ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

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◯ 公認心理師・臨床心理士W受験生応援中by僕らの憧れまりぃ先輩

ワタクシのff(ツイッターのフォロー・フォロワー)にて、新規院卒者が公認心理師・臨床心理士ダブル合格作戦を広めている「まりぃ先輩」に多少、多々無理を言ってご寄稿お願したところ二つ返事で「はい!」とのこと。

その試みは素晴らしいことです。そして大事なことなので何回も宣伝しておきます。


というわけで彼女の試みを紹介してみたいと考えてみます。

(以下まりぃ先輩の文)

1,「まりぃ先輩」とは

こんにちは、はじめまして、まりぃです。
心理のお仕事は、院生の頃から「先生」と呼ばれることが多いので、先生呼びを避けて自分のスタンスを明確にするため、わざと「先輩」と名乗っています。理由は、この活動が「臨床心理学を大学院で専攻し、修士号を得た方が、新卒一回目の試験で臨床心理士試験・公認心理師試験に合格することを応援する」もの、あくまで「ちょっと前に終了した先輩が現役受験生を応援する」ものだからです。

そもそもは、自分の所属している大学院の先輩を含めた方々が、ケースも検査も実習もカンファレンスもそれなりに熱心にされ、大学院のレポートや修論も一生懸命書いているにも関わらず、なぜか資格試験は合格せず、2回3回と受ける方が多いことを残念に、そして不思議に思っていたことが始まりでした。実際自分が受験する段になったときは、試験そのものの情報収集だけでなく、一発合格した方の勉強方法の情報収集もしましたし、今までの人生で培った受験スキルなんかも活用しました。おかげさまで一発ダブル合格できたのですが、一緒に受験した皆は全滅していました。

嫌味にならないように伝えるのがとても難しいのですが、自分が受験をする年には、皆と自分、何が違うか観察しながら勉強に励んでいました。そしておそらく、「勉強の方法」という基礎スキルが違うということを発見しました。大学院での研究、学び、実践は皆平等に「やり方」を学んだので一緒にがんばれました。でも、資格試験になかなか合格しない人は、「試験用の勉強方法」を知らないように感じました。

せっかく「やる気」があるのに、頭も悪くないのに、もったいない、と心底思いました。そして、ただそれだけの差であるならば、次からの受験をする後輩さんには、何回も受験する遠回りをさせたくない、と思いました。そんなわけで、せっかくならばリアル後輩さんだけでなく、他の方にもご一緒に、受験勉強の仕方をお伝えしよう、そんな思いで「まりぃ先輩」をはじめました。もちろん、私のやり方だけが正しいわけではなく、自分の方法が確立されている方もいらっしゃるでしょうし、中には何回も受験して遠回りすることが必要な方もいらっしゃると理解しています。

そのうえで、一回で独学で合格したいけれど、今までの人生であまり「受験勉強」をしてこなかったので方法を知らない、という方にお伝えできることをお伝えしよう、と思っています。

2,活動内容

SNSを用いて、勉強方法をお伝えしています。Twitterはコミュニケーションを取るのに使い、Instagramはスライドのように試験勉強のコツをまとめていっています。そして、テキストなどを用いて説明しないと伝えにくいことは、公式LINEを用いて、週に一回程度動画配信をしています。具体的には、「問題集をどのように解いていくと知識が定着するか」とか「心理検査の勉強は何を活用してどのようにしたか」などです。

ただ、専門職でない方にお見せするのに支障があるようなものは動画でも流せませんので、今後必要に応じて、「受験生」であることを保証できる方とご一緒に、もう少し詰めた検査の勉強会などもできたらいいなと考えています。(出身大学院によっては、PFスタディとか、ロールシャッハとか、軽くとったことはあるけど所見を書いたことがない、というお声もちらほら聞きます。そして、これらは臨床心理士に求められる知識・技能ですので、試験に出ます) InstagramとかFacebookとかで、シークレットのオンラインサロンのようにするとか、あるいはZoomなどで単回の勉強会をするとか……方法は考え中です。
Twitter⇨まりぃ先輩@KaUwIYtkWCOBYnC
https://mobile.twitter.com/kauwiytkwcobync
Instagram⇨ https://www.instagram.com/mariixianbei/
公式LINE⇨https://lin.ee/OPhiuLH

