ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:正答選択のコツ

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公認心理師試験は徹底して現場感覚を捨てよ・正答選択のコツ

1. はじめに
公認心理師試験で心理職・また、他職種からの参戦組に話を聞いてみるとどうにも現場感覚が捨てられない、邪魔をする。そういったことが正答選択を行うのに邪魔になるようです。つまり、公認心理師試験には、「公認心理師試験感覚」が必要になるということです。

2.現場感覚との相違

僕自身よく間違えているのは心理検査に関する問題です。たとえば投影法であれば「わかりません」という答えに対して、何らかのデータが欲しいので「もうちょっと頑張ってやってみませんか?」とか、比較的時間がかかるテストについては休憩時間を取ると休憩効果が出てしまい、休憩なしで検査を受ける人との差異が出てしまうので「あと少しで終わるからもうちょっとお付き合いください」と言って別日程にもう一度心理検査をやることをなるべく避けるようにします。

これはあくまで現場感覚であり、患者さんに対して少しでも侵襲的な働きかけは誤答となります。

心理職もケースワーク的な、あるいは現実的な介入をすることがあります。「〜を勧める」という介入も、どうも誤答になってしまうようです。例えばぐったり疲れ切ってやってきたクライエントさんが職場の上司に連れられてやってきたとします。そうすると上司と話しながら「少し休んでもらった方がいいかもしれませんね」というのは現実から少し形を変えた「命令」です。

公認心理師は傾聴をしたり、どういった状態で今いるのかというアセスメントをすることがあってもあまり現実介入はしないという選択肢が正答となります。

これは他職種の人にとってもかなり難しいことです。というのも社会福祉士、精神保健福祉士等の人々は制度を知り、その制度を生かしてどのように当事者の人の問題に介入していくかというトレーニングを受け、また、日々そういった仕事をしているからです。

他職種Gルートの人の中で、事例問題を見ていてもどうしても誤答選択肢を選びたくなってしまうのはこのためで、過去問の解説を見ていてもしっくりと来ないところがあるかもしれません。「これはこういう試験だ」ということを割り切って回答する必要があるのだと思います。

今回、第4回試験でかなり割れ問となって話題を呼んだ問 154番、18歳女性が産んだ0歳児をどこに措置するか、ということについて「母子生活支援センター」が誤答で、「里親委託」が正答だったというのは、正に現場感覚を捨てよ、という問題だったと思います。

現場感覚では、たとえ育てる気がない母親であっても、赤ちゃんと一緒に生活を共にしていれば母性も生まれてきて子育てをしたいと思うようになるかもしれない。これはそのとおりだと思います。

しかしながら、この問題で問われているのは「0歳児であっても里親委託ができるのか?」「子どもを育てる気がない母親を母子生活支援センターに子どもとともに措置することができるのか?」という法律上の根拠もあるのですが、「子の福祉を第一に考えたらどのようにしたらいいか?」という考えを要求されるのです。

育てる気がない母親の下で育てられるよりは子どもが欲しくて何度も研修を受け、0歳児でも育てられるようなトレーニングを受けている里親のところに行った方が子の福祉に寄与するということです。

「現場感覚」についてですが、当ブログブレーンの S 女史に聞いてみたところこんな答えが返ってきました。

僕:受験生にいろいろ教えているとものすごく現実的な対応をしようとして誤答になってしまうという例が結構多い。

S:あー、それはあるあるだよね。職種ごとに役割が違うから、公認心理師には何が求められているのか知らないとならない。
僕:公認心理師に求められているものがわかれば教えやすい。解きやすい。

S:医師法第1条「医療及び保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする」とあるので、医療保健に関わる仕事は医師との連携は基本になるので、多分どの職種も原則として自己判断はさせないんじゃないの?法制度の基本として抑えておけと。
僕:(なるほど、医師の出題委員も多いからそこらへんも関係しているのかも)
裁判員問題もそうだったよね、半端な知識で現実介入するよりは裁判所に相談するように勧める、とか、あと過去問で任意入院を勝手にやめて帰宅しようとした例への対応、主治医に相談する、という回答もあったよね。
S:制度上、管轄する者や責任者があれば、それを尊重しろということなんじゃないの?資格試験である以上、基本原則の理解が求められると。
僕:なるほど。

