ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:精神疾患

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◯ 精神疾患総論

精神医療領域に詳しい受験生の方々が多いと思い、簡単な説明にとどめます。不明瞭なところがあれば?学習することをおすすめします。

精神症状群

・抑うつ
抑うつエピソード、うつ病は反応性うつと違って抑うつ気分が長引きます。

経済的、健康問題で反応性の一時的な抑うつ状態に陥ることもありますが、そこで希死念慮から自殺に至る場合があるので注意が必要です。

制止/思考停止

・ 躁
気分高揚、観念奔逸(考えがまとまらない、気分が次々と転動)いくつもの考えが競い合っている。

精神活動亢進し、いくつもの仕事に手を出して完成しない(完成させる能力のある人もいます)、多幸感、万能感、浪費、性的逸脱、イライラ、易怒的。
行為心迫(欲動亢進で次々と何かしたがる)

不眠でも気にしない、躁が長くて続けばいいと思う、病識の欠如も多いです。

・不安
心的のみでなく、身体では頻脈、発汗、口渇、動悸などの自律神経症状。

不安そのものがあるから疾患ではなく、正常人にも不安は起こります。

現実に直面化する現実不安、予期不安があります。

・恐怖
動物恐怖、昆虫恐怖、ピエロ恐怖などの単純恐怖、高所恐怖、閉所恐怖(空間恐怖、広場恐怖)、対人恐怖(対人恐怖)、不潔、疾病、醜形恐怖。

・強迫
こだわりによる強迫観念。
強迫観念、不潔強迫から手が擦り切れるまで手を洗う、長時間行為を繰り返す緩慢、ためこみ、宗教的、性的強迫。性的な考えが頭から全く離れようとしない。優格観念は頭から離れない思考で、正常人にも生じますが、強迫は自動思考化して抑うつ的になることもあります。

かなりの苦痛を伴い自殺念慮が出ることがあります。

・せん妄

不眠、幻覚、睡眠、見当識障害。錯乱、感情障害、イライラ。

身体因が隠されていれば死に至ります。

急性の発症、日内変動(一日内で変わる)、日間変動(日により変わる)意識注意が不穏になる悪性の寝ぼけ。

入院して患者の急変にはせん妄を疑うべきと言います。

過活動、無関心、不活発低活動、混合型。

脳の脆弱性の発現なので、超高齢、認知症で身体不快不安、感覚刺激過剰過少、せん妄は何の因子がなくても出現することがあります。

ベンゾジアゼピン系不安剤や睡眠導入剤はせん妄に限らず解離などの意識記憶障害には悪化させるので使用しません。

・記憶障害

前向性健忘(新規記憶が獲得できない)、逆行性健忘(獲得されたはずの記憶が想起できない)。

記銘障害(覚えておけない)、想起障害。想起障害は再生再認可能な場合と不可能な場合があります。

顕在記憶障害/思い出そうと努力して思い出す。エピソード記憶(昨日の夕食は誰と何をどんな雰囲気でどこで食べた)

潜在記憶障害/自然に覚えていて再生可能、料理、器具の使い方など体で覚えていた体験が想起できなくなる手続き記憶障害(構成失行)。

・幻覚
五感全てのモダリティ(感覚受容器)に真の知覚体験と幻覚との区別がつかなくなります。

幻視、幻聴、幻味、幻臭、幻触

薬物、せん妄、レビー小体症候群。幻聴は不快音、不快な言葉「死ね」など。

自分の内言が考想化声で聞こえます。

対話幻聴は統合失調症、他人同士に噂されているのを感じます。

(幻覚は真実のもの、錯覚に近いものに分かれます。全く外界からの刺激のがないのにはっきりと真実の感覚として発生、例えば現実の声とまったく変わらない知覚を持つ真性幻覚、なんとなく聞こえるようだという偽幻覚です。)

・妄想(修正不可能な場合)

