ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:公認心理師

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公認心理師の将来性について考えてみた

1.はじめに

今後公認心理師になろうとする学生さんは学部のころから高い GPA を取って、公認心理師課程に進級、さらに難関試験を経て (僕の持論では私大の偏差値=公認心理師試験合格率程度の難易度はある)、公認心理師になれたとしてその将来性について考えてみます。

2 国家資格になったので待遇や給与は大幅アップか?

これについて残念ながら「あり得ないだろう」としか言えません。精神保健福祉士が国家資格化されたからといって、それ以前と異なって大幅に待遇がアップしたとも聞きません。3福祉士の方々の生の声を聞いているとみなさんそれなりに大変そうです。

ついこの間Twitter のラジオ機能、スペースで社会福祉士の方々の番組を聞いていたのですが「手取り20万円問題」というものがあって、働いていて手取り20万円もらうのがいかに難しいことか、という話をしていました。それを聞いていると、社会福祉士の人たちは生活困窮者の人に接することも多いにもかかわらず、例えば当該社会福祉士の人が一人で働いて家族を養っていくのは、大変生活の不安があるのではないかとも思った次第です。

社会福祉士に限りません。これまでも臨床心理士が大学院卒だからといって福祉職よりも大幅に給料が高いかというとそんなことはなく、某大学病院では事務職員と同じ給与体系、大卒精神保健福祉士+2年間の大学院卒のアドバンテージがあるだけで、全く待遇は変わらないということも聞いたこともあります。

医療職ヒエラルキーは勤務する場所によって全く異なるのですが、どの医療機関でも医師>>>>>薬剤師>>>保健師・看護師(あくまで僕の感覚で特に給与面と業務独占範囲で)>あと放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、理学療法士、作業療法士、精神保健福祉士、社会福祉士、栄養士、臨床心理士→公認心理師など、どの職種の方が上かどうかなど、当の医療機関側にとっては「このセクションにはこの職種がいないとならないから配置しておこう」ということで、特に序列をつけて考えているわけではありません。

したがって「心理の先生」としての尊敬を患者さんから得られるかもしれませんが、他職種より優れていると思って悦に入ったりするときっととんでもないしっぺ返しが来るでしょう。

大学病院等で働く心理職でも「いい待遇だろう」と思うとこれも大きな間違いで、給与体系としては勤務して10年選手でも高卒よりぐんと伸びしろがあるわけでもなく、ただひたすらに同じように給与上昇の階梯を上っていくわけで安定した病院職員ではありますが「定年までに手取り30万円は到底行かないよ」の「30万円問題」が立ちはだかっているわけです。

確かに公認心理師が国家資格となることによって保険点数に組み込まれることは微々たるものですが増えて来るようにはなったのですが、いかんせん他職種に比べて数十年程度の国家資格化の遅れはいかんともしがたく、すでに保険点数化されている領域に新規参入しようとしたら他職種とのパイの奪い合いになるので、縄張り争いよろしくすでに権利があるものをぶん取るのはこの狭い業界の中で心理職種が生き残っていく上であまり、というか全然良策とは思えません。

5領域(+私設開業)関係各職種から見事アカポスゲットして大学教員になる人もいますが、科研費をもらって立派な研究をしてポスドクとして悲しい人生をひたすら歩んで行く人が多いのも事実のこの業界です。

やっと助教になれても教授の秘書、自分の研究、学生指導と三位一体の馬車馬のような活動をしてその後、任期制特任准教授となれてもいつ任期切れになるのかわかりません。やはり退職金等さまざまな待遇を考えると、もし(心理系でなくとも)公務員になれたのならば定年まで勤めあげていくことが賢明そうな気もします。

