ひなたあきらの公認心理師でポン!

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:精神医学

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◯ 精神科医をぶっとばせ!

心理職は「カウンセリングはいいもの」「自分が勤めている病院もいいところ」と次第に愛着を持って職場に勤める事も多いです。

それ自体は決して悪いことではありません。

ただ、ティーンエージャー(に限らず)必要性があって精神科に通っている患者さんの本音を聞いて

「いやだよう、いやだよう、また診察だよーあの医者会いたくない、こわいよー」

という言葉を聞いた事は一度や二度ではありません。

「あの医者ぶっとばしてえ」など過激な事を言う患者さんもいます。

医師も3分診療で患者さんの精神科・身体管理、服薬コンプライアンスと次々と矢継ぎ早に聞かなければならないのですが、それを「怖い」と若い患者さんなら自分の心身に土足で踏み込まれると思うことがあるのでしょう。

精神科に通っていて「この人は治療が必要だなあ」と思っていても病院が怖くてドロップアウトして治療から離脱してしまう患者さんも多いです。

以前ドクターショッピングは悪い意味だけではなくとらえられるべきだと書きました。

実際田舎住まいの患者さんだと苦労して長距離を越えて初めて行った病院で「ふん」と冷淡にあしらわれたと感じるとすぐ病院を変えたくなってその場で紹介状を書いてもらうよう依頼することもあります。

また、精神科医が変わると病名も変わる事は多々あります。

うつ病なのかなあと思っていた患者さんが「君は人格障害だね」等と初対面の医師から言われて「えっ、私人格否定されてる」

と病院に行かなくなってしまう例もあります。

そこでいつも問題になるのは公認心理師法第42条2項「主治の医師の指示」です。

「あのお医者さんイジワルだからキライ。もう来ない」という患者さんにどう接しようかなあと迷うわけです。

もう公認心理師の存在はもちろん精神科医も知っているので「君らは医師の指示を絶対に聞かなきゃいけないんだろ?」とすでに言われた心理職の人たちも多いと聞きます。

診察前に医師と会いたくないと言われると迷ったあげく「えっと、◯◯ちゃん、治療アドヒアランスが低いので」と医師に報告しなければならない場面も出てきそうですが

(要は来る気がしない)

と言うのも患者さんの守秘義務を守り切れていないような気がします。

間にはさまれると心理職は苦労します。

他科であれば、最新の技術や知識を学んで手先も器用なバリバリの、溌剌とした20代後半から30代の先生だったら患者さんやその家族も手術や投薬を任せたいと思うかもしれません。

ところがこと精神科に限っては患者さんは医師との相性をとても重視しますので若くて元気があればいいというものでもありません。

医師は医療ヒエラルキーの頂点で、そう振る舞わなければならない、患者さんの管理者でもあるので堂々としていなければならない、だからプライドが高いように見えます。

猛勉強を重ねて医療専門家の頂点に立ったわけですから本当にプライドが高い医師も多いでしょう。

そういった医師の事を患者さんは「いばってる、いつも命令する」

と嫌うことがあります。

患者さんは精神科医療に対して何よりも「理解」や「共感」を求めます。

これは心理職がその思考原理として学部時代から叩き込まれている事ですが、医師は精神生物学や精神薬理学が基本です。

「私が感じていることを(医師の)先生にも同じように感じて欲しい。」

という患者さんの気持ちは時として治療者側からの反発を買うことがあります。

「お風呂で頭を洗うと虫がいっぱい落ちてきて気持ち悪い」

だと「幻覚」と決めつけることもできますが、「そういう気持ち悪さを感じていたら相当に辛いですよね」と実は共感しやすいかもしれません。

むしろ微妙な領域が難しいです。

「姑は私にイジワルばかりしている。旦那と実家行って旦那がトイレに立つと私にだけ『まだ子どもできないのか。お前に魅力ないんだろ』とチクチク言われる。ね、先生、私はちっともおかしくなくて姑がオカシイんですよね?」

ここで医師が「そうですよ」と言うと患者さんは「◯◯先生もお義母様のことオカシイって言ってました。だからワタシおかしくなって病院行ってるんです。」と言われるかもしれません。

「私と一緒の気持ちになって共感してください」

というのは微妙な心理の仕事で、医師の投薬治療を中心とした業務とは異なっているような気がします。

ただ、医師も何らかの形で患者さんに対してポジティブな気持ちを示しておかないと患者さんは治療から離脱してしまいます。

もしくは「精神科医なんかただの薬屋だから気持ちなんかわかってくれなくてもいい」と嫌々通い続ける患者さんが増えると、投薬センス抜群でもどこかに人当たりが良くて話を聞くのが上手という評判のいい病院ができたらそちらに移ってしまいます。