3.終わりに

まあこんな感じで、僕も相当「正答選択のコツ」 シリーズで事例問題の解き方を書いて来たのですが、1回 1回試験が行われてデータが集積するごとにコツはよく見えてくるようになりました。

以前も書いたのですが公認心理師が多職種連携の中で一人だけイニシアティブを取ってスターダムに上がろうとしたら、それは基本原則から外れてしまう、ということがこの資格試験で注意しておきたい点かもしれません。


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公認心理師試験正答選択のコツ・国語力「も」必要

1.序

先般
公認心理師試験に偶然合格はあり得ない
の記事で「国語力だけでは合格できない」という趣旨の記事を書きましたが、「国語力もなければ」合格するのは不可能です。

そこで直近の第3回試験について、「正答選択のコツ」は「誤答回避のコツ」でもあることから「何が誤答になるのか」を見てみます。過去問練習の参考にしてください。

内科医たけお先生も選択肢に「ない」と書いてあると誤答、これはセオリーで、知識問題でも誤答を選ばないで済みます。

2.NGワード

第3回試験、誤答NGワードを並べてみます。(要約)

・自分1人で決める
・行わない
・自覚させる
・緊急性はない
・無理に服薬しなくてよいと伝える(厚労省及び文科省運用基準・「服薬指導はしない」→鉄板
・関連しない
・対象にならない
・伝えない
・見せない
・報告しない
・気づかれないように行う
・専門用語を使う(頻出・多職種連携でも)
・無効である
・関与しない
・関連しない
・管理しなければならない
・不安や弱さを考慮しない
・対象ではない
・原則として控える
・単独で援助する
・目標としていない
・時間的な制約のある場合は向かない
・関与してはならない
・限定する
・不必要である(糖尿病の知識問題!)
・可能性は低い(同上)
・限界について(心理療法)説明しない
・初回で漏れなく収集(インテーク面接での侵襲性)
・リスク要因にならない(口蓋裂などの可視的差異)
・必須である(効果研究!)
・適用外である
・含まれない
・経験の範囲を超えていても無理くりカウンセリングする
・控える
(事例)
・意識化させる→この試験のテーマのひとつは「侵襲性を避けること」したがって無理に直面化させない
・行わない、用いない
・できない
・心理療法の導入を第一に考えてしまう→心理至上主義誤答原則
・系統的脱感作をする⬆️同上
・直面化、暴力を受け入れる
・身体症状に触れずに心理療法をする(摂食障害)
・他職種との連携(助産師)をしない
・加齢による影響を受けない(サーカディアンリズム)
・著作権を無視した検査用紙コピー
・ラポール形成を避ける(心理検査にはラポールが必要)
⬆️心理検査における侵襲性の回避
・評価しない、考慮されない。(せん妄尺度を知らなくても誤答回避できます。)
・うつ症状が出ない(ほぼほぼ全ての精神疾患にはうつや落ち込みの併発可能性あり)

・→双極性障害・遺伝は関与しない(と言い切れる疾患があるのかどうか?なさそう、自殺可能性はうつより低い(セオリー)、気分安定薬の中止(セオリー)→全部誤答です。

・多重関係回避の法則
・技術指導に徹する
・リファー(紹介)を他機関にしない
・問題生徒だけに集中(学級経営の問題です!)
・個別性を無視した一律のパターンで行う

(以下、迷いそうな事例午後問題なので問題番号入れます)

・問124。「ない」は誤答。多職種連携をしましょう。
・問127。合意しない
(作業同盟の問題ですが常識で解けます。)
・問138
散歩を勧めたり具体的な事を勧める、実施するより、「評価」ですね。評価原則(勝手に僕が名付けたアセスメント第1主義)
・問142
急激な性格変容に心理的介入をしても…
・問144
医師や医療機関の関与がが選択肢に入っていれば他は誤答
・問145
まず知能検査やっちゃう(恐怖症っぽいのに)
・自殺の可能性は低いと思います。(どんな疾患でも…)
・問147
無理くり登校させようとする
・問149
見捨てられ不安が強いクライエントのカウンセリング中断したり直面化させるって…
・問150
反省、強い指導、自然に治るさー
・問152(学級経営)
守秘義務違反は❌
・医療機関との連携◯
他の生徒を我慢させたり、過去を忘れろと子どもに言うのか?

