ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:公認心理師の会

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公認心理師「の会」ついに上位資格設立へ

「の会」が従前から提唱しているきた上位資格創設構想がついに実現の運びとなるようです。

「の会」ホームページ

「専門公認心理師制度」と言うようで公認心理師協会(師会)の「認定専門公認心理師」と実に紛らわしい。

これはお互いにお互いを意識し合っているとしか思えない。推測ですがこれには公認心理師制度創設推進役だった日本精神科病院も厚生労働省も呆れているのではないかと思います。

職能団体統一どこ吹く風、お互いに上位資格構想をぶち上げたらますます亀裂が大きくなるばかりでしょう。

「の会」については設立当時からその動きに危惧していたわけで、倫理綱領もなければ、師会は社団法人の中で正会員=社員なのに対して「の会」はごく少数の幹部のみが重要事項を決定できる(まあもちろん話し合いはあるでしょうが形式的に)というものです。

元々師会は日本臨床心理士会がなし崩しになって設立されたものです。また、これもどうかと思うのですが、「の会」は認知行動療法オンリーワン、確かにエビデンスは大切ですし僕も認知行動療法を否定するわけでは決してないし認知行動療法家で尊敬できる先生方もいます。

ですが、他学派に対してとてもアグレッシブな姿勢はいただけない。

「の会」の原田さんなんぞは公認心理師試験に認知行動療法以外の領域が出るとクレーム物申す、描画をやらせるようなカウンセラーの所に通うのは辞めてしまえとかなり過激です。

まあ僕が言ったところで無為に終わりそうですが「の会」も精神分析にだってエビデンスは認められているし、そもそも境界例概念も精神分析なしには成立しなかったわけですからお互いの職能団体を尊重して統一に向かって欲しいです。

厚労省も公認心理師制度をまずは定着させようと必死なわけですし、勝手に上位資格を作らないで欲しいし、職能団体が統一されていなければ官=厚労省、民=職能団体の官民での話し合いもままならないでしょう。

また、師会の上位資格にしても「の会」の上位資格にしても資格ホルダーの大勢からすればとても冷ややかな目でしか見られていないということを知っておく必要があり、単なる上納金マシーンと職能団体がなった「資格商法」としか見られていないことを受け止めて欲しいと思います。

公認心理師が成立するまで実に60年近い抗争や紛糾がかかったわけですからお前ら今度はまた100年戦争でもやるんかいと僕も呆れています。

百害あって一利なしの上位資格でさらに職能団体に亀裂を入れるよりは歩み寄って「公認心理師会の会の会」師会の会」どんな名称でもいいから統一に向かって欲しいと思っているわけです。
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「の会」の公認心理師上位資格制度構想を見直してみる

公認心理師の会(以下「の会」という。)も上位専門資格(ただいま絶賛準備中)によるスキルアップとキャリアアップを検討している団体です。

というかスキルアップとキャリアアップという
のは何ものなのか、それを上位専門資格と関係させるということは何だろう、と思うわけです。スキルアップしてキャリアアップしたら給料が2倍になるなら喜んで入会したいものではありますが…

「の会」の主体となっているのは認知行動療法家たちが主流ですが「の会」には倫理綱領が存在しない。これが大きく日本公認心理師協会(以下「師会」という。)と異なるところです。別に職能団体に倫理綱領がなくてもいいと言えばいいわけですが(諸外国には倫理綱領が存在しない職能団体もあり)、分裂職能団体がそれぞれ我こそは職能団体と主張して心理職 50 年の争いをまたやり直し「ああまた心理職は一人前とはみなされないんだなあ」と悲しい思いをいつもしています。

アメリカ心理学会(APA) の Ethic Code (倫理綱領)は実に立派なものであり、和文翻訳をしたら(自動翻訳ソフトDeep L さんによる)実に 30 ページに上るものだったのですが、なかなかに厳しい内容となっていました。APA はかなり大きな団体であり、臨床心理士として活動するには APA の会員でなければならない。

ということで実験結果をねつ造してあたかもAという。心理療法がとても効果があるかのように宣伝して顧客を引き付けたら資格を剥奪されたりと、当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、なかなかにきつい倫理となっています。

そんなことを言ったらエビデンス(証拠・証明力)がない心理療法を行ったら全て資格剥奪になるのかというとそういうわけでもなく、アメリカでは保険点数化されていなくても境界性パーソナリティに関する精神分析療法はエビデンスが認められているわけですし、精神分析と愛着理論を駆使したメンタライゼーションも盛んです。

