ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:司法

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きょうも
小さき声にこころを傾けて ໒꒱⋆゚


◯ 公認心理師受験をする方へ〜心理職としての矜恃

1.序

給料は安い、非常勤だと何の保障はない、Twitterの最初の固定メッセージにも書いてありますが、それでも志のある方には心理職の仲間になって欲しい。その気持ちが強くてこのやくたいもないブログを書き続けているのかもしれません。

以下、心理職をやってきて、自分なりに凄まじい体験かな?と思えることをプライバシー保護のため、大幅に改変して掲載してみます。こんな仕事の仕方を事例問題で選択したら間違いなく試験にぶち落ちます。また、大変危険な方法ですので、しっかりとした基礎を数年以上身につけて、職場のルールギリギリで自分の性格に合っていると思った時だけのあくまで参考にしてください。ほとんど自分語りです。

1.児童虐待

なんと言っても感情移入してしまうのは、児童虐待です。司法臨床をしていた時もスクールカウンセラーをしていた時も、そして一市民として生活している時も児童虐待に出会うことがあります。

なんとかして被虐待児を公権力を動かして、子どもを公的、あるいは民間の受入れ先につないで親から引き離すことに苦労しました。特に性的に搾取されている子どもは金づるになるので親は子を手放そうとしない。または父と娘で相姦関係があって母がそれを知っていても経済的に家庭が崩壊するのを恐れて見て見ぬふりをしているということが多くありました。よくある話です。

子どもが虐待のことについて話し始めた時には感情移入させず、スパッと司法面接モードに入ります。共感や受容、驚異は偽の発言を引き出す可能性があります。

親子再統合は望めない、そのプロセスの中で出会う親に対して僕は共感も受容もしなかったと思います。親は自分の生き死にがかかっているので必死です。虐待の対象がいなければ代理ミュンヒハウゼン症候群の対象として、甲斐甲斐しく子どもの面倒をみるというアイデンティティが崩れてしまう親も必死でした。

親が「子どもから引き離されたら死ぬ」と言われたこともありますが「あなたの生き死にと子どもの処遇とは関係はありませんから」と切って捨てていました。

スクールカウンセラーをしていた時、児童保護の担当者2人に対し、一刻も早く被性虐待児の保護をお願いしても全く動かないことがありました。近年は専門家採用が進んでいますが、一般行政職として採用された職員は営林署や全くわけのわからないまま書類仕事を役所でしていた担当者でした。

校長以下学校の管理職がずらりと並んでいた中でなぜか上席に座らされていた僕は児童福祉法や公務員法、刑法、知っている限りの法律を並べ立てて「不真正不作為による犯罪として2人とも告発されてもおかしくないわけですが。これだけ証人がいますよ?」と(はったり半分。でも事実)淡々と恫喝しました。

その後の行政の仕事は手早く、スクールソーシャルワーカーと協働して市の上部団体や県の中央、多分議員もスクールソーシャルワーカー2人が動かしてくれたものだと思います。児童はほどなく養護施設に入りました。

一般市民として呆れるような虐待を見ることもありました。豪雨の中、ベランダに小学6年生ぐらいの女の子が立って泣き叫んでいる。ぎょっとしてすぐに警察と市役所に通報。警察は「子どもが遊んでちょうちょを捕まえに行こうとしただけで、婦人警官が体を見たらあざもかないし虐待ではないですね」とのこと。

僕は結構激昂して「また子殺しの事件を作るんですか?警察は何をやってるんですか?マスコミに通報しますよ?」と言うと黙って帰りました。児相にその後通告、市役所の担当者は、守秘義務があるのでその後どうなったのかは伝えられないが定期的に訪問していくと約束してくれました。あの子は今ごろどうなっているのだろうかともうあの土地から引っ越してしまった今思うのです。

