ひなたあきらの公認心理師でポン!

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:公認心理師試験

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◯ IPSA(イプサ)心理学大学院予備校に電話取材・公認心理師試験直前にやっておくべき事とは?合格のコツ

大変お忙しい中、臨床心理学大学院予備校から、現在公認心理師試験大学院、そして公認心理師試験対策も行っている同校に取材のため電話しました。

代表の浅井伸彦先生はご自身も臨床心理士・公認心理師で中国語マスターのためのベストセラーも書き、カウンセリングもしながら予備校も運営するという大変多才な方です。韓国語、英語も堪能ということで大学院受験には必須の英語教育も充実しています。

https://www.seminarjyoho.com/i/teacher/115014/

ここは一般社団法人国際心理支援協会として現任者講習を行い、また受験生の方々向けにも多く心理系のテキストを出しているのでこれまで何らかの形でかかわりがあった人も多いのではないでしょうか。

大学院試験対策もしているのでこれから大学院受験をしたい方に対する「無料相談会」もあり、問い合わせをしてみてはいかがかと思います。

また、第3回公認心理師試験対策もカリキュラムもバッチリと行っています。

以下インタビューです。

僕「第3回公認心理師試験受験者に対する教育として貴校ではどんな事をやってらっしやいますか?」

浅井先生「3月21日までは講義もやっていたのですが、コロナの影響から、今は通信講座、直前対策講座、それらを全てオンラインで行う可能性があります。」

僕「貴校と他にも公認心理師試験をやっている予備校がありますが、その差はなんでしょう?」

浅井先生「ほかの予備校ではビデオ講義ということで百数十時間やっているところもありますが、これは動画を見るだけで受験生には負担です。ですからIPSAでは50時間に抑えてあります。」

僕「どんな特徴がありますか?ほかと比べていかがなものなんでしょうか?」

浅井先生「大阪のカウンセリングオフィスで、心理士の試験を受けたいという方のために最初は1人、2人を対象にしてそういう人たちのために始めた予備校なので、単純に『儲かるからやっている』というものではないです。相談からつながって始めたものです。だから現場感覚を重視しています。そういう現場感覚は事例問題対策にもなります。試験といっても国家試験です。それ以上でもそれ以下でもないんですね。限られた文字数の中で作られる問題には問題の限界があります。」

僕「はい、料金的には?」

浅井先生「安くさせていただいています。『なんでこんなに(他と比べて)安いんですか?』と言われることもありますが、元々そんなに高い金額を取るものじゃないと思っています。あまり高いと多くの人が受けられなくなってしまいます。」

僕「受験のテクニックとかコツはどうやって教えているんですか?」

浅井先生「教材も最初の方はこの試験のための学び方、解き方の方法を教えています。うちでは模擬試験もやっています。また、うちで出している対策テキストにも書いてありますが、例えば問題で2つ選択肢を選ぶのにひとつしか選ばない場合があります。そうすると得点にならないのでもったいないです。きちんと日本語を読むことが大切です。」

僕「この試験はどんなところに解き方のコツがあるということで教えられていらっしゃいますか?」

浅井先生「事例問題は3倍配点です。心理テストも出ます。いろんな心理テストがあってカットオフ値、それぞれの得点はいくつなのか覚えないといけないです。認知症もそうですね。それから年齢です。どの年齢に適したテストなのかを知らないとなりません。」

以上インタビューです。

公認心理師試験直前対策はこの情勢なので残念ながらオンラインが中心になりそうですが、浅井先生を初めとした心理有資格者のプロが教えています。

公認心理師試験対策だけではなくてこれから大学院を目指す方々のための研究計画書作成指導も行っていて、至れり尽くせりという印象でした。

zoomアプリを使用したウェビナーというオンライン対策講座は基礎心理学、統計、心理アセスメント、職責、精神医学、関係行政論や法律など全分野を網羅しているようです。

直前対策講座も(オンラインにだけになるかもしれませんが)あります。

IPSAさんのホームページを見ていただければわかりますが、特にGルート他職種受験者の方々は心理の基礎がわからないまま自分で手探りで受験をするというのでは相当な不安が伴うでしょう。

