ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:司法

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◯ 臨床心理士が娘への準強制性交事件で父親の発言を覆す・心理職、公認心理師が司法で求められる役割とは?

以前から話題になっていた名古屋地方裁判所岡崎支部、中2の娘への5年間にわたって実父が強制性交を求めた事件に一審が無罪判決を出した事に憤りを感じた方々も多かったでしょう。

この控訴審において臨床心理士が、精神鑑定を行った上で「娘が抵抗するのは不可能」ということを指摘していました。

知人の児童福祉司はこういった事件は嫌というほど見ていてもどうにもできない場合が多いことを嘆いていました。

こういった事案は実は非親告罪で被害者の申告がなくとも捜査を開始することができます。

ところが密室で起きた事件は誰にもわからない、証言の信憑性もわからないという高いハードルが第一にあります。

ただ、このような事案について一審は性行為があった事実認定をしていて、娘さんが望んでいなかったことを認めたのですから有罪判決が出てもおかしくない、と思っても「抵抗できないほどの精神状態に陥っていたとは判断できない」として実父に無罪判決を出しました。

司法によって二次的精神的外傷を美羽さん(仮名)が与えられたことになります。

「その気になれば抵抗できたでしょ?してないから合意じゃないの?」というのが裁判官側の言い分で、到底承服できるものではありませんでした。

心理職がこういった被害を受ける女性にかかわっていられれば、苦境から助け出せた場面は多々あったかもしれません。

しかし声なき声にどの機関の心理職も彼女を救い出す事はできませんでした。

虐待による心理的コントロールは激しく被害者を傷つけます。

そして人を支配するのに最も効果的な手段は「恐怖」で、恐怖は全ての人間の感情を超えて人心をコントロールすることができるのです。

美羽さんは自分の母親からも見捨てられ、もし実父を告発して犯罪者にしてしまったら弟が犯罪者の息子になってしまう、また自分が通学していた学校の学費を差し止められてしまうというおそれから通報をためらいました。

この事件で特徴的なのは実母が美羽さんの事案を知っていたにもかかわらず、なんらの措置もしなかったという事です。

これを聞くと「けしからん、母親も同罪だ」と思う方もいらっしゃるでしょう。

確かにその通りかもしれません。

ところが虐待の現場で仕事をしていた心理職はこういった話を聞く事が多いです。

母親は手に職があるわけでもなく、父親から見捨てられたら自分の行き場もなくなってしまう、そう考えると娘を差し出すしかないと思ってしまいます。

この事案の場合には生活保護を受給していたので「なんだ、それじゃ母親は子どもたちを連れて逃げればよかったじゃないか」とも考えがちです。

実際のところ、母親も父親に恐怖でコントロールされている事が多く、DVの果てしない連鎖の中では固まって動けなかったのかもしれません。

心理職は人を助けること、ヒューマニズムを徹底して教育の中で叩き込まれます。

しかし訴えがないと拾い上げることまではできないのが心理職の宿命で、美羽さんの精神鑑定をした臨床心理士は立派だと思う反面、何か起きてからでないと動けない現在の児童福祉体制に疑問も感じています。

今回の事件の生物-心理-社会モデルの中で一番変わらなければならないのが「社会」でした。

決して美羽さんのような被害者を見捨てない、見放さない、被害者を必ず救うという社会システムの原理がなければ誰もが申告はしないでしょう。

美羽さんのような被害者は続出していくだろうと思います。

心理職は犯罪の抑止、防止についてあまりにも無力で、事件発生までは何もできません。

悔しい思いをしながらも心理職が何とか、かかわれるのは

1.児童相談所
緊急電話189

2.市区町村役場
 子ども福祉課等の児童福祉

3.警察署
心理警察官のような被害者支援専門


4.スクールカウンセラー

5.非心理ですがNPO、相談機関として

http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/consult.html

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(内閣府)

※ 身体・精神・法律の立場からの総合的支援を行います。

6. 警察庁
性犯罪・性暴力被害者のためのワン
ストップ支援センター

※ 医療、心理カウンセリング、身体、
 法的支援

(無料でカウンセリングも可能です。)

