ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:合格

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○ 公認心理師試験に不合格になる人の特徴

1.はじめに

本稿は読者の方のコメントに返信する形で書き起こしています。どんな人であっても、試験に合格しさえすれば国家資格を持つ人であれば国が決められたルールにしたがって公認心理師を運用することができるのだから、むしろ受けて合格するのであれば受けてみれば?という論法でのコメントがあったのですが、悲しいかな、この試験は「どんな人」でも受かるような試験ではありません。それなりの高い質的なベースライン、学力レベルを必要とします。それについて見ていきたいと思います。

2.どうしても受からない人たちの特徴

(1) 院卒でも合格できない人たち

ア そもそも勉強をしない人、できない人
 
こういった人たちは過去問を見てひるむどころか、過去問を見たことすらないかもしれません。さまざまな理由からそういった人たちがいます。メンブレていて、勉強どころではない人、生まれてから一度も(!)勉強するという習慣なしに院試まで合格して修論も教授から手取り足取り教えてもらって書き上げる人です。

悲しいかな、臨床心理士試験のころからそうでしたが、徹底して勉強ができない人、学部のころにFランあるいはBF大学(定員割れ偏差値が出ないボーダーフリー大学)で何も勉強しなかった、という人たちです。こういう人でも勉強を気を取り直してやってくれればいいのですが、何しろ一人で勉強するということができません。

予備校も今はオンラインです。お金を出したからといって、待っていれば自然にひな鳥が口を開けていればエサをくれるように知識が入ってくるわけではありません。自分で主体的に心理学というものにかかわって意欲的に学ぶという姿勢が必要です。

2回受験してダメ、3回受けてもダメ、という人が第4回の試験で受かる可能性はあるかもしれません。ゆっくりと勉強する気になってだんだんと知識を身につけていわば「偶然に近い形」で合格する場合もあるかもしれませんが、結構確率は低いものだと思います。

イ 自己愛が強すぎる人で勉強していない人

まず、勉強していないということが前提です。自己愛を満たすために勉強して合格するのならば問題はなにも(資格取得という意味では)ありません。このタイプの人は落ちたことを自分で認められません。不合格になってしまったことを真正面から認めると自己愛が傷ついてしまうからです。

ですので、前日にとても忙しく働いていて、ふらふらになって試験を受けたり、体調が絶不調になるタイミングに試験に合わせたりします。(それが真実かどうかはともかく)内心ではノー勉や僅少な勉強量で不安で不安でしょうがないのですが「自分は実力がある」と周囲に吹聴している、またはそういう態度を示しているので、実力が出なかったということを自分で周囲に示せません。持ち前の自分の実力を信じるという大きな力がありますので、傷つきにくい人もいるかもしれません。少なくとも周囲にはそのように見せられます。

(2)Gルート他職種だけど他職種すぎる人

確かにヒーラーで公認心理師試験を受験するというTwitterの書き込みを見たことがあります。今回、心理臨床学会でも病院の事務員が資格を取ってしまったという例を某大学教授からも聞いて驚いたのですが(受かったというのは都市伝説と信じたい)、心理系大学院を卒業してもなかなか合格できない試験だけあって、多忙で普段から心理と無関係、学習をするということが不必要な仕事をしていた場合、やはりゼロからの心理の勉強を始めるわけですから、半年ぐらいの勉強では難しい、いや、ムリだと思います。さらに1年間勉強してもごく一部の例外を除いてまあ無理だと思います。

したがってコメントをくれた人が危惧しているような、あまりにも職種が違う人が合格できる可能性はきわめて低いと思います。怪しげな開業をしている「なんとか臨床心理傾聴重視カウンセラー」みたいな開業をしているこういう人たちは公認心理師の資格はなによりも喉から手が出るほど欲しいものかもしれませんが、実力のあまりのなさに取得できない人たちがほとんどではないかと思いますが、危惧は杞憂に終わるのではないかと思います。

3.終わりに

この記事を書いた目的は、これまで頑張って勉強してきた人たち、きちんと合格点が取れるように勉強を行ってきた人にとってはこの試験の「競争率」は恐れるに足らず、ということです。

元々この試験は合格点が取れていれば合格で、競争率には意味がないのです。あるのは自分自身と試験問題だけです。

見かけ上の倍率が高かった、合格率が低い試験だとしてもこういった事情から到底合格できないような人が倍率を押し上げていることもあるでしょう。「受からない人たち」を考えてみるとそこにはその理由があり「合格する人」にもその理由があることを考えると、この試験の困難さを乗り越えていける人たちは、自分で思っているよりもその実力は高いのではないでしょうか。

