ひなたあきらの公認心理師でポン!

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:公認心理師の会

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◯ 公認心理師団体への加入人数は如何に?

2019年10月23日現在、日本公認心理師協会、公認心理師の会からの加入会員数の公式発表は出ていません。

双方とも発足の会には相当な地位にある錚々たる国会議員が挨拶に訪れ、権威ある団体ということは間違いないと思います。

今ここでかなりの人数がこの2つの職能団体に加入していれば公式に数は発表されているのではないかなあと思うのですが、日本公認心理師協会は2019年9月までの入会費1万円を無料としていたのが、2020年3月までに延期されました。

会員が集まらないのかな?

と邪推してしまいます。

どこの団体でも職能団体の会員数や組織率は低くても発表しているのですが、これも相当低いのかな?

と思ってしまいます。

実際、僕の周囲の公認心理師20人ぐらい、その人たちが知っている公認心理師も20人ぐらいいて、「誰も加入者いないよ?」と言われます。

認知行動療法家で著作がある心理師の人も「ムリ」と言っています。

これらの現象がなぜなのかか考えてみました。

1.職能団体が2つに割れている事

マスコミ関係者から「これは一体どういう事なの?」と聞かれたことがありますが、これは僕は正解が出せず、なんとも答えられませんでした。

2.臨床心理士関係各団体の存在等の負担が心理職にのしかかる

2015年7月1日現在臨床心理士数27,934人(日本臨床心理士会、日本臨床心理士資格認定協会)であり、日本臨床心理士会加入会員数は19,533人で組織率は約70パーセントです。

臨床心理士は資格更新性なので臨床心理士会に加入し、臨床心理士会主催の研修に参加できるということはこの団体に所属する上で大きなメリットです。

年会費は8千円です。

そして地方の公認心理師協会や臨床心理士会に所属する会員も多いでしょう。

地域の情報が得られるのは心理職として各分野にわたる横のつながりを得られるという良さがあります。

年会費は数千円、5千円から7千円ぐらいでしょう。

そして臨床心理士のうち多くが入会している心理臨床学会、学会員は2万9千人、出席者は毎年8千人程度です。

学会費毎年9千円+参加費7千円(一般会員)+交通費+遠方からだと宿泊費もあり、ボーナスのある職場でも自費参加だとかなり金額がかかります。

この学会参加も臨床心理士資格更新のための重要なポイントとなります。

自腹で各団体に所属し、また勉強熱心な心理職は様々な興味や学派の学会やワークショップに参加しています。

また、スーパーヴィジョンで個別指導を受けていればその分のお金も時間もかかります。

3.公認心理師団体に所属することで何が得られるのか?

以前も述べたのですが精神保健福祉士協会は組織率14パーセント、社会福祉士協会は20パーセント程度です。

介護福祉士に至ってはわずか5パーセントです。

(ソーシャルワークタイムズ参照)

国家資格になってしまうと職能団体に所属するメリットがなくなってしまうのでしょうか。

国家資格と言えば日本医師会は6割、看護協会は5割という例もあります。

日本医師会は診療報酬の確保という目的があり、これは医師にとっての生命線です。

看護師は待遇の改善という点で大きな課題を抱えています。

これらは政治的な問題とも言えます。

4.積み残された課題

公認心理師団体組織率が上がらなければ上位資格を作って「医療専門心理師」などを作ることも考えられます。

こういった動きは、心理職にまとまりがないので医師団体の側からすでにもう出てきています。

組織率が低い、よしそれじゃあうちの団体とリンクさせるために公認心理師試験をこっち側に持って来るために傾向を変えるか、と試験そのものを政治的に変質させることがあってはならないという危惧を抱きます。

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◯ 心理臨床学会、公認心理師関係等の公開プログラムを発表・認知行動療法は皆無

2019.5.8心理臨床学会ホームページを見ると一般公開プログラムでは公認心理師関連の発表が2題行われます。

1題目は

「公認心理師をめぐる諸課題
講演者:野島 一彦(跡見学園女子大学) 司会者:岡村 達也(文教大学)

(学会賞受賞者講演)

野島先生は来談者中心療法とエンカウンターグループの権威、岡村先生も受容、共感をモットーとしていて、ロジャリアンの故佐治守夫先生の弟子です。

野島先生が監修している遠見書房の「公認心理師の基礎と実戦 公認心理師の職責」でご自身が書いている第1章を読んでみると、偏った記述はなく(「公認心理師の職務には調査研究も含まれるべき」という記述は僕もそうだとも思いますが、試験では不正解とされそうです。)、割とオーソドックスで現任者講習とも矛盾していない内容だと思います。