今までブログで書いて来ましたが、「どうしても過去問や模試を受けてみて合格点が取れる気しない、どうしたらいいでしょうか?予備校を利用するべきですか?」という質問に対して「なんとかなるから大丈夫です。」と答えたことは一度もありません。こういう人は質問をする時点で答えを自分の中に持っているのです。

浅井先生の印象ですが、物柔らかな方で「あ、確かに実業、お金儲けというよりは教育やカウンセラーなんだなあ」という感じの方でした。

自力で点数を取れる人はそれはそれでいいでしょう。また、記念受験だけすればいいという人はまたそれも人生の選択です。

きちんと合格したければどんな手段も検討してみてもいいのではないかと思いました。

photo by sora

She wants to lighten the heart of uneasy people

この写真を撮影した方は不安な人たちの心を照らしたいと願っています。受験生の方々、そして全てのみなさまの気持ちにこの時期、平穏が訪れますように。

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◯ 認知症

DSM-5は認知症を「神経認知障害群」NCD neurocognitive disordersカテゴリーに定義付けました。NCDはmajor NCD(従来型)とMCI Mild Cognitive Impairment(軽度)に峻別されます。厚生労働省の資料にDSM-5の診断基準が引用されています。

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_recog.html

高次脳機能障害と同様に、一過性の意識混濁状態で、薬物や疼痛、ストレスなどが原因のせん妄と認知症は区別される必要性があります。

認知症は大きく分けて3種類があり、アルツハイマーAlzheimer型認知症(全体の50パーセント)、レビーLevy小体型認知症(10〜20パーセント)、脳血管型認知症(15パーセント)、ピック病(数パーセント程度)に分かれます。実際には認知症には70種類程度がありますが主な認知症は上記4種類です。

認知症カットオフ値はHDS-R20点未満ということは裁判所成年後見人制度のurlから以前引用しましたがMMSE-JだとMCIが27点、認知症は23点がカットオフ値となっています。

1.Alzheimer型認知症

アルツハイマー型認知症は男性よりも女性に多く見られます。症状としては記憶を司る海馬がダメージを受けるため、短期記憶が障害され、さっき起こった出来事を忘れてしまいます。

見当識にも障害が見受けられ、何月何日か、今の季節はいつなのかが分からなくなります。外出すると道に迷う、また実行機能障害として、今までできていた料理ができなくなることがあるのです。こういった認知機能障害から二次障害が起こり、物取られ妄想に発展する事もあります。不安、抑うつ症状が前景に出てくる事が多いです。

Alzheimerが中程度に進行するとさらに障害程度が進み、失行で着衣の着脱ができない、電話がかけられない。テレビの付け方がわからない。失禁してしまうなどの行為で、かなり自尊心が傷つけられます。徘徊を伴うこともあります。後期になると言語能力が失われて意思疎通はかなり困難になりますし、栄養を自力でとることも難しくなり、排泄はほぼ自力ではできません。

2.Alzheimerの治療

初期〜中期であればDonepezil商品名アリセプト、Rivastigmine商品名イクセロンパッチ、リバスタッチパッチ、Galantamine商品名レミニール、進行が進んだ場合にはMemantine 商品名メマリー(PTSDへの治験も行われています。)が薬物療法として使われます。

しかしどの薬物療法もAlzheimerの進行を遅らせることはできても根本的な治療薬ではなく、徐々に進行する疾患です。

2.Levy小体型認知症(DLB:Dementia with Lewy Bodies)

パーキソニズムの運動緩慢さ、歩行の障害を伴います。記憶障害、遂行機能障害の他、この認知症の特徴として幻視、錯視が起こり、合併症として妄想が発生することがあります。睡眠時異常行動も生起します。記憶障害の程度はAlzheimerより軽いです。

投薬治療に反応しにくく、むしろ少量でも精神薬で悪化することがあることから、環境を急に変えず、作業療法士や理学療法士が心理・運動機能面でのサポートを行うこと、明るい部屋として機能低下を防ぐことが推奨されています。

