
◯ 公認心理師試験再受験組の憂鬱
以前再受験組の合格率は低くなるだろう、と書きました。
それだけだと希望がない記事になってしまうので、再受験組の合格率は低くなるだろうけど個別で見てみると例外は多々あるだろうという事実を摘示するのが適切かと思います。
国家試験で再受験合格率が低いのは医師、歯科医師、薬剤師の厚生労働省のデータで出ています。
医学部の毎年合格率9割程度、既卒者6割と聞くと公認心理師第2回よりも合格率が高いので「なんだ、楽勝じゃん」と思いがちですが、どの大学の医学部も合格率が低いと国からの補助金がばっさり削られます。
だから成績が悪い医学部学生は留年させたり、他学部に転部させたり、果ては放校(強制退学)と大学側はきわめて厳しい措置で対応しています。
歯学部はなんだかもう開き直ってしまっているのか、国家試験合格率2割台を公開している(させられている)大学あり、既卒者はほぼ合格していない0パーセントの歯学部もあります。
薬学部も同様で、専門薬学教育を6年受けて新卒なら84.87パーセント、既卒者は47パーセントです。
国立でも私立でも医歯薬学生を一人前に育てるには例えば医師、歯科医師なら6千万円以上のコストがかかります。
国立なら国費で学生を教育、私学なら親が学費を出します。
医師国家試験9割は高い合格率と思えても、残り1割で国試を落ち続ける人に対しては大変無情で、医歯薬学部を出て国試に受からなければまず他のつぶしが全く効きません。
一昨日の記事で偉い臨床心理士のB先生が「6割取れればいい試験なんだよ?」と言っていましたが、国は落とした4割の人の人生の行く先を考えることはありません。
思うに、B先生は学部、大学院と心理専門教育を6年みっちりと受けたレベルを求めているわけですが、一度試験に不合格になっている人はさまざまな点で合格しにくいという構造があります。
その理由としては
1.記念受験、意欲
コストをかけて準備したしチャンスがあれば限界まで毎年受験する
これは医学部既卒浪人にもいて、名門医学部卒、親が大会社の社長なので跡取りになったけれどもとりあえず医学部既卒なので無勉強で毎年受け続けていて出身大学は「やめてくれ」と言っても本人は聞かないという例を聞いたことがあります。
こういう人は元々あまり勉強も準備もしていなかったわけです。
2.多忙、健康上の理由
これはもう勉強に集中するどころではないです。
第1回試験でものすごく優秀な臨床心理士の人が家事育児にてんてこ舞いで140点合格というのを聞きましたが彼女とて全く無勉強だったわけではなく元々一流大学や院で鍛えられた素養があって睡眠時間を削ってなんとか合格できたということでした。
3.勉強法
いろんな人たちが3回の試験を受けて勉強法は何がいいのか模索して有効な方法を探し出しています。
公認心理師試験は独特のセンスで事例を解かせます。
しかし国語力や勘だけで満点は絶対に取れません。
知識問題1点で明暗が分かれることもあるので、基礎心理学重視の公認心理師試験の勉強には基本書は欠かせないのではないかと思いました。
勉強時間をかけることで誰にでも解ける可能性はあり、ただし正答率が高い問題は落とせないとも感じました。
※ さて、第1回試験は優しいと言われながらも勉強時間が取れずに不合格だった臨床心理士の知人が第2回試験に再チャレンジして合格していました。
打たれ強い心理学的なレジリエントさ、絶望せずに楽観的に勉強を進めていける能力がその人にとっての利点、アドバンテージになっていたようです。
B先生曰く、6年間専門教育科目をみっちりと学んだ人並みのレベルを求める試験ということです。
ただ、解法のコツもあり、知識は着実に積み上げれば1点ずつ伸ばせる試験だと多くの人が言っています。
一般論として再受験組合格率は確かに低いですが、それを乗り越えられる方法は多々あるのではないかとも思います。
再受験=不利という図式には常に例外があるだろうと思っています。