ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:医学分野

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◯ 公認心理師試験はブループリント非準拠か?(医学分野対策)

1.序

第3回公認心理師試験では特に医学分野で「なんだこんなもんブループリントに書いてねえよ」と思われた方も多かったでしょう。そして多分これは第4回試験でも出題傾向としてそう思われる問題が多く出題されるものと思われます。

それは小項目を見た際、小項目用語だけ、過去問だけを見るとそこだけが出題範囲と思ってしまうからです。

悪評が高かった薬物動態学は小項目にも載っているものでしたが院やテキストで重点的に学んだ人はおそらく少なかったと思います。

それでは他の問題は?

今回は医学分野についてのみ見てみます。

小項目だけから出題しなければいけないと決まっているわけではなく、小項目はあくまで「具体例」で、ここから出題されるのはあくまでもサービス問題とぐらいに出題委員は考えているのかもしれません。

そうすると遺伝カウンセリングすらサービス問題になってしまいます。

2.大項目・中項目とは?

大項目は到達目標、そして中項目も到達目標を細分化したものです。

今回難問とされた医学問題は大項目16「健康・医療に関する心理学」⑴ストレスと心身の疾病との関係に属するもの、大項目21「人体の構造と機能及び疾病」

から出題されていました。中項目⑴心身機能、身体構造及びさまざまな疾病と障害、小項目解剖学、生理学も範囲となっています。

したがって上の分野の大項目の中からならば何を出題してもいいということになります。

すなわち、出題側にとってはどんな出題をしてもこれに関連する物であればブループリントに沿っていることになります。

3.振り返り

第3回試験から振り返るとグレリン、レプチン(生理学)、過敏性腸症候群(心身症)、慢性疲労症候群(心身症)、むずむず足症候群(メンタルに多大な影響を与える疾患)、これらはブループリントを逸脱しているとは言い難いわけです。糖尿病も頻出ですが小項目には生活習慣病についても出題されています。

4.さて、そこで今後出題されそうな医学分野について予想してみます。

心身症としては

全身疼痛を伴う線維筋痛症(慢性疲労症候群との合併が多い)

疼痛.jp

機能性ディスペプシア

SOIKEN

また、アトピー、気管支喘息、本能性高血圧、狭心症、心筋梗塞、不整脈、胃・十二指腸潰瘍
、緊張型頭痛、偏頭痛、痙性斜頸、書痙、自律神経失調症、慢性蕁麻疹、円形脱毛症、頸肩腕症候群、腰痛症、慢性関節リウマチ、月経前症候群(PMS)月経異常、更年期障害も心身症として含まれます。

難病としては生活に大幅な制限を加えられることから

潰瘍性大腸炎(UC)

IBDステーション

クローン病

IBDライフ

などさまざまな疾患があります。

難病は何か、がんにはどういった種類があってどんな治療法をするかについては

MSDプロフェッショナル がかなり役立ち、僕も受験の時にはよく読んでいたものです。

精神疾患にも詳しいですが診断基準については必ずポケット版で構わないのでDSM-5は覚え込んでください。

それから思いつくままに書くのですがどんな薬がどんな作用をするのかということについては、抗精神薬の中でもベンゾジアゼピン系の依存性、SDA、パーシャルアゴニスタ、三環系抗うつ剤、気分安定剤(ムードスタビライザー)、双極性障害に保険適用となる抗精神薬(アリピプラゾール、オランザピン等)、副作用としてはセロトニン症候群、高プロラクチン血症、悪性症候群、セロトニン症候群も出るかもしれません。

薬剤性精神病もステロイド、薬剤とせん妄の関係なども出るかもしれません。

(以上、全疾患や薬剤、副作用等を網羅しているものではありません。)

4.結語

ブループリントの小項目だけをやってみる、過去問に出た疾患だけをやってみるということだと今後の公認心理師試験に十分に回答できない可能性は高いです。

医学分野についてだけ見てみましたが、大量の知識を流し込むように覚えて見ていかなければならない試験だというのは痛感しています。受験生のみなさんは大変でしょう。要するに「ブループリントは大項目の範囲内なら何を出してもいい」というものだと思っていただければと考えています。

photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_

公認心理師試験対策

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◯ 公認心理師試験・医学分野参照url

がん、悪性腫瘍は細胞の遺伝プログラムの逸脱による異常増殖です。

1.自立性増殖

正常な新陳代謝の都合を無視して、自立的に増殖を続け、止まることがありません。

2. 湿潤と転移

周囲に滲み出るように拡がったり(=浸潤)、体のあちこちに飛び火(=転移)して次から次へと新しいがん細胞をつくってしまいます。

3.悪液質

ほかの正常細胞が摂取しようとする栄養を、どんどん奪ってしまうため、栄養が行きわたらず身体が衰弱してしまいます。

1.のみの特徴だと良性腫瘍と定義されています。

http://www.pet-net.jp/pet_html/treat/gan.html
がんについて PET検査ネット

食道がん、骨肉腫など部位由来に対し、造血機関、骨髄由来の白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫は全身症状を示します。

日本人のがん生涯有病率は役2人に1人です。

(男性63パーセント、女性47パーセント、死亡率男性25パーセント、女性16パーセント)

がんに最適な治療法を標準治療と言い、手術、化学療法(ホルモン療法(乳がん治療)、分子標的療法(ゲノムをターゲットにしてガン細胞のみを標的)分化誘導療法(白血病))放射線療法があり、手法を複合して使う事があります。