3 理念

待遇面を述べてから理念というのはけっこう乱暴な気がしますが、なぜこのような記事構成にしたかというと、待遇がなっちゃいないというのに崇高な理念だけを述べても誰もついてこない、というのは某団体が公認心理師の上位資格である「より高い専門性を有し、生涯学習を継続する者」としての認定専門公認心理師やら「専門職の人材育成、指導に貢献する者」としての認定専門指導公認心理師やら、その上のスーパーバイザーやらを創設しても市井の公認心理師のほとんどが賛同をしなかった(少なくとも Twitter を含めたネット上では)ということを考えていくと、心理職としての立派なコンピテンシーをぶち上げるのは勝手ではありますが、非常勤形態が多く、年収のコア層も 300 万円行くか行かないかと高学歴ワープアに「理念」だけを霞を食べるように要求するのも酷という感じがするからです。

もちろんこの仕事には他医療、福祉職同様(こういった業界に携わっている方々全てに共通して)クライエントさん(患者さん等)の人権を尊重し、命を助けたり、生活のクオリティを上げることにつながるというやりがいはあります。

ただし、これも国家資格になったから理念が向上した、ということはなく、というかむしろあってはならないような気がします。人の命や心を紡いでいくこの仕事は、国が認めてくれたから、ということを理由にしてクライエントさんたちへの扱いを変えてはならないものだからと思うのです。

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公認心理師 vs 臨床心理士図式の行方

読売新聞記事「『心のケア』専門人材を育成、地域住民に寄り添い支援」という記事が9月
28日付けで掲載されていました。2021 年 10 月からコロナ、災害への不安に対し、保健師、精神保健福祉士、公認心理士らが中心になって「心のケア」人材の養成に乗り出すものとして、厚生労働省が心のケア要員を養成するというものです。

こうした、専門家による「身近な相談相手」の養成は賛否両論あるとも思うのですが、こうした指導者として公認心理師が入ってきたということには大きな意味と転換点が訪れてきているような気がします。

公認心理師制度が創設される従前には民間資格である臨床心理士がこういった役割を担っ
ていました。

厚生労働省は公認心理師制度のお膝元ということでいかにもこういった決定を今後も行いそうです。また、国営ギャンブル制度構想に伴う依存症対策にも公認心理師のみが記載されています。

民間では公認心理師及び臨床心理士の募集ではいまだ臨床心理士>公認心理師が多いのですが、公認心理師の台頭をひしひしと感じます。臨床心理士制度は文部科学省が鳴り物入りで作り上げたのですが、もうすでに自治体によっては公認心理師オンリーの有資格者が採用されているとも聞きます。

公認心理師 or 臨床心理士の図式は様々な専門職研修でも双方とも「有資格者」として扱われていて、研修に参加することができます。また、自治体によっては公認心理師 or 臨床心
理士であれば、児童心理司、学校教員、ほか心理系公務員に特別加点する場合もあります。

医療観察法における社会復帰調整官も公認心理師または臨床心理士となっています。そういった意味では現在は臨床心理士と公認心理師の制度は過渡期にあり、そして徐々に公認心理師のみにシフトしていくことが考えられます。

元々公認心理師養成の大学、大学院でも公認心理師資格を持つ者がある程度の人数がいることが必須となっていくことも決定事項です。

思えば僕の心理職としてのスタートは臨床心理士から始まったものであり、臨床心理士制度に対する愛着もあり、臨床心理士であるがゆえに加入できた各種団体や研修が多かったので、この資格に愛着を覚えていないわけではありません。

そして臨床心理士のみしか取得できない「スキマ世代」も大きな問題となっています。これは僕の邪推に過ぎないのかもしれませんが、心理関係の資格各団体の立ち回りがそれほど上手ではなかったことが原因になっているのではないか?という印象を受けています。

そして歴史はどんどん塗り替えられていった、シナリオは変えられた、という印象も持っていて、そう思うのは僕だけでしょうか。河合隼男御大がご逝去された後、認知行動療法が台頭してきました。下山晴彦氏は箱庭療法を始めとした投影法を行う人々が国家資格制度を遅らせたと解釈しています。

丹野義彦氏も認知行動療法を主軸とした「公認心理師の会」を職能団体のひとつとして主催しています。認知行動療法家にも立派な方々がいるのは重々承知の上ですが、公認心理師寺認知行動療法と思われても困るということを印象として受けています。

思えば僕は第1回の試験を受けていて、どこから問題を狙い打ちされるのかわからないということから、ロールシャッハやその他投影法心理検査、精神分析にもそれなりに時間をかけて勉強をしていたような気がします。