3.結語

さて、いかがでしょうか。試験が難化すると「正答選択」は「誤答回避」で得点率を上げられます。

誰もが正解しそうな問題を落とすとこの1点を争う試験には致命的になります。過去問練習のご参考までに。
photo & lyric are by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_
sᴋʏ sᴍᴇʟʟs sᴡᴇᴇᴛ.
鍵を見つけて扉を開いたら、その先にはまた新たな扉が待っていて。人生ってそういうものなんだと気づき始めた春色の時。
#桜🌸

公認心理師試験対策


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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue) 僕らは世界のすべては知らない。

◯ 超直前公認心理師正答選択のコツ

これまで事例問題を中心に「正答選択のコツ」
を書いて来ました。

参考までに再掲します。
公認心理師試験の正答選択のコツ

◯ 第2回公認心理師試験直前対策・正答選択のコツ2

公認心理師試験正答選択のコツ・その2・合格のための8つの法則

公認心理師試験正答選択のコツ (第2回試験から見た)

1.復習重視・記憶を確かに

ノートに何度も書いて覚えようとするのは非効率(ひなた説・公式学説とは異なる)

公認心理師試験は選択肢を選ぶ、記憶としては「再認」を要する問題。したがって説明できるぐらい全部を暗記していなくとも答えられます。

これが院試や公務員試験なら記述をしなければならないので再認よりレベルが高い「再生」を要求されます。

公認心理師試験は「再認」だから「それほど覚えてなくてもいいや」と思っておろそかに学習すると正答率は下がります。

したがって「再生」(陳述できるほどに覚えておくと自信を持って回答できます。

自信を持って回答できれば別の問題も自信を持って回答できます。強いメンタルを持っていた方がケアレスミスも少なくなり、有利です。

「再生」できるようにするためにはどのようにしたら良いかということですが、何回も書いても覚えられません。

僕の職場の勤務員の了承を得て実験をしてみました。

「書くことで覚える」わけではないというのは、小学校の時にキレイなノートを書いた子が先生から表彰されても成績が良いわけではなかったという事実を覚えていますでしょうか?キレイな字で色があちこちに散りばめてあるノート作りは勉強の役には立ちません。

さて、実験ですが、7桁の思いつく数字を書いてもらい、それを3回繰り返してもらいました。書きっぱなしです。⑴

そして次に別の7桁の数字を書いてもらいました。

書いたあとに10秒間じっくりその数字を見てもらいました。⑵

さて、正確に再生できたのは⑵でした。⑴はすでに忘れてしまっていました。

時間が近かったという親近効果もありました。この実験では再生を頭の中で行い、さらにアウトプットを行うことが効果的でした。この時期ですから書いて覚えるより、こうした想起的記憶法(勝手な造語)が効果的でしょう。

例えばピアジェの感覚運動期を覚えるのに

「感覚運動期」(0〜2歳)は
・自他の区別がつかない。
・対象の永続性がなく、隠れたモノはなくなったと感じる
・循環反応として指しゃぶりやガラガラを振り続ける

これを覚え切って再生できるようになってから
次の「前操作期」そして「具体的操作期」最後に「形式的操作期」を覚えます。(参考)
3分で読める知育マガジンCiik!

2.とにかく最後まであきらめない

僕の場合、ブループリント用語でまだ手をつけていない用語があればもうWikipedia でいいです。医療法は前日に電車内で診療所と病院との違いを調べました。

夕食食べながらエリクソンの発達段階を調べました。

試験会場で視床下部の働きを調べました。昼食休憩時にも何か調べました。

3.正答選択のコツとは?

