○ ちょw穴空きずぶ濡れ破れ障子紙専門認定公認心理師規程
1.はじめに
今回、一般社団法人日本公認心理師協会専門認定に関する規程(長い)に感してワタクシがふぁんである橋口誠志郎先生のバターロール動画 にも述べられていたように、「この文章、書いた人大変だね、お疲れ様」というのは本当なのでしょうが、すみません、規程の内容が国家資格公認心理師ウルトラ上位資格を作るのにはあまりにもお粗末で穴だらけでした。
ということでこの規程の破れ穴を次々とカッコよく華麗に指摘しつつ疑問の数々についてもあげていこうと思います。
2.疑問
⑴ あの、地方公認心理師団体と協同してるの?(自職種内連携)
これは「規程」ではなくてHPに書いてあったのですが、地方公認心理師協会と①導入研修、②専門研修I、④専門研修IIについて、本協会が主催するものの他、「各地域公認心理師協会などが主催する」とあったので、普段は恐れ多いのですが某地方公認心理師地方団体のエライ人に聞いてみました。
僕:かくかくしかじか
えらい人:え、なにそれ聞いてない
僕:え、だって書いてあるし
え:だってそもそもウチと師会と上下関係ない独立団体だし。ナニソレひどい。うちやらんよ。義理ないし
ちょw規程作る前に自分のとこの足元固めとけよw
と思ってしまった次第です。
⑵ そもそも導入研修っての、必要?
この専門認定公認心理師(長いので以下「専門」)、導入研修については「基本的な倫理や職責法制度知識…」を身につけさせるとありましたが、ちょ、これって試験範囲内容になってますよね?それから養成課程でも習っているんじゃ…と思った次第で、ひょっとしたら、しなくても受験生や養成大学院から
うちらが勉強してきたこととか必死で教えてきたこと、レベル低いとか、ムダっていうこと?
というネガティブな感想やクレームや反発や怒りや不満や不興や大顰蹙を買うかもしれません。高坂先生もおっしゃっていましたね。
⑶ 専門研修Ⅱは野放し規定
この「専門」資格が必要ならば偉い人々が言うので必要という可能性もラクダ🐪が針の穴を通る程度の高確率で必要かもしれません。ということは、専門研修IIは卒後3年だと、「専門取る前に3年間は好きなことやっとけ、オレたち何が起こっても知らん」という大変面倒見がいい資格のようです。
看護師さんは卒後3年で上長となって職場の中で新人指導しているというのに…
⑷ スーパーバイザー(SV)制度がいつもながら曖昧
これ、この規程読んだらSV制度については手もつけないし研修でやらんでしょ、っつーかヤル気ないでしょ。そりゃそうだよね。だって心理職が一番ニーズが高いのに一番触れたくないとこだもんね。
地方だとSV受けられる場所限られてるし下手すると自前の学校の教授からSV受けるとか、多重関係どうすんの?論文指導ビシバシ受けながらヨシヨシしてもらうの?
(※ 読者の方からSVは「ヨシヨシ」だけではない、厳しい場面もある、と聞いて「そのとおり」とも思ったのですがそれはそうです。臨床の教員は通常複数いるはずなので…と多重関係の危険性が薄いことも指摘されたのですが、司法領域から始まった選択の余地ないSVから始まった僕に現状を詳しく教えていただけると助かります。あとSVに際して金銭授受の大切さを指摘されましたがそのとおりです。金銭授受のプロセスの大切さはSVの間に学んでおくべきと。この辺りはやはり師会は考えていないか、「え、それ俺たちの仕事を?」的な考え方をしているのではないかと思います。)
他機関に自前ケース持ち出していいの?クライエントの許可は?
何かバイザーのせいで起こったら(せいでなくても)バイザーも責任取るんだよね、訴えられたらやめさせられちゃうかもね。
などなど面倒なことを考えるのは師会もイヤだったのでしょう。えいやと抜いてしまった様子が推察されます。
⑸ 実は公認心理師のことなんてどうでもいいと思ってる
これな、相当やばたんな姿勢です。新卒ABが2024年から出てくるのですが、この人たちがどんな教育を受けてこれから何が必要かということについてまず把握してないです。
理想論では立派なわけのわからない看板を掲げられるけれども議論もないし実態も明かされていないし、そもそもどんな議論があったのかは誰も知りません。
橋口先生指摘のとおり、文章書く人はきっとイヤイヤ書いていたでしょう。僕だったらバターロール🧈ではなくハンバーガー🍔片手ぐらいでもやつぱりキツいのでプロのライターとしても断ると思います。
まあ新卒者のことや公認心理師全体のことなんてどうでもいいやと思っているんでしょう。重要なのは師会の利益やメンツだけですから。
⑹ 俺たちはエライ、俺様制度
誰かがツイートしていましたが、Gルートの扱いってどうなんでしょ。心理職の中には心理と近縁の福祉や教育の仕事もたくさんありますよね。産業もそうです。司法の線引きも曖昧でした。さあそこで「どこまでが心理でどこまでが心理じゃないか、俺たちが審査して認めてやんよ、認めてやらないかもしれないけどな」という資格です。
経過措置「心理専門職としての臨床実務経験を持つと本協会が認めた者」
はい、ごめんなさい。認めるのはやっぱり師会ですね。
⑺ 資格取得のための情報ナッシングでもいいの?
あの、公認心理師資格登録証にはナニルートで受けてどの経験があるのかとか書いていないんです。しかもナニルートで受けたか「忘れた。だってもう資格取ったから関係ないし」という人たちも相当います。
これ、資格取得志願者の情報正確に取ろうとしたら日本心理研修センターから情報取らないといけないですね。
守秘義務のことは知らんけど。あともし経験がそれだけあるかどうかを知ろうとしたら勤務先から職務経歴証明書取らないと。
だって専門資格なんですから。自己申告だといけないと思います。だって上位資格なんですから。ということで橋口先生が言うような人間不信モデルMisanthropy model(メサントロピーモデル・試験には出ないので覚えないでください。)に基づいていますね。
⑻ 開業はカヤの外
5領域5領域と開業の先生方は公認心理師資格を取得するのにも心理研修センターと面倒なやり取りをしていたのですが、おお、ここでもか、と思ってしまいます。
3.おわりに
かのような水に濡れた破れ障子紙のような穴だらけの規程なのですが、これ、作る前に誰か弁護士さんと相談して穴がないようにしなかったのは火を見るよりも明らかです。
というずぶ濡れ規程に基づいた資格を取りたい方はどうぞお好きにしてみたらとも思いました。食べ歩き番組に出てくる「お好きな人にはたまらないでしょうね」という感想は「豆腐にソースと納豆とジャムかけたこんなもん、相当な好きモノしか食わねえwww」というコメントと意味が同じだということをなんとなく思い出してしまった次第です。
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_
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