2.加害者臨床

性犯罪は1人の加害者を更生させれば何百人という犠牲者をその後出さないで済みます。小児性愛者が一生のうちに作り出す被害者は400人以上、受刑者によれば「そんな数じゃ足りない」とのこと。性犯罪治療にはさまざまな治療法があり、RNR理論で適性な量の処遇を与えること、MI動機付け面接でなければ問題意識を感じない人もいます。松本俊彦先生が開発したSMARPP、その簡易版のTAMARPPは性依存症の治療にも有効そうですがそのプロセスで被害者が出てしまうのは倫理的には問題があるでしょう。

結局のところ、今性犯罪者に有効なのはGL理論、GOOD LIFE理論とされていて、安定した生活、仕事、家庭があれば再犯率がぐんと低くなるというもので、これには僕も納得です。ただし、自殺者も多く出る性被害者は決して納得しないだろうわと思います。

前置きが長くなりましたが、司法、行刑担当の心理職のやることは絶対に試験に出ない事柄も多いです。(どの職場もそうですが)手錠のかけ方、腰紐の縛り方、マイクロで犯罪容疑少年を移送する時に騒いでいる共犯者たちを一喝して怒鳴りつけるなどこんなことは院では習いません。

司法で雇える通訳は安く、技量も悪い人もいます。(いい人もいます。)僕が特殊なのでしょうけれどもさくっと人定事項(氏名・生年月日・職業など)をその相手の母語で聞けるとスムーズになります。

殺人者との面接などもしましたが、厄介なのはやはり加害者意識がない加害者でした。「反省しています」「何が?」「出たら彼女と結婚して幸せな生活をして仕事を頑張って死んだ◯さんのために生きていきます。」

この人は実は自分の世界からは当然のことを言っているわけですが、内省に乏しいという客観的評価を下されます。

3.除反応

僕はイメージ療法や催眠など特殊な心理療法をしています。臨床心理士試験には出題されて公認心理師試験からはとりこぼされている分野です。トラウマに苦しんでいる人のパンドラの箱の蓋を開けるかどうかはいつも悩むところですが、開けてしまった方がすっきりとする場合には記憶支配催眠で解離していた原記憶を想起させる(というか自然に想起される)ことがあります。どんな心理療法でも同じ現象が起こります。心理面接者がそれに気づくかどうかにかかっています。

話しているうちに混乱する→興奮する→セルシンやリスパダールを注射する、これは根本的解決にはならないと思っています。

解離の原因となっていた原記憶を想起するとクライエントさんは泣き叫び床を転げ回ることがあり、僕は身体的危険性がなければ放置しておきます。

杉山登志郎先生は被虐待児童に対して簡易EMDR4セットをやっただけでかなりの子どもに除反応が出るという統計を出しておられました。

除反応は徹底的に出させる、そして気が済むまで除反応が出し切るとケロっとしています。「なんだったっけ?」「さあ?」現実の脅威がなく、トラウマだけが残っている場合は有効です。

4.研究会・患者の自殺

今はコロナの関係で休止しているのですが産業領域、医療領域のなかなか厳しい場面で働いているメンバーが多く、ハードです。どの心理職も患者さんにだいたいもれなく自殺された経験を持っています。

カタルシスのようにその体験を話し、泣いている心理職を見ていると胸が締め付けられる思いです。それを悲しく思い泣けるような仲間がいて良かったと思います。

5.心理職のプライバシー

スクールカウンセラー、長距離通勤をしない心理職は街中でクライエントさんに会います。レジかごをのぞき込まれて「おっ、先生今日は半額のマグロで晩酌ですかい?」「いや漬け丼を作ろうと」こんな時の会話の仕方は試験には出ません。

筑波大学自殺学権威の高橋祥友先生が個人携帯番号の患者さんとのやりとりの取り扱いについて「患者が死にましたって電話と、患者から『今から死にますっていう電話とどっちがいい」と聞かれて百人ぐらいの研修で個人携帯を教える、教えないが半々だったと思います。

僕は「死ぬだろう」という患者さんには必ず携番を教えています。カウンセラーのところに電話をかけてくる患者さんは本当に切羽詰まっています。夜間でも対応できるいのちの電話など社会資源や信頼できる友人や家族に連絡するようには伝えておきますが、往々にして何も頼れる社会資源がない患者さんも多いです。