3.脳血管型認知症

脳梗塞で脳の血管が詰まるとその先の脳の各部分が挫滅します。脳の部分によってそれぞれ損なわれる機能が異なり、左後頭葉が挫滅すると右半側空間無視、右後頭葉が挫滅するとその逆になります。そうすると片側の認知ができず、歩行をしていても転倒の可能性があり、食事も半分認識している側だけ食べてあとは残してしまうこともあります。

前頭葉、頭頂葉に梗塞部が起こると短期記憶が阻害され、易怒的になり感情障害を起こし、何度も同じことを聞きます。

脳梗塞の再発予防のために血栓を作りにくくするWarfarinワーファリンやAspirinバイアスピリンが使われます。梗塞が起こりにくくなりますが、反面出血した時に止血しにくくなるという点が要注意です。

脳梗塞は血栓が詰まる病気なので心筋梗塞も起こりやすくなります。また、どの認知症でも同じですが、高齢者には糖尿など基礎疾患がある場合も多く、生活の質の改善のためにはベースライン疾患の治療が大切になります。

4.ピック病

ピック病は比較的若年者、早ければ40代でも起こる疾患です。前頭葉及び側頭葉前方に萎縮が見られます。特徴は情緒の不安定さ、さっきまで笑っていたかと思うと急に泣き出したりします。また、人格障害が見受けられるようになり、平常の精神状態からいきなり怒りだすことがあり、他の認知症の周辺症状でも起こりますが、ピック病だとさらにその傾向が強くなるようです。

ピック病では万引きで捕まるなど道徳性への影響もあります。常同行為を繰り返します。

5.診断

診断は脳の萎縮部分を確認するためCT、MRI、またSPECT (Single Photon Emission Computed Tomography、放射線同位元素を注射しての脳画像診断)でドーパン量の流れを見て異常を測定(Levy小体型認知症にも使われます。)PET(陽電子放射断層撮影:Positron Emission Tomography、脳血管障害の検査にも使われます。)で脳血流を調べます。  

Alzheimerは前述のとおり進行を遅らせる薬はありますがピック病にはありません。

認知症の周辺症状BPSD Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia(認知症の行動と心理的症状=周辺症状)は主として知覚、感情障害で幻覚妄想、焦燥感、攻撃性、怒り出して暴力を振るう、抑うつ状態、睡眠障害、徘徊などです。

6.心理検査の例

・MAS不安尺度
・MEDE多面的初期認知症判定検査
・AQ日本語版
・日本語版LSAS-J
・EAT-26
・M-CHAT
・長谷川式知能評価スケール(HDS-R)
・MMSE

6.治療

根本的薬物治療はないのですが、精神療法としては「回想法」といって、昔話をするなど患者さんが好きな話をする、そして環境を整えることが奨励されています。患者さんが言うことを否定しない「バリテーション療法」、今日の日付けや季節を認識してもらうリアリティー・オリエンテーション(現実見当識訓練)もあります。

※ 写真はTwitterフォロワー𝚜 𝚘 𝚛 𝚊 ꕥ
さんのものを使わせていただきました。この写真の空のように全ての認知症の患者さん、ご家族、支援する方々の心に平穏が訪れますように。

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(フォロワーさん柊様画)
日本心理研修センターに同じような回答を得たのですが、ネットに掲載していいかどうか?と尋ねたところ、厚生労働省公認心理師制度推進室に尋ねて欲しいとのことだったので「厚生労働省さんがこんな多忙な中電話するのは悪いなあ」と思いつつも連絡してみました。

僕:「現状、コロナがこんな感じですが公認心理師試験延期とかあり得ますか?」

担当者:「今のところありません。発表どおり実施予定です。」

僕:「今後延期になるとか。北海道追試みたいに」

担当者:「それはどんな情勢でも同じですね。変更があればお伝えします。」

ということでした。

大変厚生労働省さんが忙しい中恐縮しながら電話したのですが、この情勢の中お気をつけてくださいとしか言いようがありませんでした。

以上

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◯ 高次脳機能障害

まず「せん妄」について述べておきます。せん妄は意識障害が突然起こり、それが数時間〜数週間程度続くもので、暴れ出したり幻覚妄想状態になることもあります。一過性の意識障害で、なんらかのストレスや身体疾患、それに対する治療侵襲性への抵抗として発現します。
せん妄は認知症とは鑑別しておくべきです。

