BAD180B6-C103-4445-94F1-8B004F97A5C3

◯ DSM-5攻略/睡眠障害

現任者テキスト、各社模擬試験でもDSM-5とDSM-Ⅳ- TRの変更点は重視されているようです。

試験は覚えていることを書き出す再生してでなく、正当選択肢にチェックする再認を試されます。

読んで模試を解いて記憶に残った回数だけ得点は高まります。

試験直前だと合格率がきわめて低いのではないかという社会心理学的現象を地で行くような噂も飛び交いますが、頑張りましょう。

◯ 睡眠-覚醒障害群

哺乳類と蝶類にはレム睡眠、ノンレム睡眠があります。

睡眠は、レム睡眠が、75パーセント、ノンレム睡眠が25パーセントです。

レム睡眠時には急速眼球運動が起こり夢を見ます。(仮説:右大脳半球と左大脳半球間の海馬を経由して短期記憶を長期記憶に写す、不快な記憶処理も行われていると思われます)

就寝するとすぐノンレム睡眠に入ります。

ノンレム睡眠は脳の休息状態、神経細胞ニューロンの働きも低下してしまいます。

ノンレム睡眠の間にはニューロンの修復、ニューロン結合の再構築など、神経細胞の自然治癒が行われているのではないかと考えられています。

レム睡眠は骨格筋緊張を抑制、運動器を休めます。

レム睡眠とノンレム睡眠は90分単位で繰り返されます。

人の睡眠は一晩に数回、短い覚醒が起きますが意識していません。

睡眠後半になると眠りは浅くなり、徐々に脳が活性化して目覚めます。

加齢で睡眠時間は短縮、10年で10分間短くなり、中途覚醒時間は10分ずつ増加します。

入眠までの時間には加齢の影響は出にくいです。

深いレム睡眠とノンレム睡眠は短縮、睡眠効率が低下して就床時間も起床時間も早まります。

現任者講習テキストを中心に記載しているのですが、

睡眠障害が
1.入眠困難
2.中途覚醒、睡眠維持困難
3.早朝覚醒

の場合、心理職であれば要医療の睡眠障害だということを検討するでしょう。

成人20パーセントがなんらかの不眠の訴えを持っていますが、メンタルな理由に起因するものは6パーセントです。

不眠の5P分類として

身体疾患に伴う不眠(Physical)
中枢神経系疾患(Parkinson病など),脳器質性疾患(脳梗塞など),循環器疾患(不整脈など),呼吸器疾患(気管支喘息など),消化器疾患(逆流性食道炎など),皮膚疾患(アトピー性皮膚炎など),など

生理学的不眠(Physiologic)
時差ボケ,入院,交代勤務,不適切な睡眠環境,など

心理学的不眠(Psychologic)
精神的ストレス,恐怖体験,死別などの喪失体験,など

精神疾患にともなう不眠(Psychiatric)
うつ病,統合失調症,など

薬理学的な不眠(Pharmacologic)
アルコール,向精神薬,インターフェロン,降圧薬,など

があります。

医学書院

●内科医が知っておきたいメンタルヘルスプロブレムへの対応
http://www.igaku-shoin.co.jp/misc/medicina/mental4402/index.html

DSM-5の不眠障害も(不眠=インソムニア)

入眠困難

中途覚醒、睡眠維持困難(中途覚醒後にどの程度の時間起きていた後に再び入眠できるかも聞きます)

早朝覚醒

のいずれか、または組み合わせが1週間に3回以上、3カ月以上続くことで判断します。

DSM-5の不眠障害は非器質的、薬物でない要因によるものを規定しています。

CBT-i不眠療法は入眠時間を遅くしても構わないので、だらだらと布団に入ってから眠れないと悶々としているよりも、眠くなったら眠る、遅くなっても遅寝早起きをして起床時間を一定にさせるという調整法です。

日光を浴びると14〜16時間後にメラトニンの影響で眠くなるという現象を利用しています。

ほか、睡眠障害としてはうつから来るとも考えられる過眠障害があります。

睡眠中に動き回ってしまう睡眠随伴症、パラソムニアは睡眠中や入眠時、覚醒時に泣き叫んだり暴れ回ったりする睡眠障害です。

ノンレム睡眠時に起きるノンレム・パラソムニアは錯乱性覚醒、睡眠時遊行症(重度の寝ぼけ)があります。

睡眠時遊行症だと起き出して冷蔵庫の中の物を食べ散らかしたり(若い女性に出現しやすいノンレム・パラソムニアの睡眠関連摂食障害)性的な行動に出ることもあり(ノンレム睡眠時に理性が眠っている状態で起きるあ睡眠時性行動症、セクソムニア)周囲は驚きます。

睡眠時驚愕症では激しいパニックを起こして暴れます。

いずれも睡眠時に起きているもので、本人の記憶はありません。

反復孤発性睡眠麻痺はいわゆる金縛りです。

レム・パラソニアは男性に多く、睡眠時の異常行動を記憶しています。

レム・パラソムニアはレビー小体型認知症やアルツハイマーへの移行に、パーキンソン病などとの関連が指摘されています。

抗うつ剤などの薬物でもレム・パラソムニアは発生します。


・ナルコレプシー

約4000人に1人の割合で発生、日中の強い眠気に耐えられず、昼寝をしてしまうことが多いです。

この病気の診断のポイントとなるのは情動脱力発作(カタレプキシー)と言って、みんなで談笑して笑ったりしていて、感情が刺激されるとがくんと脱力してしまい、そのまま眠ってしまうということです。

入眠直後からレム睡眠が始まるので入眠時幻覚が発生、金縛りも起きます。

治療法は薬物療法で、従前はリタリンが使われていたのですが、違法売買されて社会的問題となったことと、効き目がそれほど長時間でないことから、現在の薬物療法は持続時間が12時間と長いペモリンと、ペモリンよりも肝臓への負担が軽く、持続時間も12時間と長いモダフィニルが主流です。

夜間の睡眠を確保するための睡眠導入剤がナルコレプシーに併用されることもあります。

健康な睡眠のための指針です。

厚生労働省 睡眠12箇条 健康づくりのための睡眠指針2014
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

・睡眠時無呼吸症候群SAS(サス)は、睡眠時に繰り返し起こる呼吸停止です。

睡眠が浅くなるため日中の眠気が強くなります。

肥満による影響も指摘されていますが、人によっては痩せていても扁桃腺の距離が狭くて起きる、上向きで寝ていると起こりやすく、大きないびきをかくことがあります。

終夜睡眠ポリグラフで無呼吸回数時間を測定、SASの軽度、中度、重度の判定をします。

SASは循環器系に大きな負担を与え、心臓にも影響があるので、重度の場合には経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)が使用されます。

軽度でも、気道を確保してSASが起こりにくくするため、呼吸器科から口腔外科、歯科に依頼して個人用のマウスピースを作成、気道を広げることがあります。