ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:第4回公認心理師試験講評

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第4回公認心理師試験講評

1 緒言

各社講評が出そろったところで、僕なりに今回の講評をしてみます。イチブロガーの戯言と思って読んでいただければ幸いです。

2 各論

(1) 会場(都内某会場)

・それほどソーシャルディスタンスが保てているわけではなかった。(席と席の間は広くても、長テーブルの端と端で逆に近すぎになったとか…

・会場が狭い

・思ったより寒かった

(2) 問題の講評(受験生たちさんから聞いた印象など)

ア 知識問題の中に国語問題があった。(例年どおりだけ増えたような気がしていますとのこと。)

イ(みなが言っていることですが)5つ中2つを選ぶ連勝複式問題が少なくなった。ので平易になった。午前中の方が午後より難しかった。

ウ 過去問を解いた人たちの印象によると問題を広げて「あ、これわけわからん」という問題が少なくなったような気がする(正答が正式に発表されたわけではないので正答率が高まった、とか平易になった、という意味ではありません。)

エ サービス問題も多かったような気がする。
オ どうあがいてもわけわからない問題があったのは例年どおり。
(問10失読失書、問 36 会話の公理など。簡単に「わかった」という人がいたらコメントください。)

3 ひなた所感(ひなたは事前にヤマ張りをしていましたが、実際の問題)

例年に比べて DSM-5 の出題率が高かったような気がします。DSM を詳しく読み通すのは役立ったでしょう。また、PTSD が多かったのは例年どおりだと思います。

また、今回ほど過去問を解いておくとラクだった、という試験はなかったような気がします。過去問題は、やり方によりますが、やっておいた人は結構役立ったようです(スーパービジョンの役割とか)プロロゴス山崎先生も指摘していましたが、過去問からの出題が多かったです。

過去問を何周かやってみて「正答選択肢を覚える」ということでも得点はある程度取れたのですが、「なぜこういった選択肢になったのか」ということを覚えておくといいかと思いました。

精神科薬剤については、これまではベンゾジアゼピン系や副作用 (賦活症候群)などが出ていました。僕はヤマかけをしていて「ADHD 薬の作用機序が出るかもしらん」とか「薬物動態学でわけのわからない難問が出るかも知れない」と思っていたのですが、それはなかったです。

その代わり、ドネベジルのような認知症薬が出て予想外なので「やられた」と思いました。

あと今回の試験のヤマは「せん妄」でした。「せん妄」は必ず出るに違いないと思っていたので、受験生をまじえた学習会でみっちりとやっていたことが役立ちました。医療法は例年どおり出ていました。

成年後見制度は徹底的に勉強していたのですが、あまり難問ではなかったので気が抜けました。BPSD(認知症周辺症状)や MCI (軽度認知症)は構えていたのですが、今回出題されなかったので、次回以降要注意かもしれません。

また、過去にブループリントから抜いたポジティブ心理学の問題がでたりして、「これは侮れないな」と思ったものです(僕もわかりませんでした)。現任者講習会テキストもヤマかけをしておいた医療倫理の4原則が出ました。

勉強法としては僕は心理学検定を使ったのですが、それなりに役立ったような気がします。
正答選択肢ズバリ、というものもありましたが誤答を除くのによかったかなあと。それから、さすがだなあと思ったのは(問題の平易さの評価は除いて) 新型コロナ、複雑性悲嘆、インターネット依存という新しい概念がきちんと問題に出ていたことです。

国家試験というものはそれほど最新の知識は出ないだろうと勝手に思い込んでいたのですが、この試験では最新知識を学習しておかなければならないようです。

新卒臨床検査技師君に怒られたのですが、「医療従事者だったら白血球の働きや感染症の標準予防策については知らなくてどうする」という医療基礎知識の問題もありました(が、結構彼もいい加減なところもあるので「これどう?」と医学問題を聞いてみると「習ったことあるけど忘れた」wと答えることも多かったのですが。)

それから、人によって評価は分かれるところではありますが、僕は今回の事例問題は比較的良問が多く臨床感覚があれば解答できた問題は多かったような気がします(問 154、0歳の男児をどこに措置するかについては意見がかなり割れているようですが)。

4 総論

第 4回試験は本当にわけのわからない、問題冊子を開くと途端に青ざめてしまうような問題は少なく、正答選択肢に迷うことはあっても、心理学の基本的な知識を問う良問が多かったような気がします。これは知識問題と事例問題双方に共通して言えることです。確かに誰にも解けないような「捨て問」はなかったわけではないですが、きちんと学習しておけば正答できた問題が多かったような気がします。

以下に図表を添付しておきますが、あくまで参考であり「だから今回の試験結果がどうなるのか」と予測するものではありません。ご参考まで。
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また、受験生さんからは「長文が多く疲れる試験なので、初めに事例問題を解いてそれから知識問題を解いた」という工夫をしたという人もいました。人それぞれですが、これから受験をする人は確かに体力勝負でもあるこの試験にどのように立ち向かうか、ご自身なりに考えてみることも必要かもしれません。
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○ 第4回公認心理師試験の講評を新卒臨床検査技師にしてもらった。

1 はじめに

毎回医学問題が多いということで、公認心理師も医療従事者と考えたら果たして「常識」は医療従事者としては何なのかという視点から見てもらいました。

2 各問

(1) (ゲートコントロール理論による5感のモダリティ)
「知らん」

(2) ホルモンの作用→メラトニンは睡眠を促すで瞬殺

(3) くも膜下出血→「脳動脈瘤の破裂じゃん」

(4) 特定健康診査「うーん、いつもやってるから。でも介護保険法ではないね。」

(5) 「働く細胞見てれば誰にでもわかるんじゃない?赤血球以外はみんな白血球に含まれている免疫細胞だから」

(6) 「辛味」「常識の範囲でしょ?」

(7) 手袋問題→「悪問。感染症の重度によって変わる。二重の手袋をしていた場合にはオーバー手袋とインナー手袋をして、最初にオーバー手袋を外すけど、感染症の重度が書いてない。ガイドラインだと二重に手袋することになっている。PPE(パーソナルプロテクティブエクイップメント)の考え方じゃない?ただしガイドラインが変わると変わるし

僕:でもこれ心理師の問題なんだけど

臨検:何言ってるんですか。心理師だって医療従事者でしょ。医療に携わるものとして基本
的な考え方でしょ。

(8) 僕:あ、医療倫理の4原則は?

臨検:習ったけど忘れた。

3 感想

僕:なんかさあ、医学問題ばっかり出てるけどこれ、公認心理師に関係あるのかなあ。

臨検:何甘えたこと言ってるんですか。臨床心理士も公認心理師も医療従事者ってことでワ
クチン早く打たせてもらったりしたんでしょ。きちんと医学の基礎ぐらいは勉強しておか
なくちゃ

僕:...

3おわりに

若い臨床検査技師ですが、優秀でいろいろ習い覚えているだけあって、全部この辺りの問題は瞬殺でした。確かに僕も医療現場で働いているわけですが、医療の基礎や感染症対策の基本をもっと知っておいて、医療者としての常識を知っておくべきか、あるいは「心理」だけに限ってしまった方がいいのか、この試験の目的は「医療人」であることを求めているのだということを痛感したわけです。
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