主治医やリワークセンター、職場、とにかく資源を探すために助けを求めている患者さんの最後の分水嶺の象徴なのだなと思い、僕自身が丸ごとホールディングはしないように気をつけているのですが、数年以上付き合いのある患者さんだと曖昧になるのを気をつけています。

実際に死に際の電話はかかってきます。

6.結語

院でも教えてくれないし、困ったときにどうするか誰も指針を示してくれない場合は多いです。ワープア心理職がバイザーを全員持てるか?持てない人の方が多いです。大変厳しい心理職の現状のごく一部だけを書きました。繰り返します。Twitterに固定してあるtweetの「それでも志のある人は仲間になって欲しい」それだけを願っています。

(おまけ)

みおみん:ふえーん、Grinberg.L難し過ぎ
僕:あの、深掘りし過ぎじゃない?対象関係論の中では確かにビオンの系譜を汲んだ逆転移研究者で、逆転移が精神分析に与える影響を研究してるけどさ、松木邦裕先生の本にも書いてないぞ。ビオンまでだ。Grinberg.Lはだいたい翻訳書ないぞ?深掘りし過ぎたらあかん。
み:過去問の選択肢に出てたから。もう不安で
僕:あいつは自分のコト大切なビオンと同じ研究者だぞ?おま、そんなもんより統計とか得意やん
み:回帰分析とか重回帰分析とか信頼性妥当性とか。
僕:尺度とか第一種の過誤とか?
み:うーんなんとか
僕:お前事例得意じゃん
み:そそ、間違えたことない。ほぼほぼできる

僕:脳神経図解の本買ってたしおま、真面目だから俺はイケると思ってる。資格なくても仕事できるし
み:ふえーん
僕:ま、やるだけやんなよ、俺なにもしないけど応援だけはしてやんよ

(了)

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弱さを見せることは
時として強さでもあるんだよね ☪︎⋆


◯ 裁判所に期待されている公認心理師・臨床心理師制度

1.序

公認心理師5領域には司法が入っています。司法というと家庭裁判所調査官、法務省矯正局での心理職の役割を想像しがちです。裁判所のホームページには◯◯家庭裁判所委員会議事録というものが掲載されていて、それらを読むと公認心理師・臨床心理士に期待される役割は、最高裁家庭局は公認心理師制度、臨床心理士制度について、割と中立的でしれっとしているように見受けられたのですが、現場レベルでは実は心理職への期待は大きいということを指摘しておきます。

2.採用

裁判所において能力が高い人材の採用は常に大きな課題です。例えば法律職の裁判所総合職、裁判所事務官について見てみます。院卒者10.4倍、大卒者53.7倍です。

家庭裁判所調査官補については院卒者6.9倍、大卒者8.2倍です。

この倍率をどう見るかということですが、裁判所は神の地位を持つ裁判官、それから書記官、そして事務官に至るまで法律職の専門家集団です。そこに異分子として人間関係諸科学の専門家として入職する家庭裁判所調査官なので、疎外感半端ないです。総合職の事務官はほんの一握りですので、給料が安く事務官から試験を受けてもなかなか書記官になれない一般職事務官は猛勉強して苦労し、書記官になってやっと調整手当がつくのですが、調査官は最初から調整手当がついています。

それにもかかわらずあまりにも調査官補採用試験の倍率が低いと「本当に総合職として採用する価値があるの?」という疑問になりかねません。というかもうなっています。

だから裁判所では優秀な調査官補受験者を多く求めています。各地の家庭裁判所委員会でもこの話題は上っていて、大卒者が家裁勤務2年の経験で公認心理師資格が取得できることを売り物にして志望者増を狙っています。

実際には家裁調査官を目指すという時点で相当難しい試験に怖気ついて受験しない人も多かろうと思うのですが、そういった事情は「倍率」という数の正義の前には通用しません。