日本で認知行動療法家というよりも原田療法の創始者、原田隆之君が言っているような「絵を描かせたり箱庭をやらせたりするようなセラピストがいたらインチキだと思ってほかのカウンセラーを探せ」とか下山晴彦さんが言っているような「遊戯療法をやっていた人は学んだことを生かして認知行動療法をやってみよう」と言葉巧みに他流派を disっているように思えるわけです。

心理療法家の人たちは、ぽつりぽつりとしかしゃべらない言語表現が苦手な子たちの遊戯療法をやったり、箱庭療法をやったりして目をキラキラと輝かせて帰っていく、そしてまた遊戯療法を楽しみにしてやってくる子どもたちを見てとても「ああ、これは効果があるんだなあ」と実感している、これはクライエントさんが一番満足しているからこういった現象が起こるわけでしょう。

それを頭ごなしに否定されてしまうと精神分析に始まる遊戯療法やその理論を学んできた学者やその弟子たちは頭を抱えてしまうかただ単に無視するだけです。

前置き、というか「いつも話が脱線してしまうのが悪い癖なのですが」(とパワポで作った資料を見事に全て無視しながら話して今日メンタルヘルス講義中に言ったらウケを取れた)「の会」が作る上位資格構想というのは当然認知行動療法オンリーになってしまうのだろうし、そうすると他流派は認められないだろうと思うわけです。

そこに「の会」の上位資格構想について危惧を覚えるわけで、400 あまりあると言われている心理療法のうち認知行動療法を含むほんの一部だけが心理療法として認められてあとは全部 dis られてしまったらワンチャンやってみる価値もないと他心理療法家ががっくりと肩を落としてしまうという結果になってしまうというのではないでしょうか。

そこに「の会」が作ろうとしている「上位資格」の危うさがあるわけで「師会」が作り上げてしまった専門認定なんちゃらという上位資格も勝手に作られてしまったので知人の S君から「ねえ、あの上位資格取らなくちゃいけないのかなあ?」と聞かれて「その必要は全くないよ」と言ってしまいました。

迷える子羊を一匹救い出したような気持ちになりました。あっちで専門資格を作り、こっちで専門資格を作り、とさらに医師団体側でも学会認定専門公認心理師資格を作ろうという動きもあるのですから、もうこうなると百花繚乱で、彷徨える子羊のような推定平均年収 300万円の心理職にとってはどの団体に加入したらいいのか、どの資格を取ったら有利になるのかということを考える羽目になるわけです。

最終的には 6~7 万人程度になるだろうと見込まれる公認心理師ですが、「師会」の出した結果によると約2000 人の会員数、時が経ったのできっと 3000 人行くか行かないかの組織率で言えば青息吐息(とても失礼)な職能団体、そして「の会」もきっと組織率は低い、こんな風に分裂していたら一体どこがどうなっているのかわからないでしょう。

しかも臨床心理士と公認心理師のダブルホルダーも多いので、日本臨床心理士会、「師会」
「の会」今度は「師会」とはゆるやかな結びつきはあるものの上下関係がない独立団体の地方公認心理師協会もあるということで、一般公認心理師は混乱するばかりです。「の会」と「師会」の関係をはっきりとさせておかないとそれぞれが勝手に上位資格を作って反発を買うだけだと思うのですが・・・

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○ 公認心理師職能団体統一へと向けた動き・公認心理師の会に大阪公認心理師会・三重県
公認心理師会が連携団体に

1 序

いつも各団体のHPをチェックしているわけではないので、ついうっかり見逃していましたが、大阪公認心理師会及び三重県公認心理師会が「公認心理師の会」と連携していました(「公認心理師の会」の規約として個人のみが入会資格を持っているので「連携」と呼びます。)。
「公認心理師の会」HP

大阪公認心理師協会も三重県公認心理師協会ももちろん大阪、三重県在住、在勤の公認心理師の職能団体のわけで、日本公認心理師協会と緩やかなつながりを持っている両公認心理師会が「公認心理師の会」と連携したという事実は大きな転換点になるのではないでしょうか。

2 私見

「職能団体が2つに分かれていることについて大変危機意識を持っている」というのは僕の持論です。なぜならば僕の妄想?想像?あるいは事実なのかもしれませんが、職能団体が2つに分裂しているということであれば、厚生労働省障害福祉局の命題研究を行ったとしてもそれはひとつにまとまっている職能団体としての「見解」ではなく、せっかくの研究結果も「参考資料」としてしかとらえられないと思っている、というのも理由のひとつだからです。

