ひなたあきらの公認心理師でポン!

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:日本心理研修センター

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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
空は
繋がる
世界のみんなと

#sora

※ いつも写真と文を使わせていただいているsoraさんのアカウントが移行になるそうです。

◯ 日本心理研修センター公認心理師試験集計結果から判明したこと

2020年5月18日、日本心理研修センターから、第1回公認心理師試験及び第2回公認心理師のアンケート集計結果が発表されました。(クリックでリンク先)

これによると第1回試験願書提出者36,103人のうち68.75パーセントが臨床心理士、幼稚園小中高教員が24.83パーセントということでした。

教員の受験率の多さに驚いたことからこの記事を書いています。他福祉職や保育士なども多かったのですが、幼稚園から高校までの教員受験者数のうち、心理に関係ありそうな職種というとまず特別支援学校、特別支援学級の教員が思い浮かびます。

この人たちは障害のある子どもに毎日かかわっている、心理職に近い人でしょう。

また、養護教諭も近いかな?と思います。日々児童生徒の心身の相談に乗る、虐待児童を見つけて校内管理職に相談するなどその業務は多彩にわたります。

あと、教育相談担当者や特別支援コーディネーターもダメというわけではないと思います。

広げて考えていけば学級担任も児童生徒保護者の相談に乗ることもあるわけですし、校長教頭主幹も児童生徒のために尽力しているでしょう。

しかし、誰がやっているどこまでが心理職としての活動なのかは学校教員の場合はわけがわからなくなりそうです。

現職教員+臨床心理士資格を持つ人たちのシンポジウムが開催されたことがあったと記憶しています。

臨床心理士は指定大学院を卒業してしまえば資格は取れますが、多忙な教員生活をしながら院に通うのは大変だったでしょう。ただし、そこで何を得てどうやって資格を活用するかはとても難しい課題だと思うのです。

和光大学の高坂先生は現職教員が公認心理師資格を取得することについて多重関係の問題を指摘していました。

まあそれは考えてみれば当然の事で教科担当教員がビシバシ教えていて、あるいは部活担当教員が生徒を担当、スポーツをやらせる。

そしてある時は勉強ができない、あるいは部活の中で人間関係に溶け込めない生徒の相談に親身に乗るというのは、教育現場では悪くはないでしょうが、心理の考え方からはいかにも多重関係になりそうです。

実際のところ、もし教員が退職して心理職になる時にそのまま教育現場のスクールカウンセラーに横滑りしようとしても「それは難しいでしょう」という心理職就職コーディネーターからの厳しい意見を聞いたことがあります。

また、スクールカウンセラー採用に当たっては「何よりもスクールカウンセラーとしての経験や、スクールカウンセラーとしてやっていけるなどうかの資質を重視する」と言い切っている自治体もあり、教職→スクールカウンセラーのハードルも決して低いわけではありません。

教職公務員をビシッと思い切って退職して給料ガタ落ちでも心理職になった人を知っていますが、彼女は相当志が高い人でセンスもよく前向きで勉強熱心、学会発表や論文を書いたりしています。

心理に関心がある教員にとっては現職経験Gルートを通じて心理国家資格を取得できるのは魅力でしょう。

しかしながら僕は興味があったので国語科教員にこのブログを「自由意志で」(無理やりではない)読んでもらいました。精神疾患などの記事は「わかるわかる、こういう人っているかもね」だったのですが、基礎心理学、統計、解剖等医学分野になると「…わかんない」となり、彼女は崖を転がり落ちるローリングストーンのように急速に興味を失った模様でした。

教員でも公認心理師試験を通った人を知っています。ただしその人は心理の知識0からスタートしたので予備校に通って参考書や問題集をやりまくって相当に苦労した模様でした。

ちなみに第2回公認心理師試験アンケート回答では臨床心理士26.61パーセント、教員30.57パーセントでした。

日本心理研修センターは明記していますが「第1回試験で不合格となり第2回試験で再度受験票を発行された者についても、第2回試験の調査対象になっていることにご注意ください。」とあるのでこのアンケート結果を正確に読み解くのは困難です。

なんとも言い切れないのですが、心理プロパーでやって来た人たち以外は、教員以外も試験は相当難しかったと思います。

心理だけでない分野、福祉職や看護師にとってもそれは同じですが、まだしもいろいろと共通点はあったので教員の方々は相当に苦労して勉強、受験をしたのだと思います。

このアンケートは「個人の試験結果には全くリンクさせていない」という日本心理研修センターからの回答を得た事があり、それは本当の事だと思います。

どんな資格でもそうですが、資格は取得した時がスタートで、その後自己研鑽、経験を積んで一人前になって行きます。なかなか心理職に就くのが困難な現在の雇用情勢で大幅にキャリアチェンジをする、一旦自分のフィールドをリタイアしてから心理職になるのは難しいだろうなあと思っています。

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◯ 2020.6.21(日)公認心理師試験延期決定について詳細と私的見解