これから時代が推移していき、公認心理師が心理職の中心になっていくのはもはや避けられない動きとなってくるのではないかという図式は肌でひしひしと感じています。

国家資格の公認心理師さえ残っていけばいいのではないかという声を聞くこともあり、また、臨床心理士と公認心理師のダブルライセンスが望ましいわと言われてる募集もあります。

変わらないのは低待遇というところで、博士号取得して良くて特任(任期付き)准教授、あるいはポスドクのままのアライさんというところでしょう。

よく僕が言うのですが、高卒のまま市役所に長く勤め続けた人の方がどれだけ高待遇なのか。

転職に転職を繰り返して非常勤生活を長くしていれば仕事に連続性もなく、長年仕事をやっている、というわけでもなく、仕事をしてきた中で何を得たのかというコンピテンシーに乏しいのも当たり前のことです。

心理職が国家資格になった途端上位資格上位資格と騒いでいる「職能団体」のかたわれはいったい心理職の実態の何を見ているのかというと何も見ていないようにしか思えません。

臨床心理士精度のころはなぜか話に出ていなかった上位資格の話を聞くだに果たしてこういう国家資格の創設のやり方はよかったのだろうかと思います。

結局資格が国家資格になったとしても箱が変わっただけで中身が変わっていない、その工夫もないどころか実体がない亡霊制度ばかりいうことでは何のメリットもない、組織として行政とも交渉能力を持ち得ないでしょう。

公認心理師という制度のブランド力、ブランディングはどこにあるのかと考えると臨床心理士とは何が違うのかなと考えてしまいます。少しずつ公認心理師に制度が置き換わっていくだけならば臨床心理士と公認心理師の違いは今何が異なっているのか、誰しもが答えにくい問いかけなのかもしれません。

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O 公認心理師試験に合格すると役立つのか?

1 はじめに

公認心理師試験までいよいよ3日後となりました。みなさん、問題の解き方のイメージトレーニングは十分にしたと思うのですが、ここでは「公認心理師試験に合格したら何かいいことがあるのか・役立つのか?」ということについて十分に考えてみてその意義を見直して欲しいとも思います。

2 公認心理師になるといいこと

(1) 採用試験に有利になってきた

毎回定期的にハローワークで求人調査をしているのですが、未だ臨床心理士の方が採用に有利なようで、だんだんと公認心理師がそれに迫る勢いです。ただし、今の時期ということもあって、双方とも放課後デイサービスの募集が多いです。

ただし、もちろん病院、クリニックや障害者施設等での募集も多いです。(2021.9.17現在臨床心理士求人763 人(フルタイム 472 人、パート 291 人)、公認心理師求人 579人(フルタイム 208人、パート 371 人))ですので新卒者はダブルライセンスでないと採用されない職場も増えて来たのでそれを念頭に置いておくといいでしょう(スキマ問題は実に残念なことでが)。

ただし、相変わらず初任給給与は安いですし、時給も安いままです。

(2) 心理職は給与が上がる(こともある)

ということを聞いたことがあります。病院、福祉施設や産業場面では保険点数やストレスチェック制度にダイレクトに結びついているからでしょう。というわけで月給が5千円ほど手当てがつく場合があるとツイッターを読むとタイムラインに書いてあることもあります。ちな、僕はそれで給与が上がったということは1円もありません。

(3) G ルート無資格心理職は印籠を手に入れられる

Gルート無資格心理職でも立派に働いていた人はいます。博士号を取得して脳の研究をしている心理職が病院勤務をしていたり、自営で真面目な勉強家(の人が公認心理師資格を取ることに賛成も異論もあるのは認めます。)の人が「公認心理師」と名乗れることです。

(4) Gルート他職種の人々

この人たちは別に公認心理師がなくても構わないです。ただし、公認心理師資格を持っていれば自分は心理相談もできる、心理の知識も十分に持っているという自負が持てるでしょう。保健師、養護教諭、特別支援学校、学級教員などは役立ちそうです。しかしながら本格的に心理相談を担当して受け持つことになると教科教員ならば多重関係に悩むことになると思います。