また、職能団体として統一されているのでなければ、障害福祉局も「公認心理師職能団体としてはどう考えるか?」「職能団体としての意見とは?」など厚労省も聞くことができない、また、職能団体としてひとつになっていなければ意見も言えないだろう、等いろいろとこれは公認心理師としては大きな障害となると考えていました。

したがって、どんな形であっても職能団体の統一は望ましいことだととらえています。これまで想像していた(これからも想像している)シナリオは

(1) 対等な立場として統一

(2) どちらかの団体がどちらかを吸収合併

(3) 双方とも発展的解散をした上で新しくやり直し

などなどいろいろ考えていたのですが、第4の道として、地方公認心理師協会がいわば仲人役となってくれて、2つの職能団体統一に向けて動いてくれるのならば心強いと思っています。大阪は臨床心理士会と公認心理師協会がそれぞれ並立していることもあって、新設の公認心理師協会の構成員数はそれほど多くないのと思われるのですが、数の問題ではないと思います。三重県も臨床心理士会と公認心理師協会が並立しているのですが、大切なのは「公認心理師団体が手を取り合う」ことです。

日本公認心理師協会が上位資格を成立させてしまったことについては大変残念に思っています。「公認心理師の会」も上位資格の成立を会の目的として謳っていて、それもかなり心理的には引っかかっているところですが、まずは統一に向けて動いて欲しいと思っています。

上位資格についてはもちろん各公認心理師に対して取得するよう、何の強制も強要もできないわけですし、上位資格を取得する人がいなければそれだけ上位資格は形骸化するでしょう。実際 Twitter でツイートしてみてかなり多くの人々が上位資格に猛反対していることがわかったわけですし、むしろドヤ顔をして「上位資格を取ったよ」とでも誰かが言おうものならば公認心理師仲間からは非常に冷たい目で見られても仕方ないと思います。

上位資格を含めていろいろと思うところがある人もいるでしょうし、正直言って僕自身も全く抵抗がないか、と言えばウソになります。しかしながら、まずは「統一」という形が大切であり、箱、入れ物がしっかりとするようになれば中身は今後年月をかけていけば、どのようにでもなるのではないかとそのあたりは楽観的に考えてもよいのではないかと期待している次第です。
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日本公認心理師協会の組織率数パーセント

1.はじめに

厚生労働省令和 2 年度障害者総合福祉推進事業「公認心理師の活動状況等に関する調査」
(2021.3 月) p35 によれば、この調査を委嘱された職能団体日本公認心理師協会の会員数は 2,000 名 (著作権の問題が不明なのでスクショ撮らず) 第3回試験合格者がだいたい公認心理師の登録をしたとして実に組織率は多分数パーセントと低い水準です。(推測)

これが日本臨床心理士会だと会員数 25,000 人、他職種だと看護協会が 50 パーセント、日本精神保健福祉士会 20 パーセント、日本社会福祉士会も 20 パーセントと実に低い数字です。日本公認心理師協会は日本臨床心理士会、日本心理臨床学会と深いつながりがあり、もう一つの職能団体公認心理師の会は日本で最も古くからある心理学関係学会、日本心理学会との深い関係があります。この「公認心理師の会」の加入人数も気になるところではありますが、2021.7.14現在発表はされていません。

2.構成員人数、組織率が意味するもの・臨床心理士との関係について考えること

当然ながら、構成員人数、組織率は厚生労働省との折衝材料ともなると思います。それ以前に職能団体が 2 つに分かれていることが問題ですが。そして僕が切に望むのは、日本臨床心理士資格認定協会が、5年ごとに更新される臨床心理士資格の必須科目、第2群の中に公認心理師協会(中央・地方)の研修も入れて欲しいということです。

日本臨床心理士資格認定協会は臨床心理士資格と公認心理師の「共存共栄」を謳っているのですから、この際、そうやって臨床心理士・公認心理師双方の資格を持っていることへの価値を高めることができたら資格認定協会と各公認心理師協会お互いに win-winの関係になると思うのですがいかがでしょうか。

今後公認心理師養成課程のみで臨床心理士の養成を行わない大学院も出てきます。そこで、資格認定協会も養成課程のカリキュラムを緩やかにして2つの資格を取りやすくすることが真の「共存共栄」の道にたどりつく手段になると思っているのです。

