ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:専門家会議

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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
どうしようもなく腹が立つことは誰しもあるよね。でも、もしかしたらそんな怒りの感情が生まれるのは、世界が自分の思い通りにいくという傲りからかもしれない。そもそも人生なんて思い通りに進まないものと心得ておけば、無神経に笑う隣のアイツに向けるハートのとげとげも、いくらかは和らぐでしょ。


COVID-19専門家会議(2020.5.29)とメンタルヘルス

※ 以下は新型コロナウイルス関連の記事です。心理的に抵抗がある方はすすぐにページを閉じる事をお勧めします。

なおこの記事は医学、感染症専門家によって記述されたものではなく、心理ブロガーによって書かれたものです。疑問がある際には各出典原文を当たる事をお勧めします。

1.承前

政府対策本部において5月25日緊急事態宣言が北海道、埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県において解除されました。また30日には47都道府県で全て緊急事態宣言が解除されました。

そして東京都においては感染拡大防止のためのステップ1、ステップ2の映画館や劇場、学習塾やスポーツジム、商業施設全般などへの休業要請が解除されることになります。

さて、私たちは常にCOVID-19の最新流行状況の2週間前の状態しか見ることができません。潜伏機関2週間前の数を見ることしかできないからです。

厚生労働省発表5月30日現在午前10時現在で感染者数1591人、現在感染者数前日比-78人、新規感染者数は75人、前日比+12人です。

この数字は緊急事態宣言から漸増しているように思えますがその評価は次回専門家会議に任せたいと思います。

ただし、流行の小さな波が何度かやってきてそのうちに収束するのではないかという仮説もありますが仮説に過ぎません。

この記事の目的は、COVID-19についてメンタルヘルス専門家が曖昧で不確かな知識でクライエントさんに接して説明ができないことよりも、専門家会期の内容から、心理職自身も正確な知識を得てクライエントさん、患者さんの不安を低減することを目的としているからです。以下個人的な感想を交えながらこれらの結果を要約して提示します。

2.専門家会議発表

⑴ 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言)(記者会見資料)

パワーポイントによる要約資料です。
感染症は全くなくなったわけではなく再度の感染拡大が予想され、長丁場の対応が必要、治療、現時点での緊急事態宣言の評価を行います。

まず、日本の対策は感染症対策としては死亡者数、重症者数を減らすという点では国際的に高い評価を受けてしかるべきものです。中でも台湾の水際対策は優れているのは2月6日に中国大陸から全体流入者を禁止したという迅速な措置にかかわっています。(陳時中「鉄人大臣」)決定。

それに比してアメリカは累計感染者数180万人、死亡者数10万人とベトナム戦争の死者数約2倍と完全な有事です。

欧米では国内感染者数を補足できなかったことが爆発的感染の原因となったと分析しています。

ア クラスター分析
  日本の分析では8割の患者は他者に 
 感染させない。しかし2割の患者はク
 ラスターの原因となります。
  したがってクラスター分析が
 公衆衛生的な要因として大切になっ
 ています。

  これは僕の私的見解です。感染経
 路不明者はクラスター分析の阻害要
 因になります。
  とある事業所では、PCR+となった
 被検査者に対し「いつ、どこ
 で、何を誰としていたか」
いう
 ことを徹底に雇用側が調査して処罰 
 対象とすることを従業員に明言して
 います。
  PCR検査の感度は100パーセント
 ではなく偽陽性被検査者が発生する
 ことを知っています。
   したがって素人判断で2週間隔離
 をしてしまえば偽陽性者は実際の感
 染者なのか、それとも風邪なのかわ
 からず、ただのパワハラ処罰になっ
 てしまいます。
  クラスター分析で大切なのは感染
 経路の分析です。感染者が3密のどこ
 でウイルスを拾ってきたかわからな
 い。しかしこういったパワハラ措置  
 は感染者が黙り込んでしまうため、
 感染経路を不明にして公衆衛生的な
 措置を不可能にします。
  感染経路を不明にしてクラスター
 分析を不明にするのはこういったパ
 ワハラや黙り込んでしまう、嘘をつ
 くという人間心理です。病院は患者
 が何をしても必ず秘密を守る(のは
 当たり前ですが)それをきちんと患
 者に安心して話すような雰囲気を作
 ること(保健所など調査者の仕事か
 もしれません。)たとえ感染者が夜
 の街で感染してもそれをきちんと言
 えるということが大切です。
イ 緊急事態宣言
 この分析によると新規感染者数のピ
 ークは4月10日ごろ、そして感染時期
 のピークは4月1日ごろです。市民に
 行動変容を呼びかけたところ、実効
 再生産数(感染者1人が他者に感染さ
 せる、対策を取った場合の数値1.0 >
 ならば新規感染者数は減る。)は1.0
 未満だった。
ウ 課題
  PCR検査が必要な際に検査を行え
 なかったこと等医療体制の整備が望
 まれている。初期感染者、発症者し
 ていく者、重症化していく者の把握
 。ICT活用、感染経路の分析、疫学
 専門家の養成です。
  しかしながらこういった対策
 も感染者が正直に感染経路を話すこ
 とが前提となっています。

