ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:国境なき医師団

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◯ COVID-19への国境なき医師団、D-PAT、D-MAT、セーブザチルドレンの活動

本記事はCOVID-19新型コロナウイルスに関する記載がほとんどです。心理的に抵抗がある方は直ちにこのページを閉じてください。

国境なき医師団MSFのメンタルヘルス部門での活動のめざましさは以前記事にしたことがあるのですが、今回MSFはCOVID-19の世界的大流行については寄付を募るとともに相当の広い地域で医療的支援を行っています。

欧州、中東アジア、北半球、中南米の感染制御を行うとともに難民キャンプでの感染者や予防のための活動も行っています。こういった地域でも医療支援をしています。

サイコロジカルファーストエイドPFAの考え方は、まず被災者の生命身体の危機を乗り切ってから次に地元の専門家の支援を行うというもので、実際東日本大震災3.11の際にはD-PAT、D-MATなどの緊急支援チームが現地入りしてから地元の保健師など医療と精神保健専門家にバトンタッチをしていたわけですが、今回のCOVID-19の場合には特効薬もなくワクチンもない中で活動をしているわけです。MSFはエボラ出血熱のような致死率50パーセントのような感染症の中でも活動をしていました。

そして医療者も生命身体の危機に自らを晒しながら活動しているわけです。ナイジェリア難民キャンプなどの困窮地域では手洗いを推奨しようにもまず水がない、そこからスタートしなくてはならないわけです。

国境なき医師団はその活動内容の中に心理的支援も謳っていることから、今回もウクライナでの心理援助活動を行なっています。オランダではストレスマネジメントを行っていて、心理療法士がその任を負っています。不安に怯え続ける人に対しては心理的支援活動も必要になります。

香港でもメンタルケアは行われていますし、オランダも同様です。また、心理的支援活動が重視されていますが、それはオンラインという試みがなされているのは日本と同様です。

D-PAT、D-MATなどの初動対策チームも何らかの活動が行われていることは確かでしょう。過去心理技術者の活動の機会は3.11では長期的な視点で日本臨床心理士会などが行っていました。が初動チームでは心理職が入ることは少なかったようです。

セーブザチルドレンも寄付を募って今回多くの子どもたちのための活動をしています。

今回、そして昨日の記事でも日本臨床心理士会及び日本公認心理師協会の活動は認められるべきものだと書きましたが、こういった状況では活動をすること自体が正義なのです。

そういえば一昨日無差別的にさまざまな組織に無差別的にメールを送信したのですが、愛知県公認心理師協会からは
 
「ひなたあきら様

ご提案をいただきありがとうございました。
当会はまだ設立して間もない会です。したがって、まだ組織的に動く準備が
十分に整っているとは言えません。
ただ、今回のコロナウイルスの国民のみなさんに与える心的苦痛は
いろいろな現場で発生しております。そのことについてのさまざまな情報や
対処法の文献やデータなどは収集して会員へ発信して行く予定です。
会員各自のおかれた現場で積極的に取り組んでもらえるようにバックアップしていく所存であります。
ひなた様には激励をいただいた感があります。感謝申し上げます。」

という返信がありました。感謝よりはどこでもそうだと思いますが、欲しいのは人手です。この医療崩壊と言われる事態での人手です。という意味ではもうちょい頑張れ愛知公認心理師協会と思います。

さて、心理職はごく特殊な例外の人々を除いてさ医療従事者としての注射はできません。日本で起こっているこの状況下、出勤停止や隔日出勤を余儀なくされている心理職が多いのは百も承知です。それが上長が決めたものであればきちんとした感染症対策であることは言うまでもありません。

そして心理職の方々も自ら、配偶者、ご両親やお子さんの身を守りたいという人間としては当たり前の感情があるのは当たり前のことです。

スクールカウンセラーの方々が子どもと会えない、その中でデータとしてスクールカウンセラーだよりを作っている人たちもいます。

この状態下、人の生命に直接かかわることができない心理職が何をすべきかというと、やはり心理職としての本旨の心理業務だと思います。できる事が制限されているのであればそれも守らなければならない事ですし、多忙な医療職場で前線で働くかそれとも休業するかも上長の判断次第です。

上述の国際支援活動団体の活動に参加できるかというと、家庭や自分の事情、そして求められる高い能力に比しての薄給を考えて、ほとんどの人はできません。

僕もできないのですからそれを他者に対して強要したり責めたりするつもりは毛頭ありません。

結論として、何が言いたいかというと、今できることしかできないわけで、それが休業であればそれも仕事なのだと思います。

前線で活発に動くことが可能な人がどれほどいるのかわかりませんが、それはCOVID-19対策に限らないと思います。全く関係なく自死の危険性が高い人やCOVID-19で不安や怒りを感じているクライエントさんを多く見ている心理職も多いと思います。そういった人たちに真剣に対峙するのも今回のCOVID-19に関する対処対応策です。

公認心理師が国家資格となった事で、この状況下でも心理職の求人は増えていると実感しています。どの現場でも心理職がCOVID-19と無関係な領域はないのですから、積極的に心理職の方々は高いレベルの求人に応募して欲しいなと思っています。