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○ 「不合格でもいい」開き直りが合格を導く公認心理師試験

1.序

さて、公認心理師試験も余すところ3週間を切って20日間となりました。元々メンブレやすい心理職のみなさん、そして他職種から参戦するGルートのみなさんもこの試験の困難さにメンブレて戦々恐々として試験までを過ごしているかもしれません。ですがそれは当たり前のことです。

2.実情

⑴ 新卒のみなさん

新卒の人々は前回合格率8割を超えました。多分今年も高い水準での合格率が出てくるものと思います。

「忘れている」つもりでも学部のころから基礎心理学を叩き込まれ、「うちは試験勉強は面倒みないから自分でやってね」という大学院は実に多いもので、手取り足取り教えてくれる大学院はかなり僅少です。

しかも臨床心理士とダブルライセンス狙いの人たちが多く、公認には出ない投影法解釈や精神分析をやらなくてはなりません。

しかしながら臨床の試験は例年と同じ6割程度の合格率、公認と重なったからといって双方干渉し合って合格率が下がったわけではありません。

大学院では確かにリンシ、公認の勉強を叩き込まれたわけではないのですが「勉強のやり方」は徹底して身につけたはずなので両試験、これまである程度真面目にやっていれば恐れるに足らずです。

⑵ 心理専攻者

この人たちは再チャレンジ組も多いでしょう。石にかじりついてでも受からなければならないという多大なプレッシャーの下に受験に臨むはずです。しかし待ってください。D1、D2ルートの人は一生受験資格があるのです。

臨床心理士を取得している人がかなりの割合でいると思います。つまり心理に関する勉強のコツは心得ているはずです。リンシも受験資格者が3回、4回と落ちまくって最後に合格した人々は実は結構います。

一度資格試験に不合格だと「落ち癖」がついて不合格になりやすいのは本当のことですが、こういった多数回不合格の人→合格した人と話しているとその共通点は「楽観的」なことです。

まあ別に落ちても心理職の仕事(無資格でもできる仕事は公務員をはじめとしていろいろあります。)をクビになるわけでもありません。

臨床心理士が雇用条件になっている職場が多いので、リンシを持っていれば別にクビになることもないのです。プレッシャーも多いかも知れませんが、職務があまりにも多忙で勉強の時間が取れなかったのは職場の責任であなたの責任ではありません。

⑶ Gルート受験者のみなさん

Gルートの受験者がきっと今年も来年度も多いと思いますが、試験を受けるGルートの人たちはそれだけで「選ばれし人々」です。

受験しないで諦めて脱落していく人たちがいかに多いことか。毎年1万人程度のGルート受験者がいますが、現任者講習会の受講者も毎年1万人程度います。

つまり滞留しているはずのGルート不合格者、または現任者講習会受講者が「戦う前に諦めてしまっている」人たちが多いわけです。

高い現任者講習代金を支払ったとしても①なんだかわからないけど記念受験の人②職場のプレッシャーで受けざるを得なかった人たち③受けてはみたものの、到底合格点には届かないだろうと諦めた人④現任者講習でもう無理だと悟った人たち

などなどさまざまな理由で脱落していった人々は多いはずです。前回第3回試験で50パーセントというのは非常に高い合格率と思いました。Gルートの人たちの中でも心理職の方々がいます。

そういう人たちはだいたい第1回の試験で公認心理師の資格を取得していたようです。となるとこれから受験するのは他職種の人たちが多いわけですけれども、かなり頑張ってこの道のりをたどってきた、それは間違いないでしょう。

3.結語

Gルートの人たちはかなり固い決意を持って、心理学の基礎から学んでいる人たちが多く、それが教科教員や栄養指導をしていた栄養士など、心理専修者から距離が遠くなればなるほど勉強は大変だったと思います。この試験に必要な教育心理学は教採の教育心理学とは多少なりとも異なっているはずです。

医学問題が出るからといって、医師、看護師が産業分野、教育、福祉制度、司法分野に詳しいわけでは全くないわけですし、多忙な医療従事者は勉強の時間を作るだけでかなり苦労をしたと思います。

Gルートはあと一回受験のチャンスがあります。たとえ記念受験的な受験になってしまったとしても「まあ受けてみればいいじゃない?」という開き直りもどのルートにかかわらず大切だと思います。