3、受験生の方へ
近頃は○○カウンセラー、○○セラピストが多くいます。そんな中で、「しっかり心について考えるなら、やっぱり臨床心理士(公認心理師)だよね」という声があるのも事実ですし、公的機関や医療機関が採用基準に「臨床心理士(公認心理師)」と載せるのは、有資格者が、ある一定の技能と知識を持っていると日本社会で認められてきたからです。

だからこそ、たかが試験、たかが資格と思うのではなく、せっかく大学院で学び、習得してきた在り方の証明として、資格をとってほしいと思います。
そのためにも、漫然と勉強するのではなく、作戦を立て、戦略的に学び、ぜひとも新卒一発目で資格試験に合格してください。そして堂々とプロとして、社会人になっていっていただきたいと心から願っています。

(以上)

いかがでしょうか?「早く公認臨床両方の勉強始めなきゃ」と思いつつもなかなか取りかかれない人がいることも知っています。これから勉強を始めようという人については絶好のヒント満載です。

僕も以前W受験生のためのスケジュールを考えてみたのですが、まりぃ先輩の戦略もぜひ参考にしてみるといいでしょう。

そして公式LINEアカウントに登録してみるとわかるのですが、しっかりとした内容をなんとむちゃくちゃ可愛いらしい声で語っているではありませんか。

(そういう理由だけで登録してはいけませんね。ええ、真面目な気持ちで登録しないといけませんね、いけませんね)

というわけで僕はすっかりまりぃ先輩ファンになってしまったわけですが、これからも進んでいくであろうまりぃ先輩プロジェクトに期待をしている次第です。


公認心理師試験対策


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◯ 公認心理師試験はブループリント非準拠か?(医学分野対策)

1.序

第3回公認心理師試験では特に医学分野で「なんだこんなもんブループリントに書いてねえよ」と思われた方も多かったでしょう。そして多分これは第4回試験でも出題傾向としてそう思われる問題が多く出題されるものと思われます。

それは小項目を見た際、小項目用語だけ、過去問だけを見るとそこだけが出題範囲と思ってしまうからです。

悪評が高かった薬物動態学は小項目にも載っているものでしたが院やテキストで重点的に学んだ人はおそらく少なかったと思います。

それでは他の問題は?

今回は医学分野についてのみ見てみます。

小項目だけから出題しなければいけないと決まっているわけではなく、小項目はあくまで「具体例」で、ここから出題されるのはあくまでもサービス問題とぐらいに出題委員は考えているのかもしれません。

そうすると遺伝カウンセリングすらサービス問題になってしまいます。

2.大項目・中項目とは?

大項目は到達目標、そして中項目も到達目標を細分化したものです。

今回難問とされた医学問題は大項目16「健康・医療に関する心理学」⑴ストレスと心身の疾病との関係に属するもの、大項目21「人体の構造と機能及び疾病」

から出題されていました。中項目⑴心身機能、身体構造及びさまざまな疾病と障害、小項目解剖学、生理学も範囲となっています。

したがって上の分野の大項目の中からならば何を出題してもいいということになります。

すなわち、出題側にとってはどんな出題をしてもこれに関連する物であればブループリントに沿っていることになります。

3.振り返り

第3回試験から振り返るとグレリン、レプチン(生理学)、過敏性腸症候群(心身症)、慢性疲労症候群(心身症)、むずむず足症候群(メンタルに多大な影響を与える疾患)、これらはブループリントを逸脱しているとは言い難いわけです。糖尿病も頻出ですが小項目には生活習慣病についても出題されています。

4.さて、そこで今後出題されそうな医学分野について予想してみます。

心身症としては

全身疼痛を伴う線維筋痛症(慢性疲労症候群との合併が多い)

疼痛.jp

機能性ディスペプシア

SOIKEN

また、アトピー、気管支喘息、本能性高血圧、狭心症、心筋梗塞、不整脈、胃・十二指腸潰瘍
、緊張型頭痛、偏頭痛、痙性斜頸、書痙、自律神経失調症、慢性蕁麻疹、円形脱毛症、頸肩腕症候群、腰痛症、慢性関節リウマチ、月経前症候群(PMS)月経異常、更年期障害も心身症として含まれます。

