ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:私設開業領域

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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
閃きの翼はある時を境にネバナラナイの鎖に変わることがある。そんな時は、ためらわずに「翼と思っていたもの」を外したいもの。気づくきっかけは他者からも貰えるとしても、外せるのは自分だけだから。自由に翔び続けることって難しいね。


◯ 私設開業領域の公認心理師vs無資格カウンセラー

1.序(開業領域有資格者について)

私設開業領域で精神分析、EMDR、認知行動療法を専門としてその道の達人として多くの論文、著作を著している開業領域の心理士(師)の先生方は多くいます。

カウンセリングに来る方はそういった専門の先生方に藁をも掴む思いですがって来ます。最近何かで(Twitterか?)読んだのですが、無茶苦茶詳細な経営戦略がなくとも開業心理職の先生が一番集客力になったのは口コミだそうです。

私設開業領域のシンポジウムで立派な先生方から話を聞かせていただいたことがあるのですが、博士号を持つその先生は、開業した際にはクライエントさんが来なくて大変苦労された。その際(決してわざとではなく)その先生をかなり頼りにしてかなりの頻度で通ってくるご婦人がいた。その人のおかげで当初のカウンセリング事務所の経営基盤が成り立っていたという話を聞きました。

私設開業といってもベンチャーです。立地、集客に失敗するとベンチャーは立ち行かなくなります。僕が名前だけ知っている、とある産業領域有資格カウンセラーは、退職したあとに以前の自分の職場の目の前に事務所を開いたそうです。

彼女曰く、開業してから危機場面を迎えたことが3度あった。「それは開業を始めた時、半ばで集客が全くうまくいかなかった時、そして今ですね。」

とテレビで話していたそうです。

まあ考えてみればしごく当然のことで、その事業所には無料で利用できる彼女が退職した後の後釜の心理職がいるわけですから、彼女が相当なアドバーテージを持っていないとその事業所からの有料の顧客は来ないわけです。

2.新・公認心理師開業カウンセラー

また、今回私設開業でも産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、交流分析士などの資格を持っている非臨床心理士の方々もかなり多く合格していると思われます。

こういった人たちが合格したのを院卒の心理職は面白く思っていないだろうことは容易に想像がつきます。

きっと行政側もこういう人たちの公認心理師参入は想定外だったでしょう。

高卒の人たちも多いこの領域の人々は勉強熱心な人も多く、動機付け面接やらいろんな講習会に行って学び、無勉で公認心理師試験に臨んで合格した人はいなかったわけです。

北川誠一郎先生がTwitterで話しておられたと思うのですが、やはり無資格カウンセラーは危なっかしい。僕が電話で話を聞かせていただいた時も臨床心理士資格がない公認心理師は系統的な心理教育を受けたというキャリアの担保がないのでクライエントさんがそういったカウンセラーを選ぶのはどうかとも言っていました。

これに一理あると思う臨床心理士心理職の方々も多いでしょう。

3.完全無資格カウンセラー

このあたりはイヤというほど述べているのですが、無資格カウンセラーは公認心理師や臨床心理士とは違った原理で動いています。

芸能人のファンがお金を払って受ける「カウンセリング」はそのファンにとっては癒しの効果抜群でしょう。

また、不登校のユーチューバーの息子をウリにした元暴走族カウンセラーもいます。

高卒(非心理大卒もいますが)自分が一時うつだったのでそれを乗り越えた、最近ではHSPカウンセラーも流行りです。

どうしてこういった無資格カウンセラーが跋扈しているかというと、クライエントさんには「治してくれればなんでもいい」「この苦しみを低減させてくれるならなんでもいい」と宣伝上手なカウンセラーのところに行ってしまうからです。アメリカではほぼ国家資格に近いヒーリングもカウンセリングの一種と言えば言えなくもないでしょう。

こうした無資格者のカウンセリングというのは非常に簡単な原理で成り立っています。

⑴ 相手の言うことを否定しない
⑵ むしろ肯定的評価をする
⑶ 共感・受容・する(別にロジャーズのように自己一致しなくてもよい。

話を丁寧に聞いてもらうだけでカタルシス効果はあるのですから「あの先生は初めて自分のことを認めてくれた」というとそれだけでいいのです。

このカウンセリングから派生するビジネスもたくさんあるのですが、プロカウンセラー集客術の本は多いので敢えて書かないことにします。

4.結語

元々公認心理師は主要5領域(医療・教育・福祉・司法・産業)の勤め人を想定していたわけで主治の医師の指示に従うことができるかどうかわからない私設領域は鬼っ子のような存在感と行政側から見なされて来たような気がします。