問題を開いた瞬間にわけのやからない、聞いたこともなく、過去問をやり込んでいたとしても歯が立つとは思えない問題がずらっと並んでいるのがこの試験の特色です。

たとえそういった問題が多くても

❌「○○では決してない」「〜の可能性は低いですよと伝える」「(査定の前に)まず診断をする」

⭕️「まず話を聞いてみる」何か心理の領域を超えていそうだったらまずは医師の受診を勧める、などなと手がかりはたくさんあります。

知識問題でもよく読み込んでいけば正解に至ることもありますし、知っている誤答を除くと正答に至ることもあります。

しかしながらこれは気持ちが落ち着いていればこそできる技です。

わけがわからない問題に接して慌てて「正しいものを選べ」と「誤っているものを選べ」をまちかえたら、知っているはずの問題を落としてしまうこともあります。

この試験に落ちても人生終わるわけではない、という開き直りが落ち着いた態度となり合格を導く場合がある、と現在進行形でメンブレている人たちには伝えておきたいのです。

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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
今という
去りゆく光に
こころを馳せる


○ 公認心理師試験合格イメトレ

1.序

公認心理師試験、とても不安に駆られている受験生は多いと思います。睡眠、家庭サービス、自由時間を削っての勉強は確かに苦しいです。

僕のブログもだんだん辛口になって来るのですが、合格した先に得られる素晴らしいものをイメージして、そしてそのために耐えければならない大きな試練を乗り越えて欲しいと思います。

2.合格イメージ

⑴ 新卒採用試験

(A病院)

院長:おめでとう。今までは非常勤研修生だったけど国家試験に合格できて良かった。これからは常勤職員だ。うちの病院では初めて公認心理師を雇えるよ。いろんな意味で患者さんの信頼も篤くなる。

B美さん:ありがとうございます。臨床心理士試験不合格だった時はもうどうしようってメンタルダウンしたんですけど、それから必死に気を取り直して頑張って。ほかのバイトも遊びたいのも必死で我慢して彼氏にも我慢してもらってデートもせずに勉強漬けの毎日毎日。親や先輩、SVも教授もすごく喜んでくれた。本当によかったです。

⑵ 既卒臨床心理士

Cクリニック院長:うちのクリニックの心理室でね、D奈さん、心理室長でしょ。だけど第1回、第2回って不合格だったからすごく焦っちゃってね。後輩のE彦君に室長交代させようかとすごく悩んだんだよね。本当に良かった。

D奈:ええ、E彦君からも「『D奈先輩、今回は絶対頑張ってね』って言われて、第1回は何にも勉強しなかったから不合格で、2回目はちょこちょこやってたけど3点差で不合格。3回目は毎朝4時起きで勉強。子どもの幼稚園の送り迎えや土日は図書館行って集中して勉強して。

子どもからは「ママずっといない。いなくなっちゃった」って言われてもこの1年間は猛勉強した甲斐がありました。

⑶ Gルート養護教諭F香さん

F香さん:私のやってることってかなり公認心理師に似てるなって思って。虐待への対応とか司法に子どもをつなぐとか。子どもの発達も知らなくちゃならないし。

スクールカウンセラーH郎:いや、先生すごく子どもたちの相談に親身に乗ってて、看護師資格も持ってるから医学知識もばっちりだから行けると思ったんですよ。

F香さん:ありがとう。でも私の知識なんかもう全然古くてダメね。H郎先生からこれ読んで模試受けて過去問徹底的にやってこれ覚えてってもう徹底的にスパルタで教え込まれたから。

H郎:F香先生いつも「もうできない、別にやらなくてもいい!」とか言ってたけど、ほら、来年旦那さんの転勤についてくつもりでこの学校の仕事辞めるって聞いてたから。公認心理師は教員採用の加点になるし。スクールカウンセラーに応募してもいいし。可能性広がるでしょ。

F香さん:H郎先生に無茶振りいつもされてたけど今はすごく安心して○県に行けるわ。

⑷ Gルート児童発達支援管理責任者I太さん

I太:良かったよ。公認心理師取れて。うちみたいな小さな児童福祉施設は福祉加算ないと収入激減するから施設維持できないかと思った。だからここの事務終わった後夜10時まで勉強した。J乃さんもありがとう。