  そして、
 専門家会議は次なる再流行を予測し
 ています。


⑵ 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言)(47ページ資料)
 先ほどの要約資料の本資料になります。ここではさらに詳細な事項が述べられていますが、⑴資料に付け加た詳細について述べられています。

感染状況が比較的落ち着いているからこそ「次なる波」を見据えて「新しい生活様式」の徹底をさせること、つまり緊急事態宣言が解除となっても、世間の終息ムードは予断を許してはならない事態について終わっているとはみなしていません。

そのため、保健所機能・サーベイランス(注意深く観察)のさらなる強化等
を行うとことが提言されています。

具体的には検査体制強化、クラスター対策、医療提供体制強化です。

ゴールデンウィーク明けは実効再生産数は1を超えています。

次なる波に備えた「検査体制」の更なる強化の一環として提言されているのは、保健所の業務過多、電話がつながらないこと、検査までの時間がかかることです。

これは僕自身が従来からその必要性を感じていたことですが、事務スタッフの業務の外部委託の推進です。

またこの項目内では地域医師会と連携、医療機関と都道府県との契約締結、民間検査受託機関の活用など連携が必須であることが述べられています。

HER-SYS(新型機コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)と人的・IT支援が必要となってきます。医療従事者数が限られている限り、このような措置は必ず必要となるでしょう。

偽陽性、偽陰性が出る可能性を指摘しつつ、精度の低い抗体検査キットの問題性も指摘されています。

PCR検査にしても検査者の手技が必須であることから、民間で販売されている検査キットは使われても意味がないと考えています。(私論)

そしてG-MIS(新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム)の導入は、平時医療体制(コロナ以外の患者)の救急医療を可能にするもので医療崩壊を防ぐものです。

この文書で注視すべきは精神医療における神奈川モデルとして、精神疾患と感染者のそれぞれの重篤度によって治療形態が変わっていくことです。このわうな事態は以前から予想されていたことです。

これまで介護報告されていました。もちろん対応策は講じられていますが、全てを解決し切れるものではないです。院内感染についても同様です。

3.治療薬

レムデシビルが承認されていますが、各医療機関への充分な供給が確保されているわけではありません。アビガンを含む数々の治療薬もエビデンスが確立されておらず、必ず有効性があると言い切れるような特効薬は開発されていません。

4.私論

5月25日一部解除、ステップ2への解除が行われる自治体があり、6月1日休業要請が解除されていきます。世の中は解除でいわばお祭りのような雰囲気すらありますが、必ず再流行は予測の範囲内です。私たちが見ているのは常に2週間前の感染流行状況であることを忘れてはなりません。

日本経済は大きな打撃を受けています。再流行によるダメージは当初のものよりも大きなものであることも予想されています。

心理職は一市民で、自らも衝撃を受けながらクライエント、患者さんの不安を受け止めて行く事が必要となるということを予期していて欲しいのです。

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◯ COVID-19専門家会議2020.5.1とメンタルヘルス

※ 本記事は新型コロナウイルスとメンタルヘルスに関するものですが、心理的に抵抗がある方はすぐにページを閉じてください。※

なお、この記事は感染症専門家ではなく、心理学ブロガーによって書かれたものです。

2020.5.1に厚生労働省専門家会議が開催されました。なぜ僕がこの専門家会議を信頼しているかというと、感染症権威の有識者としては日本のトップレベルの医学者たちが専門的見解を出しているからです。マスコミは根拠のない学者の学説をそのまま流しています。