公認心理師協会ではかなりレベルが高い研修を行っていると思っています。そこで、組織率を上げることが公認心理師の発言権を強めることになりますし、併せて臨床心理士の専門職としての売り込みをしていく、そして公認心理師の会は認知行動療法に特化した分科会の形式としてさまざまな団体のつなぎ役として機能をしていく、要するに今ばらばらになっている各団体を集結させることが臨床心理士と公認心理師の「共存共栄」にもなり、お互いの資格の持つ意味の強化にもなると思います。

せっかく30年以上の歴史を持つ臨床心理
士資格で、就職市場でもまだまだ臨床心理士高い評価を受けています。「スキマ問題」で公認心理師を取得できない臨床心理士受験資格者も多いと聞いています。そうであればなおさら臨床心理士・公認心理師双方の資格を高め合って関係省庁に訴えかけていくことは大切な試みだと思っています。
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◯ 公認心理師団体への加入人数は如何に?

2019年10月23日現在、日本公認心理師協会、公認心理師の会からの加入会員数の公式発表は出ていません。

双方とも発足の会には相当な地位にある錚々たる国会議員が挨拶に訪れ、権威ある団体ということは間違いないと思います。

今ここでかなりの人数がこの2つの職能団体に加入していれば公式に数は発表されているのではないかなあと思うのですが、日本公認心理師協会は2019年9月までの入会費1万円を無料としていたのが、2020年3月までに延期されました。

会員が集まらないのかな?

と邪推してしまいます。

どこの団体でも職能団体の会員数や組織率は低くても発表しているのですが、これも相当低いのかな?

と思ってしまいます。

実際、僕の周囲の公認心理師20人ぐらい、その人たちが知っている公認心理師も20人ぐらいいて、「誰も加入者いないよ?」と言われます。

認知行動療法家で著作がある心理師の人も「ムリ」と言っています。

これらの現象がなぜなのかか考えてみました。

1.職能団体が2つに割れている事

マスコミ関係者から「これは一体どういう事なの?」と聞かれたことがありますが、これは僕は正解が出せず、なんとも答えられませんでした。

2.臨床心理士関係各団体の存在等の負担が心理職にのしかかる

2015年7月1日現在臨床心理士数27,934人(日本臨床心理士会、日本臨床心理士資格認定協会)であり、日本臨床心理士会加入会員数は19,533人で組織率は約70パーセントです。

臨床心理士は資格更新性なので臨床心理士会に加入し、臨床心理士会主催の研修に参加できるということはこの団体に所属する上で大きなメリットです。

年会費は8千円です。

そして地方の公認心理師協会や臨床心理士会に所属する会員も多いでしょう。

地域の情報が得られるのは心理職として各分野にわたる横のつながりを得られるという良さがあります。

年会費は数千円、5千円から7千円ぐらいでしょう。

そして臨床心理士のうち多くが入会している心理臨床学会、学会員は2万9千人、出席者は毎年8千人程度です。

学会費毎年9千円+参加費7千円(一般会員)+交通費+遠方からだと宿泊費もあり、ボーナスのある職場でも自費参加だとかなり金額がかかります。

この学会参加も臨床心理士資格更新のための重要なポイントとなります。

自腹で各団体に所属し、また勉強熱心な心理職は様々な興味や学派の学会やワークショップに参加しています。

また、スーパーヴィジョンで個別指導を受けていればその分のお金も時間もかかります。

3.公認心理師団体に所属することで何が得られるのか?

以前も述べたのですが精神保健福祉士協会は組織率14パーセント、社会福祉士協会は20パーセント程度です。

介護福祉士に至ってはわずか5パーセントです。

(ソーシャルワークタイムズ参照)

国家資格になってしまうと職能団体に所属するメリットがなくなってしまうのでしょうか。

国家資格と言えば日本医師会は6割、看護協会は5割という例もあります。

日本医師会は診療報酬の確保という目的があり、これは医師にとっての生命線です。

看護師は待遇の改善という点で大きな課題を抱えています。

これらは政治的な問題とも言えます。

4.積み残された課題

公認心理師団体組織率が上がらなければ上位資格を作って「医療専門心理師」などを作ることも考えられます。

こういった動きは、心理職にまとまりがないので医師団体の側からすでにもう出てきています。

組織率が低い、よしそれじゃあうちの団体とリンクさせるために公認心理師試験をこっち側に持って来るために傾向を変えるか、と試験そのものを政治的に変質させることがあってはならないという危惧を抱きます。

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