難病としては生活に大幅な制限を加えられることから

潰瘍性大腸炎(UC)

IBDステーション

クローン病

IBDライフ

などさまざまな疾患があります。

難病は何か、がんにはどういった種類があってどんな治療法をするかについては

MSDプロフェッショナル がかなり役立ち、僕も受験の時にはよく読んでいたものです。

精神疾患にも詳しいですが診断基準については必ずポケット版で構わないのでDSM-5は覚え込んでください。

それから思いつくままに書くのですがどんな薬がどんな作用をするのかということについては、抗精神薬の中でもベンゾジアゼピン系の依存性、SDA、パーシャルアゴニスタ、三環系抗うつ剤、気分安定剤(ムードスタビライザー)、双極性障害に保険適用となる抗精神薬(アリピプラゾール、オランザピン等)、副作用としてはセロトニン症候群、高プロラクチン血症、悪性症候群、セロトニン症候群も出るかもしれません。

薬剤性精神病もステロイド、薬剤とせん妄の関係なども出るかもしれません。

(以上、全疾患や薬剤、副作用等を網羅しているものではありません。)

4.結語

ブループリントの小項目だけをやってみる、過去問に出た疾患だけをやってみるということだと今後の公認心理師試験に十分に回答できない可能性は高いです。

医学分野についてだけ見てみましたが、大量の知識を流し込むように覚えて見ていかなければならない試験だというのは痛感しています。受験生のみなさんは大変でしょう。要するに「ブループリントは大項目の範囲内なら何を出してもいい」というものだと思っていただければと考えています。

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公認心理師試験対策


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公認心理師試験正答選択のコツ・国語力「も」必要

1.序

先般
公認心理師試験に偶然合格はあり得ない
の記事で「国語力だけでは合格できない」という趣旨の記事を書きましたが、「国語力もなければ」合格するのは不可能です。

そこで直近の第3回試験について、「正答選択のコツ」は「誤答回避のコツ」でもあることから「何が誤答になるのか」を見てみます。過去問練習の参考にしてください。

内科医たけお先生も選択肢に「ない」と書いてあると誤答、これはセオリーで、知識問題でも誤答を選ばないで済みます。

2.NGワード

第3回試験、誤答NGワードを並べてみます。(要約)

・自分1人で決める
・行わない
・自覚させる
・緊急性はない
・無理に服薬しなくてよいと伝える(厚労省及び文科省運用基準・「服薬指導はしない」→鉄板
・関連しない
・対象にならない
・伝えない
・見せない
・報告しない
・気づかれないように行う
・専門用語を使う(頻出・多職種連携でも)
・無効である
・関与しない
・関連しない
・管理しなければならない
・不安や弱さを考慮しない
・対象ではない
・原則として控える
・単独で援助する
・目標としていない
・時間的な制約のある場合は向かない
・関与してはならない
・限定する
・不必要である(糖尿病の知識問題!)
・可能性は低い(同上)
・限界について(心理療法)説明しない
・初回で漏れなく収集(インテーク面接での侵襲性)
・リスク要因にならない(口蓋裂などの可視的差異)
・必須である(効果研究!)
・適用外である
・含まれない
・経験の範囲を超えていても無理くりカウンセリングする
・控える
(事例)
・意識化させる→この試験のテーマのひとつは「侵襲性を避けること」したがって無理に直面化させない
・行わない、用いない
・できない
・心理療法の導入を第一に考えてしまう→心理至上主義誤答原則
・系統的脱感作をする⬆️同上
・直面化、暴力を受け入れる
・身体症状に触れずに心理療法をする(摂食障害)
・他職種との連携(助産師)をしない
・加齢による影響を受けない(サーカディアンリズム)
・著作権を無視した検査用紙コピー
・ラポール形成を避ける(心理検査にはラポールが必要)
⬆️心理検査における侵襲性の回避
・評価しない、考慮されない。(せん妄尺度を知らなくても誤答回避できます。)
・うつ症状が出ない(ほぼほぼ全ての精神疾患にはうつや落ち込みの併発可能性あり)

・→双極性障害・遺伝は関与しない(と言い切れる疾患があるのかどうか?なさそう、自殺可能性はうつより低い(セオリー)、気分安定薬の中止(セオリー)→全部誤答です。

・多重関係回避の法則
・技術指導に徹する
・リファー(紹介)を他機関にしない
・問題生徒だけに集中(学級経営の問題です!)
・個別性を無視した一律のパターンで行う

