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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
おつかれTwitter

命のこと以外は大抵
ないものねだりなんだよね ☪︎⋆


◯ Twitter依存、SNS依存、ゲーム依存、買い物依存、インターネット依存

1.序・依存行動の実情

ICD-11(世界保健機構WHOの診断基準)ではゲーム依存性が正式に病気として認定されましたが、依存はアルコール、薬物のような物質依存ではなく行動依存(嗜癖)、といって、ギャンブル、買い物、ゲーム、インターネット依存などが認められます。

こういった行動依存は治療が難しい、というのもインターネットを使うのも買い物をするのも日常的に誰もがする行為です。ゲームやギャンブルもほどほどに楽しんで終わりにする人も多いかもしれません。つまり普通の状態と異常な状態とのグラデーションで、明らかに日時生活や社会・学校生活に支障を来たしている状態が依存と言えるでしょう。

たった1度だけでもそれを行ったら異常な行動依存として認められるのは小児性愛、窃視、痴漢など性的嗜癖があげられます。

また、中学生が1回万引きをして見つかって怒られて親から殴られたら治る、のならいいのですが、同じ万引きでも盗む度に性的エクスタシーよりも大きな興奮を覚えて、頭のてっぺんから爪先まで、自室のなかはきらびやかなアクセサリーばかり、被害額1千万以上の盗品がある女の子、空き巣に入っては「お宝」金銭、金品を盗んでいた男の子もいます。

窃盗癖(クレプトマニア)や我を忘れて夢中でスマホで買いまくる買い物依存、ゲームで1日20万円以上課金するゲーム依存、30万円注ぎ込んで大当たりと大負けを繰り返すギャンブル依存は、行為の間中は脳内に快楽物質ドーパミンが過量に放出されてこの上ない幸せを感じています。

インターネット依存は死ぬこともないし安全な依存だと昔某精神科医が言っていましたが、韓国ではPC房(BAN)と言われるインターネットカフェで食わず寝ずでゲームをしていた若者が亡くなり、10人が同様の状態で死んだという、ドはまりしたら大変危険な依存です。ネトゲ廃人も社会適応ができず、インターネット依存も深刻です。

こうした行動依存の背景には精神疾患が隠れていることがあります。

例えば買い物依存やゲーム課金について考えてみましょう。幼少期からの児童虐待に遭い、自立するか年金や生保生活をしてもお金の使い方を学ぶ機会はありませんでした。

自らを傷つける行為として、境界性パーソナリティ障害やPTSDが隠れているかもしれません。解離している間に自我機能が弱まってしまつことも考えられます。

双極性障害の人が買いあさり行動をしたりぱーっとキャバクラや風俗店やホスクラでお金を使ってしまうのもよくある話です。そのことに病識がない場合もあります。

統合失調症の人も意識が現実から遊離していて買い物をしたり課金をすることもあります。

2.対応と治療

⑴ 現実的対応

それではこういった行動をどのように終結させていけばいいかというと、お金に関しては弁護士、司法書士を通して借金の任意整理を行い、利息を支払わずに元本だけを返していくという方法があります。

また、思い切って自己破産手続きをしてしまえば返済もしなくて済みます。もはやクレカは使えないので依存行動も断たれるわけです。

ただし、FX投資で負けた場合には絶対に自己破産はできません。ギャンブルや浪費とみなされると自己破産できない場合もあります。

犯罪を除くどの依存でもそうですが、我に帰った際に「どうしよう、社会的信頼を失って破滅する」と破局的な考えから自死に至る人もいますが学生は退学になるわけでもなく、勤め人が別にクビになるわけでもなく、死ぬ必要はありません。

⑵ 治療

行動依存の治療は大変難しいです。
最近はアルコールや物質依存症を昔から扱ってきた病院が行動依存を扱っています。国立久里浜医療センターもさまざまな領域の依存を扱っています。

ア 薬物療法

もし元となるベースラインの精神疾患があればその治療を並行して行っていきます。薬物療法、また依存から離脱する不安を鎮めるための抗不安薬が使用されることもあります。(アルコール依存も同じです。)しかし薬物療法は依存症の根本治療にはなりません。

