤って患者さんのためにもなるわけです。

そしてそれを僕はホームワークとして持ち帰り、クリニックの院長と交渉して、Ⅰ件千円で請負って月5万円ほどを得ていました。実話です。

さて、クリニックで何かもっと患者さんのサービになる方法はないのか?僕から提案したのはペアレントトレーニングです。診察が終わった夕方の時間に親だけを集めて集団精神療法を行いました。グレーゾーンのような気もしますがやはりクリニックは潤いました。以下略。集団認知行動療法もできます。

⑵ フリーの心理職

ア カウンセリング会社に雇用される

完全フリーなので特に兼業制限はありません。インターネットを見てみましょう。あちこちの事業所でオンラインカウンセリング、電話カウンセリングを行う会社があります。公認心理師、臨床心理士の有資格者ばかりでなく、学部卒の人や心理専門職でない人もカウンセラーになっている場合もあります。「有資格者募集中」と書いている場合もあります。手取り1時間3千円として週5回やれば月6万円の儲けになります。

カウンセリングにかかりたくても遠隔地、仕事が多忙など隠れたメンタルヘルスのニーズを掘り出すわけなのできちんと人のためになっています。

イ 自分で個人事業主としてカウンセリング事業を立ち上げる

これは少し高等テクニックかもしれませんがやっている人たちは多くいます。

ホームページを立ち上げます。その際GoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクスを使ってSEO対策をします。

いったい何のことやらと思うかもしれませんが要するにホームページで検索した時の順位を上げるようにするわけです。外部の業者に頼むとかなりお金がかかるので一生賢明調べましょう。

なるべくニッチなところを攻めましょう。ニッチかつニーズが多い相談内容を探すのは大変ですが頑張ります。土日はメンタルヘルス無料講演会をやって、僕のようにやくたいもないブログを立ち上げたりメルマガを出して宣伝するのも一つの手段です。あと紙媒体でないkindle版なら手軽に出版できます。

「本もあるよ、講演もやってるよ、みんなの役に立つよ」というのは大きな魅力です。ただしウソをついてはいけません。「何年も引きこもっていた子どもを必ず学校に行かせる方法」があれば非常に魅力的だとは思いますが、そんな方法は誰にも思いつかないでしょう。  

ちな僕もこのブログを日本学術会議からぜひ出版させていただきたいというオファーがあったら考えてやってもいいとは思っていますが、今のところ何もレスポンスはないです。日本の研究機関の水準について憂えています。

3.結語

とまあ思いつくことをつらつらと書いてみたのですが、今文科省や自治体でSNSカウンセリングをやっています。昔メールカウンセリング会社と業務委託契約をしてそこそこのお小遣いにはなったのですが、あれもやりようによってはもっときちんと収益になったのかもしれません。

本稿は、あくまでも隠れたメンタルヘルスのニーズやカウンセリングを受けたい人たちの力になりなりながら自分の収入UPにつなげることが目的です。間違っても儲け主義一辺倒になってしまったらその下心は必ずクライエントさんに見抜かれてしまいます。ほかにも方法はたくさんあると思いますので頑張ってみてください。苦労して取った資格と実務経験は大きな武器になると思います。

(おまけ)

僕:いつも思うけど本当にお前男っ気がないな
看護師お嬢様:いつも思うけど本当にアンタ口が悪いよね
僕:いや、どんな女でもとりま、もうちょい努力してる感出してオーラ漂わせれば男寄ってくるぞ
お嬢:ワタシ面倒なのキライなの
僕:え
お嬢:本院にいた時は楽しかったのよ。女友だち4人ぐらいいて毎週アントラーズの試合観に行ったりどっか遊びに出かけて楽しかった
僕:男入ってないじゃん
お嬢:たまたまその中に男友だち混じっててもいいけどさ、恋愛だとそのために電話したりLINEに時間取られたりとか面倒じゃん
僕:やる気がないだけか
お嬢:失礼ね。ワタシも女として生まれたからにはちゃんと結婚して子ども作って、旦那と一緒に暮らして、っていう世間のみんながやっている苦行に耐えなくちゃいけないっていう気持ちはあるワケよ。周りもみんな結婚してくから遊び友だちいなくなっていくし
僕:…
お嬢:でもさ、相手の男にしても子どもにしても自分の考えたようには行かないワケじゃん、はあ、面倒だわあ。今はすごく楽だけど修行って必要だと思うの。このままこれが一生続けばいいのになあ
僕:わかった。やっぱりお前一生独身でいろ
(実話)


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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
美しいものを追い求め続けることは果てなき道を歩き続けるようなもので、美しさとはある種の幻であるということを心得ておくべきなのかもしれない。掴んだと思っても「その瞬間の輝き」はすぐに失われてゆくものだから。だからこそ「完璧じゃない」というところに価値があるのかもね。人のそれの如く。