生活指導員J乃さん:私も無資格だけどI太さんに厳しくビシビシやらされてもう泣き入れて。

I太:子どもたちJ乃さんにすごくなついていたからね。ここ閉鎖したら行く場所なくなっちゃうから、心配だったんだよ

⑸ 精神科看護師(保健師有資格者)K花さん

K花:これで安心して転職できる。L自動車から保健師の募集あったけど、あそこの社長と産業医のM先生が厳しくてね、どうしても公認心理師資格ないと採用しないって。

N 織:ホントK花頑張ってたよね。夜勤明けもすぐ帰らないで半日はうちの事務所の隅っこで勉強して。心理のO斗君にずいぶん聞きまくってたもんね。

K花:うちの母の介護もあるからね、もう命がけ。仕事やめたら収入なくなっちゃうし。そしたら子どもたち上の学校行かせられなくなっちゃうから。

3.総括

いかがでしょうか。「受かったらいいことがある」というプラスイメージは十分いいイメージトレーニングになります。「だから頑張ろう。」というのは十分な動機付けです。

実際、臨床心理士受験でも有名な大学院を卒業してサクサク合格してしまった知人も去年いました。その人はかなり厳しい院の課題をいつもやりこなしていました。公認心理師資格を生かして責任のある役職をこなしています。

しかし「落ちたらこうなってしまうよ」というネガティブイメージによる危機感も大切です。

脳神経系解剖学、神経心理学、公認心理師法、統計(は現任者テキストからしか出ない)、心理テスト(乳幼児、発達障害、認知症)裁判員制度、ストレスチェック、ハーグ条約、医療法、労働者の心の健康の保持増進のための指針、入院類型、労働3法、THP、ぐ犯少年(ぐはん性、ぐ犯事由)

上記の言葉を聞くと頭を痛めてしまう人にはぜひ苦手分野をやりこなして欲しいと思います。この期に及んで以前からやっているボランティア活動に相変わらず熱中している人は試験が終わるまではやめてください。

恋人とのデートをしている人もやめてください。この試験の難しさと必要な時間を説明してもわかってくれない人はあなた思いの人ではありません。

非常に厳しい事を言っているのはわかっています。1分間、何気なく勉強した知識が1点につながることもあります。「この中から正解を2つ選べ」は正答率ががくんと落ちてしまいます。それでもきちんと勉強していれば確実に正解できます。

今が正念場です。今とても苦労していても合格できた暁には日本初の心理国家資格を取得できるのです。

※ アナウンス

従来の「公認心理師試験」カテゴリを
公認心理師試験対策

公認心理師試験制度 に分割しました。

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◯ 公認心理師試験Gルート受験者合格のための3つの法則

公認心理師試験Gルート、特に臨床心理士を取得していなかった方々には強味と弱み、両方があります。

それらを理解して約5カ月の間、効率よく勉強していけば合格を入手できる可能性が高まります。

1.基礎心理学・社会心理学・臨床心理学暗記科目はみっちりとやること

Gルート受験者の方は臨床心理士非保持者他職種(教員、看護師、言語聴覚士、作業療法士、精神保健福祉士、社会福祉士etc)からの参入+臨床心理士か読み替え不可能な大学・大学院卒の方々で構成されています。

他職種の方々は面食らうような問題ばかりで特に第2回試験過去問を見て困難だと感じたでしょう。

この試験は他職種の方々は他資格を取った時のことをよーく思い出して欲しいのですが、試験に通れば一人前で一人立ちしてやっていける実力を身につけるための試験ではありません。

むしろ試験点数を1点1点積み重ねて取るための試験なので、1点問題の知識問題は118問、事例問題38問×3=114点、「じゃ、事例問題を長年のプロのセンスで解き切ればいいじゃない?」と思いがちですが、それは間違っています。

とある予備校の統計によれば第2回試験は知識問題よりも事例問題が足を引っ張って受験者の点数を引き下げていた、事例問題の正答率は知識問題よりも低かったと言われていますが、これには僕も納得です。

ですから他職種からの受験者、そして臨床心理士でも科目読み替え不能だった人や現任者ともならない、臨床経験値長い人は正答率が低く出る事例問題よりも知識問題の1点の積み重ねを重視しするべきだと思います。

センスがよくて114点事例問題満点、知識問題118点は偶然四択で正解できれば30点、144点、合格かな?ということは絶対あり得ません。

何しろ事例問題が難しいですし、事例問題や地雷問題には知識なしで国語力オンリーで絶対の解を求めるのは難しいです。事例問題も高度な知識を要しています。心理学基礎知識を身につけましょう。

