読む復習・森田療法 内観療法 動機付け面接 ストレスチェック 公認心理師試験
◯ 森田療法
・開祖
森田正馬医師
自身が東京帝国大学医学部在学中に仕送りが途絶え金銭的に困窮する。
「勉強をやるしかない」と医学の勉強に没頭して葛藤を吹っ切る。
この体験が元になる。
森田療法理論=神経質理論
(森田療法の適用範囲も神経症(不安症、強迫症、パニック障害、不眠症、心身症)が中心であり、神経質性格がターゲットに)
ヒポコンドリー性基調(自己の心身に病的なものが存在するのではないかという果てしない不安。
このヒポコンドリー基調を鍛えることが森田療法の目的
神経質性格は「とらわれの機制」が働いていて自分はこうでなけらばならない、死ぬのではないかという観念にとらわれる。
・「悪いことが起きるのではないか、不安で仕方ない、心臓がドキドキする」→実際に心臓に神経が集中するので具合が悪くなる→精神交互作用
症状を取り除くのではなく「あるがままの自分」を受け入れること
・森田療法入院治療の実際
1.絶対臥褥期
狭い個室で寝た切りになり3日間〜1週間程度全く何もさせない。苦悶の時期
「煩悶即解脱」
2.軽作業期
軽作業をしながら日記を書く、治療者がコメントをする、外を眺めるでけなど活動制限。こだわりを捨てる。
3.重作業期
薪割り、大工などの汗をかく作業をひたすら行う。
無心に体を動かして喜びを感じる。
読書は軽い内省を過度に促さないもの。
4.社会復帰準備期
日記、読書療法。
森田療法は不安を打ち消すのではなく、不安をそのままにして不安とともに生きていくことを目標にしています。
◯ 内観療法
1950年代に吉本伊新が浄土真宗の「身調べ」という修養法から発展させた。
他者視点、脱我
集中内観療では他者から「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」を課題として考えさせる。
両親、家族、恩師
内観療法は1週間半畳スペースで外観刺激を断つ。
上記3つをひたすら3年〜5年範囲で思い出し、1時間ごとに3分〜5分程度で治療者が報告を受ける。
朝6時から夜9時まで
治療者はクライエントに共感、激励、毅然とした父性的態度といたわりの母性性を共存させる。
クライエントの症状には言及しない不問的技法。
適応病理:不安障害、解離、身体表現性障害、神経症、心身症
日常生活の中で行う「日常内観」もある。
◯ 動機づけ面接-Motivational Interviewing,MI
元々動機付け面接は、カウンセリングの中でも問題意識が薄い、アルコール依存患者や犯罪加害者について行われているものです。
治療アドヒアランスが薄い糖尿、禁煙などの生活習慣病への応用も期待できます。
変わろうという意識が薄い、あるいは変わりたいけれども変われる自信がない、変わったらいいことがあるのか?という疑問を抱いているクライエントが対象者となります。
このようなクライエントが変わりたいう意識を引き出すためには、治療者側の強制ではなく、クライエント自信が変わりたいという自己動機付け発言(チェンジトーク)が必要になります。
チェンジトークはDARN-Cが必要になります。
Desire 変化への欲望、希望、願望
「一体変化したらどうなれるか?」
Ability 可能性、過去の成功経験を思い出し、できる能力があると信じること
Reason 変化する理由、変化できたときのプラス面は?
Need 逆に変化しなかった際のデメリット(失業、離婚、逮捕、入院等)
Commitment 結果を出すための具体的手順
・動機付け面接の原則
1.共感
まずクライエントが言うことを否定せずに話を聞く
2.矛盾を広げる
共感しながら話をクライエントにしてもらっているうちに、明らかに矛盾している発言をクライエントがしていることを気づいてもらう。
治療者が矛盾を指摘するわけではなく、あくまでクライエント自身に気づいてもらう。
3.言い争いを避ける
非難することはクライエントの自己洞察を阻害する
4.抵抗を手玉に取る
変化しようとすると抵抗が出て来たり、対社会、対人関係での軋轢が出て来てしまいます。
そこで「自分はダメだ」というのではなく「そこまで頑張っているんですね」と抵抗を逆に励ましの材料に使うこともします。
5.セルフエフィカシー(自己効力感)を支持する
小さなことでもクライエントが達成したことを賞賛します。
・動機付け面接におけるOARS
O=Open ended question
自由に自分の気持ちを話せるようにする。
A=Affimation
是認、変化への意欲ある発言を是認する。
Refrectlve listening
おうむ返し、さまざまな言い方でクライエントの言い方を言い換えて動機付けを高める。
Summarize
要約してどの時点にカウンセリング経過が位置しているのか、クライエントの現状を共有する。
治療者はあくまでクライエントに寄り添っているだけで、上位ではない。
目標はクライエント自身が洞察に達成すること。
治療者はクライエントが自主的に変化への意欲が湧くようにガイドする、クライエント中心主義。
作業同盟を結び、計画は動機付けが高まる理由についてだけでなく、むしろ「いつ、どうやって変わるか」に焦点を合わせる。
◯ ストレスチェック制度
2015年12月実施
労働安全衛生法第66条に新たに規定、事業者が毎年1回医師、保健師、厚生労働省大臣の研修を受けた看護師、精神保健福祉士、歯科医師、公認心理師が実施するストレスチェックテストを施行、その後希望者に対して医師の面接を可能とすることを義務付ける。(事業所内部または外部委託)
テスト結果の回収は事業場が行ってはならない。
結果の第三者や人事担当者の閲覧は厳禁。
ストレスチェックテストの結果は医師等から直接本人に通知される。
本人の同意なしに事業場への通知をしてはならない。
医師などの実施者は高ストレス者に対し、面接指導必要者を本人あてに通知する。
結果も医師等が保存。
事業場は医師等の面接結果を5年間保存する義務。
※ 医師との面接実施を希望した時点でその本人のストレスチェック結果は事業場に提供されます。
ストレスチェックテストの結果高得点だった者のうち、申し出者は医師の面接を受けることができる。
申し出者について事業者は不利益な扱いをしてはならない。
実施義務 (労働安全衛生法だけでなく、安全配慮義務違反で労働契約法にも違反するおそれあり)
参考: 労働契約法第5条「従業員が安全・健康に働くことができるように配慮する義務」
対象:50人以上の事業場は実施あり(ちなみに50以上というのは、産業医を選任すべき事業場でもある。労働安全衛生法施行令)
このストレスチェック制度対象には地方公務員、私立公立学校を含む
50人未満の事業場で実施する場合にも本指針に従う義務あり。
ただし、50人未満の事業場については報告義務なし。
罰則は50万円以下の罰金(未実施、報告せず、虚偽報告)
50人というのは「正規社員」という意味でなく、常態として雇用している契約社員、パート、アルバイトを含みます。
(1年以上契約、就業時間4分の3以上)
労働基準監督署への報告義務
解雇、雇い止め、不当な配置転換の禁止
職場環境の分析とアドバイスを受けることができますが、集団規模が10人未満の場合には個人の特定が可能になってしまうので10人未満全員の同意がなければ結果を入手できません。