◯ バイト時給=医師>>>薬剤師>看護師>心理職

さて、医療系職種でなくとも気になるのはそのお給料、心理職は医療系職種の中でも数少ない「先生」と呼ばれるだけあって(あとは理学療法士か鍼灸マッサージ師)お給料が高いのか、というと全くそんなことはありません。

医療系職種がアルバイトをした時の金額を示してみます。(以下あちこちのサイトで調べたので若干の差異はあると思います。) 

なんといってもアルバイトで稼げるのは医師、当直1回10万円、日勤でも1時間最低時給1万円が相場で、難しい手技を要するような勤務だと時給2万円もあります。

さて、医学部に次いで理系では難しいと言われる薬学部、薬剤師の時給はドラッグストアに勤めた時を考えても3千円以上、調剤薬局だと4千円から6千円もおかしくありません。薬学部の入試は確かにハードルが高いですし学費も相当なものです。専門知識も必要で人の命にかかわる仕事をしていることには変わりありません。

調剤薬局だと自宅にいても宅直で、患者さんから問い合わせがあると対応するため24時間営業、新卒年収600万円も珍しくないのですが、激務であることは確かです。

ちなみに意外とお安い時給なのが歯科医師です。歯科大定員増産し過ぎたのでしょうか。2千円台後半から4千円と非常にお安いです。歯科医師国家試験合格率は65.6パーセント(自立だと20パーセント台の大学あり)歯科はコンビニより多く作られていてバタバタと潰れていき、私学学費数千万園、初期設備投資は数千万円以上と考えるといかにリスキーな仕事なのかと思います。ちなみに雇われ歯科医師は年収300万円と聞いています。

さて、看護師、病院には絶対いなくてはならない職種で重労働の専門家、時給は2千円から2,500円。ちな、診療放射線技師も16,00円から2,500円程度、これは専門職だからでしょう。臨床検査技師は健診車両で1日検査をやって流しの臨検で1日1万円です。

表題の理学療法士も時給1,300円、鍼灸マッサージ師は1,000円〜16,00円です。

「先生」と呼ばれているから時給が高いわけでは決してありません。

心理職のみなさんならご存知のとおり心理職のバイト時給は1,000円〜1,500円。バイト時給にしてみるとお医者様の10分の1程度です。

さて、スクールカウンセラーが時給5千円程度といっても決して高額時給なわけでもなく、一日中6時間勤務の自治体も多く、年間38週、何より次年度また採用されるかどうかはわかりません。

税金健康保険自分持ち、教育相談所や私立のクリニックで時給1000円台で働いて月収(手取りではなくて税込)20万円切るか切らないか、ボーナスなしの生活が決して高額とは思えません。

他医療職と比べたら貧相に思えるかもしれませんが、心理職、福祉職はお金の出どころがないという説(言い訳)があります。

それでも私立クリニックなどでは心理を雇っておかないと「え?ここではカウンセリング受けられないんですか?」と都会のクリニックも過当競争に負けてばんばん潰れていきます。

知人の博士号取得者はフリーターながら大学非常勤講師、専門学校講師、学生相談所(高額時給に限る)で最低年収500万円以上稼いでいます。保険税金は自腹ですがこの人は若くしてかなり高給取りの旦那さんと結婚したので、以前は大学教員を嘱望されていたのが「ワタシ、これでいいわあ」ということなので、それでいいのでしょう。

安い時給は蹴っ飛ばすぐらいの勢いがあれば(いつも募集している職場もありますが)待遇も良くなるのかも知れないと思うのですが、反面でそういった場所でも働かざるを得ないのが心理職の悲しい実情なのです。

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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
おつかれTwitter

おそれるべきは失敗じゃなく
それを次に繋げられないことだね ꕥ⋆゚


心理職×ライターという生存戦略
~心理職として生き抜くための精神とお金の話~


心理職のアルバイトというテーマで以前記事を書きましたが、僕のような雨時々ところによりライター、というような生き方ではなく、地に足をつけてきちんとしたライター&心理職という生き方をしている、Twitterffの佐藤セイさんに無理にお願いして寄稿していただにました。

ライターとして某エージェントからプラチナライターの認定も受けている方です。ライティングの仕事も絶賛募集中という事です。この記事を読んだ、目に止まったエージェント、クライアント様はぜひ佐藤セイさんの以下にあるしっかりとした文章表現力をお読みになって仕事をご依頼されてはいかがでしょうか。



はじめまして。臨床心理士&公認心理師ライターの佐藤セイと申します。
このたびは、ひなたあきらさんにTwitter経由で「心理職のアルバイトについて記事を書いてもらえませんか」とお声掛けいただき、こちらのブログにお邪魔させていただいております。

私は非常勤のスクールカウンセラーとして週2日勤務するかたわら、個人事業主としてライターをしております。なので、アルバイトとはちょっと違うかもしれませんが、ご了承ください。

