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photo&lyric by sora (@Skylit_Blue)
きっと多くの人が、酸いも甘いも含め誰かに話を聴いてもいたいもの。わたしも然り。とかく他者との関わりをもって初めて自分というものの存在を感じることがてきるのかもしれない。時にはその関わりが煩わしく感じられたりもするんだけれど。それでもやっぱりひとは「人の間」であるべきなんだろうね。


◯ 「公認心理師の活動状況等に関する調査計画」進行中

1.序

令和2年度障害者総合福祉推進事業 として厚生労働省は一次公募を締め切り、本格的にその計画は始動しています。

令和2年度指定課題個票を見ると、1600万円の予算をつけて公認心理師の職務実態、属性、配置、活動状況、連携状態や支援内容、資質向上のために何を行っているのかについてなるべく多くの母数を取ってWEB調査を行うということになっています。

公認心理師制度は発足後5年後に制度の見直しを行うということで、そのための調査でもあるということです。

さて官費がしっかりとつく研究で、何を調査するのか、その調査項目は列挙されているのですが、実際にはこの調査結果を何に活用するのか考えてみました。

2.活用可能性

⑴ 活動状況を見て各種保険点数等領域拡大への提言を行う

これは公認心理師制度全体については大変ありがたいことで、現在公認心理師の介入によっめ保険点数化されているものが円滑に動いていれば、さらに保険点数を上げていくということが期待できます。

⑵ 公認心理師活動領域の拡大

これも公認心理師にとってはありがたい話で、採用条件がどんどん公認心理師に一本化されていくと活躍の場は増えます。

しかし、⑴、⑵の場合両方に共通しているのですが臨床心理士資格はどうなるの?ということです。今は臨床心理士が臨床心理技術者として働いていますが経過措置が外れると公認心理師のみに保険点数は一本化されます。

実習先の指導者もそれは同じです。社会復帰調整官や児童心理司の採用も公認心理師に一本化していくかもしれません。この調査結果は多分そのような形で報告がまとめられそうな気がしています。

⑶ 試験出題配分ブループリント・カリキュラム再検討

各分野でどれだけ公認心理師が実働して働いているかによって、試験配分が変わる可能性はあるかもしれません。

公認心理師法、基礎心理学、医学分野は変わらなくても活動の比率が少ない場合には調整して出題を少なくするかもしれない、ということです。全く変わらないということも十分あり得ます。五領域を満遍なく学ぶべきという考えからです。

同様の理由で大学、大学院におけるプログラム変更の可能性もあるかもしれません。

⑷ 受験資格

当初の予定から、Gルート受験は経過措置なので。5回だけと定められていました。これは見直してGルートを5回目以降に残すということはないと思います。怖いのは、5領域だけを重視するあまり私設開業領域がないがしろにされてしまうのではないかと恐れているのです。活動領域と活動内容を精査することによって、Gルート受験資格を厳しく絞り込むかもしれません。

⑸ 試験レベル

これについては相変わらず第2回試験と変わらないものと思われます。試験レベルを同一にしておかないと試験としての同一性が保たれないからです。

⑹ 倫理

これは僕の希望的な見通しです。これまできちんと制定されていなかった倫理についてきちんと定義されるといいなと思います。

⑺ 主治の医師の指示

同上です。

3.結語

この長時間計画は、公認心理師制度推進室が問合わせ先となっていています。今後公認心理師制度を定着させていくためのプランの布石となることは間違いないと思われます。また公認心理師アゲ臨床心理士サゲという記事になってしまうだろうということは考えていたのですが、国家資格に心理職がシフトしていく中での過渡期の調査研究ととらえていいと思います。