◯ 性犯罪被害者が無料でカウンセリングを受けられる事はあまり広く知られていないです。

7.今後

PTSD患者さんが幅広く保険診療の対象となる可能性

中央社会保険医療協議会での審議をこれからきちんと行う必要がある。

との事です。

この事件で控訴審で堂々と鑑定結果の意見を述べた臨床心理士に敬服を抱くとともに、食い止めることが不可能なこういった事案に遭遇した際には、心理職が全力で被害者支援に当たって欲しいと思います。

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◯ 伊藤詩織さん裁判・性暴力被害に思う(心理職(公認心理師・臨床心理士)が出来る事

伊藤詩織さんが性暴力被害に遭い、民事裁判を提起、330万円の賠償金を勝ち取りました。

この事件を見て「あれ?」と思った人も多いと思います。

この犯罪行為は刑事裁判ならば5年以上の有機懲役です。

5年以上の有機懲役というと「短い」と感じる人もいるかもしれませんが、刑事裁判では5年以上の求刑は決して軽いものではなく、執行猶予がつかないので必ず実刑判決になり、地位のある人は社会的に抹殺されます。

判例では(最判昭和33年6月6日)「その暴行または脅迫の行為は,単にそれのみを取り上げて観察すれば右の程度に は達しないと認められるようなものであっても,その相手方の年令,性別,素行,経歴 等やそれがなされた時間,場所の四囲の環境その他具体的事情の如何と相伴つて,相手 方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきで ある。」

とあるのですから、刑事裁判となってもおかしくはないのではないか?

と思います。

なぜこの事案が刑事裁判ですぐに裁かれなかったかというと、それだけ密室で起こる性被害は犯罪にはなりにくいという事情があります。

そして伊藤さんの場合にも刑事裁判は一旦不起訴となった後、検察審査会に申立て、検察審査会でも不起訴が決定しました。

日本の刑事裁判は判例があっても性被害に対してゆるいのです。

伊藤さんはPTSD様のフラッシュバックを頻繁に起こす、これは性被害に遭った人には当然ありうることと言えます。

伊藤さんはジャーナリストとして活躍しているわけですから、公開の法廷で自分の身元を明らかにしながら裁判を起こせば当然に顔も実名も明らかになります。

伊藤さんは「強い人ですね」と言われても「私は強くなんかない」ときっぱり言明しています。

彼女は民事裁判を提訴してよかったと述べていますが、それによって自らが被害者であることを強く再認識できた、加害者の加害行為を認めることができたからでしょう。

性犯罪加害者更生プログラムについても僕は当ブログで述べて来ました。

加害者に対する加害者向けのプログラムがあります。

被害者側について考えてみます。

PTSDを軽くする要因として心理学的に知られているのは、加害者の処罰、加害者が社会的な信用を失墜する事です。

加害者の更生と社会を犯罪から防衛すること、社会の処罰感情を納得させる事、これらはいつも矛盾を孕んでいて、心理職として双方の立ち位置を全く矛盾なしにはっきりとさせることは困難です。

犯罪者更生のために必死に働く心理職は加害者への共感や理解を示さないと当該出所者の更生は難しくなります。

そして長期受刑犯罪者というスティグマ(烙印)はなお困難さを伴うことになります。

そして伊藤さんのような被害者には、本人が希望すれば心的被害を軽快させるためのあらゆる精神医学的・心理学的支援を受けられるようにするべきだと考えます。

東京医科歯科大学には難治性疾患研究所があり、精神科医小西聖子教授(現武蔵野大学教授)は長年被害者支援にかかわって来ており、PTSD研究に携わっていました。

そしてこの難治性疾患研究所は一方で犯罪者という存在をやはり難治性疾患として扱って来ていました。

双方の治療は実は矛盾していない、加害者臨床をしっかりと行う事によってトラウマを負う被害者を減らすことができるというのが心理職が持たなければならない認識ではないかと思います。

