
○ 前回数点差で公認心理師試験不合格だった人たちがやるべきこと
1.はじめに
第4回公認心理師試験までちょうど本日で8週間前、前回合格点に数点足りずに惜敗した方々も多いでしょう。さて、その方々が現在どうしているか、そして今後どうするべきかについて考えてみました。
2.前回の試験からほとんどノー勉で過ごしてきた人たち
この人たちにも合格する可能性はあります。「あります」とだけ言っておきます。記憶力のいい人ならば前回までにしていた勉強の「ヤマが当たる」こと、また「運がいい」こともあり得るからです。
それから心理関係の仕事をしている人たちはその間に心理検査を行い、心理の知識を身につけた、心理の仕事をする上で必要に迫られて勉強をしていたことも十分ありうるからです。
しかしながら、前回もノー勉だった、あるいは前回まではきちんと勉強していて今回はノー勉だった人が合格する確率は、勉強していた人たちに比べてとても合格者可能性が低くなることも事実です。
もし今からでも勉強をする時間があるのなら、猛然と勉強してください。勉強ができない人の中にはいろんな要因があります。何かに時間をとられてできなかった人たちはその原因を取り除いてください。
それから、やはりなんらかの要因でメンブレていた人たちは勉強どころではなかったでしょう。今回時間がなさすぎて間に合わないかもしれません。ただ、次回を考えるとここでスパートをかけておくことは必ず次回に役立つでしょう。時間とエネルギーの限り勉強してみてください。
3.そこそこ勉強したけれども、まあそこそこだった人たち
この層の人たちが一番多いと思います。さて、この人たちの合格可能性はどうかというと、
はっきり言って前回より低いです。前回の勉強方をガラッと変えて、合格できる勉強方法に変えたでしょうか?その際、勉強する時間は取れましたか?
もちろん絶対に不合格だと言い切るわけではありません。なんらかの偶然で合格する可能性もあります。前回の知識が残っていれば積み重ねてまた増えていれば合格可能性はより高まるでしょう。
学習はある程度時間が経つと消去されてしまいます。ですけれども再学習すると以前ゼロから覚えるよりは早く覚えることができるはずです。
4.前回の失敗から反省、猛勉強を絶やさなかった人たち
この人たちは今回合格する可能性が高いです。なぜ「高い」とだけ書いてあるかというと、皮肉なことに、どんなに勉強をしてもこの膨大な心理の出題範囲、学習しては忘れ、学習しては忘れ、ということが多いからです。
多くの知識が必要なこの試験、合格率を見ると毎回Gルートの人たちは大変に苦労していた様子が見受けられます。なぜGルートの人たちはこんなに合格に至るまでに苦労をしなければならないのか。それは実は当たり前のことです。前回新卒だったEルートの人は81パーセント、つまり大学院卒新課程の人々はものすごくこの試験に有利なのです。
実はEルートの人たちは公認心理師向けの新課程の教育を1年間受けたということで、この1年間大学院で予備校のように毎日公認心理師試験の勉強をしていたわけではないですが、公認心理師試験には圧倒的に有利です。なぜかというと、大学院卒の人たちはDルートを含め、学部からみっちりと心理学教育を受けているからです。
受験向けの勉強をしていたわけではなく、精神分析やロールシャッハばかり勉強していたとしても、必ず心理の専門教育には触れてきています。
過去問を見ると、大学院レベルの問題だけでなく、学部レベルの問題も入っています。さて、またGルートの人たちは心理統計が難しいということで「統計は捨てた」と今すでに統計を捨ててかかっている人たちも多いかもしれません。そうすると大学院で統計を学んでいて、きちんと正答できた人よりも数パーセント不利になります。この試験は1点差が合格の明暗を分けます。
僕の何の根拠もない試算だと合格者の平均値は145〜150点が中央値、次回もその程度だと仮定すると、さて、その点まで前回不合格者が達することができるでしょうか?試験は水ものですし、当然ですが毎回出る問題は違います。
真面目な話ですが、前回7割合格を目指していた初回受験心理専攻院卒者で辛くも2、3点差で合格できた人たちが多かったです。試験は一回落ちると「落ち癖」のようなものがつきます。これはどの試験でも同じことです。猛勉強してきた人たちも絶対に油断は禁物です。
Gルートの人たちは今回、そして次回までしかチャンスがないということでかなり緊張すると思いますが、「今回受かって自由になる」という気持ちで勉強して欲しいと思います。
5.おわりに
どの試験でもそうですが、再受験者は必ず初回受験者に比べて合格率が低くなります。この原因については何かの研究があったわけではない(あっても僕が探しきれないのかもしれない)ので、確とした理由はわかりません。
この試験は落とすための試験ではなく、合格点を取れていれば必ず合格しますので残された時間、頑張って欲しいと思っています。
公認心理師試験対策
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_
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