1.概論

今回の公認心理師試験延期は妥当な決定だったと思います。これだけ広域移動自粛を政府主導で行っていて、しかも三密を避けるべきという厚生労働省専門家会議での見解を無視して試験実施をすることは無謀といっても言い過ぎではなかったと思います。

そしてなぜこんなに発表が遅れたのか?これは新型コロナCOVID-19の流行そのものが関連しているのですが、あまりにもCOVID-19対応に忙し過ぎて公認心理師試験のような些末なことは忘れ去られていたのかもしれません。そして日本心理研修センターはかなり縮小して運営されているとのことです。

今回の決定はあくまで「延期」です。年内に試験を行うことを原則としていますが、絶対に「中止」しないとも限らないということでした。

2.今回の試験に関する全般的配慮(日本心理研修センターQ&Aまとめ)

配慮としては、受験日程が合わない受験者に関しては受験しない場合には返金する。

もし試験が中止になったのならば代替措置を行うかどうかについては現時点では不明です。

3.特別な配慮はあるか

今回試験期日が伸びたことにより、受験申込みが長くなったということはなく、4月8日消印有効分についてのみ有効、それから期限は伸びない、受験資格審査は一時停止、ただし、書類に不備があったという指摘事項についての書類提出期限は延長したということです。

個別に書類に不備があった場合には連絡するということですが、審査は行わないということです。このあたりの記述はわかりにくいので疑問点があれば日本心理研修センターに問い合わせた方がいいと思いましたが、受験資格があるかどうかの個別の質問には答えられないとのことです。また、6月21日ならば受験可能だったのが新日程で受験が出来なかった場合の救済措置はないということです。希望試験地の変更はできません。

4.私的見解

⑴ 遅い
これに尽きます。厚生労働省所轄の試験なので、厚生労働省内で違うセクションだということはわかりますが、日本心理研修センターも縮小体制を取らなければならないほどの体制であればそれは緊急対応をしていたということです。職員がそんな状態で受験者には何の決定もしないままというのはいかがなものか?もっと早く発表ができたのではないかと思います。

⑵ 中止となった場合の代替措置が不明
できる限り今年中に試験を実施したいという事ですが、万が一試験が中止となった場合には例えば現任者Gルートについてもう一度チャンスを与えようかとそういう記述はありません。Gルートは現役臨床心理士もいます。リチャレンジャーも多いこの試験は一回受験チャンスが減るとそれだけ受験できる人が減ります。

⑶ 配慮の内容がわかりにくい
このQ&Aの内容を読んで受験資格審査についてか簡単にわかった人はいるでしょうか?僕にはわかりませんでした。大切なところで、受験資格の有無について答えられないということだと私設開業領域、産業領域での審査待ちの人は不安になるのではないかと思います。

⑷ 配慮が足りない
時間が経てば希望受験地から離れて転勤などをする人も多いでしょう。そして今回の試験期日変更については各受験者に個別通知されているのでしょうか?しないと思います。何かあれば日本心理研修センターのホームページを見てくださいというのが日本心理研修センターの従来の姿勢ですが、ホームページには今も変更前の試験日程が記載されています。

個人ブログですら簡単に書き換えられる、削除できるものをそのまま掲載しておくのはどうか?と思います。

延期か中止かわからないということでなく、きちんと救済措置も示して欲しかったです。もし延期がかなり伸びたら来年受験と今年受験を同時にするという方針も一つの案だと思います。

⑷ 試験レベルは変わらないという予測

延期になったから試験レベルを難しくする、ということはないと思います。それは国家試験の持つ平等性からそう思います。必要な知識を身につけることを受験生の方々は引き続き考えておけばいいのではないでしょうか。

以上(本記事記述2020.4.14)

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問「こんな状況です。外出制限もかかっていますし、現場は大変ですが、試験は予定どおりやるんですか?」

答「公式発表はホームページということになります。ただ緊急事態宣言も出たので今後の動きによってはわかりません」

問「こういう質問は増えていませんか?」

答「徐々に増えていますね。」

ということで確かに公式発表はホームページどおり、現段階で変更なしということでしたが、初めて「わからない」という回答を得ました。

photo by sora

これだけ全国各地でさまざまなイベントが中止されていて、気になるのは6月21日の第3回公認心理師試験日程の変更、最悪中止が心配になり、電凸ブロガーとしては、日本心理研修センターに電話してみました。

僕「これだけ各地でイベントが中止になっていて、公認心理師試験が延期になったり中止になったりすることはないですか?」

セ「試験は今のところ予定通り行われます。状況を見てということになりますが。延期も中止もしません。」

僕「それはセンターさんの公式見解ということでいいですか?」

セ「はい」

僕「ブログに載せても構いませんか?」

セ「特に問題ないです。もし何かあればホームページに掲載しますのでそちらを見てください」

とのことでした。

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◯ Gルート現任者不正受験者排除への厳格な処置

日本心理研修センターから以前出ていたGルート実務経験証明書には記載がなかった文言が第3回実務経験証明書には記載されています。

第1回実務経験証明書

https://www.jacdpcs.org/jitusho.pdf

第3回実務経験証明書


http://shinri-kenshu.jp/wp-content/uploads/2017/10/certificate_work_experience_201912.pdf