3.心理職への期待

家裁は「少年の健全育成」「子の福祉」を謳っているだけあって心理面での当事者に対する手当てがかなり重視されています。特に家事事件について心理職の働きは重要とされています。

⑴ 調停委員への登用

調停は心理的なかかわりが必要になります。夫婦関係の調整にしても、お金がからむ遺産分割にしても、人の心を抜きにしては考えられません。したがって調停委員に臨床心理士を活用しようというアイディアは昔から出ています。

⑵ 面会交流への活用

面会交流事件においては、離婚した夫婦が子どもに会うので葛藤含みです。元夫婦同席の面会交流でいさかいが起こったら子の福祉に反することになります。ですから心理職が同席してのこの場面での心理職の活用は大切な観点と思います。

⑶ 家事調停での付添い

家事調停では特に女性が不安になって調停に臨むことがあります。その際に臨床心理士が付き添うということは実際にあるようです。

⑷ 裁判員制度への裁判員へのカウンセリング

裁判員は外国で言えば陪審員制度のようなものです。被告人の有罪、無罪の心証を形成するのですからかなり重味がある職務です。したがって裁判員が精神的不安定になった際のカウンセリング体制も準備されています。パンフレットも用意されています。

こういった心理学的なかかわりは、元々専門職として採用されている家庭裁判所調査官がやればいいのでは?という意見もあるかもしれませんが、調停委員と家裁調査官を兼ねることは不可能です。また、スクールカウンセラーと同様、心理職の外部性が大切になってくると思います。

刑事裁判でも心理職が精神鑑定の際に心理テストを行うことは昔から行われています。公認心理師試験では医療領域の人から見たら、なんで司法問題が出るのだろう?と思うかもしれませんが、成年後見人制度しかり医療と司法は大きく交差することもありまさ。司法への心理職のかかわりはかなり重要性があるのです。

ざっと裁判所における心理職のかかわりを記載してみたのですが、臨床心理学者や精神科医が裁判所総合研修所に教育に来ることもあります。

国家が心理職を求めていることは確かです。医師団体の思惑とはあまり関係のない分野で心理職がその活躍を期待されているのは心強いものです。

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澄んだ景色を見たければ
手放す勇気をその手に掴もう ꕥ⋆゚


◯ 公認心理師試験小項目「面会交流」

公認心理師試験ブループリント、大項目「19 司法・犯罪に関する心理学」中項目「⑴ 犯罪、非行、犯罪被害及び家事事件に関する基本的事項」小項目「面会交流」

についてです。そもそも「面会交流」という言葉を聞いたことがある心理職の人も少なく、旧来は「面接交渉権」と言われていたこの制度についてもあまり広く知られていません。

協議離婚では通常定められない条項ですが「子ども1人につき養育費月◯万円支払う」と同様「面会交流を月◯回行う」と定めることができます。

なおこの面会交流の根拠は民法にあります。

民法第766条1項
父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。


離婚した後の夫婦について子と居住していない側の親は面会交流調停を申し立てることができます。この面会交流は正式には「子の監護に関する処分(面会交流)調停事件」と呼ばれていて、離婚成立前、夫婦別居時から申立て可能です。  

なおこの面会交流制度は調停事件で話し合いが決裂した場合には審判事件に移行することもあります。

ちなみに日本の家事調停は、40代以上人格識見の高い、学識経験豊かな2名の調停委員が当事者の意見を聞き、当事者双方が合意に達したら最後には調停調書を作成します。

離婚した後でも「子どもと会いたい」という親が多いのは親として当然の人情ですが、紛争があって離婚した夫婦なので、その感情のいさかいが面会交流にも持ち込まれることもあり、やっかいです。

離婚はさまざまな要因で起こります。不和、性格の不一致、有責となる配偶者の浮気などです。

しかし子どもにとってはどちらに責任の所在があるかは関係はありません。自分の両方の親と会いたいのだという子どもの気持ちを尊重することが一番です。

ただし、子に対する虐待、子の前で酔ってクダを巻くような親の子の福祉に明らかに反しているような親への面会交流は望ましくないです。

面会交流調停申立があった際には家事審判官(裁判官)は家裁調査官に命じ、調査を行うことがあります。調査といっても子どもに「お父さんとお母さんとどっちがいい?」など子どもを混乱に陥れるだけの質問は厳禁です。

