◯ EAP自営産業公認心理師あおみさん
僕「あおみさんお久しぶり」
あおみ「ひなたさんも久しぶり、珍しいじゃない、うちの事務所寄るなんて」
僕「たまたま時間空いたからひょっとしてあおみさんも時間あるかなあと思って電話したらあおみさんいたからさ。相変わらずステキなオフィスですね」
あおみ「うちは対面カウンセリング60分1万5千円にしてるから気持ちのいい場所にしたいでしょ?事務所もハッタリ効かせなきゃいけないからワザワザ高い値段で借りてるのよ、ってことにして実はここ知り合いから格安で借りてるオフィスなんだけどね」
僕「うーん、大変だねえ」
あおみ「ま、見た目が貧相だと企業のお客さん取れないじゃん?人事担当者や場合によっては役員や社長も来るからとにかく椅子だけは私のは高級品にしてるのよ」
僕「え?お客さんの方をいい椅子に座らせないと失礼なんじゃないの?」
あおみ「それじゃダメなのよ。私は偉いメンタルヘルス専門家の先生だから、どっしりしてなくちゃ。見た目5割段取り3割ほか2割よお」
僕「ふうん、大変だねえ」
あおみ「ほら、私短大卒で事業興したじゃない?」
僕「うん」
あおみ「中小企業で人事とか総務とか経理とかなんでもやらされて『あ、これなら私でも会社作れるわ』って思ったワケよ」
僕「ふんふん」
あおみ「で、産業カウンセラーとか交流分析士とか取ったワケね、セミナーやるのに交流分析の研修で人脈づくりしておくと人集め結構できるのよ。あと産業関係の心理と関係ない交流会とかね、これがなかなか役立つのよ」
僕「らしいね」
あおみ「講演会は1時間30万円から」
僕「安売りすると有り難さなくなるしね」
あおみ「実際には特別御社様値引きでいつもやってるんだけどね」
僕「ここにクライエントさんカウンセリング来るの?」
あおみ「カウンセリングパッケージ売ってるから来たい人は来るのよ。実際には企業や官庁回りが多いの」
僕「営業みたいな?」
あおみ「パワーポイントの資料はすっごく丁寧に作らないとね、上質紙で作って印刷きれいにして。そういうところ惜しんだら仕事は取れない」
僕「あおみさん臨床心理士じゃないけどすっごくやり手だなあと思って感心してるんですよ」
あおみ「だから公認心理師はものすごく勉強して取ったのよお。大変だったわ」
僕「うんうん。受験資格があってよかったですね」
あおみ「たまたまね、法人登記してて定款やら登記簿にもメンタルヘルス事業とかカウンセリングしか書いてなかったし。『その他これに付随する一切の業務』ってことで人材派遣会社と提携して人送り込んだりとか調整業務もしてるんだけどね」
僕「手広いよねえ」
あおみ「産業カウンセラーだとね、組織臨床だから人が足りなくてメンタルダウンしそうなところに人的手当をするのも大事なのよ」
僕「うん、『過労です』っていう人をカウンセリングしても良くならないから人的手当てした方が現実的だよねえ」
あおみ「個人事業主は何でもやるのよ。で、利益が出てお客さんも喜んだらそれに越したことないじゃない?」
僕「あおみさんどこから仕事請けてるの?」
あおみ「◯社とか☆市役所職員向けとかクライエント団体20ぐらいかなあ」
僕「すごいですねえ」
あおみ「でもそれだけの実績があるとパンフにも書けるから一流企業とか官庁の名前は売りになるのよ」
僕「ま、どこもメンタルヘルスに力入れてる企業っていうのは恥じゃなくて売りものになるものね」
あおみ「クレームになるから一度講演やった程度の企業は載せない。クライエントによっては確かにパンフレットに載せて欲しくない企業もあるからきちんと了解取らないと」
僕「ああ、いい加減なとこはちょっと顔出ししただけで『主要取引先』とか書いて不興買ってるね」
あおみ「パンフとかリーフとか宣材費用もバカにならないけどそこはケチれないし、神経も使うし予実管理にも気をつけないと」
僕「講演とか何やってるの?」
あおみ「メンタルヘルスも細かく分けた方がいいのよ。新入社員向け、中間管理職向け、支社まで行って講演やるとか」
僕「あおみさんマメだから」
あおみ「あら、一度信頼勝ち取るといろんな付随する仕事もくるのよ。新入社員マナー研修とか営業マン研修とか」
僕「何でもやるね」
あおみ「私昔保険の外交員やってたからね、とにかく細かく細かく研修や講演やってお偉いさんの懐に入れるとまた紹介で別のクライアント企業入るじゃない?」
僕「待ち受けのカウンセリングとは全然違うね」
あおみ「そ、動けば動くほどサービス提供になるしお金の面だけじゃなくて隠れたニーズや今まで何の手当ても受けられなかった相談者の人を発掘できる、社会的意義もあるからやりがいもある。うちはB to B(企業間取引)だけじゃなくてB to C(Business to Custmer 企業→個人間取引)と両方ね。」
僕「売上げだけじゃないと。」
あおみ「そそ、研修とかで顔が見えると社員さんもカウンセリングに来やすくなるの。公認心理師は取れて良かったあ。ストレスチェック堂々とできるからそれもパッケージに入れられるからね」
僕「やり手だなあ。僕が失業したら雇って下さいよ」
あおみ「ひなた君なら業務請負で。一件ずつ払ってあげる」
僕「そのぐらい経費締めないと社長はできないってことかあ」
※ 公認心理師活動の5領域に加えて開業は第6領域とも言われています。
あおみさんのように志を持って経営だけでなくきちんと企業全体、クライエントさん個人のことも考えて行う産業&開業領域はやりがいがあるでしょう。
あおみさんが以前話していたのは、安全確保は大切ですが提携している医療機関をやみくもに紹介して病名がつくとできなくなる業務もある、民間だと退職を余儀なくされる社員もいるのでそれについての細やかな配慮も必要とのことでした。
開業EAP心理職はあおみさんのように専門心理教育を受けた臨床心理士でなくても今回公認心理師として活躍していく人々も多く出てくるでしょう。
僕もそういったEAP担当者と仕事や研修などで顔を合わせることがあります。
学べることは教えてもらいたいなあと思っています。
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