(以下、迷いそうな事例午後問題なので問題番号入れます)

・問124。「ない」は誤答。多職種連携をしましょう。
・問127。合意しない
(作業同盟の問題ですが常識で解けます。)
・問138
散歩を勧めたり具体的な事を勧める、実施するより、「評価」ですね。評価原則(勝手に僕が名付けたアセスメント第1主義)
・問142
急激な性格変容に心理的介入をしても…
・問144
医師や医療機関の関与がが選択肢に入っていれば他は誤答
・問145
まず知能検査やっちゃう(恐怖症っぽいのに)
・自殺の可能性は低いと思います。(どんな疾患でも…)
・問147
無理くり登校させようとする
・問149
見捨てられ不安が強いクライエントのカウンセリング中断したり直面化させるって…
・問150
反省、強い指導、自然に治るさー
・問152(学級経営)
守秘義務違反は❌
・医療機関との連携◯
他の生徒を我慢させたり、過去を忘れろと子どもに言うのか?

3.結語

さて、いかがでしょうか。試験が難化すると「正答選択」は「誤答回避」で得点率を上げられます。

誰もが正解しそうな問題を落とすとこの1点を争う試験には致命的になります。過去問練習のご参考までに。
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sᴋʏ sᴍᴇʟʟs sᴡᴇᴇᴛ.
鍵を見つけて扉を開いたら、その先にはまた新たな扉が待っていて。人生ってそういうものなんだと気づき始めた春色の時。
#桜🌸

公認心理師試験対策


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sᴡɪᴍ ɪɴ ᴛʜᴇ ᴡɪɴᴅ.
特別な何かを求めている限りは特別なものには出逢えない気がして。

○ 第4回公認心理師受験生&現役心理職への挑戦状「成年後見制度」

1.序

重箱の隅ををつつくような問題が第3回で出たので僕も重箱の隅を叩いて壊すような記事を試しに書いてみることにしました。知らない知識はあるでしょうか?評判が悪ければまたやります。

成年後見制度については
「公認心理師が成年後見人制度に期待される役割の増大」で記事にしましたが、公認心理師試験は「濡れ落ち葉一枚を見て森は見ない」ことを前提とした「史上最強のクイズ王決定選」です。臨床能力とはほとんど関係ありません。

今回は成年後見人制度についてありとあらゆることをくどくどと書きます。よく読んで試験対策をしておきましょう。裁判所・法務省・厚生労働省のホームページ(記載事項及び僕の知識を総動員してみます。これで第4回試験で成年後見制度が出題されてここにない知識が出たら僕の負けです。

2.公認心理師制度との関係

公認心理師法は第三条第一号によって、従来成年被後見人、被保佐人が欠格事由となっていて、該当すると公認心理師になれない、そして該当するに至った場合には必要的欠格事由として公認心理師はその資格を喪失するという定めがありました。

ところが内閣府から提出されていた成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化に関する法律」が令和元年6月14日に成立しました。これまで数多くの国家資格で成年被後見人になった場合、欠格事由として定められていた 187 資格が被後見人となっても資格剥奪をされないことになったのです。

公認心理師も同様で、被後見人となっても欠格事由とはならなくなったのです。

現在の第三条第一号は「心身の故障により公認心理師の業務を適正に行うものとして文部科学省省令・厚生労働省省令で定めるもの」となっています。

3.成年後見人制度

そもそも成年後見人というのは、被後見人、被保佐人、被補助人の権利、身上監護、財産保護のために作られたものです。従来は「禁治産宣告」(寝たきり、認知症、高次脳機能障害、知的障害、統合失調症など意志能力の欠缺(「けんけつ」欠けていること)や心神喪失者や意志能力の減弱や浪費等の心神耗弱者に対する準禁治産者のための「準禁治産宣告」と呼ばれていたのが、平成12年(2000年)に法改正されたものです。

4.任意後見

成年後見人制度に入る前に任意後見人制度について説明します。(法務省ホームページ Q&A 参照)

任意後見人制度とは、本人が十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力がなくなった時のために公証人役場に行き、公正証書を作成し、将来的に誰が後見人として財産管理をすることになるか定めることになります。後見人の指定は家族でも可能です。これを「任意後見契約」と言います。