年端もいかない子どもはゲームソフトひとつでどちらにも転びますのでこういった質問そのものが無意味です。ただ、子は親の愛情を必要としていますし、こういった情緒的表現の困難さを伴う面会交流に対する意見を大人と同じように求めるのは残酷です。

家裁調査官が行う調査にはお互いが親同士として持っている感情が面会交流の妨げにならないか、また、実際の面会交流の場面を見て人文関係諸科学の専門家、児童心理学的に面会交流が望ましく行われているのかも含まれています。

子どもは離婚したとはいえ、自分が一緒に住んでいない親と会えないというのは辛いものです。まず最大の留意点として面会交流というのは、親のためではなく、子の福祉を第一に考えなければならない制度ということを忘れてはいけません。面会交流が想定される場合、同居親がもう一方の親の悪口を悪し様に言うことは好ましくありません。

面会交流の条項が決まっているにもかかわらず自分の感情だけで一方的なキャンセルを繰り返すと「間接強制」といって一回当たり会わせなかった親が5万円〜10万円の違約金を支払わなければならないこともあります。

さて、望ましい面会交流のあり方とはなにか?について考えてみます。

定められた面会交流権を同居親は拒否することはできません。子どもが「会いたくない」と言う場合もありますが、その子どもの真意が何なのかということについて知る必要性があります。

同居親が別居親に子どもが会いに行くのを明らかに嫌がっているのではないかと思うと子どもはそれを敏感に察知して会いたくないと言う場合もありますが、本意としては久しぶりに別居親と会いたいということも十分あります。同居親はひごろからその言動に注意し、子どもにとっても同居親が喜んで子どもを別居親のところに送り出すのだという安心感を与える必要があります。

子どもが面会交流に行って楽しかったとしても同居親に気を遣わなければならなかったとしたら子どもは沈痛な面持ちで帰宅して苦しかったような表情をするでしょう。そして親は「やはり会わせるべきではなかった」と誤解し、かたくなな態度で面会交流を中断したくなってしまいます。しかしそれは元々同居親が招いたからかもしれません。

別居親は面会交流が久しぶりに子どもに会える場だとしても喜び過ぎず一定のルールを守る必要があります。まず、別居親からの同居親の悪口は禁句です。別居親は男親で再婚していて経済的に豊かなことも多いですが「あっちからこっちに来ないか?」などと言ってしまうと子どもに忠誠葛藤が生まれてしまい、子どもの心を傷つけてしまうだけになります。

また、同居親との生活について根掘り葉掘り聞くこともいけません。久しぶりに会ったからといって高価なゲームや衣類、豪華すぎる食事で子どもを喜ばせようとすることも好ましくありません。子どもと相手の親に対して「どうだ、こっちの生活はいいだろう?」と暗黙のプレッシャーを与えているようにも受け取られかねないからです。

逆パターンとして、同居親が面会交流の様子がどうだったのか執拗に聞き出そうとすることも好ましくないのです。

公認心理師試験では誤答選択肢として
「面会交流で久しぶりに会った親は子と会えたことについて喜ぶ姿勢を示すためにおもちゃを買い与えて子との情緒的関係を結ぶのがよい。」などど出そうな気がします。

別居親が、子どもが楽しんでいるからといって滞在期間を引き延ばしていつまでも同居親のところに戻さないという行為は禁物です。面会交流は離婚した親双方の合意によって行われるもので、約束とは契約です。契約に違反したらそれは契約続行ができなくなる危険性が生じるということです。

面会交流には細かなルール作りが行われることが多いです。月1回、宿泊夕方◯時〜翌日午後2時まで、とか子どもの住む近所の公園で両親が揃って子どもと遊ぶ、など両親同席の面会交流もあります。