精神科医の先生で尊敬に値する名医は数多くいます。

そういった先生は精神療法にも十分に理解があり、患者さんの病態を正確にとらえ、温和で患者さんへの当たりもいい、心理職と協働してしっかりとした治療方針を示して明確な指示をしてくれます。

こういった先生が出す薬は患者さんも飲み忘れが少なくなり、効果も高いと言われています。

ただ、患者さんが診察を恐れてしまう権威がにじみだして独特のオーラを出している先生もいて、オーナーは部下にも厳しいのでそういった先生が来るだけで空気が張り詰めてしまう先生もいます。

こういった先生はなかなか患者さんが診察を受けたがらない、でもきちんと病院にはかかかり続けて欲しい、心理職は迷います。

結局は治療を受けるか受けないかは患者さん次第です。

管理者administratorと治療者therapistの役割を峻別するA-Tsplitは大切ですがあまりに医師が管理者に徹してしまうと、標題のような気持ちになる患者さんはいるでしょう。

それは患者さんが厳格な父親に育てられた事の投影かもしれませんが、投影も人間の立派な心理です。

心理職ははざまの人です。

医師と患者さんの受け渡しをうまくできて、患者さんが普遍的に持ちがちな「精神科医をぶっとばせ」という気持ちを理解しつつ、より良い医療を受けられるようにするのが心理職の仕事だと思っています。

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◯ 公認心理師・臨床心理士は新型うつに対処できるか?

10年近く前から「新型うつ」ディスチミア親和型うつ病は果たしてうつなのか?それとも性格の問題なのか?

という大論争が精神医学界で行われていました。

SSRIのような抗うつ剤が効きにくい、職場や学校ではぐったりしているけれども自由時間になると元気になる、友人と飲み会に行ったりカラオケに行ったり、果ては病休をもらえたから海外旅行に行ってパラグライダーに行ってしまう。

これは従来型のうつとは違うから何なのか?治療法はどうしたらいいのか?

社会問題ともなり2012年には「職場を襲う“新型うつ”」というドキュメントがNHKで放映されていました。

うつで休職する若い男性、仕事外では元気でブログに自分の上司を名指しして病気にした犯人扱い、それに共感した現代型うつの人たちがオフ会で集まります。

そこに登場した「現代型うつをもっと詳しく知りたかったから」と登場した臨床心理士!(というところは突っ込みどころ満載なのですが)新型うつの人たちを「精神的に幼い」「未熟」「批判されると攻撃する」「思い込みにとらわれる」等舌鋒鋭く批判をします。

臨床心理士が患者さんの集まるオフ会に専門知識を披歴するために参加することも、こうやって他者集団を批判することはないわけですが、「結局この『新型うつ』とは何だろう」という疑問は抜けていないわけです。

これを人格の未成熟と見るか、他者への共感性の欠如は発達障害そのものでなくとも発達障害と重奏するのか、果ては攻撃性の強さは境界性パーソナリティ障害の一種ではないかという論説まで出ていました。

最近の精神医学界は新型うつを双極性障害(躁うつ病)の一亜型として見る動きもあります。

確かに双極性障害の人たちも基底気分にイライラや抑圧感情を持つタイプの人々もいて、普段はぐったりして動けないほどの双極うつになっている人もいます。

それを「未熟」と切って捨てたら患者さんが反発してカウンセリングからは離脱してしまうでしょう。

また、双極性障害研究の権威Akiskalが提唱した双極スペクトラム障害の可能性もあるのではないかと指摘する専門家もいます。

抗うつ剤への非反応、非定型うつに酷似した症状はいかにも双極性スペクトラム障害に新型うつは近似しています。

双極スペクトラム障害は時として抗うつ剤に反応して気分が高揚する軽躁状態になる(医学的に確立していませんが薬物反応性双極障害の「双極Ⅲ型」かもしれません。)

ただし、精神医療の現場では医師が「双極スペクトラム障害ですね」と言われても患者さんも?となるでしょうし、まだ双極スペクトラム障害が学術的に完全に確立した疾患単位でもないのでそうは言い難いわけです。

それでは心理職がどうやって新型うつと対処したらよいでしょうか。

新型うつは20代から30代が中心と言われて来ましたが、僕の臨床的感覚からは40代、50代の適応障害の人たちにも多く新型うつの人たちが混ざっているような気がします。