財産管理といっても、例えば本人が意志能力が欠缺した後に特別養護老人ホームに入るにしても多額のお金がかかることがあります。そういったときのために任意後見制度があるのです。任意後見制度を利用した場合、財産管理が適正に行われるのです。借地を本人が持っている場合も同様に後見人が財産管理を行えるのです。メリットは、被後見人が意志能力があるうちに信頼できる後見人を指定することができるということです。

任意後見は家庭裁判所が必ず後見監督人を指定します。後見監督人は後見人が依頼した公正中立な、本人の財産管理が適正に後見人によって行われていることを確認するためにあります。(以上法務省ホームページ参照)

5.家族信託制度

最近つとに注目されているのが家族信託制度です。家族信託というのは老後の生活に必要な介護、資産管理等を信頼できる家族に管理・処分を任せる制度です。成年後見制度に比べて、制約が少ないです。家裁への報告義務もありろん。元気なうちに本人の指示を得ておけば、本人の意向に沿った財産管理ができて、しかも本人が判断能力を喪失した後も財産の処分をすることができます。家族信託は多分出題されないだろうと思うの参考まで、ここまでにしておきます。

6. 成年後見制度

成年後見人制度は、民法第7条「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状況にある者」に対して行われます。

後見人選任事件では、(家裁では「事件」という。)調停(話し合って合意に達すること)ではなく、裁判官の審判で行われます。なお、後見人選任事件についてはいったん申し立てたら申立人の意向で勝手に取り下げることはできません。

これも本人保護のためです。ほとんどの後見人選任事件については家庭裁判所調査官の調査が入ります。

さて、後見制度には3つの類型があります。

⑴ 後見

ひとつめは「後見」です。本人が寝たきりや幻覚妄想状態に常にあり、見当識(自分の名前、今どこにいるか、年月日がわからない)状態で回復の見込みがない、こういった場合には後見を開始する審判決定がほぼ出ます。

後見を行う目安としては長谷川式知能検査(HDS-R) 12 点~16 点程度です(通常、20 点以下は認知症と診断されます。(諸説あり)なお、被後見人となるのは HDS-R11 点以下、知能指数 40以下というのもひとつの判断基準です)。MMSE で言えば14点以下と言えるでしょう。(WAIS が行われる場合もあります。)

財産管理が十分にできない、土地取引や大きな金銭を動かすことができない(ただし、預金引き下ろしもできない)、契約行為は意志が欠缺した無能力者として扱われますので、後から被後見人や被保佐人(後述)が行った行為は取り消すことが可能です。

民法13条1項では、借金、訴訟、相続承認、放棄、新築、改築、増築行為が定められていて、これらの行為を被後見人が行った場合取り消すことができますが、それ以外の行為についても同意権がなかったものとして取り消すことがで
きます。日用品を買う権利は被後見人にもあります。

(ただ、被後見人や被保佐人 HDS-R (16点以下が目安)これら被後見人らの行った契約は必ず取り消さなければならないというわけではないので、異議申立てをしないと契約は有効です。)。HDS-R は財産の処分に関する検査ではありませんので、一つの「基準」と考えた方がよく、点数が高い、低いからといって後見や保佐のカテゴリーが厳密に区別されるというわけではありません。(MMSE や WAISは必ず行われるわけではないです。)

⑵ 保佐

「保佐」は後見よりも本人の自由度は高いけれどもやはり意志能力が減弱している状態です。保佐であれば、民法13条第1項の貸金の利息を受け取る権利があります。また、日用品を買うことができる権利もあります。遺言状を書く権利もあります。

ただし、大きな金銭が動く行為、遺産分割は保佐人の同意を得なければなりません。

⑶ 補助

「補助」はさらに軽い状態で、日常の生活がほとんどできるものの、意思能力が弱まっている場合を差します。以下は裁判所の類型判断の目安ですが、

ア 後見=「支援を受けても、契約等の意味・内容を自ら理解し、判断をすることができない。」

イ 保佐=「支援を受けなければ、契約等の意味・内容を自ら理解し、判断をすることができない。」

ウ 補助=「支援を受けなければ、契約等の意味・内容を自ら理解し、判断をすることが難しい場合がある。」

ということです。

判断が難しい場合には、医師が「鑑定」を行い、後見等が必要か、どのレベルにあるのか詳細な鑑定を行うこともあります。(家裁からの指示による)。また、この鑑定は必ず精神科医が行わなければならないわけではありません。
後見人制度は被後見人、被保佐人の保護のためにあるので、推定相続人(の配偶者や子など)や利害関係者のためにあるのではないということに注意を払う必要性があります。

