ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

タグ:公務員

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○ 公認心理師から公務員を目指す道

1.承前・法務教官は公認心理師プログラムに参加できるか?電話照会

(以下、ブログ掲載了承済)

以前から疑問に思っていましたが法務省矯正局は公認心理師法第7条2号に決められた第7条2号に定められた公認心理師養成施設です。がさて、第5回公認心理師試験までは公認心理師法施行規則第5条17号施設として少年院が含まれているので、法務教官は含まれているのか聞いたところ、5年以上勤務しているということでGルート受験者は今まで認めてきたので、第4回、第5回も認められるだろうとのことが回答者の方から言われました。

実際、法務教官で公認心理師資格を持っている方もいます。矯正心理専門職は厚生労働省に定められたプログラムを履修することができま
すが、法務教官にはそれがない。

法務教官は資格として短大卒、専門学校卒の人もいて、いろいろな人たちを集めているため、こういった研修プログラムに参加することはできないそうです。

僕は知人の法務教官が大変優秀なのでちょっと残念な気がしました。そこで「一市民の声として」法務教官でも公認心理師に必要な課程を修めた学部性が入職してきた際には「ぜひ希望者は矯正心理専門職プログラムに参加できるよう」お願いしておきました。意見は今聞き届けましたという意味ですが「はい」というとても感じがいい対応です。

裁判所もそうですが、法務省矯正局もとても親身な対応をいつもしてもらっている、という印象を受けています。

ただし、公認心理師が受験した場合、法務教官にはなりやすいだろう、という印象は受けています。国家総合職人間科学区分でも法務省は10人以上を毎年採用していますので公認心理師はなんらかのアドバンテージはあると思います。ここから思い付いてこの記事を書いています。

2.公認心理師と公務員の関係

家裁調査官、法務省矯正心理専門職員は大卒後公認心理師になれることが公認心理師法第7条第2号に規定されています。

Gルートそのものは2023年に消滅します。ただし、公務員そのものは公認心理師を持っていると優遇される、または必須要件となる資格は多々あります。

以前公認心理師が誕生する前、某心理系公務員採用担当者はあっけらかんと「臨床心理士資格を生かしてうちの職場を受験したいという人間は『臨床心理士』を持っているからという理由は理由にならない。それよりもうちの職場の雰囲気はそういうものではないから、片っ端から全員面接でそういう人間は落としていた」とあっけらかんと述べていて驚きました。

(ど偉い人なのでその時反論できませんでした。)

実は僕が意外に思っているのは家庭裁判所調査官補(2年間の教育を受けて任官するまでは「補」)が7条2号施設に含まれていたことで、少子化の影響で、なのか優秀な臨床心理専攻の学生を公認心理師養成プログラムを魅力と思って受験してくれる事を願っているのでしょう。

しかしながら家庭裁判所調査官補そのものは社会学、社会福祉学、教育学、法律の専門試験を通ればなれるわけで、さまざまな人間関係諸科学の専攻者がなれることで、つまり研修を受けたからといって公認心理師の受験資格を得られない人たちも多いわけです。

保護観察所勤務者も上記施行規則Gルート実務経験者に含まれるわけですが、法務省保護局では特に公認心理師養成プログラムを作るわけではありません。

保護観察官は昔から社会学専攻者の牙城で、確かに公認心理師の実務経験プログラムを作るのには毛色は違っているような気はします。

児童相談所児童心理司は大卒でも心理区分で合格すれば無資格者でも構わないわけですが、関係団体が喧伝しているように、児童心理司の専門性を高めるため、児童心理司任用資格について、公認心理師を定めてあります。

