
◯ オンライン・日本心理学会もカウンセリングも公認心理師予備校も飲み会もオンライン
以前、「オンラインカウンセリングってどう?無料or and有料カウンセリングはどっちがいいの?その可能性と利用法」という記事を書いたことがあるのですが、
http://hinata.website/archives/23725026.html
その当時は2020.2.28ということで、まだ新型コロナがここまで流行して社会的ダメージが大きくなるという予測をしていないでのほほんとしていたのですが(阿呆)オンラインは小学校でも使われているぐらいですので、学会もサクサクとオンライン化したようです。ちなみに自分の予定表を見ても2020.1月が心理職の最終研修で、今後は顔合わせでやるべきじゃないなあ、と言っていたのを思い出します。
僕らの研究会はまあやらなくても大変なことにはならないので、むしろ広域移動を伴うことを考えるとそっちの方が好ましくないと思って電話でCOVID-19のことなど情報交換しています。
オンライン学会の走りとしては、3月2日〜3月4日までは電子情報通信学会、情報処理学会、日本データベース学会という3学会がオンライン学会を開催、流石この道のプロフェッショナルだけあって大成功を収めました。学会という形式で行うに際し、質問者が複数いた場合にどうするか、などさまざまな問題をクリアして実施したようです。
ただし、こうした情報処理関係学会についても人の顔を直接見られない、演者や質問者のオンラインだけでない顔が見られないというデメリットはあったようです。
さまざまな学会のこれまでの成功のノウハウを集められたからでしょうか。日本心理学会は2020.9.8〜9.10までの大会を基本的にオンライン化することに決めたそうです。日本心理学会といえば、認知心理学、実験心理学、情報処理関係科学、人間工学等のエキスパート揃いなので、これは流石だなと感心しています。
日本心理臨床学会は6月上旬までに、場合によっては実施、中止を決めるそうですが、もしも折衷的にオンライン実施としてもあれだけ大規模な学会をオンラインで行うのはかなりの困難が伴うでしょう。シンポジウムなど活発に多数の人が意見交換を行う場合の統制は誰がどうするの?
と思うわけです。ポスター発表などはpdfで見られるでしょう。こういう学会発表やポスター発表を保存されてしまったらどうなるのでしょうか?日本心理臨床学会はポスター発表も含めてカメラや録音といった電子媒体記録を禁じています。しかしオンラインだとそれが容易になってしまいます。プライバシーや研究倫理にかかわる問題など、様々な課題をクリアしていかなければならないでしょう。
さて、次にオンラインカウンセリングについてです。カウンセリングは確かに対面に勝るカウンセリングはありません。相手の口調や細かいニュアンスはわからないです。それではオンラインカウンセリングは意味がないのか?というと、これまでカウンセラーと緊密なラポールを築いてきたクライエントさんにとっては「誰かとつながっていたい、それだけでいいから」という渇望に近い気持ちがあります。
新規のクライエントさんについても同じことが言えます。何かにすがりたいほど困っている人はオンラインだろうが電話だろうがメールだろうが救われたいものです。だからオンラインが絶対悪い、とは言えません。むしろ臨床心理学もオンラインの新しい試みにどう適応できるかが迫られているわけです。
開業心理の北川清一郎先生はいち早くカウンセリングをオンライン化してさらにオンラインカウンセリングのやり方をオンライン講義で広めるという、迅速な対応をしていたのでいたく感心しました。
次に教育です。オンラインによる教育は英会話でも以前からありますが、オンライン教育の良さは何よりもその安さにあります。
IPSA(イプサ)心理学大学院予備校の電話取材もしましたが、ここもオンラインでの授業をやっています。youtubeで無料公認心理師動画を配信しているプロロゴスさんもオンライン授業を提供しています。セカンダリー でWEB模擬試験を行い、またこころJOB(メディカ出版)でもWEB動画視聴プラン税込9000円と破格の安さで講義を提供しています。試験日程が延期になり、在宅ワークや在宅学習が中心となった方々は格安の投資で質の高い授業が得られるのでおすすめです。
さて、(僕には友だちがいないのでよくわかりませんが)zoomオンライン飲み会も流行っています。厚生労働省も遠隔飲み会を勧めていますが、これには大きな罠があります。
zoomはグルチャと同じで、インしたければどこまでもインし続けて、フェイドアウトしたくない人はどこまでもい続けることができます。つまり飲んだくれても特に止める人もいないし、直接絡まれるわけでもないので酔っ払っても朝酒から深夜まで飲み続けることができるという、実にヤバいシステムなのです。
人と人のつながりが空疎化していると言われるのでSNSが流行りましたと昔から言われています。SNSで恋人を作る、結婚する人たちも多々いるわけです。SNSやオンラインだとその人は自分のいい面だけ見せることも可能です。ハマりやすい人はハマりやすいだろうなあと思います。アルコール依存についても心配になりますが、医師や心理職もなかなかzoom飲みにハマって飲んだくれているのを聞くと心配になります。
以上オンラインと臨床にまつわることをつらつらと書いてみましたが、外出自粛の今、オンラインとの上手な付き合い方について考えてみました。今日のテーマにふさわしく、含蓄が深い
soraさんの文で締めくくります。
photo&lyric by 𝚜 𝚘 𝚛 𝚊 ໒꒱⋆゚
私たちが普段かざしている価値観や言葉は、この世界のどこかで見たり聞いたりしたものが元になっていて、ゼロから生まれ出るものではないはず。世を駆ける数多の想いが自分の血となり肉となり、私という魂を介して再び世界を駆け巡る。世界は互いに影響し合い、共鳴し合い、循環しているんだろうね。