なお被後見人、被保佐人も一身上の身分事項、結婚や選挙権の行使はできます。 

後見人の申立権者は配偶者、四親等以内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、検察官(市町村長・身寄りがない場合)です。

後見人、保佐人、補助人は家族がなることもありますが、そういった場合、推定相続人(本人が亡くなった後相続権が発生する場合)、利害関係のない後見監督人、保佐監督人が選任される場合もあります。後見人等は家族が希望した弁護士、司法書士がなることもありますが、裁判所が独自に選任することもあります。弁護士司法書士が後見人等になったからといって後見監督人が必ず選任されないというわけでもありません。なお、このブログで何度も出てくるマチパーさんのような社会福祉士も後見人になることができます。

実務上、本人に大きな財産がある場合には家族や社会福祉士が後見人になることは少ないです。また、後見人等は1人とは限らず、例えば妻がと弁護士が共同で後見人になる場合もありえます。

申立人は裁判所が選任した後見人を希望することもできますし、家庭裁判所(家事審判官=裁判官)が独自に後見人を先任することもあります。ただし、家裁が意向と違う後見人等を選任したからといってそれを理由に解任の申立てをすることはできません。

裁判官が職権で申立てとは異なった後見人を選任することができる根拠は民法843 条第4項にあります。

「成年後見人を選任するには、成年被後見人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、成年後見人となる者の職業及び経歴並びに成年被後見人との利害関係の有無(成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びに成年被後見人との利害関係の有無)、成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。」とあります。

なお第1項は家庭裁判所(家事審判官)が職権で選任すること、第2項は成年後見人が欠けた場合には親族等の請求や職権で成年後見人を選任できること、第3項は親族等の請求や職権で後見人をさらに選任できることが記されています。

後見人が不正を働いている場合には後見人解任の申立てをすることもできます。よく誤解されやすいのが、裁判であれば弁護士は交渉権や代理権を持つことができて司法書士は書類作成のみしか行えないのですが、後見人、保佐人、補助人になると司法書士、社会福祉士、あるいは親族は代理権を持つことができます。

成年後見人等は、本人の身上監護の一環として生活、医療、介護、福祉の支援を行います。必要な福祉サービスを受けられるよう、介護契約締結、医療費支払いも行います。ただし、実際の介護や食事の世話などはその職務に含まれません。

成年後見人等は裁判所の監督を受けることになります。被後見人等の財産が適正に管理されているかどうかを定期的に家庭裁判所に報告しなければなりません。

さて、成年被後見人等になるとその事実が法務局に登記が行われます。事務取扱は東京法務局で一元化して行っており、後見人等選任申立ての際には被後見人等にすでになっているかどうか、確認の書類を取り寄せることになります。
後見事務は煩瑣です。したがって有償で行うことができます。根拠は民法862条、「各裁判官は、後見人及び被後見人の資力その他の事情によって、被後見人の財産の中から、相当な報酬を後見人に与えることができる」です。

以上

公認心理師試験対策

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公認心理師試験 142 点マチパーさんの勉強法

1.序
以前相談支援員のマチパーさんの記事を書きました。社会福祉士、精神保健福祉士、保育士に加えて今回公認心理師を取得したことで、とても仕事の幅が広がったと、G ルート他職種挑戦組の中では公認心理師資格を十分に生かして仕事をしているという、国家資格を十分に活用している方です。

さて、前回は書かなかったのですが、マチパーさんのブログから、彼女の公認心理師試験の勉強法について紹介させていただきます。

(参考;まーライオンのいい、かげんブログ」

2. マチパーさんの勉強法

彼女は受験の2年前から創元社の「心理学手帳」を愛用していました。心理学手帳は公認心理師の受験生たちにもとても評判が高く、ぎゅっと公認心理師試験の出題分野が確かに凝縮されています。脳のしくみに始まって、基礎心理学、統計、関係行政論(法律)等僕も度々参考にしています。