ただ、厚生労働省はたいていにおいて臨床心理士はあまり重視していないわけで、厚生労働省の定める資格要件としては臨床心理士→公認心理師とどんどんシフトしています。

また、重大な犯罪を起こした精神科病院退院者対象の社会復帰調整官も公認心理師が精神保健福祉士、看護師などと並んでひとつの資格として認められるようになりました。

知られているようで知られていないのが学校教員も臨床心理士or公認心理師有資格者は当初から採用試験で加点される自治体もあります。

国家公務員と異なって地方公務員は自治体によってその採用基準はバラバラです。

スクールカウンセラーはその発足当初から臨床心理士関係団体が力を入れていたので臨床心理士→公認心理師とすぐには置き換わっていません。

市区町村役場で独自に採用されている心理職は従来の臨床心理士に限らず公認心理師も資格要件に加わるようになって来ています。

僕は公認心理師ブログを書いているからといって公認心理師に全ての公務員諸関係職を公認心理師にするべきだと主張するつもりはなく、各公務員の特性や実情があるので(例えば院卒者を必ず雇用するとなると予算が足りない等)それはそれでいいと思います。

3.結語

以上、公務員心理職についてざっと概観してみましたが、公認心理師を取得していれば心理、教育、福祉系の公務員に「なりやすい」という風潮にはなってきています。

資格必須の公務員以外は、学力、人柄がまず一番に重視されますが、公認心理師試験を取得するにまで至った努力というものも今後どんどん評価の対象になっていくでしょう。

とある自治体福祉職の職員は特に役所からお金を出してくれるわけでもないのに公認心理師を取れ取れという圧力があり、役所からお金が出るわけでもないのに公認心理師試験を受験したと苦笑していました。

公認心理師シフトは急激に進んでいく部分もあり、徐々に変化していく部分もありますが、公認心理師を取得するに至った努力とその熱意が公務員試験で正当に評価されるようになればいいと思っています。

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◯ キャリア組心理職残酷物語

霞ヶ関本省採用組のキャリアで法律、行政、政治・国際のような東大法学部か経済学部しか取らないよ、というような財務、経産省のようなところは恐ろしく激務です。

昔から離婚の◯◯省、飛び◯りの▷▽省とか、とかくキャリア組の仕事の仕方は無茶苦茶です。

本省課長ともなると指定職なので行政職俸給表を外れて民間企業で言えば黒塗りの車が迎えに来るようなトップエリートです。

この前心理と関係ない、そういったキャリア役人で心理業務に興味を持ってくれた人と話したのですが、いわく自分は東大出身でないから三流官庁にしか入れなかった(でもかなりの日本の中枢です)。

内地留学で修士、博士号を取得しつつ午前9時から午前4時まで仕事をしていたとのことでした。

彼は同じ省庁の医師が部下にいます。

行政の中枢に入ると医師が医務行政にかかわることがあるのですが、臨床を医師にやらせないのはなんと勿体ないと思います。

そのほかにも中央官庁では厚生労働省では医系技官の採用を昔からやっています。

キャリアの彼の生活を聞いていて、うわあと思ったのですが僕もやや近い生活をしていたことがあるわけで頑張って終電で帰宅して始発で職場に行く、泊まり込みも多々という数年間、あれをもう一度やれと言われてももうできません。