新型うつという概念が確立していないにもかかわらず、心理職は心理教育をする役割も持っています。

患者さんが自己認知や対人関係認知にどういった特質を持っているのか伝えなければならないです。

こういった際には「◯◯病」と断定をしない、患者さんの性格特性を見て、さらに適応性を高めるためのアドバイスができる心理テストの活用は有効でしょう。

精神科医林公一氏は新型うつ/擬態うつが精神医学の現場に出現したことによって、従来型うつとの鑑別が難しくなるとうつ病と他疾患概念を包含しているであろう新型うつで、治療が困難になる可能性を指摘していました。

診断は医師の専権行為(といっても公認心理師試験には出ますが)なので、患者さんの状態像に合わせた投薬治療をしてもらう。

そして心理職は「ニセうつ」「なんちゃってうつ」と言われてしまうようなこの人たちの心理状態をきちんと理解して否定的にならない事が大事です。

患者さんが持っている「うつ病」という認知も否定せずにその場できちんと対応していくという姿勢が大切ではないかと思います。

参考文献;

1.多様化したうつ病をどう診るか 野村総一郎編集 医学書院

2.「新型うつ病」のデタラメ 中嶋聡 新潮新書

3.擬態うつ病/新型うつ病 実例からみる対応法 林公一 保険同人社

※ ブログタイトルを変更してみました。評判が良ければこのままにしますが悪ければ戻します。

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◯ 公認心理師が医師専権の医行為を行う日

公認心理師試験には精神薬理学分野は必ず出題されています。

僕も自分の薬理学知識をまとめるために以前精神薬理学に関する「公認心理師に精神薬理学が必要な理由」を書きましたが「本当にこれでいいのか?」とも思っています。

公認心理師試験に出題されているのは主に向精神薬の副作用についてです。

抗うつ剤SSRIで賦活作用が出る、若年者を中心として希死念慮が出て来る、「実は診察の時には言えなかったんですけど最近衝動的に死にたくなって・・・」という独自の精神状態は確かに賦活症候群を疑わなければなりません。

抗精神病薬でも「足がつっぱってとっても寝苦しい」のはアカシジアで、投薬中止を考えなくてはならない副作用です。

また、双極性障害に使われるラモトリギン(ラミクタール)は眠気も強く出やすいですし、「ちょっとかゆみが出て、最近湿疹がひどいなあ」というとスティーブンス・ジョンソン症候群といって、皮膚全体が壊死する事もあります。

もちろんカウンセリングの中で患者さんがこういった「医師には言わなかったけど初めて言う副作用」があればすぐに医師に報告しなければならないわけですが、ちょっと待て、それは医師が患者さんに確認すべき事項ではないの?と思うわけです。

厚生労働省の「公認心理師法第 42 条第2項に係る主治の医師の指示に関する運用基準について」では「公認心理師は、主治の医師からの指示の有無にかかわらず、診療及び服薬指導をすることはできない。」とあります。

「新しい睡眠導入剤、朝起きたとき眠気がひどいんです。」と言われて心理職が「それじゃあ薬を2つに割って半錠にして試してみましょうか」と言うことはできません。

「出された薬全然飲んでません」「ためてから一気に飲んでます」と言われたらその場で言いたくなるのが人情ですが、基本的に診察室で服薬指導、服薬コンプライアンスは医師に指示をしてもらうべきです。

目の前に「公認心理師必携 精神医療・臨床心理の知識と技法 医学書院」がありますが、試験にも出た診療記録のまとめ方、SOAPの原則や嗜眠症ナルコレプシーの症状が書いてあって公認心理師試験に役立つ医学知識を得るにはとてもいいテキストです。

このテキストはなかなかいい参考書なのですが、薬物療法の欄で薬剤名とその副作用が書いてあります。

向精神薬の薬理作用にも触れられています。

「このイフェクサーってお薬はどういう効き目があるんですか?」

「このロゼレムっていうお薬はこれまでの睡眠薬とは違う働きがあるって聞いたんですけどどうしてですか?」

などなど患者さんはこちらが心理職だろうがなんだろうが、白衣を着たなんだか科学的チックな人ならいろんな質問をしてきます。

それらに答える事は心理職は(実際にはしなければならない事があっても)医師、薬剤師に尋ねるように言うのが本筋です。

上記ナルコレプシーについて公認心理師第2回試験に出題されていましたが、それは診断基準についての出題です。

ナルコレプシーの若い人が仕事をしよう、選ぼうと思っても働き方がとても制限されてしまう、これからどうやって生きていけばいいのだろうか?