なので心の中の勲章にしておくしかないかもしれません。医師、看護師、福祉士、言語聴覚士、作業療法士は確かにメンタルにかかわる仕事をしていますが、心理職の仕事がしたいから、とスライディングをして心理職になるのはかなり難しいかも知れません。

福祉士から公認心理師を取得して福祉士兼スクールカウンセラーになったフリーの人を知っていますので、それまで行っていたキャリアによっては不可能ではないでしょう。

心理職への憧れは他の領域でも強いもので、例えば司法関係の公務員が心理テストを取りまくって大病院に勤務したというと羨ましがられるとか、教科教員でも「今から臨床心理の院に行ってスクールカウンセラーになって時給5千円で働けば月給 80 万円になると言っていたので、そんな不安定な生活をするものではないと僕が慌てて止めた覚えもあります。

臨床心理士は院卒で取れたので、内地留学をして臨床心理士を取得した人々もずいぶん多かったと思いますが、そういう人たちのかなりの数は公認心理師も取得したのではないでしょうか。

公認心理師になるのがいくら試験が難しいとは言え、G ルートの人たちのバックグラウンドは百花繚乱で、うがった言い方をすれば玉石混交とも言えます。

3 終わりに

専業の心理職の人だと公認心理師は必須資格とこれからどんどんなっていくのは自明という気がします。

しかしながら何かの仕事をしていて、スライディングして心理職専業になるのはなかなか難しいですし、何の仕事でもその仕事のキャリアが大切なので、元教員→スクールカウンセラー、よりも外部性が重視されるスクールカウンセラーも、スクールカウンセラー歴があって各種調整能力がある人の方が採用されやすそうな気がします。

いいことがあるのか?どうかはその人々によるとしか言えません。カリキュラム検討委員会でも言われていたように「自分はもうすぐ引退するからいいや」と臨床心理大学教員でも公認心理師を取得しない人もいるでしょうし、実際そういう人もいます。

これまで心理職として働いて来た人でも老齢で引退間近なので受験をしないという人の話も直接聞きました。したがって、「いい、悪い」は人が決めてしまうものではなく、その人の属人性や所属する組織、そして社会からの評価にもかかわっているということはみなさんご存じのとおりです。

臨床心理系の学部→院卒者と G ルート他職種の人たちの心理的な対立はなかなか相当根深いものがあり、すぐに解決できるわけではありませんが、いずれ上記の事情等、何よりも公認心理師法が規定している国民が評価していくことになるのだと思います。

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臨床心理士・公認心理師のレベル

1 はじめに

心理職は低時給、低給与の生活をしなければならないことが多いです。某国立 T大やK大博士課程を出ても「イルツラ」生活を余儀なくされたり、「とりあえず雇っておけ」的な対応をされるといつまで経ってもカウンセリングも回って来ないし、心理検査もない。言わば「過少労働」となり、心理検査能力も上がらないし、カウンセリング能力も上がりません。

能力に見合わない軽い労働をさせる、あるいは心理職をして採用されたのにもかかわらず人手が足りないからということで受付や医療事務を行わせたり、面接はインテークだけという「町のクリニック」はいくらでもあります。

だからといって、「パワハラだ」と言ったら、それが本当でもボスの院長から「もう来なくていいよ」と言われそうです。

また、社会的養護や放課後デイサービスで働いている心理職(を dis っているわけではありません。)も本来の心理職らしい心理職の業務を行いたいと思っている人もいそうです(結構本格的心理治療を取り入れている施設も多いのですが)。

本来やりたい仕事をしたい、という領域移動をして仕事をしたい人はそこに勤められるスキルを身に付けるために外部で研修を受けても「経験重視」の職場で採用してくれるとは限りません。「300人以上の病床で3年以上働いた経験がある方」とピンポイントで求人が出て来ることもあるので(例えばなかなか「福祉→医療」)には移りにくいです。