また、この学会の公開シンポジウムの公認心理師に関するものの2題目は

「公認心理師養成における『心理実践実習』と『心理実習』の実際 -養成機関と関係団体、心理臨床現場とのコラボレーション-」

(学会企画シンポジウム)で、

ですが、これは公認心理師養成に向けた厚生労働省担当官からのコメント、公認心理師Bルート(大卒+実務経験ルート)に手を上げて認可された弘前愛成会病院長、ソーシャルワークと公認心理師養成との関係、心理実践実習と心理実習のマニュアルと実習記録ノートについて、という公認心理師養成についての実務的な内容があげられています。

ただし、鶴光代先生(公認心理師養成連盟会長)が指定討論者、田中心理臨床学会理事長が司会で、この学会の目玉企画という感じもします。

鶴光代先生は前日本心理臨床学会理事長でもあり、この公認心理師制度始動の立役者と言ってもいいと思いますが、鶴光代先生は催眠技法の一種、臨床動作法の権威で、日本催眠医学心理学会の理事です。

催眠療法そのものは公認心理師試験に出たことはありませんが、認知行動療法公認心理師の会主導者丹野氏や、エビデンス論者原田隆之氏からすると非科学的で信頼性がないと切って捨てられそうです。

心理学会最大規模3万人のこの学会の公認心理師制度への発言権はかなり強いものですが、他の公開シンポジウム、学会講演などには「認知行動療法」は一文字もありません。

ちなみに昨年度の第37回一般公開プログラムでは13題のうち「臨床心理的支援における効果研究のあり方−その課題と展望-」の中で大島郁葉千葉大学講師が認知行動療法家として3人のシンポジストの一員として出ていたのみでした。

僕自身も認知行動療法のトレーニングを受けたことがあり、日々の臨床の中で認知行動療法プロパーではないものの、心理教育的に実践し、効果を感じてもいて、その発想や手法には感心もしています。

優れた認知行動療法家の書籍には学ぶところは多くあります。

しかし公認心理師の会や原田氏がかたくなに他学派を排斥するのには理解に苦しむのです。

心理臨床学会の一般講演を見ていても、今心理臨床の最先端の中では認知行動療法は数多くある心理臨床の課題の一部でしかないという認識を持って欲しいと思うのです。

外国の専門家を呼んでの講演会は2題とも心と身体性についてのもの、司会を勤める市井雅哉先生はEMDRを日本に初めて導入したのですが、EMDRそのものは精神分析、認知行動療法の影響を受けて発展した精神療法です。

また、北山修先生と妙木浩之先生と言えば日本の精神分析の大家2人ですがその先生方の講演もあります。

心理療法の共存について、ひたすら統合失調症患者の話を聞き続けるオープン・ダイアローグ技法について、身体疾患や高齢者への心理職のかかわりなど一般公開プログラムはどれも刺激的で興味を感じさせるものです。

一般公開ですので興味を持った方は心理職でなくともこれらの講演を聞くだけでもかなり心理臨床の世界の最前線に触れることができるでしょう。

ところで公認心理師制度とそれをめぐる金銭を含むやりとりはどうしても政治的な色彩を帯びてしまいます。

それは長い歴史を経ての心理職の国家資格化だったのである程度やむを得ない点はありますがもうちょっと心理職の全員でなくても良いので大半が納得できる方法はあると思います。

僕が思うのは、心理臨床行政に携わる心理臨床家はあまりにもその動きがばらばらで稚拙ということです。

心理職も心理学部の学生も国民もクライエントさん、患者さんも公認心理師制度の今の動きをSNSや個人ブログを元にしてつぶさに見ています。

心理職の方々は初心に立ち返ると、さまざまな流派の心理療法を学んで身につけたいと思った学部時代から今に至るまで、臨床心理学の世界はきらびやかに輝いていたはずです。

臨床心理学は数多の学派によって成り立っているのですが、ある学派が他学派に対してアグレシッブになって排斥しようという流派のみが台頭していくのが国家資格としてのあり方ではないはずです。

内紛やら独走(妄想)をいろんな団体で繰り広げていると、今の時代、白亜の塔が有り難がられるわけでもありません。

各人、各機関が勝手なことばかりしているとこの資格の価値は5年後の見直しまでに瓦解しかねないほど今はまだ不安定な時期だと思うのですがいかがでしょうか。

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