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○ 公認心理師から公務員を目指す道
1.承前・法務教官は公認心理師プログラムに参加できるか?電話照会
(以下、ブログ掲載了承済)
以前から疑問に思っていましたが法務省矯正局は公認心理師法第7条2号に決められた第7条2号に定められた公認心理師養成施設です。がさて、第5回公認心理師試験までは公認心理師法施行規則第5条17号施設として少年院が含まれているので、法務教官は含まれているのか聞いたところ、5年以上勤務しているということでGルート受験者は今まで認めてきたので、第4回、第5回も認められるだろうとのことが回答者の方から言われました。
実際、法務教官で公認心理師資格を持っている方もいます。矯正心理専門職は厚生労働省に定められたプログラムを履修することができま
すが、法務教官にはそれがない。
法務教官は資格として短大卒、専門学校卒の人もいて、いろいろな人たちを集めているため、こういった研修プログラムに参加することはできないそうです。
僕は知人の法務教官が大変優秀なのでちょっと残念な気がしました。そこで「一市民の声として」法務教官でも公認心理師に必要な課程を修めた学部性が入職してきた際には「ぜひ希望者は矯正心理専門職プログラムに参加できるよう」お願いしておきました。意見は今聞き届けましたという意味ですが「はい」というとても感じがいい対応です。
裁判所もそうですが、法務省矯正局もとても親身な対応をいつもしてもらっている、という印象を受けています。
ただし、公認心理師が受験した場合、法務教官にはなりやすいだろう、という印象は受けています。国家総合職人間科学区分でも法務省は10人以上を毎年採用していますので公認心理師はなんらかのアドバンテージはあると思います。ここから思い付いてこの記事を書いています。
2.公認心理師と公務員の関係
家裁調査官、法務省矯正心理専門職員は大卒後公認心理師になれることが公認心理師法第7条第2号に規定されています。
Gルートそのものは2023年に消滅します。ただし、公務員そのものは公認心理師を持っていると優遇される、または必須要件となる資格は多々あります。
以前公認心理師が誕生する前、某心理系公務員採用担当者はあっけらかんと「臨床心理士資格を生かしてうちの職場を受験したいという人間は『臨床心理士』を持っているからという理由は理由にならない。それよりもうちの職場の雰囲気はそういうものではないから、片っ端から全員面接でそういう人間は落としていた」とあっけらかんと述べていて驚きました。
(ど偉い人なのでその時反論できませんでした。)
実は僕が意外に思っているのは家庭裁判所調査官補(2年間の教育を受けて任官するまでは「補」)が7条2号施設に含まれていたことで、少子化の影響で、なのか優秀な臨床心理専攻の学生を公認心理師養成プログラムを魅力と思って受験してくれる事を願っているのでしょう。
しかしながら家庭裁判所調査官補そのものは社会学、社会福祉学、教育学、法律の専門試験を通ればなれるわけで、さまざまな人間関係諸科学の専攻者がなれることで、つまり研修を受けたからといって公認心理師の受験資格を得られない人たちも多いわけです。
保護観察所勤務者も上記施行規則Gルート実務経験者に含まれるわけですが、法務省保護局では特に公認心理師養成プログラムを作るわけではありません。
保護観察官は昔から社会学専攻者の牙城で、確かに公認心理師の実務経験プログラムを作るのには毛色は違っているような気はします。
児童相談所児童心理司は大卒でも心理区分で合格すれば無資格者でも構わないわけですが、関係団体が喧伝しているように、児童心理司の専門性を高めるため、児童心理司任用資格について、公認心理師を定めてあります。
ただ、厚生労働省はたいていにおいて臨床心理士はあまり重視していないわけで、厚生労働省の定める資格要件としては臨床心理士→公認心理師とどんどんシフトしています。
また、重大な犯罪を起こした精神科病院退院者対象の社会復帰調整官も公認心理師が精神保健福祉士、看護師などと並んでひとつの資格として認められるようになりました。
知られているようで知られていないのが学校教員も臨床心理士or公認心理師有資格者は当初から採用試験で加点される自治体もあります。
国家公務員と異なって地方公務員は自治体によってその採用基準はバラバラです。
スクールカウンセラーはその発足当初から臨床心理士関係団体が力を入れていたので臨床心理士→公認心理師とすぐには置き換わっていません。
市区町村役場で独自に採用されている心理職は従来の臨床心理士に限らず公認心理師も資格要件に加わるようになって来ています。
僕は公認心理師ブログを書いているからといって公認心理師に全ての公務員諸関係職を公認心理師にするべきだと主張するつもりはなく、各公務員の特性や実情があるので(例えば院卒者を必ず雇用するとなると予算が足りない等)それはそれでいいと思います。
3.結語
以上、公務員心理職についてざっと概観してみましたが、公認心理師を取得していれば心理、教育、福祉系の公務員に「なりやすい」という風潮にはなってきています。
資格必須の公務員以外は、学力、人柄がまず一番に重視されますが、公認心理師試験を取得するにまで至った努力というものも今後どんどん評価の対象になっていくでしょう。
とある自治体福祉職の職員は特に役所からお金を出してくれるわけでもないのに公認心理師を取れ取れという圧力があり、役所からお金が出るわけでもないのに公認心理師試験を受験したと苦笑していました。
公認心理師シフトは急激に進んでいく部分もあり、徐々に変化していく部分もありますが、公認心理師を取得するに至った努力とその熱意が公務員試験で正当に評価されるようになればいいと思っています。
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