専門家会議では今回、自粛によるメンタルヘルス悪化、家庭内でのDV、児童虐待、失業からの自殺、単身高齢者への懸念が強く述べられていました。

いまさらなのですが、この専門家のメンバーは
座 長 脇田 隆 
国立感染症研究所所長
副座長 尾身 繁
独立行政法人地域医療機能推進機構理事長 
構成員 岡部 信彦
川崎市健康安全研究所所長 
押谷 仁
東北大学大学院医学系研究科微生物分野教授
釜萢 敏
公益社団法人日本医師会常任理事
河岡 義裕
東京大学医科学研究所感染症国際研究センター長  
川名 明彦
防衛医科大学内科学講座(感染症・呼吸器)教授
鈴木 基 
国立感染症研究所感染症疫学センター長
舘田 一博   
東邦大学微生物・感染症学講座教授
中山 ひとみ
霞ヶ関総合法律事務所弁護士
武藤 香織
東京大学医科学研究所公共政策研究分野教授
吉田 正樹 
東京慈恵会医科大学感染症制御科教授

という錚々たるもので国内の感染症研究者の粋を集めたものです。この記事では後半に専門家会議概要を掲載、その前に筆者の私見を述べさせていただきます。

1.私見

⑴ 現段階で人々の自粛耐性は限界になりつつある
大事なことを最初に書いておきます。自分が児童虐待をしそうだ、してしまった、子どものギャン泣きと親の怒鳴り声や叩く音を聞いたら躊躇なく局番なしの189に電話してください。虐待防止ダイヤルにつながります。24時間対応です。

さて、パチンコ店や沖縄にゴールデンウィーク6万人観光というだけでなく、特定警戒都道府県からゴルフに行ったり、自粛能力が欠如している層が感染拡大の足を引っ張っています。のっけからこういう人たちに対してアグレッシブな書き方をしているのですが、こういう人たちは感染したら、また大きな差別の対象になると思います。

自粛している人たちは、なぜ自分たちだけが我慢しなければならないのか?カウンセリングをしていて僕は全てのクライエントさんに「辛くないですか?」と聞いていますが、自信を持って大丈夫と言える人は誰もいません。
「辛いですが我慢しています。」が大半でしょう。

後述の専門家会議参考資料によれば、最適解が行われたとしても米国では最短2022年7月まででなければ収束しないだろうという予想で、日本でも相当の長丁場を覚悟しなければいけなそうです。

このゴールデンウィークにも特定警戒都道府県間の移動で感染者が増えるだろうと思うのですが、政府緊急事態宣言が伸びた場合の自粛への耐性が崩れかねないのを危惧しています。

また、レジャー産業、サービス産業を含む全産業及び経済活動の停滞化は、今後の大きな不況が予測されます。それによる産業の破綻、労働者個人の生活の不安定化、長引けば長引くほど個人の生活はダメージを受けるのではないかと懸念しています。

余談のようですが、このCOVID-19を甘く見てはいけないというごく個人的な感想で、きちんとしたエビデンスはありません。大都市繁華街で自主的に営業停止、または営業縮小した飲食店、接客サービス業は、客が来ないからやめた、縮小したというだけでなく、従業員が感染したという理由でそうせざるを得なかったという事実もあるのではないかと思います。(4月1日にはこういった夜間営業店が新宿の感染者の4分の1を占めているというニュースをやっていました。)

⑵ COVID-19流行下のメンタルヘルス体制の構築

現在日本心理臨床学会及び日本公認心理師協会の電話相談事業が行われています。この状態の中での不安は感染症への不安、経済状態への不安、学校はいつ始まるのか、社会制度はいつ始まるのか、数えきれないほどあります。

そして最も心理的ケアを必要としているのにそれが可能となっていないのが過労、家族と離れ離れになり、家族も差別される医療従事者です。

医療従事者が感染することもあります。そして全くの一般人が「誰が感染しているのかきちんと発表しなきゃダメだよ。そこには近寄らないようにするから」と世間話をしているのを聞いたことがあります。無自覚で悪意のない「差別の構造」をそこに見ることができます。