そういう疑問に答えることは心理職の精神疾患へのかかわり方として大切なことです。

上記のテキストは「心理職が医療制度を理解し、その職分を守って疾患に適切にかかわるため」にとても役立つ医学分野の受験参考書です。

ただし、公認心理師試験で受験生の医学知識を深掘りしていくときりがないです。

医行為でしかできない医師の専権的知識を問う事にその必要性があるのかどうかということについては疑問が残ります。

心理職に対し「僕らの仕事もやってね」という意図ならばそれは無茶ぶりで「心理職はこういう特徴を持つ疾患にどうかかわるべきか」が問われるべきでしょう。

そうでないとタイトル通りの事柄が期待されてしまい、結局医行為に踏み込まざるを得なくなると心理職としてはおかしな事態になってしまうと思います。

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◯ 公認心理師の新常識/心が弱い≠精神疾患

カウンセリングをしているとクライエントさんが「自分はメンタルが弱いから◯◯って病気になったんですよ」と言われることがあります。

ここで「まあ少しづつ頑張りましょうねえ」等、患者さんのことを励ます言葉がけをする対応をするカウンセラーは多いと思いますが僕はこんな時「いいえ、違います。●●さん、メンタルが弱いのが原因じゃないでしょ?」
と答えてしまいます。

結構なベテラン心理士(師)でもこういった応答をしているのを見聞きします。

例えばパニック障害、脳内物質セロトニン、ノルアドレナリンの乱れで起こるわけで決してその人のメンタルが弱いわけではありません。

ただし、死ぬほど辛くて息苦しいパニック発作を何度も起こしていると「自分はメンタルが弱いからこうなってしまうんだなあ」と思い込んでしまいます。

そうなると気弱になるのは当たり前で「また発作が出たから自分はダメだ」という認知になるわけです。

ネガティブな認知とポジティブな認知についての講義を聞いたことがあるのですが人は内容を何も言われなくても「ダメ、ダメ、ダメ」と繰り返して言われるとやるせなくて嫌な気持ちになります。

反対に「大丈夫、うまくいく、きっとできる」という事を何も中身がなくても人から言われたり自分で言い聞かせることができるとポジティブになれます。

心理職はその人の心的脆弱性の要因を時としてご本人が「自分は弱いから」「いやいやだんだん頑張っていきましょうか」と患者さんか自分で認識している「弱さ」を知らず知らずのうちに肯定してしまうことがありますが、それは患者さんの「弱さ」を強化してしまうことになりかねません。

確かにどんな疾患でも疾患が原因で心的な強さが崩れてしまうことがありますが、あくまでそれは結果論で、元々は遺伝要素や脳内物質の乱れ、生活のリズム障害から起因しているものも多いでしょう。

この人たちは疾患で損なわれた部分が確かにあるかもしれませんが「僕は弱いですから」「だんだん変われるといいかもしれませんね」と言ってしまうと「疾患の原因=自分の弱さ」と誤解してしまう可能性もあります。

統合失調症、双極性障害やAkiskalが提唱した双極スペクトラムうつ病などは遺伝要素が高いわけです。

それに加え、発達障害や依存症の遺伝因子も分析が進んでいて例えばアルコール依存症は遺伝率=.50と大変高い数値を示しています。

公認心理師試験で医学分野が多く出題されるのは決して悪いことだけではありません。

こういった地道な心理教育も広まっていくといいなあと、メンタルダウン=心因論を聞くと思うわけです。

公認心理師の方々や患者さんには正しい知識を持って疾患に取り組んで欲しいとも考えています。

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公認心理師試験直前5点up!DSM-5

1.序

出題委員の精神科医師の多さから、試験はDSM-5から多く出題されることが考えられます。

まず、DSMとは何か?

という問いですが、

例えばAという精神疾患について「なんとなく勘で◯◯病」ということではあまりに科学的ではありません。

そこでA病と断定診断するためにはa〜hの8つの症状のうち、5つが当てはまってそれが過去6カ月にわたって続いているものだけを認める、というとても明快なものです。

この診断基準は世界標準で使うことができて「操作的診断基準」と呼ばれます。

DSM-Ⅲが最初に定められ、現在ではDSM-5が診断基準として病名診断に使用されています。

DSM-5直前に使用されていた診断基準はDSM-Ⅳ-TRです。

DSM-5は多軸診断システムからディメンション診断システムを取り入れたことが大きな変更点です。

これまでの多軸診断システムは、大雑把に言うとI軸=病名、II軸=人格障害、Ⅲ=身体疾患、Ⅳ=心理的状況

でしたが、この多軸診断システムはDSM-5になって原則ディメンジョンシステムに変更されました。

2.ディメンジョン診断

ディメンジョンというのはスペクトラムで、グラデーションのように例えば統合失調症なら

統合失調症←統合失調症様障害←短期精神病障害←妄想性障害←失調型障害(左に行くほど病態水準が重い)