ここでGルート受験者の強味は、「ほぼ初学者なので」「知識が古いか何らかの理由で欠けているところがある」のでイチから初心で勉強できることです。

ヴントから始まる心理学史、ガレノスやクレッチマーの類型論、性格心理学のビッグ5。

記憶、認知、学習、社会心理学、統計という臨床能力とは関係なさそうな学習領域は踏み絵です。

どれだけ心理学徒として大学院レベルの基礎心理を身につけているかを問うているので、知識問題で6割以上は取れないと総合合格点には届かないことがあり得るのです。

第2回試験では事例問題の中に知識問題を混ぜ込んで「事例問題は国語力を問うものと思ってたのに知らない単語ばかり。ナニソレ?」状態だった人が多かったと聞きます。

そう考えたら小手先だけのテクニックで事例問題を解き切ることを考えるのではなく、心理学1年生として基礎心理学を徹底的に学ぶという白紙の状態(タブラ・ラサ)で知識は網羅して学ぶことが有効です。

2.Gルートの弱味とは?経験が邪魔をする。

他職種の方々も経験が長い臨床心理士Gルートの方々も共通して言えることですが、採用面接ならば経験値が高いことはウェルカムです。

ところがこの試験は、特に経験値が高いことが得点を下げる可能性が高いです。

他領域職種の方々も心理職も例えば少しストレッチをしたりウォーキングをするのがメンタル面にもいい影響を与えることを知っています。

また、現実的なケースワークが必要なことも事実です。

これまで試験には出ていない事態を想定します。例えば虚偽性障害(詐病)の場合は心配して慌てている学校や企業の上司に対してすぐ連絡しないとならないのですが、この試験はあくまでも面接室の中で完結するやり方が正解になることが多いので時間をかけて共感するのが正解では?と思うのです。

しかもこれはケースバイケースで、児童虐待やスクールカウンセラーの場合には一刻も早く通報したり、情報共有を組織内で行わなければならないという気まぐれな出題で過去問をやってみて理解に苦しんだ人も多いのではないでしょうか?

チーム学校、チーム医療、守秘義務と安全配慮義務の拮抗をどう解釈するかはセンスの問題というよりも知識問題の可能性が高いです。

各種通達、法律はよく目を通しておきましょう。

自分が置かれてきた現場ルールには縛られず、この試験だけ通用する正答を選んでください。

僕も試験を解いていて「自分だったら必ずこうする」と思ってもそれはひっかけ問題なのでその選択肢は選びません。

マークシート相手にプライドと自己の仕事の姿勢に対する矜恃があるからと自説を主張しても合格が遠のくばかりです。

そして自分の専門分野と思われる部分についてこそ、イチから勉強し直すことが大切です。

持っている知識はもう古くなっていて、あるいはその領域でプロとして活躍しているからこそ感覚と経験で仕事をしている自負があります。

それらを全てさらっと忘れて特に専門分野については初心に帰って勉強し直しましょう。

制度も法律も時間が経てば変わっています。現場感覚で行っていることは公認心理師試験では誤答とされる事が多いアンサーです。

いろいろな事に精通して詳しいのだと思っている人ほど基礎の基礎から学び直すべきではないでしょうか?

3.Gルートの強味

Gルートの強味は心理学の専門家でない方も多い、あるいはブランクがあったり経験が長い方も多いので、知らない事が多い、あるい昔過ぎて忘れている知識が多い。

ということです。

したがって割り切ってしまえば「知らない事だらけだから初心に立ち戻ってやってみよう」

という謙虚になれる人たちが多く、講義を受けに行ったりネットでの情報をうまく活用して知らないことをどんどん勉強して吸収していきます。

確かにそういう人たちが「試験は試験」として多く合格しています。

Gルートの中で合格を勝ちうる人たちを見ていると専門家として過剰に自信を持って臨むのではなく、無知の知として心理学最新分野、基礎心理の基礎、各法律制度や通達はわからないことだらけという自覚を持てる能力がある人たちです。

なんでも目を通して試験のために自分のものとして知識を身につけることが必要かと思えるのです。

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◯ 公認心理師試験勉強のモチベーションを上げる6つのコツ

