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◯ 上流上級上位公認心理師>>>ヒラ心理師の噂

1.承前

以前、「本ブログ誤情報の訂正とお詫び・公認心理師は2階建資格ではありません。」という記事中で日本公認心理師協会の三階建て資格構想のことについて触れました。

日本心理臨床学会で医療・教育・福祉・司法・産業公認心理師構想が語られ、さらにそれらを統括する「専門総合公認心理師」が必要ではないかとシンポジウムで語られ当初驚きました。

日本心理学会とつながりが深い職能団体「公認心理師の会」も「上位専門資格制度(準備中)によるスキルアップとキャリアアップ」

を謳っています。

最近では「認知行動療法師」制度が設立され、認知行動療法イチオシの公認心理師の会が同じ「師」の字を使っているこの資格を後援しています。

「認知行動療法心理師」でもできるのかなあと思っています。

日本公認心理師協会生涯研修委員会は(ヒラ)公認心理師の上に(係長級?)専門公認心理師を創設し、さらに専門医療公認心理師〜産業公認心理師まで(課長〜部長くらい?)の公認心理師上級資格を考えているようです。

(日本公認心理師協会が 実施する生涯研修について(暫定版)2019/4/10日本公認心理師協会 生涯研修委員会)

心理職国家資格構想50年以上の悲願を達成し、これまで大学院卒でも民間資格に甘んじてきて各職域ヒエラルキーシステムの下位に甘んじて来させられた、「やっと国家資格ができたのかあ、まずは地道に実績を積もうかな」

とさせず、たくさんヒエラルキーごっこをさせないと気が済まないようです。

「僕、医療レッドレ◯ンジャー!」

「私、教育ピンクレ◯ンジャー!」

「負けられないぞお、僕は専門総合上級最強ブラックだ!」

先生「もう帰る時間だからね、おもちゃはちゃんと片付けてね」

というのにイヤダイヤダと言っている駄々っ子のようです。

大元厚生労働省は全くそんなものを認めている風もありません。

以前商標登録申請がなされているものとして「日精協認定公認心理師」「日本精神科医学会認定公認心理師」があり、公益社団法人日本精神科病院協会が申請しているという記事も書きました。

あちこち心理団体で勝手に上位資格を作ろうとしていたら医師団体から「はい、これで決まりね」とトップダウンで決められてしまうかもしれません。

2.再三記事を今また書いている理由

まだ冬最中2010年1月9日で、啓蟄の3月にも遠いのですが、「君たちが今どこにいて日時はわかってるの?」

とこういう人たちには言いたくなってしまいます。

どのような蠢きが今現在あるかどうかは関係者の方であれば胸に手を当てるまでもなくよくわかっているはずです。

これが高次脳機能障害や認知症の方であれば「今夏だということですか。この部屋なんだか暑いですねえ」

と、心から自然に受容も共感もできます。

発足したての公認心理師制度に対してバラバラの団体が好き勝手に好き放題言って何も決まらなかったのは今までと同じじゃない?

これからまた50年紛争でもするの?

と思うのです。

この冬の中でも1年中あちこちで研修、各理事、監事会やらいろんな団体の委員会が開催されています。

そこで意気軒高と「構想」めいた「妄想?」がぶち上げられているのかと思うと子どもの戦隊ごっこのような微笑ましさは微塵もないなあと思ってしまいます。

心理職が相対するのはまずクライエントさんや家族です。

「心理の◯◯先生は長い肩書きなんですねえ」

「ええ、『認定上級専門精神科専門総合医療公認心理師』なんですよね」と誰もわからない資格を勝手に作るのはやめましょう。

3.私論

⑴ 上位資格構想は公認心理師を安物にする

国家資格取得者が今後臨床心理士等現場心理職とほぼ同等の数となるのではないかと当局は予想しているのではないかと思います。

現在は心理職を国家資格化した直後に保険制度等公認心理師活用の状態を見て、制度運営が円滑かどうか観察が必要な段階です。

そこでムダなヒエラルキーを作って上位資格非保持者を追いやる、または資格保持者を選抜するようにしてしまうと学校内のスクールカーストよろしく、公認心理師内でヒラは安いと値踏みさせることになります。

せっかく国家資格になったのにそこでまた安物扱いされる心理職を作るような動きは許されないと思います。

⑵ 上位資格は何のための国家資格なのかを曖昧にする

商標登録をしなくとも心理関係の団体、企業、小さな研修会が「◯◯公認心理師」資格を付与することは可能です。

公認心理師法は、公認心理師である者に対してプラスアルファで何かを認定することを禁じているわけではありません。

それはその団体の勝手と言えば勝手ですが、団体の権威や数が多いと、公認心理師をそこに流し込もうとすればある程度は付和雷同してついていくかもしれません。

これまで心理関係民間資格についてずっと言われ続けてきたことですが、集金マシーン、システムじゃないの?

ということです。

実際には団体運営には多額の金銭が必要でしょう。

ただ、ワープア心理職がいろんな領域て働いている中で「君はただの公認心理師なんだね、なぜ◯◯公認心理師や△△公認心理師の資格を持っていないんだい?」

と言われるかもしれません。

心理職はこれまでも各心理職団体、学会、研修会の会費、参加料と、更新性の資格ならばかなり多額の金銭を注ぎ込まないとこれまで民間資格を維持できませんでした。

医療、福祉関係の資格はシンプルで、取りたい学会資格は自分で取る、また、取らなければならない資格は雇用主が取らせるように支援することも多いです。

今制度が定着していないうちに花火を打ち上げることには危惧しか感じられません。