がんという重大な疾患の特性上、どの治療法も侵襲性は少なからずあります。

手術、放射線療法は患者さんに体力的な消耗を強いますし、化学療法も肝機能障害を見越しながら救命、延命のために実施する場合があります。

自己負担、比較的副作用が少ない免疫療法など、治療法の研究は日進月歩で進んでいます。

緩和ケアは

「緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面する患者と其の家族に対して、痛みや其の他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメント対処(治療・処置)を行うことによって、苦しみを予防し、和らげることで、クオリティ・オブ・ライフを改善するアプローチである。」

・ 痛みやその他の苦痛な症状から解放する
・ 生命を尊重し、死を自然なことと認める
・ 死を早めたり、引き延ばしたりしない
・ 患者のためにケアの心理的、霊的側面を統合する
・ 死を迎えるまで患者が人生を積極的に生きてゆけるように支える

と定義されています。
ホスピス財団
https://www.hospat.org/public_what.html

◯ 循環器系疾患

・糖尿病(DM)
I型 若い人に多く、インスリン補給が必須
II型 生活習慣が大きく影響をしている

糖尿病性白内障、末端壊死の危険性から両足切断に至るまで場合があり、薬物、食事、運動療法が推奨されています。

肥満、高血圧、脂質異常、喫煙の動脈硬化リスクが加わると心筋梗塞、動脈硬化が起こりやすくなります。

・ 慢性腎臓病(CKD)
国民の8人に1人はかかると言われている疾患で、全身のだるさを訴えた時には症状は進行しています。

肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常などの因子が悪化要因になります。

腎臓の機能低下、蛋白尿が末期腎不全、透析の原因になるだけでなく循環器病や死の原因となります。

・不整脈
頻脈(多い)徐脈(少ない)、不規則などがあります。

近年の心電図計は細かな不整脈もキャッチしますので、以前は異常とみなさなかったサドルバッグ(馬のあぶみ型)不整脈を感知することもあります。

不整脈のみでなく、近親者に心疾患での死者はいるかという遺伝要因や失神経験があるかも心疾患鑑別のポイントとなります。

・虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)

心臓自身に栄養や酸素を送っている冠動脈が動脈硬化などで狭くなり、心臓が酸素欠乏に陥る状態(狭心症)や、血管が詰まってしまって、心臓の一部が死んで動かなくなる状態(心筋梗塞)があります。

生活習慣病とかかわる重大な病気で、最初の発作で『突然死』することもあります。

・弁膜症

心臓の中には、血液の流れを一方通行にして逆流を防ぐ弁が4つあります。

これらの弁の障害による病気が弁膜症です。これには、弁が硬く開きにくくなる「狭窄症」と、弁が閉じきらずに血液が漏れてしまう『閉鎖不全症』があります。

多くは小児期にかかるリウマチ熱という病気の合併症で、20歳代で弁の異常が進行し、30~40代になるとそれがはっきり現れるようになります。

弁膜症には、先天性のものや、動脈硬化などの結果生じるものもあります。

・心不全

心不全というのは病名ではなく、状態をあらわす言葉です。

すなわち、ポンプとしての心臓の働きが弱り、そのため全身に必要な血液が供給されない状態、あるいは血液の流れが滞る状態のことをいいます。

どのような心臓病であってもポンプ機能が異常になると『心不全』になります。

心不全といわれたら、原因となる疾患がかくれていないか、はっきりさせることが重要です。

(以上、虚血性心疾患、弁膜症、心不全については以下のurlを参照しました。)

http://yotsuba-heart.jp/department/circulatory_diseases/heart_disease.html

※ 心理職は何か身体症状があっても心因と考えがちですが、胸の締め付けられる痛みは救急対応が必要な事態です。すぐ救急車を呼びましょう。

過呼吸もカウンセリング中に収まる場合があるかもしれませんが、しょっちゅう心理職が介入していると身体疾患のWPW症候群を見逃す危険性があります。、

・周産期心筋症
妊娠、出産による心疾患、産褥心筋症

・高血圧
血圧は測定時にBPと略して記載されます。
上140、下90以上が高血圧とされ、ストレス、タイプA型行動パターン、飲酒、喫煙でも血圧は上昇し、血管内部を痛めるので心疾患や脳梗塞の原因にもなります。

・動脈硬化は脂質が動脈に蓄積する、細胞新生が起こらず心筋梗塞、脳梗塞を起こします。

動脈硬化と高血圧には相関性があるリスクがあります。

「高血圧が体におよぼす影響として最も危惧したいのが「動脈硬化」です。動脈硬化が高血圧を招く一方で、高血圧が動脈硬化を招くこともあるのです。
 動脈硬化とは、体内の血管で起こる“老化現象”をいいます。高血圧の状態が長く続くと、老化現象は一層進行します。高血圧の状態では、血管の内壁に強い圧力がかかるため、血管がダメージを受けやすくなってしまうのです。」

メディカルネットブック
高血圧の基礎知識 高血圧(第1章)
https://m-netbook.jp/hypertension

・脳卒中は脳梗塞、脳出血によって起こる三大生活習慣病のひとつですが、死亡率が高いくも膜下出血、I時間程度で収まる一過性脳虚血性発作があります。

※ 医学分野について本格的に知りたいのならMSDマニュアルも参考にしまこょう。

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