公認心理師は法で名称独占と定められていて、臨床心理士も詐称が許されない資格ということを考えると専門性の担保はあるのですが、業務独占ではないため誰にでもできる営みです。僕はいつも心理職は研究や自己研鑽を怠って欲しくないと考えています。高い専門性があると認知されていく時に「やはり有資格者は違うなあ」という認知をして欲しいと思っています。

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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
本質はそうそう変わることはなくて、そういう意味では「変わらないもの」を追う必要なんてないのかもしれない。たとえば空の景色は常に流転しているけれど、空模様が変わっただけで存在が別のものに変わったわけではないよね。だから昨日までとは違う正論を言ったっていい。それでも私は私なんだから。


◯ 開業心理職でリッチな生活を

勤め人の心理職ならきっと一度は憧れてみたことがある(かもしれない)開業心理職。勤務心理職のころには腕が良く、患者さんから人気でひきもきらず、精神科の通院精神療法400点(自立支援適用だと400円の医師の診察のおまけ)で1日中カウンセリングがひっきりなし、1日8件毎日患者さんが来ていて、リピーターの常連さんばかりになり、新規の患者さんを断らなくてはならない状態、みんな患者さんが感謝して帰っていきます。

これだけ腕前がいいのなら間違いなく開業したら流行るだろうと思ってあなたはそこで思い切ってホームページを制作、ブログや無料メルマガもアップして集客しようとマンションの1室を借りますが、一向に集客はできません。

当たり前です。世の中にはカウンセリング関係のブログは有資格者無資格者のものを合わせて山ほどあります。

そしてカウンセリング関係のメルマガも山ほどあります。ホームページ作成を節約して市販のソフトで作りましたが、ホームページ、ブログ、メルマガとひどい時には1日10人ぐらいしか見ません。

無資格カウンセラーでも、ものすごい勢いでインターネットコンテンツヒット数を増やしている人もいます。

マンションの表札にカウンセリング事務所と書いても誰も来ません。初期投資は何でも大切です。

ベンチャーは何でもそうですが、始めて3年は赤字覚悟で。

1.開業届は出すこと。税務署と法務局は行って個人事業主になること。
2.地元の商工会議所の集まりにはよく出て顔と名前を売る。名刺は1カ月100枚配るの目標
3.メンタルヘルス無料講演会を公民館などでやる。チラシを刷って商工会議所や知人のクリニック、知己のある学校、お店に置かせてもらう。ティーサロン形式で人を集めて顔を売る。
4.講演会はわかりやすいテーマ「学校ぎらいの子どもを持つ親へ」等集客できるもの。
5.まずマンションを借りる時には駅からのアクセス重視、クルマだったら提携コインパーキング。
5.ホームページ、ブログ、メルマガはSEO対策をしっかりと。コンバージョンセグメントを考えたアナリティクスを(検索上位)どうしても無理ならリスティング広告(検索すると上の方に出てくるように「広告」と書いてあるような有料広告。)※ この辺りは開業する際にはイヤでも調べざるを得ないので詳しくなります。
6.本は出す。自費出版でもいい。Kindleではなく紙の本で。編集プロデューサーを探してもよし。講演会に持っていったりホームページで販売すると「お偉い先生だなあ」と思われます。
7.料金はディスカウントしない。「最初だから売れるかどうかわからないから50分2千円からやってみよう」と始めたらその事務所は永遠に2千円の料金しか取れません。

などなど書くことは、いぱーいあるのですが、例えば料理上手なサラリーマンが創作和食料理の店を出したとしましょう。大抵潰れます。調味料や素材にこだわりすぎて高い値段で素人が作ったモノは流行りません。

公認心理師、臨床心理士も予実計算がきちんとできてベンチャー成功率3パーセントと言われる世界で頑張りましょう。開業精神分析家北川清一郎先生の開業セミナーも時々やっているので参加するのもぜひオススメします。

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