妄想はあらゆる精神疾患でも起こり得ますし、正常人でもストレスなどで発生することがあります。

◯ 直感的気分で確信された一次妄想はなんだかおかしな事が悪意などが満ち溢れているような感じ。
裏付けがありません。

「妄想気分」→世界観の崩壊の不安

「妄想知覚」→妄想的意味付け(テレビで芸能人が笑っている。(真実の刺激)→自分を嘲笑している)

「妄想着想」→突然思い付く、ひらめいた妄想を確信

◯ 二次妄想

主観性で事実を捻じ曲げて理解するので、絶対に了解不可能(Karl Theodor Jaspers)ではない妄想です。

躁状態で、高貴な生まれと思い込む血統妄想、神の予言を受け取っていて神のお告げを特権的に理解できる神の子である宗教妄想、世界的大発明をしたと思い込む発明妄想です。

これらは誇大妄想ですが、うつだとネガティブな妄想が頻出します。

恐ろしい罪を犯してしまった罪悪感を持つ罪業妄想

どんなに大金持ちでも破産寸前と思い込んで(一家心中する場合もあります)貧困妄想

徴候が軽い、徴候がなくても致死的疾患と思い込む、内臓全体が腐っていると不合理に思い込む心気妄想です。

これらは微小妄想、虚無妄想といって自分の価値下げをします。

聴覚障害で迫害、被害妄想が起こる場合があります。

統合失調症的な妄想としては無理やり行為をさせられるさせられ体験、勝手に思考が流入してくる考想封入、

考想奪取、考想伝播、いやらしいことを考えてしまうと通行人に悟られてしまうなどの「サトラレ」

◯ 神経心理症状

失語
Broka失語
運動失語、頭頂野の障害で、考えていても発語できません。
復唱はできます。
知的理解力も清明です。

Welnike失語
感覚性失語。流暢に話しますが、側頭葉障害で錯語多く文意不明、理解力は低下しています。

超皮質性運動失語
自発語が低下、理解、復唱可能

超皮質性感覚
錯語、語義理解障害、喚語障害(言おうとしたことが出てこない)

伝導失語
音韻性失語。記憶や聴覚の障害があり、復唱ができなくなる。理解や言語表出は可能。

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◯ 公認心理師は精神疾患で資格喪失するのか?2

官報発表で公認心理師法規則改正、心身の故障で業務ができなくなった者は公認心理師になれない、また登録取消し事由になるという記事を書きましたが、その後読者のねずみ様からの指摘があり、僕自身も自分で調べてみました。

厚生労働省の説明資料「成年被後見人等の権利の制限に係る適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案の概要」

https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000307498.pdf

では

「成年被後見人等を資格・職種・業務等から一律に排除する規定等(欠格条項)を設けている各制度について、心身の 故障等の状況を個別的、実質的に審査し、各制度ごとに必要な能力の有無を判断する規定(個別審査規定)へと適正 化する」とあります。

また、医師等専門職士業については成年被後見人が資格を取れないという欠格条項を一律削除するとも明記されています。

成年被後見人は著しく意志能力が低く、具体例で言うと、ずっと寝たきりで意思表示ができない、認知症が進んで誰が誰なのかわからないという程度にまで進行したもの等が当たります。

被保佐人はもう少し軽くなるのですが、お金の価値がわからない、千円と1万円とどっちが価値があるの?ということはわからない程度に意志能力が欠缺している状態です。

成年被後見人や被保佐人は公務員やさまざまな専門的資格を取得してすることを制限されていたのですが、今回はそれらを撤廃しようとする試みです。

国家公務員、医師の他精神保健福祉士や社会福祉士もこの撤廃対象です。

「成年後見制度利用促進ニュース」

https://www.mhlw.go.jp/content/newsletter-17-2019.7.3.pdf

で大臣が明言しているので、後見制度を活用しやすくするという意図があるのはわかります。

そしてねずみ様や中西美穂様が指摘していたとおり、制度ごとに心身の故障の状態により個別審査を行う、それでは公認心理師の場合は誰(機関)が審査するの?どういった判断基準なの?