心理職は交代勤務体制の人もいて、自分の生活もある中で、できることも限られています。勝手に出勤てまきませんし、自分ができる範囲内で改善を行う工夫は大切です。

カウンセリングをすることだけがメンタルヘルスに寄与することにはなりません。安定しているクライエントさんのカウンセリングを隔週にしたり、新規のクライエントさんのカウンセリング重要度を査定して謙抑的にならないとクライエントさんの感染の危険性を増やします。オンライン化や電話相談も積極的に検討するべきでしょう。

脅すわけではないのですが、これから人々の抱える恐怖は相当に増大すると思います。経済、学業、感染への恐怖等。心理職は自分の制限されているキャパシティと最大限の効果という矛盾した課題に直面することになると思います。心理職は全く新しいメンタルヘルス体制の中で、重篤化していく人々への心理支援を行わなければならないでしょう。

そして、現段階でもオブザーバー的に精神科医や心理臨床家の専門家会議への参加は有効と思えます。この自粛が長期化すればするほどそういう必要性が高まるでしょう。

官製のものに頼らなくてもまず自分でやれることをやる、ということで僕もささやかながら心理職たちでオンラインで連携を取りながら日々実践のアイディアや工夫と今後の計画案を考えたりしています。

⑶ 医療体制に関して
これは僕の持論だったのですが、平常時ではない今、医療従事者数が徹底して不足しています。したがって事務従事者を増やさざるを得ないだろうと思っていました。専門家会議では保健所支援、都道府県調整本部、協議会等事務局の拡充が提唱されています。それに加えて「患者搬送コーディネーター」配置が提案せれています。医療周辺スタッフの拡充が必要だと思います。

2.専門家会議概要

まず、専門家会議は特定警戒都道府県についても市民の自粛により、オーバーシュートを免れたことについて評価をしています。ゴールデンウィークが 始まり、5月6日の緊急事態宣言宣言が近づきつつあるこの日に専門家会議が開催され、その結果が公表されたことには大きな意味があると思います。以下専門家会議結果を要約します。

⑴ 感染状況
感染状況は4月10日現在700人、この専門家会議直近では200人となっています。日本で感染が爆発的に増えたのは3月20日からですが、その時の増加のスピードに比べると感染者減少のスピードは遅い、専門家会議はその理由を大都市圏からの周辺都市部への人の移動が止まっていないからだと考えています。

爆発的な流行を見せた東京についても感染は最大1日250人が100人未満となりましたが、これは飲食店の感染が少なくなって来ていても院内及び福祉施設内での感染が多いという理由だからです。

⑵ 実効再生産数
実効再生産数とは対策を行って、なおそれでも1人の感染者が感染力を失う前に何人を感染させるかという数です。3月25日は全国2.0だったのが4月10日0.7と収束へと向かう数値、1.0未満となりました。東京都の数値は0.5です。
実効再生産数数値低下は徹底した外出自粛のような市民の行動変容が効果的だったと結論付けています。

⑶ PCR検査不足について
医師が判断してPCR検査を行っているので全数調査が行われているわけではないです。しかしながら検査件数が増加している中、陽性者は減少しつつある、倍加時間(感染者数が倍になるまでの時間)が伸びていることから、実際の感染者数も減少化傾向にあると専門家会議は後日データを示して説明するとしています。 

⑷ 医療提供体制の拡充
無症状、軽症者のホテル等での隔離、また中等度から重症者については入院を要する、さらに人口呼吸器や人口肺ECMO治療を要する、入院患者平均在院機関2〜3週間、重症者については長期化することから医療現場の逼迫した状態は続いています。

⑸ 行動変容
全世界の感染拡大傾向から鑑みて「徹底した行動変容の要請」を緩和した場合には感染者数拡大、これまでの努力が水泡に帰すおそれがあります。渋谷駅、難波駅の接触頻度は10代〜20代は休校等の影響を受けてか8割減を達成していましたが30代以上では8割減を達成していませんでした。

