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○ 公認心理師試験割れ問(失読・失書)

問10「失読と失書について、最も適切なものを1つ選べ」という問題です。

これは全くわからないですし、医師でもわからないらしいです。プロロゴスの山崎先生も「捨て問」認定していて、どちらかと言うと言語聴覚士の専門領域ではないかと思いました。

そこで失読・失書について詳しく書いてあるサイトを見つけました。

桔梗ヶ原病院のホームページ で、まず純粋失読・純粋失書というのは何かということについて調べたら

純粋失読とは、読みが選択的に障害されている病態です。音声障害はほとんど伴わず、書字も概ね保たれますが、自分で書いた文字が後になると読めません。

という定義がされています。ただしこのホームページによるとなぞり書きはできると書いてありますが、意味がわかるとまでは書いてありません。

したがって割れ解答の③「純粋失書では、なぞり書きが意味の理解に有効である」は暫定的に置いておきます。

文章の左側の文字を見落とす場合は、左半側空間無視が考えられます。文字が読めない・書けないという状況があれば、失読失書が考えられます。
という上記ホームページにも記述があり、僕の手元にある「病気が見えるvol.7 脳・神経」MEDIC MEDIA社p.25の脳梁切断による半側空間無視による失読の記述とも整合性があります。

半側空間無視だと自分が書いた文字が読めない、というかまず文字を書くこともできないのでは?したがって「⑤ 純粋失読では、自分が書いた文字を読むことができる」も棄却します。

確かに後頭葉半側や頭頂葉半側が壊死、挫滅すると半側空間無視につながります(左→右、右→左)。

そこで
純粋失読・純粋失書・失読失書の病態 河村満 神経心理学 第6巻第1号

のp19を見てみると、左下、「2.症候」下から7行目の「書字障害が自発書字,書き取りのいずれ にも認められ,それが左右の手にみられ、模写 には異常がみられないことと要約することができる。」という記述から、写字は保たれることがわかります。

そしてこの論文は失読、失書について詳しく書いてあるのですが、読んでみるとどこにも失読失書の責任病巣が海馬である②とか帯状回である③という記述はありません。

したがってこの割れ問については「① 純粋失書では、写字が保たれる」という答えを選択しました。

半側空間無視でなければ写真が保たれるだろうということで①を選択しました。

いずれにせよこれだけ深掘りをしなければわからない問題は悪問と思った次第です。

photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_