2 学歴要件等

「学歴要件」は難しい臨床心理士試験や公認心理師試験に合格しているから、それでいいだろう、と思いがちですが、はっきりと落とされてしまう場合もあります。

というのもアカポス(アカデミックポスト)を狙う場合には、まず学部段階(院ではない)でそれなりのレベルの大学を出ていないと、よほど大きな業績を上げていない限り、それ以上の偏差値のアカポスは狙えない(臨床心理だけではなくどの大学でも同じ)という不文律があります。

そういうところの准教授に応募しても落とされます。また、「関西→←関東」の移動も激しく難しいです。「まあふらついている根無し草だからいいや」と僕が全く違う地域の求人に応募して「ちゃうやろ」と言われて落とされたこともあります(地域要件)。

あとはアルバイトでも英語ができないと仕事にならなかったり、Spss のような統計ソフトで複雑な関数を使いこなせないと、アシスタント的な研究職でも勤まらないという、実際には「能力要件」のようなものがあると思います。

この辺りは差別的な言い方になってしまうのですが、学部偏差値と能力はある程度の相関関係はありそうな気がします(ちなみに専門職大学院や奨学金給費制度があるハイレベルな院は学部偏差値と関係なく高い資質や学力を持っている人が集まっています)。さらに言うなら公認心理師 G ルートは学歴要件がありませんので、誰しもが受けられます。

ただし、かなり努力しないと試験には合格できないので「試験突破能力要件」は満たしていても「経験値」で採用が難しい場合もあるでしょう。

経験値と言えば心理職としてやってきた経験よりも点滴が上手な看護師さんが心理職になるという(看護学部卒→心理院卒→臨床心理士・公認心理師) 例も知っていますが、キャリアをゼロから積み直さなければならないのでそれなりに苦労をしていたようです。

3 自営・心理職・類似?職

自営の心理関係の仕事はいろいろとあります。
例えばEAP(Employee Assistance Program・従業員支援プログラム)の中には様々な資格、学歴の人がいて、こういった職種は臨床心理士を雇用しているところも多いのですが、1 人経営のところもたくさんあるので、専門学校卒、短大、高卒で産業カウンセラー、
または資格なしでも公認心理師を取得していた人もそれなりの数はいると思います。

こういった人々は資格があるとストレスチェックにも食い込めるし、かなり必死に勉強したのではないでしょうか。自営で、きちんと受験資格を認められた G ルートの人は資格要件に関係ありません。ということで公認心理師を受験するというヒーラーの人を以前 Twitter で見つけて驚いたのですが、その人は無事?受験資格が手に入って大学院卒程度の試験に合格できたのでしょうか。

4 おわりに

それなりにきちんとした要件を必要とするそれなりの仕事だと、やはり資格だけでなく、かなり厳しい制限がつくのは採用側としてはある程度仕方のないことだと思います。以前確認したとある病院でも「うちは臨床心理士資格を持っていないと、公認心理師単独資格ではどういうルートで資格を取ったのかわからないから採用しない」と断言していました。

学歴、経験値、「出身地域差別(は本当はかなりブラックな違法)」あと「女性が欲しいから」という理由で採用面接で断られたことも2回ほどありました。

心理職に限らず、採用側としては自分の組織にとって都合のいい人材を採用したがるものですが、応募者の能力値、経験値、学歴等をごちゃまぜにすると差別的な採用活動になるということを雇用主も知っておいて欲しいと思っています。

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○ 臨床心理士・公認心理師の平均的?キャリア形成

心理職は院卒後、資格を取得する前から学生相談所や大学のカウンセリングセンターで子どものプレイセラピーを行い、研修生として残ることが多いようです。というのも大学内で研修生として残っている限り、学内でのスーパーヴィジョンを格安で受けられる、非常勤生活が始まっても院とのつながりがあるということは安心感につながります。

ケース検討会に自分でケースを出して教授も交えて検討してもらったり、心理テストの技能を磨いたり、時として後輩たちの修論指導の手伝いや臨床心理士・公認心理師の受験勉強を教えるとか。