⑹ 今後の見通し
3月19日には「短期的収束は考えにくく長期戦を覚悟する必要性がある」と専門家会議は述べていました。治療法の開発が行われてきていますが、それを見込んでも諸外国の対応状況を見ると持続的対策が必要になります。そして「感染の拡大を前提とした集団免疫の獲得のような戦略や、不確実性を伴うワクチン開発のみをあてにした戦略は取るべきでない」と明記されています。

感染状況が厳しい地域では現在の「徹底した行動変容の要請」が必要、新規感染者が限定的となった地域でも再燃を防ぐため、新しい生活様式に移行していく必要性があります。

また、今回の徹底した行動変容による「自粛疲れ」が見込まれる、必要な社会的活動や学校、公園の扱いについて検討していく必要性があるとされています。

⑺ 今後の対応
新しい生活様式の普及、三密を避ける従来策の徹底、在宅ワークが市民に求められています。保険行政は感染対策効率化など保健所支援、疫学調査従事人員の拡充、トレーニング、ICT活用による濃厚接触者の探知、健康管理早期導入。

そしてこの医療提供体制の拡充という点では、医療機関ごとの役割分担、都道府県における調整本部・協議会の設置、患者搬送調整の中心となる「患者搬送コーディネーター」の配置、軽症者宿泊施設確保について述べられています。

また、学校の取扱いについて、学習の機会の保障という点から、感染への持続的対策を行った上で再休校も視野に入れられる柔軟な体制の構築が必要とされています。

⑻ 参考 
ア 英国
さて、参考として添付されていた英国インペリアル・カレッジ・ロンドン発表の概要は、有症状者及び家族全員の最長14日間の自宅隔離、国民の人との接触75パーセント削減、大学と学校閉鎖の「抑制」が行われないと、ゆるやかな「緩和」措置は医療キャパシティの8倍になるので抑制のみが唯一の選択と結論付けています。ワクチンが利用可能となるまでの間1年から1年半介入を維持する必要性があると見られています。
イ 米国
ハーバード大学の予測では社会的距離政策Social Distanceによって60パーセント減少、夏期に40パーセント減少。季節性に関して2020年夏に拡散速度は大幅に減少、2020年冬から2021年に再燃、よって5月末まで社会的隔離政策を実施した上で8月、10月下旬〜年末、2021年2〜4月、6月及び2022年以降の同時期に社会的距離政策を繰り返し実施する必要性がある。

もし救急救命用の病床の数が2倍になればゆるやかな隔離政策でも2022年7月までに集団免疫が獲得できる、というものです。

※ 今日はなかなかハードな内容でしたが突き動かされるような必要性を感じて書きました。こんな時の人の心に響くようなsoraさんの文を掲載します。

photo&lyric by 𝚜 𝚘 𝚛 𝚊 ໒꒱⋆゚

人生は予期せぬトラブルがつきもの。むしろ思い通りにいかなくて当然。そんな突風の様なものに立ち向かったり受け流すには、繊細すぎる器では心許ない。かと言って、何事にも動じない心を得たいと思う気持ちは、感動する心は失いたくないと思う気持ちと相反して葛藤を呼ぶ。どちらも一つの心だもんね。

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◯ 2020.4.25新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言(専門家会議)心理職がやらなければならない事

※ 本記事は新型コロナCOVID-19に関するものです。心理的抵抗がある方は読まない事をお勧めします。

厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策会議が2020.4.22に「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」を発表しています。以下その要約をまず記します。心理職もCOVID-19に対するきちんとした知識を持っていないとメンタルヘルス対応ができないと思っているからです。

1.概要
提言当時1日の新規感染者数は455人、4月20日は10,200人が累積感染者です。特定警戒都道府県内、東京都2,984人、大阪府1,162人中感染源がわからない者が7割を占めています。

2.行動変容の状況等
「三密」を避ける他、人と人との接触を8割減らすことを提言しています。8割減らすことが可能となった際には15日間で新規感染者は1日100人にまで減少、ところが65パーセントの減少だと1日100人に達するのは90日以上かかる、と大きな差があります。

人と人の接触を全く制限しない場合にはR0=2.5すなわち1人の感染者が他の人に感染させる人数は平均2.5人、これが65パーセント接触を減らすとR=0.875漸減、80パーセントにまで減らすとR=0.5と劇的に数値が下がり、どんどん事態は収束していきます。