何度も何度もこのテーマについて書き続けて来ました。確かにコツはあります。しかし絶対に正答できる「コツ」はありません。それでも言えるのは、「一番のコツ」は焦らないことです。

次です。

問題の中で知ってる単語が出てきました。知らない単語も出て来ました。

「正答を選べ」の問題で明らかに知っていて有名な単語、で正答と思えて「あ、これだな」と思うものを選べばいいのです。第2回試験137問事例問題は「確証バイアス」です。要するに一度思い込むとだんだんその思い込みが激しくなってしまうというものです。

「正答選択のコツ」は知らない単語が出てきた際に不安だから、この知らない単語が正解かもしれないと思って1番わけのわからない選択肢を選ぶと5択なら正答率は20パーセントになってしまいます。「正答選択のコツ」は「誤答を選ばないコツ」ということです。

4.所感

辰巳の模試を受けて「こんな難しい問題出ないわ。ちょーウケる」と思いつつ復習したのは実はかなり役立ちました。僕はこのブログをノート代わりに使っていたのですが失敗したと思いました。復習しようとしてプリントアウトしたら3センチほどの厚さでもまだ足りずに「んなもん読み切れるか!」の思い確実な復習ができませんでした。

「なんとなくでも骨組ができていることをスピーディーに復習していく」こと、あとは「知らないことをゼロから組み立てて覚えるのは難しい」ということです。知らないことを組み立てていくならば暗記科目、必出の公認心理師法、覚えてしまえば済む法律分野、制度、社会心理学、発達心理学、心理テスト等がいいのではないかと個人的には思います。

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公認心理師試験対策


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◯ 公認心理師試験正答選択のコツ・その2・合格のための8つの法則

これまでの公認心理師試験を読み返したり、予備校や橋口誠志郎さんのyoutube、高坂先生のブログなどごちゃまぜでミックスしつつ自分の頭の中で抽出した結果、これまでは事例問題については小手先のテクニックで対応した「正答選択のコツ」を書いていました。

6月21日に試験を控えている今、教科書を読みながら「あ、まだ教科書3分の1しか読めてないから頑張って時間作らなきゃ」という勉強法だと試験の全体像が俯瞰できずに途中で終わり、実際に試験に臨んだら「あ、これもあれもやってなかった」

という結果になりかねません。

ですので本稿では試験まで半年を切った現在、「勉強の仕方」について記してみます。

1.公認心理師法は絶好の得点源

確かにこの試験は基礎心理学が重点的に出題されますが、臨床心理士試験には絶対に出ない大きな得点源は公認心理師法です。

「公認心理師試験 これ1冊で!最後の肢別ドリル」辰已法律研究所・京都コムニタスは法律を知るという意味では良書でした。

法と心理は司法心理職でなくともかなり近い位置にあります。

2.それでも事例問題は国語読解力も大切

例えば第2回試験問2、幻聴がある患者さんへに対してかかわりが難しいと会議の席で述べるスタッフへのかかわりとして、

交代させる、説教する、試すというような選択肢は現場やスタッフのポテンシャリティによっては大正解なのですが、まずは困難さを感じているスタッフに対し、何が困難と感じているか質問する、という選択肢が正解です。

現実的な対応は人の生死、子の虐待がかかっていなければ正答にならない場合が多いでしょう。

チームの中で動く時にも公認心理師は多職種連携の中でそれらしく動くことを期待されます。

3.過去問から遡って全体を学ぶ

「うーん、この問題はわからない。勉強進めるうちにその分野に当たるだろう」と教科書中心学術をすると力尽きた時が怖いです。

特に難しいとされていた第2回試験は全問正解できるまで調べて覚えましょう。プライミングは毎回出ているような気がしますが、記憶は確かに基礎心理学には大切な領域なので学習します。