こういった大学での研修は、自分が SV を受ける立場だと院にもよりますが、無料で受けられる場合、格安で受けられる場合、通常の開業カウンセリングと同じだけの値段を払わなければならない場合もありますが、いずれにせよ自分で SV を受ける場所を探すというのは大変難しいことです。そういった意味では卒後研修の一環として研究生として残ることは理にかなったことです。

そうこうしながら院の教授の紹介が主で、いろいろな職場で心理職としての仕事のスタートを切るわけですが、例えば新卒、24 歳の心理職がいきなりリストラされて離婚、くたびれた50代のカウンセリングをケースとしてカウンセリングをするようにと言われてもクライエントさんもカウンセラーも困惑してしまうでしょう。ですので最初はクリニックや病院の心理テスターやインテーク面接だけ、という感じで働き始めることが多いようです。

そしてそれに兼ねて教育領域で教育相談所、市区町村や都道府県のスクールカウンセラーを行うなど、子どもを相手にお兄さん、お姉さん的な立ち位置で仕事をすることが多いようです。

まあ大体こういった非常勤人生を送っていれば月給額面 20 万円程度、手取りにしてみれば16~17 万円ボーナスなしといったところでしょうか。その間に院生のころから心理臨床学会に入ったり、臨床心理士試験を受験して合格したら登録して、公認心理師試験も受験して登録して、ということになるわけです。また、教授の入っている学会に自分も入ったり、教授の勧めで修論をそこで発表したり、また自分が欲しい本や論文は自分で買ったりと、なかなかお金がかかります。

実家暮らしだったら何とかやっていけるのでしょうけれどもこれが一人暮らしということだと大変です。必死になって学部生のころに受験して一度は落ちた公務員試験をまた受け直してみたり先輩や教授のつてをたどって大病院で安定した収入がある職場に入れることを狙うわけですが、これもなかなか難しい。人によっては実家暮らしのままなんとなくずるずると 50代ぐらいになるまで同じような生活をしていく人もいます。

日本公認心理師協会が提唱している認定専門指導公認心理師(長い)が描いているプロフェッショナルキャリアポートフォリオ(?まあ職歴のこと)なんぞは、博士号を取得してその間に仕事をして、研究者としてあんな論文を書いたりこんな論文を書いたりしながら仕事をして教授になってさらに研究をしながら仕事をして、ということでなければまともなコンピテンシーに基づいた(プロフェッショナル) キャリアポートフォリオを形成していくことは難しいのではないでしょうか。

心理職の給与というのは例え独立行政法人の医療機関で準公務員のような扱いや、私立大学病院であっても大変安いもので、事務職員待遇で扱われることも多いものです。結果として割と安定した職場でも手取り 30万円定年までに取れるようになれることはほぼ不可能です。

さて、こうなるとポートフォリオも何もあったものではないのですが、日本公認心理師協会(師会)が掲げているそれがいかに難しいことか、やはり認定専門公認心理師は一部の選民のみが取得して胸に軍人の階級章のようにドヤ顔で星マークでもつけて、僕ら通常人は「まあそういうものを取りたい人は取ることもあるわな」と思いながら各々好きな学会に出たり、また、G ルート他職種の人たちは公認心理師を取得したとしても元の仕事に戻って平常勤務をしたりするわけです。

師会、公認心理士の会(の会)でも上位資格構想を掲げていますが分裂職能団体が各々勝手に資格を創設したりお互いの高いプライドから争っていたらまた心理団体 50年の争いの歴史が繰り返されるのみで、いつまで経ってもまとまりはしないでしょう。

これはあくまで僕の推測の域を出ないのですが、公認心理師資格を創設するに当たっては医師団体の介入、というネガティブな見方もありますけれども、特に医療領域においては公認心理師の心理職専門家としての期待というのは大きかったはずです。

そこでこれまで心理療法的な役割を他職種に行なわせていたのを公認心理師に一括して移譲するという提案をしようとしてもできない、つまり自分たちのクビを自分たちで締めているのではないかというのが僕の印象です。

せっかくの医師団体との和合がなんとかできたのに心理団体同士で無益な分裂をしているとむしろ心理職のキャリアにはマイナスの効果しかないと思うのは僕だけでしょうか。

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