今回がっくりとしている次回受験者の方々にすぐに気持ちを切り替えて、という意図は毛頭ありません。受験者も心がある人間ですから。全国民の気持ちはこの感染症と連動しています。さまざまな対策の試みるもだんだん報じられるようになりました。その実効性はわからないのですが、それでも希望に向かっていきたいと思っています。

「二択にならない世界にすればいい」

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◯ 国境なき医師団の臨床心理士として働く

国境なき医師団はパレスチナ、レバノン、イラク等中東、アフリカ、アジアの戦乱地域でも活動している医療職の団体です。紛争地域での活動のみでなく東日本大震災でも多くの臨床心理士のメンバーが医療・人道的支援を行いました。

医師、歯科医師、薬剤師、看護師、放射線技師等あらゆる医療職を募集していて、その中に「精神科医・臨床心理士」というくくりでの募集を行っています。

臨床心理士資格、大学院卒等の資格必須の上に、積極的に自らの仕事をコーディネートして現地スタッフとも協力しながらリーダーシップを取り、被支援者のメンタルケアに当たることを求められています。

場合によっては精神科医を含むチームのリーダーになる事もあります。考えてやって来る患者さんの心理面接をしますよ、という待ち受けの姿勢ではなく、メンタルに関するコーディネーション全般をすることになるわけです。

どこにニーズがあるか、そしてそのためのシステムをどうやって構築するか、物資も人材もないない尽くしの海外では職種ヒエラルキーよりも積極的に打って出る企画力や実行力、多くの成果を上げることが期待されています。

国境なき医師団では海外(日本からの派遣人員も含めて)現地入りするスタッフは2〜3割、ほか現地のメンバーを含めて協同する事を求められています。

まさにサイコロジカルファーストエイドの第一線で活躍できる、全世界的でグローバルな職域が経験できる仕事です。ただし、国境なき医師団は当初フランスで設立され、そして今でもアフリカ諸国ではフランス語が公用語の地域は多いです。

したがって英語、フランス語は最低限度できる事が期待されます。応募書類も英語です。他、スペイン語、中国語が必要な地域もあります。

と書いてありますが、語学能力は必要ではあるものの、通訳を通してのカウンセリングもあり得ると記載されています。実際そのような運用がされているのでしょう。

トラウマケアを必要とされる地域は英仏語圏に限らず、アラビア語圏に派遣され、さあ翌日からアラビア語でのカウンセリングをやってね!

と言われてもそれはほとんどの日本人にとっては無理な事です。と言えば英文履歴書を書く事や英語で話すトレーニングを受けていない心理士も多いと思いますが、僕個人としては「無理やりやる」と外国語はなんとかなるような気がしているのです。能力がある人、適性がある人、熱意のある人はぜひ応募して欲しいと思います。

被災・紛争地域での心理職に求められる能力はトラウマケアカウンセリングです。国境なき医師団の活動は常に紛争地域や災害地域に常駐することではなく、その地域住民が行政、国家施策によって自活できることがベターだと僕は理解しています。

したがって、トラウマケアを全部精神科医・臨床心理士が行ってその場で解決するのではなく、自助グループ組織の構成を一つのゴールに見据える視点も必要でしょう。そのため短期間でシステムを構築する視点が必要です。

立ち去った後にハネムーンが過ぎ去るような活動ではならない、団体が去った後も活動して欲しいと思うわけです。ただし、どこの派遣地域でも子どもへのトラウマケアは重視されています。PTSDの臨床経験も歓迎されます。

こういった厳しい面だけ書くと(実際活動内容、能力、資質、語学力は求められると思いますが)自分にはできないからやめておこう、と思いがちですが、派遣された臨床心理士はきちんと本務のカウンセリング業務を主として行っています。

カウンセリングルームに来る来談者へと個別、グループカウンセリングを行います。紛争地域や災害地域でのカウンセリングは多忙を極めていますが、派遣された臨床心理士の手記を読むと、自分の休息を大切にするという事が大事だと書いてあります。

派遣期間は6カ月〜1年程度らしいです。仕事を退職するか休職する覚悟がないといけないです。

給与は医師でもその他スタッフでと月額10〜15万円と格安のように思えますが、前線地域で人の生き死ににメンタルヘルスの知識や経験、そして高いコミュニケーション能力を生かし、さらに鍛えられるという経験はほかではできないことでしょう。

実利的なところだけで言えば、心理職だけでなく様々な自治体で例えば創造枠ということで海外青年協力隊経験者を優遇して採用しています。

自治体だけでなく、自分で様々な資源を探してそれらを構築してメンタルヘルス体制を作り上げていくことは、どの領域の心理職にとっても大切なことです。

上記のように心理職は立ち去る時を見据えて原地スタッフとも連携連携また連携の毎日を送ることでしょう。そしてスタッフの体験談を読むと、臨床心理士が立ち去った後も紛争の連続や災害余波は続いていく、そこでどのように活動のピリオドを一旦打つのかが難しそうです。

投薬だけならばそのまま治療方針継続ですが、個人療法の名人芸は引き継ぎができないからです。

アフガンで銃死した中村哲先生は齢73歳でした。中村先生は名誉を求めてアフガンに行ったわけではありません。

国境なき医師団活動を見ていると心理職の活躍の場はかなり多いような気がします。

多分随時募集ではないかと思います。やる気がある方はぜひ、という印象を持ちました。

※ 国家なき医師団MSF関係者の方、誤記あれば訂正します。

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