
◯ 公認心理師数が提供できる心理的支援の限界
どうやら心理職?とおぼしきウサねずみさんがツイートしていましたが、都道府県別の公認心理師数はやはり大都市圏が圧倒的に多く、ただし人口10万人あたりに換算するとかなり地ならしされてそれほど地域差はないようです。
「公認心理師の都道府県別登録者数」が更新されていたので、グラフ化しました。https://t.co/lpfmM5fICl pic.twitter.com/RfuARDUBbu
— ウサねずみ (@usanezme) May 10, 2021
これでさあ公認心理師のカウンセリングがどこでも受けられるぞというとそうは簡単には行きません。
D1、D2、Eルートの人は心理職だということはよくわかります。さて、第1回〜第3回までの公認心理師試験公認心理師試験合格者数は43,679人、うちGルートは22, 460人で全体数の51.4パーセントになります。Gルートだからといって他職種参戦組とは限りません。
というのも心理職でも大卒者はいますし、科目の読替えができなかったGルートの人たちは相当数いると思うからです。つまり公認心理師の中でカウンセリングや心理テストを日常業務にしている人の数は「実際のところわからない」としか言いようがありません。
それでは普通の人がカウンセリングを受けたいと思ったらどうしたらいいか?産業分野はそこの従業員しかカウンセリングをしない、スクールカウンセラーは児童生徒保護者、福祉はその領域で働く人、司法は「いやだいやだ面接なんか受けたくないよお」という人たちが中心でカウンセリングをやっています。
医療機関等でフツーのカウンセリングを受けたいと思ったらどうするか?ここにも大きなハードルがあります。主治医は患者さんがカウンセリングが必要かどうか判断します。たいていの病気、クリニックではカウンセリング枠はフル稼働でいっぱいに埋まっています。
カウンセリングを受けさせるかどうかを判断するのは医師です。ですから病状が重過ぎてカウンセリングには不適と判断された人、あるいは軽い悩みと主治医が思った人はカウンセリングが受けられないということになります。公認心理師試験では「機会ある人には誰にでもカウンセリングを受けてもらおう!」というモットーですが現場ではそれは通用しません。
古い統計になりますが2012年、精神神経学雑誌によると日本の精神科医数は10,919人、大幅に変わっていないと思います。
しかしそれでも推定2万数千人の心理職は医師の3分診察で終わる患者さんのフォローを十分にし切れるとは思いません。
つまり、公認心理師のカウンセリングを受けるということはとても難しいことなのです。
もちろん私設開業領域の先生方や病院の有料、50分5千円から7000円のカウンセリングを受けるという方法もありますが週一回それだけのお金を払うというと限られた人たちになってしまいます。
もし誰もがカウンセリングを受けられる世の中を作ろうとしたらここで金銭的な需給関係のアンバランス差が生じることが考えられます。今でも心理職の時給は安いのにさらに切り下げないとどうにもなりません。
私設開業領域が乱立したら今度は潰れる事務所が増えるだけです。
ツイッターでは心理職の診療報酬を上げてくれという動きがあるようですが2025年問題が生じると4人に1人が75歳以上の高齢者、他福祉職は仕事が増えるかもしれないですが心理職にその確証は全くありません。
いつもの主張ですが「なんかなあ」と思うのは公認心理師が2つの職能団体に別れていて、行政に対する発言力がきわめて弱くなっていることです。
まあそうなると公認心理師団体の意見聴取もないままに「100万人の『心のサポーター』事業
やってみよう!略称『ここサポ』で!」「うん、可愛らしい名称でいいんじゃね?」と行政の先走りはどこまで行っても止まることはないと思うのです。
国家予算も診療報酬もパイが限られているどころかこれから先細りになることが予想されます。
そうすると公認心理師制度は作った、でも誰に対しても知名度が上がらないうちにどんどん制度そのものが廃れていくことを危惧するばかりです。
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_
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