という疑問は残ったままです。

医師だけでなく理学療法士や作業療法士の資格審査も行う厚生労働省医道審議会なのか、それとも公認心理師制度推進室やその上級部局なのかは不分明なままです。

成年後見人制度改正に伴って関係する180程度の各国家資格に関係する制度についても法律が変わります。

弁護士、教職員、行政書士etcと一気に欠格条項が個別審査に代わり、成年後見制度をもっと導入、活用しようというのが元々の趣旨です。

ただ、運用上はともかくとして法文上は運転免許や銃刀法等様々な資格を精神障害者は取得、所持できないことになっています。

精神疾患があることを免許センターに申告すると更新できなかったという話しもよく聞きます。

(医療、福祉と免許センターは情報共有の連携をしていないのであくまで自己申告によるものです。)

医師が「うん大丈夫、精神疾患があっても運転に支障ないって診断書書くから」という配慮がヤブヘビになって更新できなかったという話もあります。

さて、新しいこの公認心理師資格の個別審査がどうなるか、審査がどのように運用されるかについて今後とも注視していきたいと思います。

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◯ 公認心理師が精神疾患で登録剥奪となる時

昨日の記事「10.30公認心理師法施行規則改正への危惧-精神疾患は資格取消しになるのか?」の続きです。

読者のねずみ様からコメントをいただき、成年後見人制度の変更にともなって公認心理師以外の資格職も精神疾患患者の権利が制限されるだろうとのことでしたが、今明らかになっている公認心理師制度についてのみ言及します。

他資格については今後注視していきたいと思います。

昨日のインターネット官報

https://kanpou.npb.go.jp/20191030/20191030h00121/20191030h001210001f.html

のp2ですが、第十八条では公認心理師が「精神の機能の障害により、公認心理師の業務を適正に遂行するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切にできない者とする」について、届出義務者(戸籍法によれば本人または同居していてもいなくても親族、またはその他の同居人)となります。

そして第十八条は「(必ず)届け出なければならない」と規定しています。

医師法第4条では心身の障害により医業を行うことが不可能な場合には医師免許を与えないことがあると定められています。

医師法第7条には心身の故障による免許取消しの審査規定がありますが、医道審議会の審査を経てのことです。

(歯科医師、理学療法士・作業療法士なども同様)

以下は元々僕が指摘してきていることですが

医道審議会で処分される医師・歯科医師は違法薬物使用、危険運転致死傷、窃盗や診療報酬不正請求でも免許停止処分となっていることが多く、医師にも秘密保持義務がありますが、それを理由とした免許取消処分は見たことがなく、ところが公認心理師がこの処罰を受けると一発で登録剥奪されます。(だから守秘義務を軽く見ていいという趣旨ではありません。)

さて、実際のところ医療や福祉、教育等あらゆる医療職、教育職、福祉職が働く現場では心身障害や故障を抱えるスタッフが必ずいます。

統合失調症、双極性障害の医師も福祉職も心理職もいます。

臨床心理士倫理綱領では心理士は心身の健康を保つ努力義務を謳っていますが罰則規定はありません。

医療、福祉、心理職なら知っていることですが、精神疾患には原因がなく、あたかも時限爆弾が爆発するかのように突然発症することがあります。

精神疾患は必要的届出事項だろうと迫られた公認心理師はどのようにしたらいいのだろうかと思います。

リワーク、復職プログラムを担当している心理職は、メンタルダウンして、その時は働けなくともいずれ復職して元気になった患者さんを多く見ています。

何ら審査なしに心身の故障で働けない=資格剥奪というのは、心理職だからこその違和感を感じるでしょう。

公認心理師制度が発足後5年で見直しがなされる際、良い方向に改善されたらいいと思っていたのですが、今回の法令変更で暗澹たる気持ちになったのはきっと僕だけではないと思うのです。

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