伊藤さんが語っているように、日本の裁判制度には闇、ブラックボックスの部分が多く、たとえ不起訴処分となったとしてもその理由の開示は刑事訴訟法47条により被疑者プライバシーを守るため原則不開示という決まりがあります。

ただし、時間の経過とともにこの刑訴法47条には相当な批判が集中したことから、法務省もだんだん開示の方向に動いて来ています。

日本のPTSD患者さんは相当な数がいると思います。

それは都会、郊外かかかわらずです。

それにもかかわらずPTSDを専門的に診ることができる医療機関は都市部に限られていて、その数はきわめて限られています。

そしてEMDR、持続エクスポージャー法、ソマティック・エクスペリエンス等のトラウマに特化したカウンセリングができる心理職もかなり限られていて、開業であればクライエントさんが相当な金銭的負担をしなければならないことも多いです。

被害者ケアと加害者の更生と双方の役割を期待されている心理職ですが、これを矛盾と受け止めるのではなく、目の前に迫っている課題、そしてクライエント、当事者双方に真摯に向き合うことでしか自らの職務を全うできないのではないかと考えています。

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◯ 警察庁は本格公認心理師シフト-臨床心理士は採用せず

警察庁のホームページには公認心理師制度が大きく紹介されています。

https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/whitepaper/w-2019/html/gaiyou/part2/s2_3t01.html

混同されやすいのですが、警察庁は各都道府県に置かれる警察本部を管轄し、警視庁は東京都内の警察署を管轄しています。

ざっと見てみましたが、警察庁管轄下警察本部全体で心理職警察官を採用するに当たっては全て公認心理師を要件としている場合が多いようです。

広島県警青少年育成官、兵庫県警も公認心理師のみが心理相談員の採用対象になっています。

北海道心理専門官(主任)もそうでした。(リンク切れ。以下リンク切れは貼りません。)

福井県警では公認心理師資格取得は昇任試験の加点対象です。

http://www.pref.fukui.jp/kenkei/kemubu/keimuk/khpg/ichiran/knrei/keimu/kn1214.pdf

警察庁も厚生労働省と同様の中央官庁なので、その地方部局に当たる各都道府県警察本部も右へならえということでしょうか。

思えばこれは当然予想されていたことで、静岡市は令和元年度の心理職試験で600点中50点を公認心理師または臨床心理士資格取得者に加点していたのです。

相模原市も臨床心理士に加えて公認心理師の資格を加えています。

http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisei/shokuin_annai/shiyakusho/1018084.html

沼津市も公認心理師を社会福祉士資格、精神保健福祉士資格、臨床心理士資格と併せて募集したのです。


大阪府は教育委員会で公認心理師を募集しています。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/4212/00317298/2020jukenannnai.pdf

僕も全国の募集を全部調べて掲載することはできないのですが、全国的に市役所や教育委員会では公認心理師加算を臨床心理士等と同様にしていくことが考えられます。

そしてそれがだんだんと公認心理師だけに置き換わって来る事も考えられるのです。

実際、警察庁は公認心理師以外の採用を考えていないようです。

この傾向は今後も続くでしょう。

元々臨床心理士は文部科学大臣から認証を受けている資格なので、スクールカウンセラーの任用資格として生き残っているのはわかりますが、採用基準のトップには公認心理師が掲載されているのです。

しかし他省庁や自治体が心理資格職として専門職を求めた際には公認心理師を必須としていく可能性が高くなります。

以前僕が書いた記事でも
http://hinata.website/archives/17773858.html内閣府作成のギャンブル依存症対策には臨床心理士ではなく公認心理師の積極的活用がうたわれています。