渋谷駅NTTドコモ4月13日から4月19日までの調査63.6パーセントから65.2パーセントの人口減、休日は77.6〜77.8パーセントの人口減、ソフトバンクでも4月18日土曜日東京、新橋、新宿、品川、六本木68.9パーセント〜87.3パーセント減でした。

娯楽施設利用者について調べたところ、減少、公園は増加したということです。

さて、「偏見と差別について」が今回専門家会議で取り上げられていますが、最も心理職については関係の深い分野です。医療職・福祉職、その家族に対する差別、子どもを学校や保育園から排除しようとする、感染者が謝罪をした例もあると記載されています。(実際には自殺例も出ています。)

3.私見
⑴ 感染症対策
まず人の流れが収まらないことについては、東京、大阪などの大都市圏やそのサテライト都市から、別の街まで出かけてレジャーに興ずる人々が多いということです。(新宿、池袋、渋谷など大都市圏は報道や警察の巡回などもあり人の流れは激減していますがまだまだ80パーセントを完全に達成してはいない状態です。)最も問題視されているのはパチンコ店で、東京、大阪でも自粛勧告があるにもかかわらず開店している店はあります。

また、片道2時間かけてでもパチンコに他県に行く特定警戒都道府県居住者が多いことです。あちこちで報道されていて(これはマスコミの注意喚起として認めてもいいと思いますが)全国のパーキングエリアは全国のナンバープレートでいっぱいです。

東京吉祥寺は人がごった返しています。また、江ノ島はサーフィンをやる人々で芋を洗うがごとくの多くの人がいます。

こういった人々に対して注意喚起をして「やめておこうね」と柔らかに言ってもまず収まらないでしょう。やる気がない人全員に動機付け面接を全て行って考え方を変えさせるというような悠長なことをしているわけにはいきません。生活習慣病ならば本人の生活習慣が変わらなければ本人が困るだけですが、今回は多くの人命がかかっています。

こうなると心理職の問題というよりは政治・行政の問題です。企業や官公庁は単身赴任者をゴールデンウィークに帰省させない、寮のあるところは外出を一切させないなど不満が爆発寸前なのを上長が無理矢理抑え付けているという現状はいつまで続くのでしょうか?

この辺りのストレスフルな状態の心理的なフォローをしていくのは心理職の仕事かもしれません。日本の心理職はこういった事態にほぼほぼ初めて直面、対処する方法をよく知りません。
かなり急いで心理職が提案していかなければならないポイントだと思います。

⑵ 差別への問題
差別への問題はそのホットラインが法務省
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken02_00022.html
文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00602.html
に設けられています。
また、弁護士が介入する人権救済申立てもあります。
日本弁護士連合会人権部人権第一課
03-3580-9841

心理職は「大変ですねえ」と共感するのが多分公認心理師試験では正解なのかもしれませんが、医療従事者や感染者、その患者さんは現実的な対応がなされないと本当に死んでしまうかもしれません。心理と法と行政は密接な関係があるのではないかというのが僕の持論です。社会福祉協議会、市区町村役場でも無料弁護士相談をしているほか、行政的な介入もしてくれるはずだと思います。医療従事者も感染者も疲労のあまり思い詰めているでしょう。そういう時に心理職は理解者でなければならないと思いますし、適切な相談機関につなぐのも心理職の責務と思います。

photo&lyric by 𝚜 𝚘 𝚛 𝚊 ໒꒱⋆゚

おはようTwitter

空と翼がある限り

なんどだって翔んでみせる໒꒱⋆゚

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◯ 新型コロナCOVID-19(2020.4.1)専門家会議に対する心理学的私見

今回の話題は新型コロナに関するものです。ご自身にとって刺激が強いと思われる場合には読まずにこのページを閉じることをお勧めします。

1.概要

4.1に専門家会議が開催され、そのレポートが厚生労働省ホームページに公開されています。

厚生労働省の発表だから官製のお手盛り大本営発表だろう、と思う向きの方もいるかもしれませんが、毎回この報告書は大変密度の濃い内容で、現在の日本の危険な現状も詳細に述べられており、対策も書かれています。

アメリカでもCDCアメリカ疾病予防管理センターの情報が一番正確なので、それ以外信じるのは危険だと国際トラウマティックストレス学会ガイドラインでも示されているのです。