ルールは変更になることがあります。別居親が回数や時間を増やしたいなど条件を変更したい場合もあるかもしれません。その場合には当事者双方の合意をきちんと文書化する、もつれそうな場合には再度調停で調停条項として定めておくということが必要かもしれません。

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◯ 家庭裁判所調査官から公認心理師を目指す。

裁判所職員総合研修所及び家庭裁判所は、公認心理師法第7条第2号に定められる、少年鑑別所及び刑事施設と並ぶ、司法機関としては大卒後実務経験ルートが認められているたった2つの認定機関のうちのひとつです。

昔から学部心理学専攻者は大学院進学や民間就職を睨みながら、公務員である裁判所職員採用総合職試験(家庭裁判所調査官補)も受験するという、人気の進路でした。

この試験も少子化の影響を受けて昔は数十倍の倍率だったのに現在では院卒者区分6.9倍、大卒者区分8.2倍となっています。(2019年度)ちなみに最終合格者は63人でした。合格者=名簿搭載者なので採用されるとは限らず、実際の採用者は45人でした。

大卒者区分の中で心理学専修者がどれだけいたかはわかりませんが、家裁調査官は総合職として講義、実践等2年間にわたって大学院レベルの教育を受けて家庭裁判所調査官補から家裁調査官に任官します。

その教育のために招聘している講師は全国から呼び寄せた、精神科医を含む錚々たる著名な大学教授です。このための調査官養成教育にかかる費用は1000万円以上とも言われています。

さて、家庭裁判所は公認心理師法施行令第二項第2号の規定による実務経験施設26の中に含まれる施設なので第1回試験の際にはGルート実務経験者のうち、公認心理師になりたいという志望者がものすごい勢いで受験し、ほぼ全員合格者したと聞いています(読者様からの情報)。

家裁調査官補試験は心理だけでなく、社会学、教育学、社会福祉学、法学専攻者でもチャレンジできる問題内容となっています。

家裁調査官の仕事は少年部では非行少年及び保護者の調査を行い、鑑別技官とのカンファレンスを行う、在宅事件でも心理テストを行うなど正に心理職としての仕事です。

家事部は家事手続法による調停、審判の調査を家事審判官(裁判官)の命によって行います。家事事件は扱っている職務領域が実に幅広いです。離婚調停は全部調査官の調査があるのかな?と思うとかなりカウンセリング的要素が絡む事件以外には調査官の調査はありません。ただし、紛争性や子の福祉がかかわる場合には調停に調査官が立ち会うこともあります。

調査官は人文科学職としての調査能力を期待されていて、家事事件は相続、紛争性が高い成年後見、保佐の被後見、被保佐人や後見人候補者、関係者親族の調査を専門的見地から行うことがあります。HDS-Rのカットオフ値が何点かで認知症と医学的にはされるのか、後見相当、保佐相当の点数の目安は受験生のみなさまには知っておいて欲しいところです。認知症、高次脳機能障害の方の権利を擁護するという大変意義深い職務にかかわることになります。

http://www.courts.go.jp/asahikawa/vcms_lf/22kannteikyouryokuirai.pdf

当事者の意向をよく聞いてもつれた糸を解きほぐすように調査しながら調整していくのは調査官の大事な仕事です。一見人間科学とは無縁に思えるような「名の変更」も申立人が名前を変更したいという、虐待経験によるPTSD、性別違和が原因の場合もありますので調査を受命することがあります。

調査官が家裁でその能力の発揮を期待されているのは子の福祉に関する領域で、特別養子縁組は実親との関係を断ち切って本当の子どもとして養親と養子縁組させる制度です。

子の一生を決める手続きを8歳までの子どもについて決めなければならないので非常に慎重な調査が必要になります。子の福祉を考える上で親権者変更、指定、面接交渉権の調査も大事な仕事です。

さて、働く人のための実際の情報をイヤな所を含めて書いておきます。

まず採用時に希望任地がかなうことはほとんどありません。47都道府県どこの本庁に配属されるかはわかりません。転勤も激しいです。転勤は全国、転勤はイヤだと居座るのは年々厳しく難しくなっています。例えば調査官同士で結婚すると「じゃ、アツイ2人は寒いところで」と釧◯に異動させられたりします。