橋口誠志郎さんは「過去問は5回やるべき」と述べていましたが、僕は確かにやり続けたらそのぐらいになるだろうなと思いました。

誤答選択肢まで含めて知らない用語が出てきたら、それはすなわち出題範囲なので、バックグラウンドになる理論や技法、知識も調べておきましょう。

橋口さんが言うとおり、1回解くごとに一歩一歩先に進めるのではないでしょうか。

そして過去問を解くに当たっては正答番号を知るだけでなく、その解説も知らなければなりません。

和光大学高坂先生のブログには全問解説が載っています。

大きな手がかりになるのではないかと思います。

高坂康雄先生は法律・通達出題の根拠文書も明らかにしています。その根拠や関連法規は目を通す必要があります。

4.模試は可能なら受ける

模試はプロが作るだけあってこれまでの傾向や必須知識が織り込まれています。

模試も本試験と同じように知らない単語があったら徹底して全問正答できるようにしましょう。

脳科学分野は面倒と感じる人がいるかも知れませんが、どんどん調べてメモして覚えます。

セカンダリー 長内優樹先生がこころJOBに掲載している公認心理師クイズは秀逸ですのでこちらもやってみる価値があります。

5.統計はしがみついてでも捨てない。

統計問題は計算をさせる問題ではありません。

過去問で出てきた用語があれば、重回帰分析は何か、どんな時に使うかは覚えます。

尺度とは?というのは数学を学ばなくても答えられます。名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比率尺度の違いはwikiにも書いてあります。

1点を落とすと恐ろしい試験なので時間対効果を考えてやれることはやっておきましょう。

6.DSM-5は必出

DSM-5はポケット版でいいので(医学書院)必ず買って診断基準を読み込んでおかなければいけません。

何歳から?6カ月間以上、など細かい診断基準についての知識が問われます。

ただ、精神医学知識があまりない人が飛びこみで勉強を始めると何が何やらという印象を持つかもしれないので、そういう人はDSM-5ケースブックも併せて読みます。小説感覚で読んで覚えられます。

時間があればM.I.N.I(Mini-Mental StateテストMMS)も抑えておきたいところです。

7.第3回テストのヤマとは?

第1回試験ではサイコロジカルファーストエイド、災害時等の心理的危機介入が多く出ていました。

第2回はPTSDが多く出題されていましたが、PTSDは全ての回で出ていました。

PTSDの主症状としてフラッシュバック(悪夢を含む)、解離、回避、過覚醒(覚醒亢進状態)、感情コントロールを失いがち、易怒的になる、自己否定的信念等は診断基準をよく読んで覚えておかなければいけません。

DSM-5になって災害救助活動に当たった消防士等の職業人も診断基準に含まれるようになりました。

また近親者(医療職や心理職ではない)が繰り返して話を聞く二次受傷も対象です。

治療法としては持続エクスポージャー療法(prolonged exposure therapy:PE)、認知処理療法(cognitive processing therapy:CPT)眼球運動脱感作療法 (eye-movement desensitization processing:EMDR)
が代表的です。

それから認知症も頻出です。

アルツハイマー型、レビー小体(幻覚を伴う)、ラクナ梗塞を含む脳血管型認知症は出る可能性があります。

成年後見制度と絡めてHDS-RやMMSEのカットオフ値で後見、保佐、補助のいずれになるのか裁判所のホームページ等で覚えておくといいと思います。

時計描画試験(Clock Drawing Test CDT)、CDTのFreedman法による評価、Mini-Cog assessment instrument(mini-Cog)も大事です。
前頭葉や頭頂葉機能が障害されていると数字や図形の理解や再生が困難です。

COGNISTAT 認知機能検査は既出です。

認知症については中核症状と周辺症状BPSD (Behavior and Psychological Symptoms of Dementia)を覚えましょう。

中核症状は見当識障害、記憶障害、認知機能の低下、失語、失認、失行(例:着替えができなくなる失行、左後頭葉が挫滅すると右側空間無視として右側をなかったものとして視界に入らなくなる失認)などです。

BPSDは抑うつ的になり、易怒的、妄想(物取られ妄想など)、不眠や幻覚が出ます。

厚生労働省のホームページや健康長寿ネットにも出ていますので読みましょう。

児童虐待も毎回出ていますが、依存症治療もヤマです。

8.専門分野ほど取りこぼす

これは僕自身が経験していて、他の受験者さんからも多く聞きましたが「専門領域ほど間違える」のは真実です。いつも実務的に扱っているので、特に事例問題、早い解決方法はこれだ、と選択すると間違いになります。

特にGルート、教員や福祉職の人たちが不正解選択肢を選んでしまう確率は高く、教育、福祉的な現場感覚はこの試験の正答とはなりません。

心理職で自分の専門分野がある人、他職種からの参入受験者の人たちは自分の現場感覚は全部忘れて、最新の知識を上書き保存、さらに試験向けの勉強をしましょう。

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