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「意欲のない公認心理師受験は必ず失敗する」Gルート他職種の立場からの反論

1.はじめに

先日
「意欲のない公認心理師受験は必ず失敗する」

を掲載、早速反論があったのですが、建設的な反論は大歓迎、さっそく掲載させていただきます。そしてこの反論をしていただいた方がDルート心理職というところに大きな意味があるような気がしています。

2.反論

Aさん:今ふと思ったんやけどね
他職種受験者の多くは(全てではない)心理職に転職しようとして受験してる訳ではないと思うの。

心理の視点なり技術なりを自分の業務に取り入れて活かそうとしてるんじゃないかなって。
だったら別に、資格とらんでも研修とか受けたらええやんかって話やん?

でもその研修、どこで受けられるん?心理の研修って、対人支援職に広く開かれたものももちろんあるけど、「有資格者限定」のやつも多いやん。なかなか受けよう思っても機会がないんちゃうんかな。

やから、資格取ったらそういう研修にアクセスしやすくなるっていう期待が受験動機の人もおるんやないかな。いや、割合は知らんけど。
これまで心理が排他的に自分らだけのグループに閉じこもっていた結果という見方もできるんちゃう?

少なくともコメディカルは、コミュニケーション技術を身に着けようという動きが強い

医師の働き方改革による、タスクシフト、タスクシェアの考えを元に、検査技師や診療放射線技師も患者と接する機会が増えてきてる


3.考察

なかなか痛いところを突かれたようなAさんの指摘だったのですが、考えてみれ心理団体が行っている研修には他職種向けの、例えば「コメディカルのための、カウンセリング技術を使ったインフォームドコンセントのあり方」はどこも(多分)ほとんど行って来なかったわけです。

Gルート受験は2023年に終了するのですが、その後もこういった多職種間の情報共有という点は課題として積み残されていくでしょう。

以前、総合病院の心理職が時間外に熱心に他職種Gルートの人たちに公認心理師試験勉強を教えて合格者を出したという話を書いたことがあったのですが、当該心理職は「自分のやっている仕事を理解して欲しい」という気持ちもあったのでしょう。Aさんが言うとおり習っていたのはコミュニケーション技術を身につけたいと思った他職種の人たちかもしれません。

ただし、というかそれでも疑問は残るわけで、コミュニケーション能力を身につけるのと資格取得は違う。資格を取得したければ他専門職のように一度専門学校なり学部1年生に一回戻るべきでないか(実際2024年以降受験生は他学部から編入している)などという議論もあるでしょう。

またそれに付随してなぜGルートは学歴要件をつけなかったのか、少なくとも心理大卒や関係学部心理院卒に限るべきだったのではないか、「職務経歴書への職印押印は?」職務経歴書に「◯中学校体育教員」のみは落とすべきではないか、私設開業領域のように「心理相談・心理カウンセリング」と明記されていなければ受験資格はない、という話もしました。

小中高教員も教育相談、カウンセリング的な役割をすることはある、いや新入社員研修人事担当者もあるぞ、などなどAさんと僕とでいろいろな話をしたわけです。

僕は個人的には地域包括支援センターの相談員や高度な専門知識を要する介護職員はいいのではないかと思ったり、いややっぱりそれじゃ2024年以降組と厳しさが著しく分かれるのではないか、など思いました。

なかなかまとまらない(というかまとまりようがない)話だったのですが、私見としては心理正規ルートでも勉強しない人は全くしない、とりあえずこの試験は合格点に達していれば合格なので、自分は心理プロパーだという信念を持っている人は頑張って欲しいところだと思うのです。

また、心理の世界が閉ざされたものから外に開いたものとなるためには他職種をニーズをきちんと受け入れた上で情報発信していく、というAさんの提案には全面的に賛成したいと考えています。

4.ここまでのまとめを読んだAさんの感想

読んで思ったけど
もともと他職種が臨床心理士取るために大学院行ってるケースはある。それで臨床心理士取ったから心理職として働く訳でもない。
臨床心理士側としては(?)資格者には公認心理師受験資格を与えたい。
でも受験資格に1つの民間資格を優遇するわけには行かない。
そういう他職種臨床心理士が全員Dルートで行ければいいが、漏れたときに現任者枠で拾わないといけない。
的な思惑も?

臨床心理士が資格者増やすためにアレコレ広げすぎた?
臨床心理士の時から、学部含めた養成課程を準備しておけば変わったかも?

(本稿以上)
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_