第5回公認心理師試験難易度・合格率予想
第5回の公認心理師試験得点調整は「問題の難易度で調整」ではなく、合格者数、合格率を勘案して「6割程度」として 143 点、62.1 パーセントに合格点のハードルを上げたのではないかと個人的には思っています。
したがって第 5 回試験もどれだけの数の合格者を出したいかということで得点調整が行われるものと考えてもいいかと思っています。
第3回、第4回試験はほぼほぼ G ルート合格率が全体合格率に大きく影響を与えました。
多分第5回も同じような傾向になる、というのは Gルートにとって最後の第5回試験においても同じようなことが言えるでしょう。
本年度の最終現任者講習受講者は2万6千人〜2万7千人と言われています。この中のほとんどが受験をするだろうと僕は考えています。現任者講習を受講した層は「あ、○○さんが公認心理師資格を取った。自分にも受験資格がある、それじゃあ受験をしてみよう」という人たちが多いのかな?と思っています。
そして再受験者もかなりの数の人たちが最終チャンスということで受験する、そうすると何となくの予想ですが3万数千人以上が第5回の受験者数になるものではないかと思われます。ひょっとしたら4万人前後かもしれません。
この試験は言語聴覚士の合格率とよく似ていると例えられます。多分第6回、心理院新卒者が中心となる試験の合格率はこれまで同様に 6割〜8割程度になるのかなあとこれも僕の予想です。
大学院新卒者は難しいと言われてい第2回の試験でも6割程度、その後は8割の合格率なのですから、6年間心理学・臨床心理学教育を受けたということは相当なアドバンテージです。「統計はわからないから捨てた」という人はあまりいない(のではないか)と思います。心理専修者ほど実験法や基礎心理学など、一見解答が困難そうな捨て問は少なくなっています。
合格率は受験者の層、質と問題の難易度、そして当局がどの程度の数の公認心理師を輩出させたいかにかかっていると思います。他職種Gルートの人たちが資格を取得したとしても心理職として働くのではない、ということは試験実施側もわかっていることでしょう。
Gルートの人たちの中にも心理職はいて、学卒者や科目読み替え不可だった人たちで、割と年配の人(失礼)が多いと思うのですが、何しろ心理職なので心理テストには日常から通暁しているし、これまでの試験で多分ほとんど合格してしまったものと思われます(予想)。
Dルートの人たちもそういった人たちが多く、Dルートの人たちは再受験者やコロナの流行等で移動できず受験できなかった人たちなので、全体受験者の中では少数派です。ということで心理職の人たちはだいたい資格を取り切ってしまったと考えると、第5回試験は新卒者の人たちをターゲットとして、新卒者が合格しやすいような最新の知識や、心理の実習で得た知識や心理センスを問われる出題になりそうです。
そういう意味では心理テストも今までどおり多く出題されると思います。
さて、受験者の質、層はどんなものなのでしょうか。前に不合格だったので石にかじりついてでも合格できるように努力した人々で合格の栄冠を手に入れる人たちもいるでしょう。
悲しいかな不合格だった人は次も不合格になる可能性はどんな試験でも同じです。そして全くの新受験者はどうでしょうか。優秀な人もいれば記念受験組もいるかもしれません。
次に「難易度に依存する」と書いたのですが、心理職以外の人たちにとっては臨床心理心理学的センスというものは実に難しいものです。心理職の人たちもよくわかっているのですが、心理職もひごろ実践している現実的介入や環境調整といったことはこの試験の正答としては求められていません。また、クライエントさん、患者さんの思考方法を変革させるような大きな動きをするということもしませんが、結構これは他職種の人にとっては難しい発想のようです。
前回の試験では過去問を解いてあると有利だったことから、次回の試験も過去問の選択肢(たとえ正答でなくても)全部の選択肢の用語を調べておくことは有効です。僕は第1回試験受験者なのですが、これだけデータが集積しているとやはり過去問は大切と思います。
そして難易度ですが、試験委員が大幅に入れ替わったことで試験難易度は上がるという予測もあります。しかしながらあまりにも出題傾向を大幅に変えてしまうと試験としての同一性が損なわれてしまいます。とは言え僕の私見ですが、第2回、第3回の試験はかなり傾向に特色があったように思えました。
なにしろブループリントの小項目(単語) から出さず、臨床心理学的な用語や心身医学や関係法規に関する事柄ならば何を出題しても自由な試験です。ブループリント用語や過去問を網羅しつつ関係ありそうな知識を覚えていかなければならないという厳しさがあります。
さて、第5回試験はさまざまな要因が複雑に絡まり合って、難易度や合格率がどのようになるのかという意味では予測は困難なものになりそうです。
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_
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