産休育休は取りやすいですが、復帰したら一人前の働きが期待されます。

裁判所職員は男性ならば当直の泊まり勤務、女性でも土日祝の日直勤務があります。逮捕状や捜索差押え令状は休日だろうが24時間いつ出てくるかわかりません。

小さな支部だと回りが早く月2回程度ぐらいでさが、若い採用されたての事務官の男性職員が宿直手当て目的に交代してくれることがよくあります。

少年院や刑務所と違って家裁は本庁支部は中心部にあるので車なしでもほぼやっていけます。運転しないで済む調査官は多いです。

総合職なので出世、昇給昇任は早く、裁判所内キャリア組なので最高裁家庭局や高裁、家裁事務局長勤務も少数ですがあります。

いいところとしては学閥がないというころです。東大だろうがFランだろうがなんの差別もありません。

裁判所は法律職の裁判官がスターです。そして裁判官の判決書の下書き(ほとんど全部を書かされることもあり)や法廷に出る書記官が幅を利かせています。

裁判官は医師と同等の特権階級なのでその命に従うのは当たり前ですが、人格者も多いので?一緒に仕事をするのにやりやすい裁判官もいます。調査官は事務官を含む他職種からつまらない嫌がらせを受けることもありますが。

そこはそこと割り切って自分の仕事をきちんと熱心にやっていて研究や著作は割と自由に行えますので、業績次第で大学教員に引っ張られてなる人もいます。

偉くなるとどんどん転勤スパンも早くなりますが相当に偉いことは確かです。在職時年収1000万、退職金2000万円台後半ぐらいでしょうか。

内地留学、アメリカやフランス留学制度や研究休職も1年できます。臨床心理士も相当にいて、国家総合少数人間科学区分と同様心理職のエリートテクノクラートです。

これから心理学部、学科を目指す高校生の方は公認心理師養成課程がある大学から家裁調査官を目指して公認心理師になる方法もあります。在学中の方々も同様です。現任者受験の方々でも受験する人々もいるでしょう。

司法機関中核を担う心理職です。これから公認心理師を目指す方々は家裁調査官になることも選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか?

家裁調査官もインターンシップ制度があります。全国で開催されていますので気になる方は参加してみるといいでしょう。

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◯ 国家公務員総合職から公認心理師を目指す。

新卒、公認心理師養成課程を履修した心理学科大卒、院卒30歳まで、司法、矯正に興味がある方は是非国家公務員総合職に応募してみてはいかがかと思います。

矯正関係では少年鑑別所勤務で、心理テストをやりながら少年面接、鑑別結果通知書を家庭裁判所に提出します。

ただし、裁判官(少年審判官)と直接面談して少年の処分に対する意見が言えるわけでもないので、いかに心理的に問題がある少年、あるいは問題性が少ない少年でも家裁調査官と裁判官が膝詰めで話し合って処分が前歴によって決まることが多いので、その意味ではがっかりすることもあります。

だからといってやりがいがないというわけではなく、きちんと心理的な少年の傾向を把握しておくことはその少年が再犯をして再び鑑別所に入所してきた時に役立ちます。

また、少年院、刑事施設では矯正プログラムを組んで実施、カウンセリングを行うという仕事をしています。再犯防止という意味からはこちらも大切な仕事です。

公認心理師法第7条第2項に定められた数少ない施設なので、大学院を出ていなくてもここで経験を積んで公認心理師を目指すことが可能です。

また、既に大学院卒、公認心理師有資格者や社会人経験がある人も心理経験の実践があるという点では(アピール次第では)有利になるかもしれません。ただし、国家総合職は合格するまでがとても大変です。

一次試験は教養問題ですが数的処理と判断推理という、パズルのような知能検査のような問題が出ます。こういった問題の解き方にはコツがあるので参考書や問題集、過去問をやり込むことで正答率が上がります。