何が違うかというと



注1 法第2条

第1号 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。

第2号 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。

第3号 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。

注2 本証明書の内容に虚偽又は不正の事実があった場合、公認心理師の登録は取り消されます。

【参考】
法第32条第1項
文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を取り消さなければならない。

第2号 虚偽又は不正の事実に基づいて登録を受けた場合


この注意書きが新しく付け加えられました。

これについて日本心理研修センターに問い合わせをしてみました。

Q「今年から新しく警告文のようなものが付け加えられたのですが、何か理由はありますか?」

A「第1回、第2回と試験を実施、心理業務をしていたというにはふさわしくない受験者が一部いたということで、手引きそのものを改訂する時にあわせて変えました」

Q「『心理業務』というと、例えば会社の係長がいつも部下の仕事や家庭の相談に乗っていて、時には飲みに連れ出したりして面倒見がよく、資格マニアだし公認心理師を取りたい、と言われたら許可できるんでしょうか。」

A「うーん、話を聞いているとどうも難しそうですね。大学、大学院で心理学を学んだ人を想定している試験なので。法に定められている施設外だと『受験したい』ということでも資格審査で追加書類の提出を求めることがあります。そういう方に受験資格を認めたら日本全国の中間管理職の人たちに受験資格を与えることになってしまいます。公認心理師法をよく読んで確認してください。」

※ 実際のところ、不適格者でなくともこれから新しく心理職を他職種他領域から移って来てキャリアチェンジ、ジョブチェンジしようとしたとしても、Gルート合格者はかなりの困難を伴うでしょう。

例えば僕が全く未経験で危険物取扱主任者と大型特殊運転免許の資格を取得したとしても、「じゃ、明日からガソリンや有機溶剤のタンクローリー運転してね」

とは普通はならないです。

不正登録者ならなおさら採用されません。

中途採用は即戦力です。

総合病院に採用されたその次の日から強迫性障害、PTSDの患者さんのカウンセリングをやり、緩和ケアチームメンバーになり、新患さんのインテーク面接をして身体疾患か心因か原因究明のためにテストバッテリーを自分で組んで医師に納期までに報告書を提出しなければなりません。

そういった意味からは初学者、未経験者はかなり高いハードルが存在していますので、実質的にそこで排除されてしまいます。

僕が質問の中で例示した不正な資格マニアの人たちは実在しているようです。

どんなルール違反でもそうですが、不正行為だと思うと他人はひどく簡単に他人の告げ口をします。

公的年金受給、脱税、保険金受領など不正があれば誰が当局に連絡するかわからないわけです。

個人的うらみや金銭的ねたみがあればなおさらですが、なくても通告します。

そこには正義感、義務感や心理職を名乗って欲しくないから、などさまざまな動機が介入するでしょう。

きちんと教員をやりながら、また、看護、福祉をやりながら心理相談をしていたということなら資格取得には何の問題もないです。

ただ、心理専門職に採用されるにまで漕ぎ着けるのは困難かもしれません。

開業はその点縛りがないので、カウンセリングの力量と経営の才覚があればかなり自由にやれそうです。

第4回公認心理師カリキュラム検討委員会で石隈構成員が週1回の経験があれば、という意見を述べて、それがそのまま現任者要件になりました。

条件がゆるいということでGルート合格者がかなり厳しい目で見られることは間違いないと思います。

ひよっとしたら心理職を採用したことがない事業所はわからないままに採用の門戸を開くかもしれません。

しかし昨今、人事は資格職採用の上でかなり細かく審査を行います。

たとえ専門の学部、院を卒業した臨床心理士兼公認心理師でも、必要な所定の科目を勉強していないでGルート公認心理師になったのかと思われることもあり得ます。

排除という点では司法経験オンリーの心理職が300床以上の総合病院ですぐ働けるかというとそれもまた難しいわけです。

せっかく国家資格公認心理師がスタートしたばかりなのでヒエラルキーをお互いに作るのはやめましょうといつも思っているのですが、経験者優遇というのはどうにもならないところだと思います。

「みなさん、新規登録者の方はどのルートで合格したとしてもお互いに高め合い経験を分かち合って頑張っていきましょう」と綺麗事を書いて〆るのは簡単ですが実際にはそういかないことは僕も百も承知です。

5回目の試験まで、またその後の試験でどんな風にこの試験、基準、制度が固まって行くかは多分暗中模索しながら進んで行くでしょう。

その中をいろんな思惑を持った人たちがそれぞれの勝手な意向で動きます。

そして国家資格だからいつの時代に取った人でも同レベル、同水準ということはどんな資格でもあり得ません。

かつては自営中古自動車販売店のオーナーが車両名義書き換えのためにごく簡単に行政書士資格を取っていました。

今は行政書士は合格率15パーセントに満たない、法学部卒でもおいそれとは受からない難関資格となっています。

資格は難易度も制度も長い時代を経て変遷していきます。

次回の試験で大変革があるとは思っていないのですが、徐々に、そして確実に国家制度は変化していくのではと今回の対応を見ていて思いました。

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