イ 自助グループと周囲の人々

物質依存の場合には自助グループは比較的全国レベルで存在しています。断酒会やダルクなどです。しかし行動依存の場合にはその病院で行っているグループミーティングが細々とある程度、大都市にNPOの自助グループはありますが、まだ全国レベルには浸透していません。行動依存も物質依存も同じなのは、依存のせいで底つき体験を味わうことがあるということです。

自助グループのミーティングに出て、底つきを体験した人の話は凄まじいです。朝起きたらウイスキーを飲み始めてそのままボトル1本飲んで帰宅、それからまた飲み始めて失職、家族離散、行動依存もかなり悲惨です。ネトゲ廃人になり数年間以上社会的に出ない、仕事や学校をやめてしまうこともあります。買い物依存も返品のために業者に泣きながら電話しても通販なので返品できない、それでも買い物がやめられざに夫のクレカを使って激怒されて三下り半を突きつけられてしまう。

金銭にかかわる依存を抱える人の家族や友人は決して債務を肩代わりしてはならないです。サイマーは「種銭が入ったから次は買ってみせる」「頼れる人がいるからまた買い物できる」と際限がなくなるだけです。

ウ 心理療法

依存症に陥る人はほとんどの人が自尊心が弱まっていて、自己に対するポジティブな感情が消失してしまっています。

配偶者、親、子ども、友人、職場から責められてそれでも依存から抜けられない自分に対して嫌悪感を抱いています。ほめられることもないこの人に対してはカウンセラーからの賞賛が必要です。

心理療法についてもベースライン疾患に対するセラピーが必要になります。自分に対して価値がないと思う女性は性的虐待や暴行を受けていることもあり、レイプされた時と同じような暗がりを薄着の服を着て歩き、奔放な性関係を持ち、トラウマを陳腐化させます。PTSD、境界性パーソナリティ障害だけでなく自己を破綻した存在として見ている人は今この瞬間だけの快楽を生きていればいいので明日というものを信じられません。

だから買い物依存、性依存にも陥ってしまいます。トラウマ治療に効果があるEMDRや自我状態療法で危険な情動を安全なコンティナーに入れることも有効です。トラウマを負った人はキモノ売り場で似合う、綺麗だと店員に褒められると1日コーヒー一杯分のローンを組んで200万円の商品を買ってしまいます。
 
自尊心が低い人の怒りは自分にも向かいます。だからACT(アンガーコントロールトレーニング)の技法も有効かもしれません。自分が依存行動をやめられたら出来ることをなるべく多くリストアップして書く、自尊感情強化のために自分の得意なこと、誇り、自分を好きなところを考えてもらいます。

そして自分が可能なこと、できることについてもリストアップしてもらいます。自信をつけることが大切です。

また、こういった行動依存は自己破壊的な自傷行為ということを考えると弁証法的行動療法を援用することもできます。断られても自己主張する権利があること、そして自分が他人の要求をきちんと断る権利があること、対人関係スキルと自己コントロール感、マインドフルネス、賢い心による欲求の統制が役立ちます。

自己の行動をきちんともう一人の自分が認識するメタ認知が大切という点では境界性パーソナリティ障害に対して有効な精神分析的メンタライゼーションも有効でしょう。

以上心理療法への考え方は私見です。SMARPPのような物質依存への認知行動療法は体系化されています。
自覚がない依存行動には動機づけ面接が有効かもしれません。

3.結語

行動依存にははっきりとした特効薬がなく精神科医も心理職、ケースワーカーも苦労しているのが実状です。依存症専門家の精神科医松本俊彦先生が言うように、依存症治療は初めから失敗を予測しながら行い、患者さんを責めないということが基本で、患者さんも依存行動をそれと認識しつつも「またやっちゃってるからやべー」と思いつつ現実に自分を引き戻していこうと思うことが大切になります。

ただし、Twitterやその他のインターネットが知らず知らずのうちに政財界を変える力となる、また怪しいお誘いのtweetではなく、まともに仕事のお誘いが来ることもあります。僕も本名、ひなたあきら名義でもずいぶん執筆させていただきました。さまざまな人たちとのつながりができたことを感謝しております。要は使い方で、インターネットは入れ物なのだと考えています。

※ 今日のsoraさんの言葉この記事を書いていて心に染みました。