はっきり言って僕は日本のマスコミはN◯HKでも信じる価値は1ミリもないと思っています。

さて、専門家会議の分析ですが、実効再生産数(1人の患者がほかの患者に感染させる数と回復者数の比較)>1.0だと収束していきます。1.0< だと感染が広がるわけですが、前回3月19日には1前後だったのが、4月1日の発表では1.7になったと発表しています。

諸外国の感染がかなり危機的状況にあること、地域によっては医療体制が逼迫していることも示されているのです。「感染拡大警戒地域」、「感染確認地域」及び「感染未確認地域」の3種類に地域を分類することがまず役立つということです。

感染は拡大しています。そしてほかのニュースなどで知られているとおり、東京の感染者数が圧倒的に多いです。感染者内訳を見ると飲食店、そしてキャバレーなど、いわゆる風営法に規定されている店での感染が経路として多かったことが報告されています。

(この辺りの産業が壊滅的打撃を受けていることは知っているのですが、あくまで提言は「こう」ということです。)また、スポーツジムや卓球場での感染も認められたという注意喚起も行っています。

専門家会議ではクラスター感染源がわからない感染が多いと報告していますが、実際にはこういった禁じられている場所に行った、また各企業や官公庁では従業員の外出制限をかけている事業所も多いと思いますが、それを破ってあちこちに出かけていて感染した人は処分を恐れて行った先を言えないでいるのかもしれません。

感染源が特定できないと「どこから来たのだろう」と保健医療衛生上、対策ができなくなります。感染した方は勇気を出して感染が思い当たる場所について申告して欲しいと思います。

また、都市部を中心に感染者増加が認められるので、やはり3つの「密」に気をつけること、密閉空間、人と密に接触すること、近距離で密接に会話すること、この3つの重なりが危ないと指摘しています。

また、指摘事項としては拡大感染地域では学校閉鎖も考えるべきだという提言です。この専門家会議は、約2週間遅れの情報が主になっているということになります。つまり現状は現状でしかなく、それが拡大しようが収束しつつなっていようがそのままだということです。

今回の専門家会議での指摘事項は、人々がコロナウイルス渦に巻き込まれてだいぶ時間が経ち、自粛ムードがだんだんと崩れてきたことも指摘されています。自粛ムードに飽きたからといってコロナウイルスが大人しくなってくれるわけではないのです。

2.私見

専門家会議では施設への家族のお見舞いも制限すべきだという結論を出しています。それはあまりに酷だろうと思います。こういう時こそICTを駆使して施設入所者と家族とが連絡をオンラインで取り合えるようにしてもいいと思うのです。

爆発的感染、オーバーシュートにまでは至っていないし、多分専門家会議もこの流行をパンデミックとは違う、クラスターが限られた一部の地域のエピデミックととらえられていると思います。

この状態に対して不安を訴えている人々は患者さん、クライエントさんに限らないわけです。教育、福祉、産業現場では全ての人たちが不安を持っています。

医療者も医療者であるというだけで感染源という社会的烙印、スティグマを押されますが、医療者は誰をも平等に治療しないとなりません。

医療は確かに地域によっては際どい状態にありますが、タイベック(宇宙服みたいな防護服)を必ず漏れがないように装着、などなど多くの医療現場ではさまざまな工夫がなされています。

不安だということは国民的な事実ですが、だからこそ飽きてはならないですし、買占めは不安を底なし沼にするだけです。心理職は多くの不安を訴えている人たちと話します。

クライエントさん、患者さんはこの感染症が主訴でない人たちが大半だと思います。ただし世間の不安な雰囲気は伝染します。

怒りや悲しみを感じている人たちと接しなければならないのはクライエントさんにとっても重圧でしょう。心理職が働く職場の、クライエントさんでない人たちやその家族への接し方も考えなければならない、心理職は今正にこの状態について、心理職としての働き方を試されているのだと思います。

※ 今回の写真はあえて僕のものを使わせていただきました。soraさんの写真はまた平和な話題の時に使わせていただきたいと思います。

桜の花人狂はす。と言います。桜は好きですがこの不安定な時期を乗り切っていきたいですね。

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