むしろこの数的処理や判断推理を全問正解できないようでは一次試験突破は難しいかもしれません。それから幅広い教養問題があります。

一昔前と違って官庁訪問をして東大京大卒でないと言われていたのは過去の話で今は大学にあまりこだわらなくなって来ています。とはいえ相変わらず一流大学、大学院卒でないと一次試験を通過できないのはそれだけ問題が難しいからです。官庁訪問前の最大のハードルです。

そしてこの官庁訪問がかなり難関で、内示まで5〜6回訪問して面接を受けなければなりません。行政区分の総合職でも数カ所省庁巡りをしてやっとどこかに引っかかるということはあります。

学部卒区分で入職してから公認心理師を目指すのは効率はいいですが、上記のとおり生半可でない努力が必要です。臨床心理学で上位と言われている名門大学院の入試には合格しても総合職、地方上級公務員試験に落ちる人は多いです。

ちょっと話は逸れますが、エリート大学院を卒業し、すでに公認心理師を取得している人なら地元の市役所受験はおすすめです。

例えば京都大学卒業見込みの学生が国家総合職に受かってもただのキャリア官僚の1人です。京都府庁にもそこそこ卒業者はいそうです。では京都市役所はどうでしょう?よく来てくれたという扱いをされてちやほやされます。生涯年収はそれほど変わらないので名門大学院出身者ほど市役所は狙い目です。

地方上級公務員も公認心理師を優遇する動きは出てきています。院卒者ならば幅広くチャンスがあります。

さて、国家総合職に話を戻すと公認心理師を目指すのでなければ実は人間科学区分合格者はあちこちの省庁で募集をかけていますので、省庁巡りをする価値はあります。今のスケジュールだと院卒者は入職してから公認心理師を受験して合格しても構わないわけです。

厚生労働省で採用する人間科学区分の採用者は医療行政の専門家として扱われることもあり、労働行政の専門家としてILO(国際労働機関)で働いたり内閣官房に出向したり、キャリアとしてかなり幅広い経験が積めます。

文部科学省、警察庁、公安調査庁、会計検査院、総務省、内閣府でも人間科学区分の採用実績があるので省庁訪問をする価値はあるでしょう。

ただし、国家総合職はどの区分でもそうですが、一次試験合格者の半分かそれ未満の採用率しかありません。

大学院進学希望者、他の就職希望者はそちらも並行して考えないとただのフニーターになってしまう可能性もあるので、きちんと自分の人生設計をしましょう。

キャリアは入職直後から幹部待遇なのですがハードワークで全国どころか海外で勤務する事も考えられます。

さて、矯正職に限って言えば義務官舎といって徒歩ですぐの場所に住まなくてはならないので、官舎は家賃が格安ということです。ただし職場がすぐ近く、上司が同じ官舎に住んでいるので息苦しさを感じるかもしれません。

鑑別所は家裁調査官の出張や保護者の面会のためか比較的都市部に所在していますが、少年院や刑務所はもれなくど田舎にあります。

とは言え空気はキレイで物価も安く住みやすいでしょう。転勤スパンは短く、2年に1度広域異動があると思っておいた方がいいでしょう。

昔は行政職や法律職の方が出世は早く本省勤務がほとんどなのですが、人間科学区分の総合職も幅広い領域の仕事を任されて本省勤務をする事もあります。ただし法務省では司法試験合格者がスーパーキャリアなのでその辺りは違う種類の職種と割り切って仕事をします。

セクションによりますが霞ケ関キャリアは朝9時から朝4時までの勤務はデフォです。

人間科学区分のいいところ、デメリットを含めて書いてみましたが、学部卒でも現場経験2年で公認心理師受験資格が得られる、公認心理師有資格者も優遇されるかもしれない?総合職は受験する価値はあります。

インターンシップを行っている鑑別所も多く、現場の雰囲気を3日間程度実習で学ぶことができます。合否にかかわらず人間科学区分の受験は幅広い視野を持てるのでチャレンジする価値は十分にあると思うのです。

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