私がライターを始めたのは、以前の職場で「心理職を辞めるかもしれない」と思ったからでした。その経緯をここで詳しく語ることはしませんが、シンプルに言えば「バーンアウトしてしまった」ということです。
そして、心身ともに憔悴した私の脳裏に浮かんだのは、
「心理職のくせに自分の世話もできないなら、心理職を辞めるしかない」
という武士のような潔さへの陶酔と
「心理職を辞めたら、生活できないし、奨学金も返せない」

というきわめて残酷で生々しい現実でした。
そして、「心理職を辞める可能性があるなら、他の稼ぎ口を急いで見つけねばならない」と思ったわけです。

私は小学生の頃から心が疲れてくると文章を書き殴るクセがあります。
小学生時代はわら半紙の裏、中学では大学ノート、高校では文芸部で黒歴史を次々と生産し、大学生以降はmixi、アメブロ、Facebook…と、あらゆる媒体で、その日に起きたこと、自分が感じたこと、空想的な物語など、とにかく何でも書きまくっていました。当然、心理職を辞めるや否やという時期にも、せっせと文章を書き綴っていたわけです。

そんなときに、とある先輩が言いました。
「そんなに文章書くのが好きなら、ライターになればいいのに」と。
「それだ!!」と思った私は、とりあえずライターの仕事を探し始めました。そして、どうやらクラウドソーシングサイトを使えば簡単にライターの仕事を受注できるらしいことが分かってきました。

クラウドソーシングサイトとは、仕事を依頼したい人と仕事がしたい人を仲介するサイトのこと。そこで「こんな記事を書いてください」という依頼に応募し、採用されればすぐにでも仕事が出来るというわけです。
さっそくサイトに登録して、最初に受注したのは「オーボエについての記事2000字700円」だったと思います。高校で吹奏楽部と文芸部を兼部していたのが初めて役に立ちました。

また、大学院でもせっせと論文を書いていましたので、書くことは苦ではありませんでした(あ、論文は苦でしたが…)。むしろ、いつもは一銭にもならない私の文字たちが価値を生んでいることは嬉しく、喜ばしいものでした。

そこから継続してお仕事をくださるクライアントさん(※「クライエント」ではない)とも出会い、なんやかんやでライターを続けるに至っています。

現在の職場には不満はありませんし、「心理職を辞める」という考えは大分薄れています。それでも、心理職とライターを続けているのは、この2つの仕事の違いが歯車のようにかみ合い、お互いを回しあっているからだと思います。

■心理職
【仕事のタイプ】クライエントさんと一緒に長い時間をかけて成し遂げていく「ファーマー型」の仕事。成し遂げた喜びは大きいが、それまでに時間がかかる。そして、成し遂げられないこともある。

【私の意識】生活のための「仕事」として取り組んでいるため、基本的には心理職として得た収入の範囲内で生活している。やりがいはあり、学ぶことは楽しい。ただ、悩んだり、消耗したりことも多い。

■ライター
【仕事のタイプ】書けば比較的短期で報酬(お金や評価)が得られる「ハンター型」の仕事。ちまちまと承認欲求を満たしてくれる。

【私の意識】どちらかと言えば「趣味」に近い。「仕事」にしすぎないため、ライターで得た収入は生活費にせず、投資や急な出費などに回している。心理臨床に疲れたときの避難所としての役割を重視しているので、仕事を選ぶときは自分の心がウキウキするものを選び、「なんか嫌だな」と思ったら撤退することを心掛けている。

どちらが良い、ということではなく、私にとってはどちらも大切なのです。
ありがたいことに心理学に関するテーマでのライティングの仕事をいただくことも多く、私自身も新たな学びを得たり、知識を整理したりする良い機会となっています。また、クライエントさんに伝わる言葉選びにも、ライティングでの経験は生かされているように思います。

さらに、ライティングをする中で、クライエントさんの言いたかったことがふと理解できるようなこともあります。これはなぜかわかりませんが、写経に取り組むときのように、余計なものが取り除かれていった結果、必要なものだけが残るのかなぁ…と考えています。

そういったことからも、今のところは「心理職×ライター」は、かなりしっくり来ています。これから先どうなるかはわかりませんが、私としては当面はこの形でいこうかなぁと思っています。

心理職や公認心理師をしつつ、副業としてライターを目指される方は、とりあえず「クラウドワークス」や「ランサーズ」といったクラウドソーシングサイトを覗いてみてはいかがでしょう?メンタルヘルスや発達障害など、心理の領域の記事を求める依頼も意外と見つかります。

ライターの仕事が自分に合っているなら、個人事業にしてみるのもおすすめ。青色申告控除をはじめ、税金でのおトクがたくさんあります。

心理職・公認心理師などの心理職の待遇はまだまだ厳しいのが現状です。
もちろん、「待遇を改善して!」と声をあげることも大切です。でも、今まさに足元が崩れそうなら、目の前の「ライター」でも「アルバイト」でも、ぱっと掴んで命綱にする方がいいんじゃないのかな。少なくとも私はそう思います。
私たちはクライエントさんたちと、この世界を生き延びねばならないのですから。

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