それから

高次脳機能機能障害は、交通事故によるもの、脳梗塞で脳血管障害によって起こるものがあります。

認知症やせん妄とは異なります。高次脳機能障害の原因は脳挫傷や脳梗塞によって起こります。クモ膜下出血、もやもや病、感染症脳炎、エイズ脳症、
全身性エリテマトーデス、神経ベーチェット病、一酸化炭素中毒、多発性硬化症、正常圧水頭症、ビタミン欠乏症、脳腫瘍などです。

脳がダメージを受けた部分によって発現する症状は異なります。

側頭葉内側の障害は地誌的障害(よく知っている場所で迷って帰宅できなくなる、新しい道順を覚えられなくなら。)

例えば前頭葉だと遂行機能障害といって物事や事態の予測、急な変化に耐えられず、自分で計画を立てて実行することができなくなります。

また、前頭葉障害には非流暢的失語が現れることもあります。非流暢性失語が発現すると発語が少なくなり、失文法という、文法にしたがった文を言えなくなる、失構音が起きるなど、運動失語は左脳前頭葉ブローカ野の失語が起きることがあります。

左側頭葉の障害
流暢性失語、聴覚失認

流暢性失語とは健忘性失語(あれ?なんだっけ?)感覚性失語(滑らかな発語るけれども言い間違いが多いウェルニッケ失語)、伝導性失語(復唱ができない)です。

頭頂葉障害
観念失行(左頭頂後頭葉)観念運動失行(左頭頂葉)

観念失行は、道具を使えないなど、順序立てて行動をすることができなくなるので、紙を折って袋に入れることができなくなります。

観念運動失行は、箸で食べている時に「どうやって箸でものを食べているのですか?」と聞くと途端にやり方がわからなくなって混乱してしまうというものです。

肢節運動失行
手先を使うことができなくなります。(左右中心溝周辺)

着衣失効(右頭頂葉)

構成失行(左頭頂葉)
平面描画、立体描画ができない、積み木が作れない。積み木が積めない。

後頭葉障害
視覚失認(目の前にあるものが何か答えられない。)
相貌失認
顔を見ても誰かがわからない。

左後頭葉障害→右半側空間無視
右後頭葉障害→左半側空間無視

あたかもその半分にものがないような振る舞いをして、ご飯を半分だけ残す、見えない半側にいる人を無視してしまうかのような行動を取る、などです。

頭頂葉障害でも半側空間無視が起こります。

左後頭葉側面損傷→失読

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◯ 公認心理師事例問題対策・生物・心理・社会的理解とインフォームドコンセント・連携の哲学

1.序・とにかく難しい事例問題

第2回公認心理師試験は客観的に見ても難しかったと思います。実際僕も解いてみてそう思いました。「え?そう?」と言っていたのはとある超名門スパルタ大学院新卒者で楽々8割程度正答していましたが、彼女は各領域を転々とした後、Gルート受験も可能だったのですがあえて大学院卒業を待って受験した才媛なので例外と思うことにしましょう。

「事例問題対策のコツ」はさまざまな人が書いていますが、そこをすり抜けてきわどい設問をしてくるのが公認心理師試験だと思います。

実際知識問題よりも事例問題不正答率が高かったという解析結果も出ています。

2.事例問題には医学優位の思想がある

事例問題には思想があります。試験委員にも数多くの医師がいて、この試験のスローガンは生物・心理・社会モデルBio-Psycho-Social modelです。

一番先に生物が来ることに注目します。たとえ司法や教育領域に勤めている心理職でもこの試験に合格するためには事例問題を解く上では「医師に相談する」「医師に報告する」という選択肢があったらサービス問題で、ラッキーと思ってその選択肢を選ぶことです。

どうしても医師に話す際に患者さんの了解が得られないときには説明(インフォームド・コンセントIC)を懇切丁寧に取り医師に報告することは正解になります。

「いや、オレは心理職としての矜恃があるからクライエントとの治療同盟が第一、そのあとに医師への報告は1カ月後でもいい」などと臨床哲学をマークシート相手に戦ってもムダです。