彼女は第3回公認心理師試験が延期になる半年前から、過去問を解いたりと勉強をしていました。実質試験直前、100日!の勉強で他職種から挑戦したわけですが、掲載してある採点写真を見てみるとやはり「うーん、合格点には届かないなあ」という点数、よくここからリカバリーできたものだと思います。

結局9月に勉強を再開してから日ごろから仕事に多忙な彼女は勉強できるのは土日や連休に限られているとのことでした。青ペンギン本を参考にしていたみたいですね。

あとは写真を見るとわかるのですが、びっしりと細かい文字で覚えたい学習領域をトイレ、お風呂、洗面台に貼ってありました。


他の受験生からも「書いて」ペタペタあちこちに貼って合格したという話を聞きました。

公認心理師は1回目、合格率が8割近かったといっても僕の知人でもやはり無勉強の心理大学院卒業者が不合格で、2回目にリベンジ合格したという話を聞いています。

マチパーさんも第1回不合格、2 回目多忙で見送り、3 回目にして見事リベンジを果たしたわけです。直前にマチパーさんがしていた勉強の密度の濃さを見てみると、彼女にとっては結局延期になってモチベーションがいったん下がっただろうけれども、それが幸いした?のか勉強時間が取れることになったので合格できたのかな?と思った次第です。

仕事の合間を縫って土日勉強、平日は帰宅して 30 分間という、2 カ月前は過去問をペンギン青本で解くことに集中していましたが、「このままでいいのだろうか?」という疑念を持ったことから、確かにプロロゴス山崎先生が言うとおり「事例問題は現場感覚を捨てる」という指針、それがマチパーさんにはうまく行かなか
ったようです。

毎回試験で僕も思うのですが、スクールカウンセラーが教員にコンサルテーション(は大事な仕事と言われている)けれども例えば「新卒のスクールカウンセラーがベテラン教師に偉そうに心理学を生かしたアドバイスなんかできるかい!」と突っ込みますが、そういう現場感覚は要りません。

産業場面にいる僕も「配置転換しちゃえよ、辞めたければ辞めさせないともっと悪化するよ」と現実の介入をすることがあっても、それは公認心理師では要らない事例感覚です。

そこで彼女が購入したのは「公認心理師試験1問3点!事例問題の解き方本」辰已法律研究所、でした。また「公認心理師試験事例問題の解き方本(Part2)」辰已法律研究所、で事例に焦点を当てて勉強をすることにしました。

これは僕は正しい勉強法のひとつだと思います。知識問題よりも事例が簡単だとは限りません。非常に紛らわしい、現場感覚が邪魔をする問題は多いです。そこでそういった「自分なりの癖」を捨てて事例対応能力をブラッシュアップするのは得点力を高めるのは点数を得るために大切です。

2カ月前、やはり過去問をやってみると心理系は弱い、大変な思いをしていた様子が窺われます。

3. 1カ月前〜直前まで

成年後見人を引き受けるなど、マチパーさんにとっては1カ月前は大変多忙な時期でした。ということで「プロロゴス模試」しかできない状態、そして前回よりも点数が下がっているということで大変焦ります。

そこで彼女が行ったのは、YouTube での聞き流し作戦。これは他職種Gルート参戦者のケニーさんも勧めていた方法です。彼女は宮川先生、山崎先生、精神科医松崎先生。放送大学の聞き流しでした。マチパーさんも高い評価をしていますが、これは直前学習としてはかなり効果があったのではないかと僕は個人的には思います。

4.メンタル・健康面での補強

彼女はブログ「振り返り」の記事の中で「平常心」「あきらめない力」「本番に強い」と言い聞かせていたことがわかります。

彼女は自分で「体が弱い」と自己評価、確かに大病をして手術を受けたり気圧変動に弱いところもありますが、仕事の様子を見ると八面六臂の活躍をしています。

健康面では「だし&栄養スープ」(記事「公認心理師試験番外編密かな戦略」)参照、プラセンタ注射、健康食品、食事制限などでした。
この辺りの対策は実は大切なのではないかと僕も思います。なぜならば「自分は弱いから強さを補う」という姿勢でないと慢心してしまいますし、勉強やメンタルなどあらゆる面に影響するからです。