とかく試験というものはモチベーションと集中力です。

かくいう僕も第2回公認心理師試験を電話受けしながら人と話しながら、途切れ途切れに集中力を欠いて
急いで1時間半で解いてみたところ、散々な結果になりました。

「正答を選ぶ」で誤答を選んでみたりその逆だったりさまざまなミスをしていました。

第2回試験で惜敗した受験生の方も同じ事を話していましたが「知らない単語や学説や人名が出てくるとすごく焦ってケアレスミスばかりしていた」とのことです。

さて、本番試験だけでなく、受験勉強をしている今も「どうせ私はダメ」「僕はダメ」と思っていたら勉強に集中できないでしょう。

1.運のいい人になる

カジノのルーレットで「運がいい」と思っている人、「運が悪い」と思っている人の勝敗の確率は同じです。

ところが投資になるとこの結果は異なるわけで、さまざまな情報や経験から「運がめぐってきたからこれから勝てる」と思うと勝ちやすくなります。

「運が悪いから何をやってもダメ」

よりは「これまで運良く切り抜けられていたから今度も大丈夫」と思って勉強していたら、集中力も増すでしょう。


2.性格特性のビッグ5概念を生かす

心理学ではどんな性格を形容する用語でも5因子理論で説明がだいたいできます。

このビッグ5は

⑴ 開放性Openness

好奇心に富んでいて、初めて行う事柄にも抵抗なく、積極的に取り組みます。

「統計学・・・知らない」

よりも

「わからなくても面白そう、何回も読めばわかる、いざとなったら統計は暗記でなんとかなる」

の方がはるかに前向きです。

⑵ 誠実性Conscientiousness

これは日本語の「誠実」とは少し違うようですが、目的のために忠誠心を持って、自己コントロールをして着実に目標を達成するようにする性格です。

試験について言えば、結果にコミットするために自分に誠実で、スケジュールを自分できちんと組んで勉強していくというやり方はConscientiousnessをもって学ぶということにつながります。

⑶ 外向性Extraversion

外交性はあまり試験と関係なく、黙々と長時間勉強していた方がいいという説もあるかもしれません。

しかし今やどの試験も情報戦です。

国家総合職を受験する人で「チャレンジ!これで必勝」のような威勢のいいタイトルの本を買って勉強していた知人がいましたが「その本、易し目だから過去問やってみたら?」という疑問をぶつけてみたところ「俺はこれでやるからこれでいいの!」

と耳を貸さなかったことがありました。

結果は推して知るべしです。

⑷ 協調性Agreeableness

は一見試験とは関係なさそうですが、そもそも心理職は人と人の間に立つ仕事です。

そのための達成感を持つ、日ごろの生活でそのポテンシャルを発揮したいというのは試験への立派な動機づけです。

⑸ 神経症的傾向Neuroticism

これも高過ぎる神経症的傾向は円滑な日常を阻害します。

激しい感情にいつも翻弄されているよりは安定した性格傾向のほうがより良いだろうというのは想像に難くありません。


3.スモールステップ

試験まで何日あるからどの分野をどの程度やって、点数を上げていくか。

忙しい人でもこれをやっておかないと合格点を取るのは難しくなってしまいます。

合格者、不合格者の明暗を分けたのはとにかく持っている心理学の知識量で、運不運だけで鉛筆を転がして正答を選ぶ試験ではありませんでした。

この分野のこの単元までやる、時間がなければぎゅっと濃縮してでもやり抜く、不得意分野、未知の分野はとにかくやることです。


4.釣り人になる

釣り人はせっかちです。

うろうろと動き回ってあっちの仕掛け、こっちの場所で違う仕掛けを使うと釣れるのではないかと工夫を重ねます。

僕の場合は法案成立と同時ぐらいに過去10年分の臨床心理士試験を解いてみましたが、あまり役立ちませんでした。

公認心理師試験は臨床心理士試験とは違った独自のものなのでそこを見誤らないことも大切だと思います。

5.受かったら「いいこと」は何なのかを見つける

落ちたデメリットを考えるよりは合格していいことは何なのか探した方がはるかに生産的です。

よくわからなければ自分で作ってみます。

「今は試験勉強だから我慢しなければならない、でも受かったらあれもこれもやりたい、そうだ、自分へのご褒美として◯◯や△△をやってみよう!」

これは自分で自分をいたわるという目標を作るための何よりのモチベーションUP術です。

家族にその余裕がある人だったら、パートナーにもご褒美をおねだりしてもいいかもしれません。


6.勉強へのモチベーションを阻害しているものは何か考える。

まず阻害要因は何なのかじっと考えてみます。

それは大変な仕事量や家事、神経をイラつかせる職場環境、自分自身の中にある自信のなさかもしれません。

それらを決して嫌いにならないでください。

むしろその阻害要因を観察してみて、統制できるものかどうか眺めて、できれば好きになる。

そうすると阻害要因は味方にもなるものです。


※ 以上、戯言のようですが心理職の方々とたくさん話して教えてもらったものが多いのでいろんな学説が混じっていると思います。

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