貴重な3点を失うだけです。あくまでも第一は生物=医学です。一方的に医師勢の味方をするわけではありませんが、実務的にも臨床面接をする上で心理職は何度もこの哲学に直面します。

「何でこんなに具合が悪いんでしょうねえ、不思議だなあ」

そうクライエントさんが言う時に、今まで毅然と業務指導をしながらクライエントさんにできる仕事の割り振りを細かく行い、支えていた上司が転勤などで不在になってしまった。そしてクライエントさんの業務負担が増えて仕事への不安が高まってなお不安が高まった容易に推測できたとします。

そういう「社会→心理」が予測される場合でもまずは生物的要因として考えなければいけないということです。

もちろん投薬をこうしましょうと心理師が言うと誤答になるのですが「不思議だなあ」というクライエントさんの言葉こそが「医学=生物」的な発言です。インフォームドコンセントなしに職場や家庭に連絡をするのは医療保護入院以外は×です。医療保護入院でも心理職でなく医師が家族に連絡をするでしょう。ケースワーカーが家族に連絡するかもしれません。入院において心理職はケースワーカーではありませんし権限はありません。

3.生物学中心の発想とは何か

春が訪れそうな季節、どんどん具合を悪くする人は多くいます。「この季節はみんな調子崩すから気をつけてね」という医師もいます。

しかし「春だから」という選択肢はありません。社会・心理的・季節的変化が患者さんに不調をもたらしていると強く予想されたとしても、それは患者さんがそう言わない限りはあくまで生物学的な問題なのです。

ただ、その理由がわかるのならば患者さんに早すぎる洞察を押し付けるのでなく、「こうでしょうか?医師に伝えてもいいですか?」とインフォームドコンセントが取れた時に初めて「社会・心理>生物学」になります。

臨床心理学における教育や各種心理療法の基本は、心理的原因の結果として不調が発生すると仮定しています。

しかし生物学重視の発想で言えば、患者さんが不調になるかどうかの原因は「誰にもわからない」のが正解です。

上記のようなクライエントさんが来て「これまであなたの上司はよくあなたのことを支えてくれていたと思いますよ」と早すぎる先回り洞察をしたら患者さんから拒否されてカウンセリングも治療も中断するかもしれませんので相当な注意が必要ということです。

事例問題については医師がいる環境であればあくまで医師中心の生物学的要因を重視しなければなりません。これは医師の肩入れを一方的にするわけではないです。「わからない」「原因不明」という不調は実際多いです。同じような環境の変化があっても変わらないかむしろ逆方向に精神状態が変化する人といるわけです。

4.ぶれるBio-Psycho-Social modelの軸

教育領域についてはチーム学校概念を重視することです。そして虐待においては子どもや親の了解がなくともすぐさまアクションを起こすのはこれまでの事例問題の傾向です。子どもや保護者に内密にしながら教員チームに情報提供をします。極端に「全く理解を得ずに強引に」というのは不正解ですが。

これは教育というeducational-Socialな視点が臨床心理学的視点を超えるからです。たとえスクールカウンセラーの外部性が重視されたとしても、子どものために心理職がドン・キホーテのように全ての大人と戦って孤立無援になったら何もできないどころか子どもや保護者を追い詰めてしまうというのは真実です。

この試験は正答選択原則があるようです。巧妙な軸のぶれを問うこともあります。

5.心理vs社会

産業場面にいると明らかにパワハラを受けていて通報したい、あるいは通報を勧めたいクライエントさんがいます。ただし、この場合に労働基準監督署や公益通報制度を使うように勧めたら一発で誤答になります。十分に気持ちを聞くことです。また産業医がいれば独立機関としての産業医に相談させることです。

心理面接はどんなに苦しくても(と予想されます)常識の範囲で誰とも調整行為をせずにひたすら延々とクライエントさんの話をまずは聞かなければいけないようです。

6.まとめ

いろいろな視点から見て
・医療領域=生物学>心理・社会
・教育領域=社会>心理
・産業領域=生物学>心理>社会
という構図が成り立ちそうです。

隠された事例問題正答のコツはこうしたいくつもの哲学に支えられているようです。

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