臨床心理士という用語は一言も書かれていません。

このブログを書いているといろいろな思いや考えに至るのですが、

1.臨床心理士→公認心理師への素早いシフト

臨床心理士資格は思ったよりもかなり早いスピードで淘汰され、公認心理師に置き換わりつつあります。

2.臨床心理士の国家資格化失敗

元より臨床心理士をスライドさせて国家資格化することは無理な要求だったと思います。

ただし、どんなに大きな団体であっても日本臨床心理士会の働きかけはこの資格化を推進するには弱過ぎたのです。

心理学諸学会連合、医師団体等この資格が成立するためには実に数百以上の団体がかかわって来ました。

臨床心理士だけがその権利や権限を主張しても詮無いことだったと思います。

どの民間資格も国家資格化される際には必ず通過試験がありました。

また心理関係団体が、臨床心理士関係だけの専横と思われる制度構築は無理な事でした。

3. 今後

臨床心理士制度は生き残るとは思います。

ただしだんだんとその数は減っていくでしょう。

臨床心理士養成大学院も減りつつありますし、学生が双方の資格取得に耐えられるほど単位が取れるとは思えないのです。

一部臨床心理士の理事監事が提唱していた、臨床心理士を公認心理師の上位専門資格として残そうとした構想はついえてしまったと考えています。

あくまでも僕の予想ですが、公認心理師専門上位資格がもしできるとすれば公認心理師団体で協議をして紛糾していてもそれは何十年経っても無理な事でしょう。

公認心理師関連の民間団体にはそれほどの力量はなさそうです。

公認心理師上位専門資格は医師団体から下りて来る形で決められてしまう可能性は高いと思うのです。

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◯ 法務省・家裁から公認心理師をめざす・インターンシップの活用

法務省矯正局、家庭裁判所では常に優秀な学生を採用したいと考えています。

一昔前なら公務員は心理職に限らず「受けに来たいなら本番の試験を受けて」とか「自由に(アポは自分で入れて)省庁訪問してね」というところでした。

知り合いの心理士から「いい時代になったねえ、私もこんな制度があったら積極的に見学に行きたかったあ」と言われました。

インターンシップ説明会注意書きに記してあるようにインターンシップに参加したからといって採用が有利になるというわけではありません。

ただし、民間企業でも同じですが志望動機は面接で必ず重点項目として聞かれます。

ですのでこのインターンシップで得た知識で

(長いので途中改行します。)

「家裁では多種多様の事件を扱っていて、少年の科学的調査、健全育成にこれまで学んだ心理学が生かせそうです。

私は発達障害と子どもの性格との関係で卒論を書きました。

少年の性格特性を考えた上で処遇に関する意見を出す、また家事事件ではその子どもの特徴を明確にとらえる事が子の福祉に寄与すると考えました。

そのために裁判官、調査官、書記官事務官も一体化して目的のために熱意ある姿勢で働いていらっしゃるという事をインターンシップで学びました。

そして、少年審判廷がなごやかな雰囲気、調査面接室がプライバシーが守られる構造で、家事でも申立人、相手方控室が分けられていて人権に配慮、面接交渉等についてもビデオで当事者の方にわかりやすく説明、家庭裁判所と国民との距離が近く、親しまれる存在ということがよくわかりました。」

(一例・もっといい言い方はいくらでもあるでしょう。)

公認心理師養成学部卒から公認心理師を目指すには限られた医療機関の少ない定員に選抜されて養成を受けることが選択肢に含まれています。

そして最高裁家庭局(家裁調査官)か法務省矯正局(法務技官(心理))が公認心理師法第7条第2号に規定されている施設なので、学部卒でも公認心理師を目指すことができます。

家庭裁判所インターンシップ制度

http://www.courts.go.jp/saiyo/internship/index.html

法務省矯正局インターンシップ制度

http://www.moj.go.jp/kyousei1/kyousei03_00033.html

双方とも試験は今年度は終了しています。

家裁調査官、法務省総合職人間科学区分受験者の方、来年受験する心理学専攻者は学部卒でも公認心理師受験要件を得られます。

現任者Gルートで司法領域の公認心理師になった方も多いでしょう。

法務省矯正局法務技官(心理)は採用1年目に基礎科研修を行っています。

裁判所総合研修所でも家裁調査官補に座学、研修、実習等幅広い研修を行っています。

精神科・心理の世界ではかなり有名な大御所の先生を読んで講義をしたり、実習も充実していて大学院レベルの教育があり、公認心理師法に規定された2年間の実習が受けられます。