という一つの疾患をグラデーションのようにディメンジョンとして示しています。

これらの概念は「統合失調症スペクトラム障害および他の精神病障害群」としてDSM-5では定義されています。

従来は統合失調型パーソナリティ障害は

Ⅰ軸、統合失調症
Ⅱ軸、失調型パーソナリティ障害

という診断もできたのですが、統合失調症をスペクトラムとして見ることで病態水準を定義付け、状態像優先で診断が可能になりました。

これは神経発達症群/神経発達障害群でも同じことで、知的障害、発達障害もスペクトラムとしてとらえられています。

多軸診断システムが完全に廃止されたわけではないのですが、ディメンジョンの方が正確で効率的ということです。

3.神経発達症群/神経発達障害群

⑴ 知的能力障害

従来は知的能力障害を知能指数で測定し、その重度を判断していましたが、DSM-5では知能指数にかかわらず、概念、社会、実用の3領域で何ができるのかというADLで重症度を判定するようになりました。

⑵ 自閉症スペクトラム障害ASD

以前言われていた、コミュニケーション障害のアスペルガー障害、広汎性発達障害PDD、広汎性発達障害PDD-NOS(ほかのどこにも分類されない広汎性発達障害」概念は廃止されました。

僕は特にこのどこにも分類広汎性発達障害の概念が廃止されたことは良かったと思います。

なんだかわからないけどきっと発達障害だよね。だからPDD-NOSだよね。という診断はかなりテキトーに使われていたような気がします。

ASDはスペクトラムなので、スペクトラムという用語で定義されているものは、重い高機能自閉症から軽い「変わりものかな?」程度の病態がグラデーションのようになっているわけです。

⑶ 注意欠如・多動症/注意欠如・多動型障害ADHD

注意欠陥から注意欠如に変更されています。

DSM-5がディメンジョン診断になったことで自閉症スペクトラム障害ASDとADHDの並存診断が可能になりました。

ADHDは初期発症年齢が7歳から12歳に引き上げられています。

4.双極性障害

DSM-4-TRまではうつ病と双極性障害は気分変動の波の上がり下がりがあるので、同じ気分障害のくくりの中に入れられていました。

DSM-5になって双極性障害こそが気分障害の中核で、うつ病とは違う疾患として分類されています。

心理職の人たち、自己が双極性障害の人も体験して理解できるのではないかと思いますが、単極性うつと双極性は別物です。

統合失調症、双極性障害は遺伝子変異によって起こりうるものですし、使っている薬もほぼほぼ同じものが多いです。

単極うつも双極性に似ていなくはないのですが、双極性障害はどちらかというと統合失調症に遺伝的には近いわけです。

家系研究結果からは同じ一族や親子の中に統合失調症と双極性障害は同じ家系の中で親=統合失調症、子=双極性障害という例が多々示されています。

4.トラウマ関連障害

従前PTSDも不安障害のくくりの中にありましたが、トラウマとストレス因子関連障害は独立項目になりました。

児童の反応性愛着障害もここに含まれます。

反応性愛着障害は抑制型⇄脱抑制型に DSM-4-TRまでは分類されていましたが、 DSM-5では独立した概念として

・反応性アタッチメント障害/反応性愛着障害

(ぼうっとして何にも共感や興味を示さない)



・脱抑制型対人能力障害

(大人が来るとしがみついたり、過度に甘えて離れようとしない)

これら2つは完全に分けられました。

⇄という障害ではなく、←×→で、どちらかからどちらかへの移行は臨床上もありません。

5.ためこみ症

強迫性障害群の中に新たに登場した概念です。

いわゆる汚屋敷とかゴミ屋敷に相当します。

この障害は拾って捨てられないという症状がありますが、誰かが分類して捨ててしまえはたちまち快癒します。

6.抑うつ障害

簡単に並列記述しておきます。

重度気分調整不全障害
(12歳以前のかんしゃく、イライラ)

大うつ病

持続性抑うつ障害(気分変調症)

月経前不快気分障害

※ 以上簡単にDSM-5について述べました。

教科書などで補完しながらDSMを中心とした選択問題、事例問題で5点アップを目指しましょう。

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