前置きが長くなりましたが、国家公務員総合職人間科学は法務省だけではありません。

過去人間科学分野採用実績があるのは厚生労働省、文部科学省、農林水産省、総務省、警察庁、内閣府、総務省、公安調査庁(!)です。

農林水産省は最近は採用実績がありませんが、昔内定を取った人に聞いたら農村部の社会心理学的調査をやる仕事だったそうです。

公安調査庁は昔から心理職を採用しているのですが、何なのかは恐ろしく、いつものように気軽に電話して「なんの仕事やらされるんですかあ?」と聞こうとも思いません。

さて、国家の中枢で働く人文科学職で立派な人もいますが、若いと野心ばかりが先走って空回りすることもあります。

法務省は検察官をはじめとした法曹がキャリアの中枢を占めていて、その次が法律職、人文科学職はスターダムではないけど大切な仕事です。

そこを飛び越えて検察官を打ち負かして必死になろうとしてもムダなのに頑張ろうとしてる若い人を見ると、できることをやって欲しいなあと思うわけです。

さて、中央エリートは大変だなあ、やれやれ、地方自治体は楽だからいいやと思っていると全くそんなことはありません。

人口10万人に満たない小都市でもデキる行政マンは「これよろしく」と永遠に終わらない仕事をさせられるというのは本当です。

行政キャリアは部下のキャリアが徹夜して作った分厚い資料を持ってくるとぱらぱらとめくって「うーん、もうちょっとvividな雰囲気で」と3秒ぐらいして突き返し、部下はそれから資料お直しのためにまた徹夜のデスマーチです。

こういった話を僕はクライエントさんから聞いているのではなく心理職から聞いているのです。

たまに研修会で会うと「あ、まだ生きてる」と思ってしまいます。

国家だろうが地方だろうが心理職が行政施策をしなければならず、現場を離れて企画立案をさせられると地方でも上級職だからねー、とすごいボリュームの仕事をさせられます。

臨床心理士でも公認心理師でも大学院卒上級職の能力を期待されての仕事ですからキャリア待遇ということになります。

さて、行政場面から解放されて現場で心理職がほっとできるかどうかはその現場にかかっています。

児相は報道で批判を浴びせられていますが365日24時間対応で仕事をしています。

「叩かれた子どもが泣いてる」程度だと児相は身動きが取れないのが現状です。

命が危ない子どもでも家庭内再統合を迫られるという矛盾した仕事を児童福祉司も児童心理司もしています。

専門家以外の短期研修を受けた素人行政新卒者が児相に入って来ます。

児相所長も定年間近の行政職や飛び石のひとつの石として所長業務をすることがありますので児童行政にかかわってくれるかどうか。

児童福祉司、児童心理司の専門家はいつも厳しい局面に置かれています。

心理職は採用上級が臨床心理士資格なのでそれを活用して就職することもありました。

多分これからは公認心理師にシフトしていくでしょう。

地方上級心理職は資格不要で採用する場合はもあります。

大学院卒でなくても採用してくれるので優秀な学部卒の人材が心理の現場に出てカウンセリングやテストをしています。

自治体採用で病院心理職をしていれば医療心理の仕事ができます。

別に臨床心理士や公認心理師資格は採用必須条件ではない場合が多く、心理療法士という職名で仕事をしている公務員もいます。

患者さんにとってはいいカウンセリングをして欲しい、◯◯県の職員なら信頼できる、ということで資格は二の次です。

そうやって現場で通常の心理職(は決して楽と思いませんが)をしている人もいれば修羅場のような児相の戦場で働いている心理職もいます。

そして心理で採用されて行政職の中に混じって書類仕事をしてキャリア扱いされると「できて当たり前」と思われます。

ノンキャリアから一線引かれて人間関係に溶け込むのが難しくなると仕事もやり辛くなります。

行政業務で困った時には相談できるスーパーヴァイザーもいません。

中央省庁ではみんな徹夜続きなので課長補佐クラスの40代キャリアが机に突っ伏しているとみんな可愛そうに思ってそっとしておきます。

ところがそのままお亡くなりになっていた例があると別ルートから何件か聞いたことがあるので都市伝説ではないのかもしれません。

中央でも地方でも心理職は公務員なのでとても安定しています。

新卒から心理職をしていてそのまま長く勤められれば待遇としてはとてもいい職場です。

「お金に困ったことはないんです」と研修会で言っていた公務員が一斉に白い目で見られていて「この場におけるジョイニングをしなさい」と思われていたのを見たことがあります。

公務員心理職も働いてみないと実情はわからない世界でしょう。

「いろいろな人生の選択肢がありますしこれからどうやって仕事を選んでいくか、はっきりとした答えはないんですねえ」とクライエントさんに同調している心理職は同じことを自分にも言っているのかもしれません。

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