公認心理師になってからこれら司法職を目指す、それも十分選択肢の中に入れてもいいと思います。

ただし「自分は公認心理師という素晴らしい資格を持っているから実力がある」というような自己アピールをするときっと合格できません。

「公認心理師になりたいから受験しました」もきっとまずいでしょう。

ただ、法務省矯正局や最高裁家庭局は優秀な人材を求めていることは確かです。

そのために公認心理師法7条第2号に規定する施設として認定を受けているのかな?と思うので、チャレンジする価値は十分にあると思います。

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◯ 俳優新井浩文女性暴行5年実刑判決・性犯罪厳罰化は再犯率を助長のジレンマ/公認心理師更生プログラム関与へ期待

出張マッサージの女性に暴行を働いたとして俳優新井浩文被告に一審で懲役5年の実刑判決が出ました。

こういった「卑劣で悪質」(裁判官)な性犯罪について、報道される度にその量刑の厳罰化が叫ばれています。

PTSDの教科書で読んだのですが、性被害に遭った女性が、犯人特定ができていない性犯罪の犯人を探し出して逮捕させるというNPOに所属して活動する事にやりがいを感じ、症状を軽快化させる事が出来ていたという事例が紹介されていました。

社会的に認められた代理的報復が彼女を癒していると言えるでしょう。

重大犯罪に対して世間からの刑罰強化の要求は当然の事で、被害者感情、社会的防衛、社会的感情からは当然の事です。

ところが性犯罪には量刑を厳罰化しても全く効果がないという研究結果が多く出ています。

英文: Does being tough on crime actually deter crime?「犯罪厳罰化は抑止力になるのか?」

https://arstechnica.com/science/2019/05/does-being-tough-on-crime-actually-deter-crime/

この英文記事によると犯罪者が社会的に犯罪をしなくなる抑止力が見受けられるのは「刑務所に入っている期間だけ」という事です。

犯罪への心理学的更生プログラムとしては北海道追試でも出題された、Andrewsが提唱したRNRモデルは、

RISK(再犯リスク)原則、リスクに応じた処遇密度を行う。(低再犯リスク者に高密度処遇をすると再犯率が高まる。精緻なアセスメント必要。)

NEED原則、処遇は仕事状態、交友関係、反社会的パターン、態度等の犯罪誘発要因にターゲットを絞る。(精神疾患に焦点を当てても意味がないとされています。)

RESPONSIVITY原則=応答性原則は教育学における適正処遇交互作用同様に受刑者の個性に応じた処遇が必要ということです。

RNR原則は以上です。

また法務省矯正局もRNRモデルを取り入れた処遇をしています。

http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/62/nfm/n62_2_6_3_1_1.html

犯罪=病的行為としてとらえていた医療モデルは古いと言われていますが、重い疾患=重犯罪は重い処遇で、という世論を現在も立法府は無視できません。

RNRモデルによればは重犯罪は高濃度処遇となるのですが、それでも死刑、去勢という厳罰が重大性犯罪者に処遇として適用されることはありません。

本来ならRNRモデルを敷衍していけば相当な厳罰も可能でしょうけれども、憲法36条は「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」と規定しています。

一方、認知行動療法を主軸としたRNRの効果については疑念も出ています。

そこでGLMモデルGOOD LIFE MODELという、更生に向かう犯罪者が人生に喜びを見出せるようになれば再犯率は低下するという研究が各国で行われています。

(確かに幸せな生活をしていて充実していればそちらの生活を大切にするでしょう)

今回新井被告は即日控訴をしました。

新井被告が有罪か無罪なのか現時点では断定できません。

三審制で被告人が控訴、上告をするのは国民固有の権利だからで、それまでは推定無罪だからです。

傷ついた被害者への心理的ケアを行う必要性がある事には間違いがありません。

そして心理職も人間なので被害者臨床を担当したり、報道があれば性犯罪者=「許せない悪」と思うのも自然でしょう。

性犯罪者の社会適応と再犯防止には十分な配慮ときめ細やかな対応を受刑者に対して行っていくという、司法矯正公認心理師にとっては難しい課題が常に存在しています。

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