5.僕の印象

マチパーさんは決して怠けていたから142 点ギリギリ合格だったわけではありません。むしろ足りない時間を使ってよく苦手分野を補って成功にたどりついたのだと思います。この試験は大学院卒業程度を予測して作られた試験、受験生のみなさんにはマチパーさんの気迫の込められたサバイバル勉強法をぜひ参考にして学習して欲しいものだと思いました。

元々心理学が好き、そしてマチパーさんは発達障害も含めて今なお勉強中です。受験後も公認心理師の振り返り記事をブログに書いたり、もっと心理学を勉強したいと思ったり、こういった学ぶことに関して、いい意味で貪欲な姿勢が彼女を合格に導いたのではないでしょうか。

※ 本記事を掲載するに当たってマチパーさんに読んでいただいたところ、そのまま掲載していいという了解とともにありがたいコメントをいただいたのでそのまま掲載します。

「ひなたあきらさん、マチパーです☺️再び取り上げて下さるということで、とても光栄です、ありがとうございます😊

今も大変だった日々を時々思い出します。30代で取った社会福祉士と精神保健福祉士と比べても、格段に今回の方が苦難の連続でした。

合格証書を受け取った時の感動と涙腺の緩みは、修士修了並みでした。その気持ちを忘れない為にも、Twitterの固定ツイートをその時のものに変えました💦」



そして受験生へのみなさんへということでありがたい言葉もいただいております。

これから公認心理師を目指そうとしている方へ。私も志してから、資格を取るのに3年の月日が流れました。

第1回試験。手探りでしたが、Twitterで情報収集していました。初めの試験だから、不勉強でもどうにかなるのでは?と慢心が見事玉砕した原因でした。

2回目はたしかに受験を見送りましたが、心理学手帳を仕事用に使い、時間がある時に読み進め、普段の生活の中で心理学用語を意識していきました。

第3回は、半年かけ万全な状態で取り組もうとしていましたが、健康診断で病気が見つかり春に入院、手術とブレーキがかかり、おまけにコロナで試験延期と憂き目に遭いました。

7月22日に受験日程が決まり、多忙の冬!しかも飛行機の距離の試験会場…ホント、なぜいつも私は何かやらかす…そんな性格を恨みながらも、人生最後の受験を後悔ないようやり切ることを誓いました。

9月から再勉強開始、2か月は過去問に取り組めました。幸い秋の行事が中止となり、時間ができたので比較的勉強に取り組めた時期でした。

しかし11月になると、職場の理事長が倒れ一大事に!とても勉強ができる状態ではなく、気持ちばかり焦る日々。

Twitterで「受験辞めます」「返金応じます」と言う言葉の誘惑に「辞める」ことを何度も考えました。

受験2週間前に「やっぱり悔いないように受ける!」と誓い、美味しいご飯と大事な人達に会う!目的に変えました。

私のやり方が参考になるか…なんとも言えませんが、葛藤し続けながらも「最後まで諦めない」気持ちを持ちつつ、最後は「開きなおり」「人生最後の受験を楽しもう」と気持ちを切り替えたのが、良い結果を生んだのだと思います。

「時間がない」「仕事や家の事に追われて」と言う事実はありますが、皆さん時間がないのは同じです。そこから、自分自身の弱点を掴み、自分に合った最善な方法で確実に合格を掴み取る勉強ができるか!これに尽きると思います。

そして、最後は暗示をかける。「あれだけ頑張ったんだ。私はきっとできる。本番に強いじゃない!」…うーん、最後の開き直りが1番良かったのかも😏

受験生の皆さん、どんなに大変でも諦めない心だけは持ち続けて下さい!貴方を応援してくれている人は沢山います。勉強は辛く厳しい、自分との戦いですが、最後は笑顔で迎えられることを、経験者として応援します!


今後ともバイタリティあふれるマチパーさんの活躍に期待しております。

※ 2021.3.20付記
この時間前後に至るマチパーさんの時間を作り出しての努力は空前のもので、常人には出来なかったと思います。もっと体力と気力時間を他のことに取られなかったらより高得点で合格できたものと思います。また、このようなコンディションで難関試験を諦めずに最後までチャレンジしたマチパーさんには敬意を評します。


公認心理師試験対策


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